Invasion 発売を機に、日本の M:tG に“風”が吹き始めています。最近 M:tG 関連の掲示板で「 Invasion でデュエリストが戻り始めている。」という報告が見られるようになりました。特にウルザサイクル辺りで M:tG に嫌気が差して離れた人達が、そのウルザサイクルの Standard 落ち& Invasion の発売(その収録カードの内容)を見て、再び M:tG を始めようとショップに戻ってきた、そういう事のようです。実際この事を裏付ける事件が私の周囲でもありました。先日やはりウルザサイクルを契機に M:tG を止めてしまったある女性デュエリストとお会いしたのですが、彼女が Invasion のカードリストを見て「これは面白そうだから・・・」と再び M:tG を再開されたのです。
「 Invasion って The Dark の頃の M:tG の復刻だ。」そういう意見があります。そう言われて The Dark のカードリストを見ると、確かに Invasion に収録された物と似たような能力のカードを幾つか見かけます。私は The Dark 発売当時はまだ M:tG を知らなかったのですが、ちょうどその頃は Brassman 氏辺りが「米国に面白いカードゲームがある。」と言って名古屋辺りにまで買いに行き、福井でも広めるべく色々と始めていた頃だと思います。そう考えるとWoCが Invasion にどういう効果を期待しているかが、ちょっとだけ伺い知れるような気が私はしています。
さて、話はちょっと変わりますが、人間は失敗に学ぶ生き物です。我々は1度やってしまった失敗に学び、それを活かす事で現在の文明を構築してきました。しかし同時に人間は気を付けなければ同じ失敗を何度でも繰り返す生き物でもあります。まあ私がこの後何が言いたいか、もうお分かりですね。
日本の M:tG は、ウルザサイクル発売時に大きな失敗を経験しています。せっかく4Eやミラージュサイクル等で M:tG を始めたデュエリストの多くを、それに続くラースサイクルとウルザサイクルの発売を機に失っているのです。特にそういう意味でのウルザサイクルの破壊力には凄まじい物がありました。確かにウルザサイクルは“デュエルで勝利する”という視点に立った場合、まさしく最強のカードセットです。ですからそういう方面にしか M:tG の楽しみを見出していないデュエリストを中心に売れ、確かに M:tG への新規参入者を多く生み出したようです。しかしその結果日本の M:tG はどうなったか・・・今更書く話でもないでしょう。
はっきり言ってしまうと、今後 M:tG がウルザサイクルでの失敗を繰り返さないという保証はどこにもありません。そしてもしそうなってしまった時、我々は再び今までの歴史を繰り返すのでしょうか?。いや、それは多分無理です。1度 M:tG を見限った人達が Invasion を機に戻って来てくれた。でもそういう人達を再び M:tG が裏切ったとしたら、多分もう“次”はないのです。ましてや日本の M:tG は“ Standard の競技 M:tG ”に傾倒し切っています。そんな中でせっかく戻ってきたデュエリスト達を再び M:tG に定着させるのは、実はかなり大変な事だったりします。少なくとも“彼らの望む M:tG はそんな所にはない”からです。
ではどうすればいいのか?、その結論そのものはそんなに難しい話ではありません。ウルザサイクルで M:tG を離れたデュエリストは、多分それ以前の基本セットやエキスパンションのカードを多く持っています。これと Invasion を組み合わせた遊び方を提案してあげるだけで、事態は大きく好転するはずなのです。旧来のデュエリストは確かに Invasion に大きな興味を持つでしょうが、しかし以前に買った所有カードだって遊びたいのです。そしてそれが可能になったとすれば、彼らが M:tG に復帰する事への大きなきっかけになるはずです。
これに関しては Extended や Type-I といったフォーマットがありますが、例えば“ Invasion +別のエキスパンション1つを使った構築デッキ戦”というのも考えられます。(要は拡張エキスパンション構築戦の応用です。)こういうフォーマットを販売店辺りが提案/実行していけば、販売店側も Invasion の拡販+絶版カードによる収益アップといった効果が期待できます。というか、そろそろ販売店さんも Standard や Limited だけに頼る体質を改めましょうよ。デュエリストの決して少なくない割合の人達が、そんな負担の大きな遊び辛い M:tG なんか求めちゃいない訳ですし。
また同じ Standard というフォーマットを推進するにしろ、実は工夫次第でいくらでも面白いイベントは開催できます。例えば京都市の某店では「自店のイベントで最初に Coalition Victory(IN) でデュエルを勝利し、最後までドロップアウトしなかった参加者には Invasion 1BOXを進呈!」という企画を実施されているそうです。私はこれを伺って「やると面白いだろうとは思っていたけど、実際実行に移す販売店があるのは素晴らしい事だ。」と感じました。従来の日本の M:tG (特に Standard )に欠けていたのは、多分こういう発想なのです。日本人デュエリストの中でも Standard を推進される方って、とにかく“競技”に拘ろうとする上に Standard 以外のフォーマットを見ちゃいないのです。言ってしまうと“頭が固い”という感じかな。でも実際には今、DCIのポイントに関しては Standard だけのレーティング・カテゴリーは存在しないのです。その上今度のGP京都もPT東京予選もフォーマットは Extended なのです。つまりWoCもDCIも口を揃えて「絶版カードも遊んでよ。」と言っているのです。それなのになぜ相変わらず一部の人達は Standard による競技 M:tG に拘り続けるのか、私にはやや理解しがたい物があります。
あと個人的に思うのですが、なんでHJは Japan Classic の火を自ら消しちゃったですかねぇ?。実は Invasion って物凄く Japan Classic 向きなエキスパンションだという気が私はしているのです。禁止カードを Type-I + Extended 準拠にしてしまえば、多分特定のデッキが我が物顔で暴れ回る事も少ないはずです。個人的には4E辺りと Invasion が同時に使えるフォーマットって、何だかドキドキしてしまうのですが。 (^^; これに関して私なりに結論を出してしまうと「所詮 Japan Classic は月刊GAMEぎゃざを売るための口実なので、その効果が無いと分かればあっという間に切り捨てるに決まっている。」という事になるのです。そういう意味では提案する時期が1年ほど早すぎたという感じかな。こういう物ってその場の思い付きとか勢いでやっても、決してうまくはいかないのです(笑)。
以前の記事で私は「日本で M:tG がブームになる芽はもう無くなった。」と書きました。しかし私はこの一文を Invasion 発売により撤回せざるを得なくなりました。「この M:tG ならいける!」そういう雰囲気は私の周囲のデュエリスト達の中からも強く感じられます。しかし M:tG そのものがこれだけ劇的に変わった(正確には“昔に戻った”訳ですが)のに、それを売ったり遊んだりする側の発想や姿勢が従来のままでは結局何も変わらないのです。今 M:tG には間違いなく“風”が吹き始めています。それをいかに強い追い風にして“日本の M:tG 丸”を力強く進めていくか。そういう意味では今、日本で M:tG に携わる人達全員の力が試されているのです。これは Invasion 雑感で書いた一文ですが、もう1度これを書いてこの記事の締めとします。
WoCはやるべき事をやりました。
あとは我々売る側&遊ぶ側の仕事なのです。