私は兼ねてから“現状のDCI公認大会”に関して様々な意見を書いてきました。私は基本的に現状のDCI公認大会には批判的な立場にいるのですが、しかしDCI公認大会を軸とした競技 M:tG そのものの存在を否定したつもりはありませんし、むしろその推進自体には賛成だったりします。
私が現状のDCI公認大会に批判的な最大の理由、それはズバリ「HJがそれを推進している理由が自社の利益追求でしかないから。」そして「その推進が結果的に M:tG 人口の増加に結び付いていないから。」に他なりません。M:tG の本国である米国では、現在DCI公認大会と言っても様々な選択肢があります。FNM(フライデーナイトマジック)のように開催に関する要件が軽い(K値=8で最低8名の参加で開催可能)上に参加者への恩恵が厚い(上位入賞者は市場価格=数10$相当のカードがもらえる)物から、それこそK値が32以上で上位入賞者に高額な賞金が授与される、本当の意味で競技と呼べるであろう物まで様々です。こういった大会の開催には統括組織であるDCIの頑張りが必要不可欠なのですが、DCIは例えばインターネットを利用したDCI公認大会の申請/報告事務の合理化などを行い、そういった(多分膨大な数の)公認大会の開催をサポートしています。
それに対して、日本のDCIJが実施しているDCI公認大会は何とも中途半端です。現在個人あるいは公認ショップで開催するDCI公認大会のK値は、基本的に16と決められています。しかし実はこれって公認ジャッジがいなくても開催できる(=競技 M:tG と呼べるかどうかは疑問の残る)レベルでしかありません。しかもHJはこれを“世界を目指すための登竜門”といったイメージでふれ込み、全国で開催させている訳です。それ故参加者側や主催者側にはDCI公認大会に対する“認識のズレ”が起こっていて、時々見られるような「こんなのお遊びレベルだからガチガチの競技として捉えるのはいかがな物か?」「いやあくまで競技だから何でもありだ!」といった論議を生み出す元凶にもなっているのです。なおあくまで個人的な意見として付け加えるならば、大会主催者が M:tG を楽しむ事を目的に開催しているDCI公認大会に、その主旨に合わない参加者が「いやこれは競技なんだから何でもありだ!」とゴリ押しで参加を強行するのはいかがな物かと私は思っています。また「そういうイベントは非公認でやれ!」もおかしな話です。それで主催者側が「そういう事ならもうDCI公認大会は一切開かない!」と言い出したら、結局困るのはその参加を強行した(=そこまでしてポイントやランキングに拘る)方々自身だと私は思うのですが。実際福井では、私のような自称“日本一DCI公認大会が嫌いな人間”が実際には公認大会の企画/運営をしていて、私が止めてしまったらほぼ福井県内の公認大会開催の動きは止まってしまうような状態なのです。
しかもHJ/DCIJは二言目には「DCI公認大会を開こう!」「 M:tG やるなら公認大会に出るしか!」等と煽る割に、実際にそれを開催した&それに参加したデュエリストに対する“ご褒美”をほとんど提供しようとしません。これに関してHJは「大会の公正さを期すため。」と説明していますが、でも“全部の公認大会に同じように賞品を出す”なら公正さは保てますよね?。しかもHJは自分達が開催するイベントに関しては、参加者から(他の遊びから見ると)かなり高額なイベント参加費を徴収し、それで会場費+経費をペイしようとしています。我々のような個人(あるいは販売店)単位で開催するイベント関係者の多くが「できるだけ参加費を抑えてみんなが参加しやすいようにしよう。」とあれこれ頭を捻り、場合によっては主催者が自腹を切って埋め合わせまでするのに、HJ/DCIJにはその姿勢が見られないのです。
私は別に「無理にでもイベントで赤字を出して参加者にサービスしろ!」と言っている訳ではありません。ただ例えばアクエリアンエイジはメーカーであるブロッコリーがそれをやっています。アクエリアンエイジの公認大会では、ブロッコリーからは想定される参加人数分のスコアシートまでコピーされて送られてくるので、大会主催者は事前の準備がほとんど不要だったりするのです。主催者が負担するのは申請のために送るFAXの通信費と、事後処理の書類を送るための郵便代だけです。それで参加賞とか賞品が一通り送られてくるのですから、 M:tG と比べると随分な違いを感じます。なお、この意見に対して「 M:tG とアクエリを比較する事には意味が無い!」とおっしゃるのなら、どうぞご自分で両方のイベントを主催してみて下さい。ちなみに私は M:tG イベント主催者の苦労を知らない(あるいは知ろうとしない)方からの、この内容に関するご意見には一切聞く耳を持ちません。
