ここでは総括記事(第1部〜第6部)の公開以降に頂いた反響を踏まえ、私なりに考えた内容を加えて列記していきます。
私は基本的に、ことデュエリストに関しては“男性か女性かは気にしない”ようにしています。最近学校や職場でのセクハラが話題になっていますが、そういう話題の中で女性の方々が口にするのは「自分達を男性と同じように扱って欲しい。」という意見です。異性だと思うから特別な目で見てしまう、異性だと思うから変な言動をしたり嫌がられる行動をしてしまう。だからそういう意識を無くせばそういう問題も起きない、簡単に言うとそういう事になるのだと思います。実際にはかなり難しい問題なのですがね。
私自身、本当に偶然ですが女性を1人 M:tG の世界に引き込んだ事があります。彼女は一時期かなり活発に M:tG に取り組んでくれていて、ある意味で私が福井での M:tG 普及に取り組む際の支えにすらなってくれていました。ただそれはあくまで“福井での M:tG (イベント)普及を願う1デュエリストとして”であり、そういう部分では他の仲間と特別な違いはありませんでした。それは彼女も同じだったと思います。ちなみに彼女は M:tG 自体はやめてしまいましたが、今でも掲示板には時々顔を出してくれています。
さて、実は日本の中にもそれなりの数の女性デュエリストがいて、東京辺りでは女性デュエリストだけのイベントも定期開催されているようです。ですが M:tG 関連のWebサイトでは、今でも時々「 M:tG にもっと女性プレイヤー欲しいよね。」とか「女性デュエリストと知り合いになりたいなぁ。」といった声が聞かれます。でも皆さんに伺いたいのですが、そういう意見って“その相手のためを思って”発せられた物ですか?。言い方を変えると「 M:tG を始めれば、女性も男性と全く変わらずに楽しめる。それなのになぜ M:tG を始める女性って少ないのだろう?」と言い切れるのか?、という事です。ひょっとして「いつもデュエルルームの中が男ばかりで殺風景だ。1人位女性プレイヤーがいてくれれば華やかになって面白いのに。」あるいは「デュエルルームにアベックで行くと目立つし格好いいよなぁ。」という感じで、自分の利益だけを見て発言をされてはいないでしょうか?。またそういう意見を書く方に伺いたいのですが、そういうあなたは“女性デュエリストが気持ちよく M:tG を始める&続けるための配慮”をされているでしょうか?。そういう配慮が日本の M:tG にあるのであれば、もうちょっと女性が M:tG に定着していてもいいんじゃないかな?、という気が私はしています。
私が何人かの女性デュエリストに伺った範囲で書くと、やはり「女性が M:tG を始めたり続けたりするのは辛いかも。」という意見でほぼ皆さん一致しています。これはこういったネットの世界でも言える事ですが、女性が希少な世界ってどうしても女性に対して特別視してしまい、それ故に更に女性が入り込みにくい雰囲気を作り出してしまうのです。これはさしずめ“スーパー等での対面販売”に似ています。対面販売でお客さんの足を止めるのって、最初の1人〜2人が物凄く難しいのです。ただ1度そこで“人だかり”を作る事ができれば、あとは人が人を呼び・・・という連鎖を生み出す事ができます。そして今 M:tG は、女性客の足を止めるために四苦八苦しているがあまりうまくいっていない、そういう状況なのです。更に言うと、せっかく足を止めた1人〜2人のお客さんに対して「やった、お客さんが来てくれた!」とか言って凝視すれば、間違いなくそのお客さんは逃げてしまうのです。
そういう知識や経験から、最近私は女性デュエリストに関しては“その方の様子や出方を良く見る”事にしています。 (^^; 向こうが普通に接してくる時には他のデュエリストと何ら変わらない態度で接しますが、万が一向こうが“女性である事を武器に何か求めてきた”場合には、それに応じた接し方をします(笑)。例えばトレードの相談をする場面なんかでは、そういう状況によくなります。私がトレード等に関して女性に甘いのは周囲の方々は周知の事実なのですが (^^; ただそういう態度はあくまで、相手の方が“自分が女性である事を強調してきた”場合に限って見せる事にしています。こういう書き方をすると女性の方に怒られるかも知れませんが、女性が“自分が女性である”事を前面に押し出して交渉事を進めようとして、それを相手の男性に無視されると、それが原因で機嫌を損ねられるケースがあるようです。 (^^; 実は私は過去にそれをやってしまい、元同僚の女性とかなり険悪な仲になってしまったという失敗をしているもので(汗)。
