信解品(しんげほん)     関連語句 窮子の譬
『法華経』信解品第四のことで、『正法華経』巻三・信楽品第四にあたる。
 三周説法の第二・譬説周の領解を説く品で、仏の説法は説かれていない。譬喩品第三の火宅の譬えを聞いた四大声聞(須菩提・迦栴延・迦葉・目連)は、開三顕一の仏意を領解し喜悦した旨を次のように仏に告白した。
 「自分たちは小乗の涅槃に満足し、さらなる仏の覚悟を求めようとしなかったが、ただいま声聞にも成仏が記別が与えられるさまを見て無上に歓喜し、思いがけず求めざるに無量の珍宝を得た」と。そして、摩訶迦葉が代表してその了解の旨を述べたのが、法華七喩の一・窮子の譬えである。『祈祷抄』〔17326〕に経文が引かれている。