Magic でのカードへのサインに関する記事に多くのご意見を頂きましたので、もう少し掘り下げてみようかと思います。
私が前回記事で主張したのは「欧米では Magic のサインドとして取り引きされるのは、イラストレーターとガーフィールド氏のサインが大部分だ。それに対して日本では代理店が自社出版物で仕立てた有名人のサインドが珍重され、しかも欧米では考えられない高額で取り引きされている。これでは我々が代理店のパックの価格設定を批判できなくなるし、 Magic の文化としての定着もあり得ないのではないか?。」という主旨です。少なくとも記事の中では、自分が好きな有名人やプレイヤーのサインを求めたり保有する事自体に私は何らの異議も唱えていません。ただ私は同時に「どうも日本ではサインドが投機の対象になっている。」あるいは「日本には自分のサインドを自ら売りに出すような人もいる。そういう人のサインドを有り難がるのはいよいよおかしくないか?」という主旨の事は書きました。ダメ出しの方で実名が出たりしてしまいましたが (^^; 日本では特にその某漫画家の方のサインドが随分と高額で売買されているようです。オークション等でもその方のサインドが競売にかけられる機会が随分とある気がします。実はこれに関しては、その方自身がサインをされる際の様子をうちの掲示板で語って下さった事があります。内容を要約すると「自分のサインドが投機目的に売買されている事は知っている。だから自分はサインに日付や相手のお名前を書こうとするのだが、そうすると『やめてくれ!』と言われてしまう。今後は気を付ける。」という事になるのですが、しかしその割にはその後もこの方のサインドは随分と市場に出回っています。このお話をさせて頂いたのは一昨年の12月なのですが、実際にはそれ以降もこの方のサインドは随分な量が市場に出回っています。またあまり良くない噂も出回っていて、そのうち幾つかに関しては複数の方の目撃情報があったりします。(これに関しては裏付けが取れていないので内容は伏せます。)
今回皆さんに考えて頂きたいのは「なぜ自分はサインをもらうのか?」という事です。実はイラストレーターやガーフィールド氏のサインは、そのファンの手元に届くように多めにもらうという雰囲気が欧米の Magic にはあります。バイヤーはイベント等で自分の所有カードにそれこそびっちりサインをもらい、それを元々のカード代金+手数料程度の値段で流します。そういう文化が定着しているから欧米では基本的にサインが気軽に行えるのです。(私が伺っている限りでは、イベント会場でサインの枚数に制限があるのは日本だけかも知れません。)これに対して日本では、サインドがかなり過大評価されています。基本地形のサインドが数千円で競売にかけられていた事例も実際見ましたし、我々の価値観では100円程度のカードが、サインドになった途端に「5000円からスタート!」なんて事例は珍しくないのです。こうなるとサインをする方も怖くてサインなんかできない気がします。
私に言わせると、こういう状況を見て「こいつら投機目的にサインもらってるな!」と思わない方が不思議なのです。しかもサインをもらう人の決して少なくない割合の人が、自分の名前や日付がサインに入るのを嫌う。これは明らかに変です。たとえサインをもらったその時はずっと自分で持っているつもりでも、それで将来的な転売(投機)を考えていないなんて普通思わないです。もし私がネネさんに直接サインをもらう機会があったとしたら、時間が許すなら絶対に自分の名前は書いてもらいますがね。だってそんな大事なカードを人に譲る気なんて全くないもん。いや、死んだって渡しませんよ(笑)。
確かにそういう投機目的でサインをもらう人は一部なのかも知れません。しかしそういう人が零ではない以上、我々は“李下に冠を正さず”という姿勢でサインドと向き合う必要があると思います。私はそれを言っただけです。確かに言い方はきつかったかも知れませんが、でもここまで書かないと皆さんから反応が無いのです。多分多くの方が私の記事で不愉快な思いをしたでしょう。でもそれはむしろこちらが意図した部分なのです。そこまでやって話題にしないと皆さん真剣に考えて下さらない、それは私が今までやってきた活動で私が得た経験則なのです。