今回の総括記事公開を機に、改めて何人かの方から「なぜ日本では絶版カードが遊べないんだろう?」という素朴な疑問を頂きました。皆さん口を揃えて“多くの日本人デュエリスト達が Standard のみを喜々として遊び続ける”今の日本の M:tG に疑問を投げかけます。そういうご意見に対して私は「そういう疑問を持つ事、それが本来は正しい姿でしょう。」というお返事を返しています。日本の M:tG 販売店は、その多くがサービスやサポートをHJ/DCIJに依存しています。情報提供はHJ発行の雑誌や出版物任せ、またイベントもHJまたはDCIJの開く大きな大会を告知するのみ、そういう販売店は少なくないはずです。ただそのHJはとにかく日本人に Standard を遊ばせようとしますから、おのずと日本人デュエリスト全体が Standard に偏重するという結果を招いている訳です。
私は記事に「例えば受験等で M:tG を中断した人が復帰するのに、今の M:tG ってあまりにも環境が厳しすぎる。」と書きました。それに対して今回、実際にそういう形で M:tG との付き合い方の決断を迫られた方からメールを頂きました。「久しぶりに引っぱり出したカードを調べてみたら、2/3以上のカードが Standard から外れている。自分には M:tG を再開する意志はあるのだけど、正直言ってどうして良いのか分からない。」そういう事例は多分日本では数多く起きていて、そしてこれが間違いなく“ M:tG 離れ”を引き起こしているのです。
そして大変申し訳ないと思うのですが、私にはそういった方々に対する適切なアドバイスができないのです。理想を言ってしまうと「行き付けのデュエルルームで絶版カードを遊ぶフォーマットを普及させちゃう。何なら自分でイベントを主催して1度人口を増やせば、あとは自然に賑やかになるでしょう。絶版カードの処遇については多分みんな悩んでいるので、誰かがそういう動きを起こしてくれるのを待っているはずなのです。」となります。でもね、1個人にここまでのモティベイションを要求する遊びが定着すると思いますか?。それは無理です。実際に私も今現在、これだけ参加者が定着したイベントを3ヶ月に1度開催するだけでも大変なのです。それを参加者集めからスタートしろ、そう言われて実行できる人って世の中にどの位いるのか・・・。
個人のリソースや能力には限界があり、そして代理店は何もしてくれない(笑)。じゃあどうすればいいのかと言うと“販売店さんの頑張りとサポート”が鍵になるのです。例えばデュエルルーム設置店が絶版カードを遊べるフォーマットの普及を店内に掲示し、ちょっとしたイベントを開いてくれるだけで事態は大きく変わります。また販売店がそういう形で後押ししてくれるとなれば、個人も動きやすいのです。実際幾つかの地域からは、こういう形でのイベント開催が成功している事例を伺っています。またそういうイベントの成功で売上を伸ばしている販売店もあるようなので、イベント開催やサポート実施のメリット(セールスポイント)をまとめて行き付けの販売店を突っついてみる、そういうアプローチ法は有効な気がします。ちなみに言うと、そういうアプローチの際にうち(= Echizen Gather-ru)の記事を利用して頂くのは何ら問題ありませんし、むしろ大歓迎です。
ただこういう話って、その方が置かれている M:tG に纏わる事情毎に対応が変わってきます。ですから私個人としては「もしご自分が M:tG を続ける&再開する事に障害を感じたら、“駄目元”で1度メールで私に相談して欲しい。」と考えています。DCI公認大会を開きたいけど近くに公認ショップがない、昔買った絶版カードを改めて遊んでみたいけど近くのデュエルルームは Standard しか遊んでいない、そういった個別の事情をご相談頂ければできるだけのアドバイス&サポートをしたいと思います。あ、これについては販売店さんからのご相談もお待ちしております(笑)。
