序品 (じょほん)     関連語句 
『法華経』序品第一のことで、『正法華経』巻1・光瑞品第一にあたる。本品は『法華経』全体の総序であり、また迹門十四品の序分である。『法華経』は釈尊が中インド・摩訶陀国の王舎城の近郊にある耆闍崛山(霊鷲山)で説かれたが、その会座には一万二千の阿羅漢、二千の声聞、六千の比丘尼、八万の菩薩、梵天・帝釈等の天竜八部衆などの大衆が集った。仏は先に『無量義経』を説き終わって無量義処三昧にあったが、天より華が降り大地が震動したので、大衆は喜びの内に仏を拝していた。
その時に仏は眉間より光を放って東方万八千の国土を照らし出し、その中に六道の衆生や菩薩修行、諸仏の涅槃などを映し出した。この奇瑞を見た大衆はこれが何の前兆であるかと疑問に思い、その因縁を弥勒が大衆を代表して文殊に質問した。文殊は昔、無量無辺不可思議阿僧祗劫という過去世で見た日月灯明仏の説法化導を説いて、その時も今と同じ瑞相があったことを示して、今日の釈尊も必ず『法華経』を説くであろうと答えた。この文殊と弥勒の問答の中に、久遠師弟の義が示唆され、『法華経』説法が諸仏の儀式である旨が述べられている。
『断簡追加U』〔40243〕などに言及されている。