あと日本で M:tG が発売されてもう4年以上になるのに、未だにHJ主催のイベントにスポンサーが付かない(= M:tG のプロ競技化に目途が立たない)という現状を皆さんはどう思われますか?。ただまあHJ/DCIJがそういう次元にまで日本の M:tG をレベルアップさせようと志しているとは私には到底思えないのですが。彼らは雑誌などの自社出版物で競技 M:tG (プレイヤー)を煽るだけ煽って、そのくせ自分達は(最低限の事務処理を除いて)何もしていないのです。それで「日本の M:tG を世界レベルに!」なんて、ちゃんちゃらおかしすぎて・・・という感じです。はっきり言ってしまうと「日本のDCI公認大会が“この程度”だから日本の M:tG のレベルが“この程度”に留まっている。」私はそう考えています。言い方を変えると“ M:tG で飯を食っている人間”あるいは“日本での M:tG 普及に責任を感じて取り組んでいる人間”が日本にはほとんど皆無なのです。このキーワードで私の頭の中に浮かぶのは、今のところ中村聡氏ただ1人のみだったりします。
これに関しては、福井在住の某公認ジャッジ(M氏)の経験談をご紹介するのが一番手っ取り早いかと思われます。この話には少なくとも“福井という地方都市でのDCI公認大会の歴史”が凝縮されていますので。M氏は一時期“個人主催で”DCI公認大会を積極的に開催されていました。しかしM氏が開催した大会の中にDCIのランキングに反映されていない大会があり、しかもその事がイベント主催者に通知されないという事が何度かありました。実は私自身も参加した Type-I と Extended の大会の戦績のうち、約半分の成績がランキングに反映されていなかったりします。ですから私は一時期「公認大会の成績って“50%の無作為抽出”でランキングに載るんじゃないの?」などと冗談を言っていた位なのです(笑・・・っていいのか? (^^; )。書類の不備でランキングに反映されなかったのであれば、せめて大会主催者にその旨連絡が無いと大会主催者の信用問題に発展したりして、色々と困る事になると思うのですが・・・。
そしてそんな事が何度かあってM氏がDCIJへの不信感を募らせていた時、ついに“その日”を迎えます。大会の当日になっても公認大会の書類が届かないためDCIJに連絡したところ「書類に不備があったため公認は通らなかった。」と言われたのです。聞くと今まで書いていた書類の書き方が実は間違っていて、今回はそれで公認を通さなかったというのです。「今まで通っていたのに今更なぜ?」と聞くと「今までの担当がずぼらだったので・・・」という回答が返って来たそうです。また「じゃあなぜ事前に連絡してくれなかったのか?」といった質問に対しては「うちも人手不足なので・・・」等という言い訳がましい返事。流石にこの時点でM氏はブチ切れ「もういいです。」と電話を切ったそうです。結局M氏はその日の大会参加者に公認が通らなかった旨を謝罪し、そのまま一般イベントとして大会を開催した訳です。
この話に関してDCIJの対応を擁護する台詞はいくらでも存在します。「本当に人手不足だったのだろうから仕方ない。」「書類に不備があった申請者が悪い。」そして「そんな昔の事例を今更持ち出すな!」 etc. ただ一応会社勤めの経験を持つ私から言わせると、こういう対応はそれなりの責任を持った1つの組織としては“最低の対応”なのです。1人のメンバーの対応は組織全体の対応であり、その責任は最終的には組織全体が負うべきです。ましてや自分達の組織の内部事情を、その組織のアウトプットに不備があった事の言い逃れにするなんて以ての外です。最近それをやって顧客の信用を無くし、大損害を被った会社があるでしょう?。
この事例に対する見方も様々あるでしょう。ただ私に言わせると「しょせんDCI公認大会なんて“この程度の組織がやっている物”でしかない。」という事です。少なくともこれを“競技”として捉えて真剣に取り組もうなんて、私には「片腹痛いぜ、わっはっは。」という台詞しか浮かんできません。 (^^; それとこの事例に見られる最大の問題点は「DCIJは自らが任命した公認ジャッジに対して、こういう扱いしかしていない。」という事です。私は以前「DCIJは日本の公認ジャッジの事を“自分達の小間使い”位にしか考えていない。」と書いたと思うのですが、この件はそれを裏付ける1つの論拠になっています。公認ジャッジは日本でのDCI公認大会の普及を志し、自らの時間やお金といったリソースを注ぎ込んで頑張ってくれている方々です。そういう人達にこんな対応しかしない“競技”が、日本で盛り上がるとは私には到底思えないのですが。