上の記事ともちょっと関連するのですが、頂いたご意見の中に「なぜ M:tG を続けるのが辛いと感じるのかについて、もうちょっと突っ込んだ考察があっても良いのでは?」という物を頂きました。昔知り合いのおもちゃ屋の店長が「実はおもちゃって景気の良い/悪いにはあまり影響を受けないのです。人は趣味の世界に突っ込む予算にはあまり糸目を付けないみたいで・・・。」という事をおっしゃっていました。実際日本がこれだけ不景気だと言われている中で、TCG全体の市場は縮小するどころか物凄い勢いで広がっている印象があります。そして人はその趣味の世界では、それこそ数万円〜数十万円という予算を平気で動かします。車なんか趣味にして内装や足周り、あるいはオーディオに凝っちゃったりすると、それこそ費やす予算は天井知らずの鰻登りって感じになります。 (^^; それでも人は喜々として趣味にお金を注ぎ込み、そのために働いているという人も珍しくありません。
はっきり言ってしまうと、 M:tG は中学生〜高校生辺りが遊ぶ趣味としては決して安い部類には入りません。確かに一見するとTVゲーム辺りと比べるとそんなに変わりない投資額になります。ただどうでしょう、同じ予算を投資した時の“見返り”という点で、最近の M:tG は他の趣味に比べてかなり劣っている印象が私にはあります。
TVゲームはちゃんと吟味して買えば、1本で数週間〜数ヶ月は遊べます。自宅で1人で遊んだり、大勢の友達とワイワイ楽しむ事も可能でしょう。また有名ゲームとなるとその話題で学校の友達と盛り上がったりして、そういう部分も含めて“楽しめる要素”はふんだんにあります。そして適当に遊び終わったら知り合いか中古屋さんにでも売れば、また次のゲームを買う資金の足しにできます。
では M:tG はどうでしょう。少なくとも今、デュエリストの多くは家で M:tG を1人で楽しむ事ができません。(正確に言うと“できていません”かな。)昔は“デッキ構築”という大きな楽しみがあってそれが可能だったのですが、その楽しみは“誰かさん”に奪われてしまいましたので。 :-P 更にデュエルルームに行ってもデュエルが無条件に面白い訳でもありません。対戦相手が揃いも揃って同じデッキで、しかも満足に回せやしない・・・。ああ、これもさっき書いた“誰かさん”のせいですねぇ。で、買ったカードはごく一部が現金化するものの、そのほとんどが2年でゴミ。まあそんな感じです。
こういう状況で「 M:tG は投資に見合うだけの楽しみがある。」なんて、私にはとてもじゃないですが言えません。というか、これって「 M:tG を売っている組織が自ら M:tG の商品価値(コスト・パフォーマンス)を悪くしている。」という状況になっていませんか?。流石にこれには「君の会社がお客に不親切なのは承知しているが、流石に“限度”って物があるだろう!」と言わざるを得ないです。見方を変えると「こんな売られ方でよく日本の M:tG ってここまで売れたよなぁ。」という気さえします。
こうなってしまった物は、今更もうどうしようもありません。でもこんな状態、絶対に長くは続かないですよ!。
日本の M:tG 界にも、いわゆる“軍人さん”と呼ばれる方々がいらっしゃいます。私は自分の書く記事の中で、日本の軍人さん達に対してはかなりきつい事を書いています。それは私個人が「軍人さんって、日本での M:tG 普及やそのレベルアップに大した貢献をしていないのではないか?」と考えていたからです。ここで“考えている”ではなく“考えていた”と書いたのがミソで、最近私のその意識は徐々に変わりつつあります。それは今回の総括記事公開を機に、ちゃんとした志を持って M:tG に取り組んでいる軍人さん(正確には“軍人を目指している方”なのですが、私個人はこの方の M:tG への取り組みは、既に軍人と呼んで構わないだろうと思っています。)とコミュニケーションを取る機会を得る事ができたからです。
