Illusionary Mask(AL-UL) とは Magic の初期に登場したアーティファクトです。意外と知られていないのですが、その能力やカードイラストのユニークさから一部のデュエリストには高い人気を誇っています。その能力ですが・・・
Illusionary Mask
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Artifact
X: Play the next creature spell with converted mana cost no greater than X you play this turn face down without paying its mana cost, though additional costs are paid. If the face-down creature deals damage, receives damage, or becomes tapped, turn it face up.(2001.2.14時点の最新のORACLEより抜粋。)・・・となっています。本来ORACLEは日本語に訳すべき物ではないのですが、この能力のテキストをあえて日本語訳してみると・・・
X:あなたがこのターンにプレーする、点数で見たマナコストがX以下の次のクリーチャー呪文は、そのマナコストを支払う事なく(ただし追加コストは支払って)裏向きにプレーする。裏向きのクリーチャーがダメージを与えるか、ダメージを受けるか、タップ状態になった場合、それを表向きにする。 (あいせん個人による私訳)・・・となります。要するにこのアーティファクトは“クリーチャーの正体を隠して場に出す”ための物です。例えば普通にマナコストを払って場にクリーチャーを伏せて出しても、そのコストからおおよそ類推されてしまう可能性があります。しかし Illusionary Mask を使うと使用するマナの色を特定されないですし、なおかつコストをあえて多めに払う事で相手の目を誤魔化す事もできます。マナコストが0のクリーチャーをあえて9マナも使って呼ぶ、そういうフェイントも可能なのです。
どうです、この能力を聞いただけで「このカード面白そうだぞ。」「使ってみたいな。」という人は少なくないと思うのです。ましてや実物を見てみると分かるのですが、このカードはイラストがまた何とも味があるんだわ。まあ機会があれば是非とも実物をご確認下さい。
では更に Illusionary Mask に関する見識を深めるために、CRSを紐解いてみましょう。何しろこのカードはCRSにも面白い記述が満載で、これを読むと更に「うわ、このカード欲しい!」と思われる事必至です。1.クリーチャーを表にするタイミング
Illusionary Mask の能力により何体かのクリーチャーが場に出た後に Illusionary Mask が場を離れた場合、伏せられたクリーチャーはその瞬間にすべて表向きになる訳ではありません。ORACLEの記述にある通り「ダメージを与えるか、ダメージを受けるか、タップ状態になった場合」にのみ表向きにされます。2.カウンターについて
Illusionary Mask と Spell Blast(AL-6E/TE) の関係で面白いルールがあります。 Illusionary Mask によってプレーされたクリーチャー呪文を Spell Blast でカウンターしようとした場合、 Spell Blast のマナコストとして支払うXは“そのカウンターしようとするクリーチャーのマナコストを正確に当てないと駄目”なんだそうです。そうなると実質的に Spell Blast によるカウンターは不可能という事になるでしょう。3.伏せられたクリーチャーカードの確認
場に伏せられたクリーチャーカードは“コントローラーのみ”随時見る事ができます。4.伏せられたクリーチャーを対象にした呪文や能力について
Illusionary Mask によって伏せられたクリーチャーは“それがクリーチャーである”事のみ分かっています。従って取りあえず場にいるすべてのクリーチャーに対して、クリーチャーを対象とする呪文や能力をプレーする事ができます。ところが、その呪文や能力の解決時に“真実”が明らかになります。例えば黒いクリーチャーに Terror(AL-6E) を唱えていた、あるいは呪文や能力の対象にならないクリーチャーを Tradewind Rider(TE) で手札に戻そうとした、それが分かるのは解決時です。で、そこで呪文や能力の対象が不適切だった場合、その呪文や能力は巻き戻されるのではなくフィズります。しかもその際対戦相手やジャッジからは一切理由の説明はありません。(それを説明するとクリーチャーが特定される可能性がありますし、何よりもそれを求めるルール上の根拠が無いのです。)
実は Illusionary Mask に関しては、上記の他にもルール上語るべき項目があるのですが、それは後程という事で、まずは Illusionary Mask を使ってみましょう。Illusionary Mask はヴィンテージ( Type-I と Type-I.5 )なら問題なくデッキに4枚投入できます。ただ、正直言うとそんなに安いカードではないので、お試し程度なら代理カード使用可のヴィンテージのイベントを開かれると良いでしょう。
Illusionary Mask の能力は、結果として“クリーチャーのマナコストを無色化する”事ができます。要するに単色のデッキですべての色マナを必要とするクリーチャーを召喚できるのです。実はこの効果だけでも Illusionary Mask を使うメリットはそれなりにあります。まあこういった能力を持つアーティファクトには、他には North Star(LE) といった物があるのですが(以下略)。また“ブロックが難しいクリーチャー”と“相手にブロックして欲しくないクリーチャー”を混ぜるという手もあります。実はクリーチャーの戦闘も先程の呪文や効果の適用と同じで“真実が分かるのは解決時”なのです。例えば自分のクリーチャーを攻撃してもタップしないようにして、普通のクリーチャーと飛行やシャドー付きのクリーチャーを同時に攻撃させます。万が一対戦相手が飛行やシャドー付きの方を(その能力を持たない)クリーチャーでブロックした場合、ブロッククリーチャーの割り当て終了後「あ、そのクリーチャーはブロッカーとして不適切なので戦闘除外して下さい。」となります。当然その後にブロッククリーチャーを再度割り当てる事はできませんし、その場合“ブロックした(された)”という事実も残りません。つまり結果的に全部素通しになる可能性もあるのです。ただし、当然攻撃が通ってプレイヤーにダメージが届けばクリーチャーは(ダメージを与えた訳ですから)表向きにされます。