実はこういったDCIJの仕事ぶりを米国のDCIは把握しているようで、最近日本の公認ジャッジに対して送付されてくる郵便物は米国から直接送られて来ていたりします。表向き「日本の公認大会の窓口はDCIJです。」と言っておきながら、でもDCIはその裏で違う動きを取っているのです。まあ実際日本の中にもDCIJを介さず、直接DCIに公認大会の申請を出したり事後結果の報告をしているグループもあるようです。実はその方が大会主催者の事務処理量は遙かに少ないという話はあるので、 Duelist Fukui 内でも密かに検討課題になっていたりするのですが。 (^^;
後日談になりますが、この後しばらくM氏は“ショップ主催”での公認大会開催をされていましたが、その間この手のトラブルはほとんど皆無でした。また何か問題があってもDCIJの対応が早く、とても同じ組織の仕事だとは思えなかった位だそうです(笑)。ショップ主催の大会は(ショップはHJの顧客なので)大事にするけど個人主催の大会はなおざり。この事は我々福井のデュエリストがDCIJの対応に腹を立てている大きな要因の1つだったりするのです。福井で M:tG イベントに携わる人達の間では「DCI公認大会は個人主催では絶対に開くな!(ろくな目に遭わないから。)」が合い言葉になっています。またそういった事例に抗議する意味もあって、福井在住の公認ジャッジ(4名)のうち既に半数が「自分はもう資格を更新しない。」と公言しています。(過去に任命された公認ジャッジの任期が今年の9月辺りに切れるため、DCIから「更新して下さい。」という連絡が来ているのです。)こういった事例は何も福井に限った事ではないようなので、我々は「日本の公認ジャッジって何割残るのかねぇ?」というのを本気で心配していたりするのです。 (^^;
元々WoCはDCI公認大会を“ M:tG を賑やかにしてより多くのカードを売るための1手段”として推進していた印象を私は持っています。昔のDUELIST等を読むと、WoCの提供する情報は決して競技 M:tG だけに偏った物ではなく、例えばコレクターやファンデッキ使いといった人種にも喜ばれる内容がふんだんにありました。それに対してHJ/DCIJが推進するDCI公認大会は、本気で“日本語版 M:tG の拡販”しか見ていない、それが私個人の印象です。本当の意味で競技として日本に広める&定着させる気なんかサラサラ無くて、単にそれに煽られたデュエリスト達が呪巻だマスティコアだ補充だとカードを買い漁ってくれる事しか期待していない。私にはそうとしか思えませんし、少なくとも福井ではかなりの割合のデュエリスト達が同じ印象を抱いています。もしHJが本気でDCI公認大会を日本で広める気があるのなら、少なくともDCIJの人間が「うちは人手不足なので・・・。」などと言い訳をせざるを得ないような状況を作り出すと思いますか?。
私はこの章の最初にも書いたように、競技 M:tG そのものの推進に否定的な訳ではありません。ただ「現状のDCI公認大会を推進する事には M:tG を遊ぶ側に何のメリットも無いし、むしろデメリットの方が大きいのではないか?」と考えているのです。シングルカードの値段は上がる、ネットで情報が流れた特定の強いデッキの台頭でデュエルルームはお寒くなる、自分でデッキを考えない(というか考えられない)デュエリストが増える、そんな M:tG に多分未来なんて無いのです。ましてや大会を開いてもHJからは何のサポートもなく、そのくせ申請や事後処理はやたらと煩雑。まあ、この辺は1度ご自分でDCI公認大会を主催してみると分かると思います。
そして日本でDCI公認大会の推進を口にされる方の多くが、そういうHJの意図を見ずに競技 M:tG を志し、それを批判する私のような人間を逆に攻撃している訳です。残念ながら私には、そんな批判に貸す耳は持ち合わせていません。そういった事情とか背景をすべて理解した上で「でも競技 M:tG には(日本で M:tG を広める事に対して)こういったメリットがある。だから我々はこういう風に推進しているんです。」といった実行を伴った具体的な提案ならば、私は興味深く拝聴しますしそれに対するアウトプットも出しますがね。
あと私個人は「DCI公認大会の仕組みそのものにも問題がある。」と感じています。こういう意見を書くと一部の方は「DCI公認大会のポイントやレーティングの仕組みはチェスなどを参考にしているから問題ない。」等とおっしゃるのですが、でも実際には M:tG とチェスのポイントやレーティングのシステムはかなり違っています。まずチェスのレーティングシステムでは、公認大会に参加したての初心者にはポイントがありません。初心者は公認大会で既にポイントを持っているメンバーから一定の戦績をあげて、初めて初期ポイントをもらう事ができます。つまり M:tG で時々問題になる“初心者食い”はチェスの世界では不可能なのです。(もちろんポイントの無い相手との対戦成績はポイントに反映されません。ですから逆に言えば負けても痛くないのですが。)