ただ、そういった軍人(+予備軍)の皆さんの環境は、決して良好な物とは言えないようです。欧米のように M:tG のプレイヤーにスポンサーが付く訳ではないので、彼らは M:tG に投資する資金を含めた生活の糧を何らかの方法で稼ぎ出さなければいけません。それは時として M:tG とは何の関係もない仕事だったりしますから、彼らはその仕事と M:tG を両立させなければいけないのです。他に仕事を持ちながら M:tG での自分自身のレベルアップのための作業をして、所属するチームや地元のデュエリストの面倒を見て、場合によっては地元でのイベント開催などもしなければいけない。そして遠征。これははっきり言ってかなりの激務でしょう。
私は自分の書いた記事の中で、これに加えて“日本の M:tG をより良くするためのロビー活動”とか“全国的に M:tG が広まるための普及活動”を彼らに期待しています。それができるかできないかと言われれば、多分そういった実状を伺ってしまった現状では「多分無理なんだろう。」と言わざるを得ません。でも一方で私は「それでもやって欲しい。」とも思っていたりします。それは何よりも“今皆さんがやっている苦労を後進にさせないため”なのです。実際囲碁や将棋の世界では、トップに君臨するプロ達はそれをやっているのです。
今、日本の M:tG って“ M:tG だけで飯が食えない”→“ M:tG に自らの全力を傾注できない”→“ロビー活動等によるインフラ整備が疎かになるため環境が良くならない”→“いよいよ M:tG だけで飯が食えない”という悪循環に陥っています。このままではこの循環は永久に改善しないでしょうし、やがては多分“誰も競技 M:tG を志さなくなる”という形での終焉を迎えるのです。外国の情報にのみ頼ったデッキを使ってデュエルルームで初心者虐めをして悦に入っているデュエリスト、そんな人達のみが生き残るような M:tG になってしまう危険性すらあります。「それでいいんですか?」これが私の意見です。
あと私が軍人さん達に対して良い印象を持っていなかった理由の1つに、私が ぎゃざる 開設以来受け続けてきた処遇というか中傷があります。そういった内容ってその多くが“日本の M:tG に関する有名人のお膝元”から発信されているため、それで私個人はその発信元となった有名人自身に対しても悪い印象を持っていた訳です。ただ今回色々と話をした結論として「そういう場で“軍人”を名乗る(あるいは気取る)方にも色々いらっしゃる。」という事を認識できました。本当の意味で軍人と言える位 M:tG を志した方もいれば、それなりに名前は売れているが中身は大した事のない方、そして他人の威光を借りて匿名で悪口を書くだけの厨房まで、色々な方がいるのです。そして私に取って何よりも収穫だったのは「ちゃんと話のできる軍人さんも大勢いらっしゃるんだ。」という事が分かった事です。私自身は、この事が分かっただけで「今回の総括記事公開は成功だった。」という結論を出してもいい位なのです。
正直言うと私自身、この ぎゃざる に頂いた反響の一部に“日本の M:tG そのものに失望させられる反応”を頂いた経緯があり、かなり M:tG に対して投げやりになっている部分があったのです。ただ今回頂いた反響の中に、そういう私の意識をもう1度 M:tG に向けてくれたというか、取り組みを奮い立たせてくれるような物があった訳です。それはここ最近公開している記事の数にも現れているでしょう?。
今回の総括記事の中でもコピーデッキに関して何度か触れましたが、やはり予想通り幾つかの反響を頂きました。その中でちょっと触れないといけないと感じたのが「デッキが作れる(デッキを作る)デュエリストだけが偉い訳ではない。」という話です。皆様ご存知の通り、あのジョン・フィンケル氏は優勝あるいは上位入賞した大会に“完全オリジナルなデッキで出場している訳ではない”という事実があります。今年の全米選手権や世界選手権で優勝した際のデッキには正直言って驚かされましたが、それは「こんなデッキ知らなかった。」という驚きではなく「よくこんなデッキで出たなぁ。」という驚きでした(笑)。確かにこのデッキはそれなりに強いだろう、でも今こういうデッキが流行っている時期にこれですか?。まあそんな感じです。要するにあの方は“他のプレイヤーのメタ・ゲームを完全に外した”事で優勝している訳です。