ここで注意点を1つ。 Illusionary Mask の効果で場に出せるのは“クリーチャーまたはアーティファクトクリーチャーの呪文”のみです。何らかの効果で場に出た時始めてクリーチャーになる呪文はこの能力では場に出せません。
ここでは Illusionary Mask と組み合わせると楽しいカードをご紹介します。オーソドックスに言うと“攻撃してもタップしない”クリーチャーが良い感じです。 Serra's Blessing(WE/6E) 等を使ってやっても面白いでしょう。ここに飛行やシャドー、あるいはプロテクションを持っているクリーチャー等を組み合わせると、対戦相手はこちらのクリーチャーの攻撃をかなりブロックしにくくなります。散々迷ってブロックをしなかったら Ophidian(WE) で1枚ドロー(当然 Ophidian は裏返しのまま)、それで次に来たのをブロックしたら Goblin Swine-Rider(VI) だった。そういう事もあり得ます。
また“呪文や能力の対象にならない”クリーチャーや“タップで呪文を打ち消すといった特殊能力を持つ”クリーチャーを混ぜる事で、対戦相手をかなり混乱させる事ができます。1体を狙って除去しようとしたら「フィズって下さい。」と言われ、仕方ないのでリセット呪文を唱えたら「カウンターします。」では、対戦相手は何もできなくなってお手上げ状態になります。
しかし・・・ここまでの話はまだ序の口というか準備体操でしかありません。この後 Illusionary Mask の真の恐怖があなたを襲うのです。
Magic には「クリーチャー・トークンとしてゲームに無関係な Magic のカードを使用する事ができる。」というルールがあります。デッキやサイドボードのカードではない Magic のカードを、クリーチャー・トークンとして使う事はルールで認められています。当然その場合裏向きで出す事には何の問題もありません。・・・はい、もう分かりましたね。例えば場に出た時にトークン・クリーチャーを連れて出るクリーチャーを Illusionary Mask によって出すと、見かけ上突然場に数体のクリーチャーが現れるのです。しかも対戦相手から「これはカードですか?、トークンですか?。」と聞かれても、こちらは説明をする義務は一切ありません。当然 Illusionary Mask によって場に出されたクリーチャーは表向きにされるケースがある訳ですが、トークン・クリーチャーにはそれもありません。しかもCRSでは「場に出ているクリーチャー&トークンは混ぜて良い。」となっています。つまり途中で混ぜて対戦相手を混乱させても構わないのです。
追記:上記の件に関してご指摘を頂き、現在の汎用トーナメントルールではデッキのカードと混同する可能性のあるカード(スリーブ無しあるいはデッキと同じスリーブに入ったカード)はトークン等の目印としては使えないそうです。ただしこれはあくまで公認大会での話ですが。 (^^;
そして更にややこしいのが“場に存在するクリーチャーをコピーするカード”を使う場合です。当然宣言は必要なので、例えばアップキープ時に「このターン、このクリーチャーはこれになります。」とか宣言されるのですが、両方とも伏せられていると何が何をコピーしたのか全く分かりません。ましてや Unstable Shapeshifter(TE) や Volrath's Shapeshifter(ST) なんかが場にいる場合はその宣言すら不要な訳で、もう何が何だか訳が分かりません。どの位訳が分からないか、そりゃコントローラー自身が「今この人何だっけ?」と泣きを入れる位です。
どうです、なぜ一部のヴィンテージなデュエリストが「マスクマスク」と大騒ぎするか、その理由がお分かり頂けたでしょうか?。特に Type-I プレイヤーになると、1度は手に入れて使ってみたいカードの1つではないかと思います。なお、多分このカードに関しては“語り部”が大勢現れると思われるので、特に後世に残すべき“頭の悪い使い方”については随時追記として記事に追加させて頂きます。
万が一対戦相手が Illusionary Mask を使ってくる事が分かっていてどうしても対策したい。そういう場合に最も有効なのは「パーマネントリーにクリーチャーにダメージを与えたりクリーチャーをタップする仕掛けを用意する。」事だと思います。例えば Pestilence(AL-6E/US) や Flood(DK/4E-5E) 等がその代表例になるでしょうか。Illusionary Mask を使ったデッキは、回り始めると本気で手が付けられなくなります。かといって Illusionary Mask だけを警戒していると、その他のクリーチャー等で場を制圧された後で・・・という感じです。
さて、実際に Illusionary Mask を大会に投入する場合ですが、是非とも自分の横に専属ジャッジを付ける事をお勧めします。プレイヤー同士だとどうしても判定が・・・という不安もありますし、何よりもプレーしている本人がどれが何だったか忘れかねないので。という事で、このカードを使いそうな参加者がいる大会では、間違ってもジャッジはやらない方が賢明です。とは言っても、実際少なくとも福井ではこのカードは実戦レベルで投入されているカードなので、 Type-I のイベントを開くと避けて通れないカードなのですが。
今のところ Goblin Bomb(WE) / Ashnod's Coupon(UG) / Ring of Ma'Ruf(AN) / Shahrazad(AN) の中から選んで書く予定です。でも Goblin Bomb って何書くんだ?。 (^^;