MY ストリングベンダー物語

 小さい頃、カントリー系の音楽はあまり好きでなっかたものです。ブルーグラスのフィドルの音、カントリー&ウエスタンにおけるヨーデルの声、あの個性的な歌声、ペダルスティールの音、良く言えばゆったりとした、あったかい、ほんのりとした。悪く言えばしまりの無い、メリハリの無い、そんな音が好きでなかったように思います。それにみな同じような曲に聞えたものです。
 カントリーロックという名前が聞かれるようになってから好きになっていったような気がします。それからブルーグラスも好きになり、目いっぱいギターのソロが入った曲は良い悪い無しに聞くようになりました。ドック ワトソンやチェット アトキンス等を聞きなれた耳にクラレンス ホワイトの弾くフレーズは新鮮に聞えました。フォークロックとか、ブルースも好きだった耳には何の違和感も無かったのです。
 バーズに加入してからのクラレンスには特に注目しました。なぜって大好きなフォークロックという分野にいたバーズにブルーグラッサーが入ったのですから。メンバーのクリスヒルマンもブルーグラッサーだったのに、ブルーグラスには進まず、カントリーロックという分野に突き進んでいきました。バーズと同じ頃にデビューアルバムを出したタートルズとはボブディラン系という出発点は同じだったのに、進む方向がかなり異なっていたように思われます。それはバーズにとって良いことだったのか否かは迷うところです。なぜなら当時タートルズのほうが全米でのヒットは多かったように記憶していますから。
 私としては両者とも大好きでしたが、当然クラレンスがギタリストでクレジットに載っていたバーズのほうが、自分に合っているように思い、LPは全て集めました。その中でクラレンスがストリングベンダーという装置を使っていることは、ライナーノーツで知っていましたが、当時実物を見たことはありませんし、どのフレーズがベンダーを使用しているかわかりませんでした。
そんな中1981年東海楽器がEBベンダー、とBベンダーを発売すると発表がありました。どうせ買うならEBベンダーを、バインディングにメキシコ貝を入れてと特注のベンダーを注文しました。それから約半年 82年4月にようやく手にすることが出来ました。それに屋久杉でピックガードを自作して現在の形になっています。
 その間、東海楽器は私にオリジナルベンダーを取り付けたテレキャスターを約4ヶ月間貸してくれました。それを売って欲しいと言いましたが、丁重に断られました。
 83年、市内の楽器屋でなんと東海楽器のBベンダーが一日3,000円ずつ下がっていくセールに出ているではありませんか。もちろん借りていたものとは違いますが。ついに50,000円まで下がった時に購入しました。当時はテレキャスターは人気が無かったんですね。
多分30,000円くらいまでは大丈夫と思いましたが、もしものこともありますので手を打ちました。
 それから時が経ち、徳武弘文が雑誌にヒップショットのことを書いていました。すぐさまヒップショットを買い、99年までそのまま所有していました。安物のテレキャスターモデルに取り付けようかと思い立ち、楽器屋へ行ったのが運の尽き。シンラインを買う羽目になり、それに取り付けました。
 それからナッシュビルBベンダーも買い、徳武弘文モデルも買って、さあホームページでも作ろうかと思い立ちました。
初めてストリングベンダーを買ってからやせ20年が過ぎ去りました。いまだにストリングベンダーは新鮮です。
それにカントリーリックはすごく進歩したように思います。今なら若い人達にも振り返ってもらえるような気がします。