ですから「だったら俺がそのフィンケル氏の使ったデッキを真似て大会に出ても文句はあるまい。」という論理に関して、私は流石に疑問を持たざるを得ません。あなたが今真似ようとしているデッキは、あくまで“どこかの大会で優勝したデッキ”であって“今度の大会でより確実に勝てるデッキ”ではないのです。あなたはそのデッキの使用を決める際、今度参加を予定している大会のデッキ傾向の分析(予想)をしましたか?。現在情報が公開されているすべてのデッキ・レシピを吟味し、その中から最善のデッキを選択しましたか?。そして更に、あなたはそのデッキでのプレイングを徹底的に練習し、想定される対戦相手(デッキ)とのスパーリング経験を積みましたか?。多分あなたとフィンケル氏の違いはここにあります。だからフィンケル氏は世界選手権で勝てるのに、あなたは同じデッキを使いながら地元の公認大会で勝てないのです。
そしてもう1つ「日本人デュエリストのデッキは誰が作っているのか?」という話があります。欧米の M:tG チームでは、デッキ構築とプレイングを別の人が担当しているケースが珍しくありません。実は欧米には“デッキ・レシピを売る商売”という物が存在し、それなりに続いているようです。しかし日本ではとにかく“実際に大会に出て勝つプレイヤー”に脚光が浴びせられるのですが、そういったデッキ構築に関してはまるで関心が無い印象があります。
HJの出版物を見ても“自分でデッキを発想する方法”に関してはほとんど触れていません。私はあれって「記事を書いている人間がそれを知らないから書けないのだろう。」と思っているのですが (^^; Webサイト等を含めても、とにかく日本にはデッキの発想に関する情報がありません。でもこのまま日本人が誰もデッキを作ろうとしなければ、いよいよ日本人って自分でデッキが作れなくなっちゃう気がするのですが。
前々から書いているように、どうも日本人のデッキ情報に対する接し方って欧米とは異なる気がします。欧米のデュエリストはそういう情報を“対戦相手が使ってきそうなデッキの羅列”と捉え、いかにその裏をかくかを考えます。そして時にはその情報の中から最適なデッキをチョイスしたり、適当な物が見つからなければ自分で作ったりします。でも日本人ってデッキ情報を“教科書”と考え、とにかくその中で一番実績のある物を使いたがります。ただ本来こういう状況になると、欧米型の発想ができるデュエリストに取ってその大会は“他の参加者全員がカモ”なのです(笑)。だって参加者の半分以上が補充で残りがレベルウィニー、こんな大会普通勝てない方が変なのです。 (^^; 実際今年の日本選手権では、事前の予想を覆して上位2名が青単だったはずです。私個人はあの結果を拝見して「ああ、日本の M:tG もトップは結構ちゃんとやってるんだな。」と感じました。本来 M:tG ってそんな物なのですよ。
そういう形で本当の意味での競技 M:tG を極めようと思ったら、単にデッキ・レシピを見てそれを真似するだけでは到底駄目なのです。そのデッキ・レシピをすべて丸暗記してデッキの動作原理(注意すべきキーカード)を理解する。自分でポリシーを持って使うデッキを選定し、そのプレイングを徹底的に極めてサイドボードを決める。そこまでやらなければ駄目なのです。そして最適なデッキを見つけられなければ自分でデザインする(あるいはグループの仲間にデザインしてもらう)事も必要になります。現在日本で口だけ競技 M:tG を志している方は大勢いらっしゃいます。でもそこまでやっている競技 M:tG プレイヤーって、そのうちの何割位なのですかね?。今年の日本選手権で上位に入賞された方々は、やはりそこまでの事をやって結果を残されていると思うのですが。