極端な話、私が書いた内容が気に食わないのであれば、この話題から私を外して下さって一向に構いません。でもせっかくこういう機会ができたのですから、別のサイトや掲示板で良いので“日本人のサインドへの向き合い方”を真剣に考えてみて下さい。(これに関しては Magez.com の掲示板の使用をお勧めします。あそこはかなり利用者が多いので、ここ以上に色々な意見が聞けると思います。)こういう部分で日本の Magic は世界に大きく遅れています。やってる事は前時代的だし投機的なのです。少なくとも Magic におけるサインドは“自分が好きなイラストレーター(+ガーフィールド氏)のサインを皆が手軽に持つ”事を目的にしています。でも日本のシステムはそうなっていないのです。
それでは次に“日本人のサイン”に関して、更なる批判を覚悟で私の意見を書いてみます。現在日本の Magic 界で“有名人”と言われている人は、その大部分が代理店の雑誌で名前が売れた方々です。佐竹雅昭氏は元々K−1ファイターなのでこの範囲には入りませんが、しかし残りの方々(イラストレーターや漫画家の方々も含む)は、その大部分が主にHJの出版物の中で顔や名前が知れていて、そのかなりの割合が他のチャンネルでの露出がない状況です。昔GP名古屋に遊びに行った時に、それこそHJの出版物で良く登場されるある方が会場に現れた際にごく一部の観衆しか騒がなかったという現場を目撃しています。要するに“HJの雑誌を読んでいないと知らない有名人”が日本の Magic には多いのです。私は「そういう人のサインを有り難がるのはいかがな物か?」と思っています。その程度で有名人と騒がれるならば、HJはものの半年位で有名人を幾らでもでっち上げる事が可能になるからです。
自分が知っている人のサインを直接もらいに行ったり知り合いに頼んでもらうのはともかく、シングルカードの相場から見てキ○ガイかと思えるような価格で買うのは気が変だとしか思えない、要はそういう事です。「自分が好きでやってるのだから良いじゃねえか。」と言われるかも知れませんが、そういう行為は具体的に人に迷惑をかけているのです。投機目的でサインをもらう行列ができると、本当にその人のファンで数少ない機会にサインをもらおうとしている人がサインをもらえないケースが増えます。何よりもサインをするご本人の風評までが低下する訳で、さっきも書いたようにこれでは怖くてサインなんかできないのです。
そして私は同時に「日本の Magic にも“スター選手”を作るべきだ!」と言ってきています。その人のサインをそれこそ Magic に携わる人達全員が欲しがるような人が日本に現れるべきなのです。ただ日本ではちょっと、先程書いたローカルな有名人のサインドがあまりに出回りすぎています。しかもその値段はバカみたいに高い。こういう事が日本で行われている限り、日本の Magic がそこまでハイレベルな物になる事は到底期待できないのです。
私個人の印象を言うと、日本(の Magic 業界人)にはその人のサインドを有り難がって集めたくなるような人がいないのです。これに関しては「いや、いる。僕は実際集めてるし。」という方の行為を否定する物ではありません。ただこの件に関しては、少なくとも私の周囲にいるデュエリストの大部分と意見が一致しています。私は単にそれを文章にして発表しただけに過ぎない訳で、それで批判を受ける事には流石に承伏しかねます。というか、自分の意見に対する賛同者が相当数いるという自信が無ければ、私だってここまで大胆な意見は発表できないです。
私は Magic のコレクターを応援しています。当然これにはサインドのコレクションも含まれる訳ですが、しかし私は(日本の有名人の)サインド収集はこれとはかなり趣が異なると考えています。その理由は単純明快で「そういうコレクションが世界レベルで認知されるとは到底思えないから。」という事です。イラストレーターのサインドやガーフィールド氏のサインドは、その価値が大部分のデュエリストに認知されています。ですから「僕はイラストレーターとガーフィールド氏のサインドを集めています。」と言えば「そりゃ凄い、頑張ってね。」になるのです。しかし「僕は日本の有名人のサインドを集めてるんだ。」と言ったところで「え!?、そんな人いたっけ?」と言われて終わりです。これは別に日本だけの話という訳ではなくて、実際世界的に見てもトーナメント・プレイヤー等のサインドは収集されている形跡が見られません。(日本国内で外国のプレイヤーのサインドを集めている方がいらっしゃった記憶がありますが。)もし収集していたとしても、それをおおっぴらに公言する事には意味がない気もします。ですから万が一萌え道にそういう登録依頼があったとしても、多分私は丁重にお断りすると思います。
