法性  (ほっしょう ) 関連語句 

 梵語・ダルマターの訳で、諸法の真実なる本性の意。仏教の真理を示す語の一つで、真如・実相・法界などの異名として用いられる。諸法における現象的な差別相を超えた普遍的な絶対平等の本性で、不改不変の常住の真理をいう。また、存在の本性(自性)の意や、空の意、悟りの意としても用いられる。『五眼六識等事』〔40084〕に引かれる『菩薩処胎経』の文中などに記されている。
 法の体性の意、すなわち諸法の真実如常なる本性をいう。
 『雑阿含経巻30』に、「如来出世するも及び出世せざるも法性は常住なり。彼の如来は自ら知りて等正覚を成じ、顕現し演説し分別し開示す」と云えり。これ如来は自ら法性を覚知して等正覚を成ぜられたることを説けるものなり。
 『大智度論巻32』に、「諸法の如に二種あり、一には各各相、二には実相なり。各各相とは地の堅相、水の湿相、火の熱相、風の動相の如し。かくの如き等、諸法を分別するに各自ら相あり。実相とは各各相の中に於いて分別して実を求むるに、不可得不可破にして諸の過失なし。自相空の中に説くが如く、地もし実にこれ堅相ならば、何を以っての故に膠蝋等は火と会する時その自性を捨て、神通あるの人は地に入ること水の如くなるや。また木石を分散すれば則ち堅相を失し、また地を破して以って微塵となし、方を以って塵を破せば終に空に帰してまた堅相を失す。かくの如く推求するに地相は則ち不可得なり。もし不可得ならばそれ実に皆空なり、空は則ちこれ地の実相なり。一切の別相も皆またかくの如し、これを名づけて如となす。法性とは前に各各法空と説くが如き、空に差品有るこれを如となし、同じく一空となすこれを法性となす。この法性にまた二種あり、一には無著の心を用って諸法を分別するに各自ら性あるが故なり、二には無量の法に名づく、謂わゆる諸法の実相なり。(中略)また次ぎに、水の性は下流するが故に、海に会帰して合して一味となるが如く、諸法もまたかくの如く、一切の総相別相は皆法性に帰して同じく一相となる。これを法性と名づく」と云えり。
 これ諸法に各各相と実相との二種あり、堅等の各各の相はこれを推求するに則ち不可得なり、不可得ならばそれ実に皆空なるが故に、空を諸法の実相となすことを説き、就中、空に差品有るを如と名づけ、総相別相同じく皆一空に帰するを法性と名づくることを明にせるなり。《望月仏教大辞典・取要》