少し前から“インフラ(社会基盤)”という言葉がよく聞かれるようになりましたが、実は M:tG の世界ではこのインフラ整備がかなり遅れている、私はそういう印象を持っています。(なお、ここでの“インフラ”という言葉は“日本で M:tG を広める&快適に遊ぶために必要な環境全般(カード/場所/イベント/情報 etc. )”と定義します。)このテーマは“HJの怠慢ぶり”といった形で何度か話題にしているのですが (^^; 今回改めて書いてみます。こういったインフラは“休日に誰かと M:tG を遊びたい”“DCI公認大会に出たい&DCI公認大会を開きたい”“競技 M:tG を極めてこの道に人生を賭けたい (^^; ”といった、 M:tG に関するすべてのニーズに密接に関係しています。そういう意味で実は福井市という地域は、このインフラがそれなりに充実した地域だったりするのですが、でも福井市から一歩出ると(同じ福井県内でも)途端に環境は劣悪になります。取りあえずDCI公認大会を開こうにも、DCI公式認定ショップが車で1時間走ったところにしかない、そういう環境下で M:tG を頑張っているデュエリストも少なくないのです。
そして私に言わせると、HJの出す出版物ってこの“インフラの整備”にはあまり貢献していない気がします(笑)。その1つの実例として“デッキ情報の紹介の仕方”があります。GAMEぎゃざにどこかの大会で優勝したデッキのレシピが掲載される頃って、既に世の中は“そのデッキをいかに潰すか?”に躍起になっていてある程度結論が出つつある時期です。その頃に今更ながら「このデッキは強いぜぇ〜!」という記事を載せるのって、極端な話を言うと“既にそのデッキを遊び尽くした方々をトレードで有利にする”位の効果しか持っていない気がするのです。「もう補充も飽きたなぁ。誰か引き取ってくれないだろうか?」と思っているところに「この雑誌のデッキ作りたいので、誰か補充出して下さい!」となれば、当然どちらがトレードで優位に立つかは見えています。それでなくても両者には情報の格差があって日頃から優劣がはっきりしているのに、それに何もダメを押す事はないと思うのですが。 (^^; 本来インフラという物は“強者にも弱者にも平等に利益をもたらす物”であるべきなのに、HJが提供するそれは“強者になればなるほどより多くの利益を得られる物”にしかなっていないのです。(ちなみに私はこれに関して「意図的にそうしてるのでは?」と感じる部分すらあります。)
また特に“世界レベルで競技 M:tG を極める”事に関して、日本のインフラはほとんど整備されていません。プロツアーの旅費はその大部分が参加者の個人負担、国内では賞金の出る大きなイベントはほとんど無くて、出る賞金は・・・(あれ?、この賞金額って公開されていないと思うのですが、どなたか正確な情報をお持ちでしょうか?)。あと細かい話ですが、そういった世界戦の日本語版の速報って今は個人レベルでやっている状況ですし、また日本からの代表を日本人デュエリスト全体で応援しようという風潮というか雰囲気も今はありません。おまけにデュエリストが M:tG で生計を立てるにはかなり環境が厳しく、ショップ経営で生計を立てるには並行輸入カードに手を出すしかない(爆)。流石にこういう状況を目の当たりにしちゃうと・・・ねぇ。 (^^; これじゃあ後進のデュエリストに夢を与えられない(=競技 M:tG が育たない)だろう、私はそう思うのですが皆様いかがなものでしょう?。
あと総括記事に頂いた反響の中に「日本のデッキ情報が Sideboard Online 辺りに紹介されないのは、日本の M:tG レベルの問題ではなくてインフラの問題なのではないか?」というご指摘を頂きました。簡単に言ってしまうと「他国のディストリビューターはちゃんと仕事をしているのに、日本のディストリビューターは仕事をしていない。」まあそういう事です(笑)。その辺の真相は私には分からないですが、少なくともそういう部分で“日本の M:tG は何かにつけて遅れている”事だけは間違いないと思いますが。