コレクションというのは“自己満足”から始まるのです。しかし本当の意味で他人をうならせる物にするには、そこから飛び出して誰をも納得させるラインナップにする必要があります。枚数を稼いだり言語コンプリートをしたり、サインドや原画を欲しがったりするのはそういう動機からです。でも日本の有名人のサインドがそういうレベルの物になり得るでしょうか?。だって日本のデュエリストの中でさえ、代理店の雑誌で登場している有名人はそれ程広く認知されている気がしないです。ましてやそういう人達のサインドを「こりゃ凄いや!」という人は、少なくとも私の知り合いの中ではほぼ皆無です。
日本の有名人のサインドを有り難がるのはその人の自由です。でも「そんなの何が有り難いのかサッパリ分からない。」と言う私の意見を批判されても困るのです。だってそう思ってる物はしょうがないじゃん(笑)。一部の Magic 関係者が私のようなコレクターに理解を示さないのと同じで、私もそういうサインドを集める人の心情は全く理解できません。また理解しろと言われても無理ですし、理解したいとも思いません。その位そういう方と私では住んでいる次元が違いすぎるのです。
私が書く記事を読むと気が付くかと思うのですが、こういうのって自分の主張を強くアピールした方が勝ちなのです。私が「そんなに日本の有名人のサインドが有り難いと思うなら、画像を公開して反応を見てみたら?」と書いた理由はこれです。日本の有名人のサインドを皆に有り難いと思わせたいなら、有り難がるように運動を起こせばいいのです。そういう手間を惜しんで手近にいる私1人の意見を変えさせようとしても無理ですよ。私がこういう面において頑固なのはもう皆さんご存知でしょう?(笑)。ちなみにカードの画像公開にはWoCが一定のガイドラインを設けています。ただ“ Magic を盛り上げるため”という意図がコンテンツ内から伝われば、多少大きめの画像を公開してもWoCは怒らないと思いますよ。(少なくともうちは黙認して頂いているようですし。 (^^; )そうだなあ、こういう言い方をすると良いでしょうか。私としては皆さんに「日本の Magic に関わる有名人の知名度が上がって、そういうサインドが多くの人達から羨ましがられる環境を日本に生み出してみて下さい。その時きっと日本の Magic は世界レベルの物に成長しているでしょう。」と言いたいです。ただそのためには、今現在日本に存在する“サインドに関する悪しき慣習”を改める必要があるでしょう。少なくともサインをされる方には細心の注意を払って頂きたいですし、またもらう側も「自分がそのサインを欲しいのか否か?」を見て行動して頂きたいです。
という事で、私自身のサインドに対する姿勢をここで書いてみます。私は基本的に“ signed by NeNe Thomas ”または“ signed by Rebecca Guay ”のカードにしか興味がありません。他の方のサインドが手に入ると、そのイラストレーターのファンの方を捕まえて入手した価格と同額で転売してしまいます。というか、日本広しと言えど signed by NeNe Thomas のカードを無料で(しかも送料まで負担して)配ったのって私位だと思いますが。少なくとも私は同じネネさんファンにできるだけ多くサインドが渡るように精一杯の事をしてきた人間です。そういう人間(のサインドに関する意見)に文句を言うのであれば、文句を言う側もそれなりの事をしてから言ってもらいたい物ですな(笑)。
前に日記で書いたかと思うのですが、私は田中としひさ氏が描いたセラ天のイラストをずっと欲していました。少し前にそれ(=平地にサインとして描かれた物)をある方から頂いたのですが、今はお世話になっている Magic 販売店に展示してもらっています。また私が持っている Aysen Crusader(HL) のサインドは2枚とも画像を公開していますが、それらはすべて「こういうカードは他にも欲しい人がいるだろうから、できるだけ多くの人に見てもらえるようにしよう。」と考えての事です。私はサインドはデュエリスト共通の宝だと思っています。だからこそサインドを安易に金儲けの道具としか考えない人、そして軽く考え軽く扱う人が許せないのです。そして万が一そういう人間が Magic の業界関係者(あるいは有名人と言われている人)の中にいるとしたら、私は折りある毎にこの手の批判をぶち上げ続けるでしょう。