更にチェスでは初期ポイントをもらってからしばらくの間は、まめに公認大会に参加すると“参加点”がもらえます。これにより初心者はポイント的に救済を受ける事ができます。またチェスにはポイントによるランキングとは別に“段位認定制度”があり、1度要件を満たして段位を取れば、その後どれだけポイントが減っても段位まで奪われる事はありません。チェスのイベントには一定の段位を持っているプレイヤーが限定で参加できる物もあるようなので、そういった場での活躍の機会が得られるのはプレイヤー冥利に尽きるのではないでしょうか。
私は兼ねてから「 M:tG は“強くなる事”以上に“うまくなる事”が大事だろう。」と書いてきました。少なくともチェスのシステムは、プレイヤーがチェスをうまくなる事へのモティベイションを高め、初心者を手厚くサポートする仕組みになっているのです。それを調べもせず「 M:tG も同じだろう。」では流石にチェスに失礼という物です。というか、どうせ真似するならなぜここまで徹底的に真似なかったのでしょうか?。
以上が“私がHJ/DCIJの押し進めるDCI公認大会に否定的な理由”です。多分これを読んだ方の少なからぬ割合のデュエリストが「それでも俺はDCI公認大会が好きだ。」あるいは「お前みたいなふぬけたコレクターにとやかく言われたくない!」といった感想を持たれると思います。ただ少なくとも、今までのDCI公認大会が日本での M:tG 普及に貢献できなかった事は、既に歴史が証明しているのです。実際多くのデュエリストが既に M:tG を離れ、そして日本のDCI公認大会はもうかれこれ4年位続いているのに“この程度のレベル”に留まっているのです。そりゃこれだけ人の出入りが激しいんだもん、個人のレベルやスキルが頭打ちになって当然ですよ。“対戦”そして“相手に勝つ”というキーワードは闘争心を煽り、デュエリスト達のカード購買意欲を高めるのかも知れません。でも私はその対戦という物のフィールドをもっと広げ、更に多くの人達&より高いレベルで競った上で勝利を掴んで欲しいのです。はっきり言いますが、今の日本の M:tG のレベルというか知名度では、例え日本選手権で優勝したところで大手を振って自慢できないのが実際の所なんじゃないですか?。日本の M:tG 界の有名人が、HJの出版物以外のメディアに登場して( M:tG のプレイヤーとして)活躍している事例も私はほとんど知りません。その程度の遊びで“目の前のデュエルの勝利”を追求して、そこに何があるのでしょうか?。後に残るのは多分不毛な時間と高額な出費のツケ、そして不愉快になった2名のデュエリストだけですよ。
私が M:tG においてコレクションを志したのは、ひとえに「自分にはデュエリストとしての日本一は無理そうだけど、コレクターとして日本一になる事はできそうだ。」と思ったからです。そして私は今、自分のコレクションを「日本一・・・かなぁ?」という感じで、それなりに自慢できる状態になれました。DCI公認大会に参加されるデュエリスト1人1人がどこに志を置いているか、それがDCI公認大会あるいは日本の M:tG そのものの行く末を決めると言っても決して過言ではないのです。そしてその上でHJやDCIJを動かし、それこそ日本の M:tG を世界レベルの物に是非して下さい。そこまでやってこそ真の競技 M:tG と言えるのではないでしょうか?。実際欧米のトップ・デュエリスト達はそれを実践し、そして実績を残している訳ですから。
1999−2000全米選手権でのサイドイベントの参加費という資料を見つけました。日本でHJが開催しているイベントの物と1度比べてみて下さい。 m(__)m
☆ USオープン予選(Standard):$10また来場イラストレーターは有名どころを中心に4人ほどいらっしゃいました。それとイラストレーターのサイン会やサイドイベントは、すべてタイムスケジュールが明記されていました。こういった“イベントとしての体裁というか盛り上げ方”に、米国と日本の決定的な差を感じます。
☆ USオープン予選(Limited):$20
(MMトーナメントデッキ×1、NEブースター×1、PRブースター×1)
☆ ジュニア・ワールドオープン:$15
☆ GPピッツバーグ・トライアル:$50(チームリミテッド)
☆ マスカレイドサイクル Limited トーナメント:$16
(MMトーナメントデッキ×1、NEブースター×1、PRブースター×1)
☆ Standard トーナメント:$5
☆ Extended トーナメント:$5
※ なおこれとは別に入場料が1日当たり大人$9、子供$7かかります。ただしこの分はWoCではなくイベント会場側が徴収しているようですが。