私はこのインフラ整備に関して「日本の競技 M:tG プレイヤーがもっと声を上げるべきだ。」と何度も言ってきています。ただ日本の競技 M:tG プレイヤーが置かれている環境といった物を垣間見るにつけ、最近私は「日本の競技 M:tG プレイヤーにそれを言うのは酷ではないか?」とも思い始めています。特に日本での M:tG 普及を本気で志している軍人さん達は、既にできる範囲で精一杯の事をやっていらっしゃると思うのです。あと日本の競技プレイヤーってその収入源をHJに依存している部分があったりするので、そうなると尚更文句が言いにくいのだと思われます。
ただ欧米のプレイヤーって、日本人プレイヤーよりも安くカードを買い、日本人プレイヤーよりも手厚いサポートを受け、そして日本人プレイヤーよりも恵まれた環境で M:tG を楽しんでいます。それで日本人プレイヤーに「欧米のプレイヤーを越えろ!」と言ったって、そりゃ無理でしょう(爆)。そんなのスポーツ選手に1銭の金も出さずに「オリンピックで勝って来い。」「国の名誉のために行くんだ、報奨金なんか必要ない!」とか時代錯誤の戯言を唱えるおっさんと、やってる事のレベルが変わらないですよ。 (^^; 「日本人に M:tG で世界一になって欲しい。」そう思うのであれば、やる事(やるべき事)をやってからそういう発言をして欲しいです。また自分は何もしないのであれば、せめてそういった形で日本のプレイヤーを煽るのは止めて頂きたいです。それじゃあ育つ物も育たないですよ。
先日HJから発売された“日本選手権TOP100デッキ(タイトルうろ覚え (^^; )”を拝見しました。見る前から想像はしていたのですが、何ですかあれは?。白デッキのカテゴリーの中に補充デッキが12、レベルウィニーが4、そしてそれ以外は無かったような(笑)。(数に関しては記憶が不正確かも知れませんが。)実際に日本選手権の上位に食い込んだデッキはそういう結果だったのかも知れませんが、でも同じデッキのレシピをそんなに並べられたって、そんなの有り難くも何ともないでしょう。ましてやそれを有料で買わされた方は・・・という感じです。それと夏休みに開催された“全国高等学校 M:tG 選手権”ですか。参加138校のうち関東勢以外は僅か12校でうち半分が静岡勢。最も遠いと思われる参加校は岩手の1校と大阪の1校かな。これを“全国”と銘打って開催するのはかなり無理があるし、JAROに怒られますよ(笑)。私は企画を見た段階で「これ・・・企画に無理があるよなぁ。」と書いたと思うのですが、実際その通りの結果になったようです。大体大阪辺りから参加すると、優勝して鉄人チームに勝ったところで参加に必要な費用がペイできるかどうか怪しいですし。 (^^;
こういった物に対してHJって、外部の人間の意見に関してはほとんど聞く耳を持っていないようです。もうこれに関しては私も諦めているのでどうでもいいのですが、でも「内部の人間がそういう現状によく疑問を持たないよなぁ?」というのが、私には不思議でしょうがないのです。もし私がHJの中でそういった書籍の編集、あるいはイベントの企画決定に携わる立場にいたとしたら、間違いなく「これ・・・企画に無理があるから再考しませんか?」と上司に提案すると思います。それで上司がゴリ押しするならわたしはそれ以上何も言いませんが、多分その日のうちに辞表を書いて上司のデスクに叩き付けているでしょう。「こんな購入者(参加者)に不親切な会社のやり方が長続きする訳がない。」私ならそう思いますが。
HJという会社にそういう“社員が有益な提案をどんどん出して上司がそれを積極的に採用するような活発さ”があるのであれば、流石にHJという会社のアウトプットが“この程度のレベル”に留まる訳がないし、HJという会社がデュエリストの間で“そういう風評”を得ている訳もないと思います。こういう書き方をすると怒られるかも知れませんが、私や私の仲間は「HJには日本での M:tG 普及を真剣に志している社員など1人もいないのでは?」と思っています。いたらもうちょっと違った結果が出ているだろう、少なくとも私はそう思うのですが。私が記事で書いているような内容って、この業界にそれなりに長くいれば誰だって気が付きそうな事だと私は思っています。ただまあこういう話って、志のない方には何を言っても“馬の耳におだぶつ”でしかないのですが(笑)。