少し前の話で恐縮ですが、 DUELIST JAPAN Vol.10 に非常に興味深い記事が掲載されていました。今回この記事の内容に関連すると思われる M:tG のトーナメントに関する大きなニュースがありましたので、改めてこの記事を取り上げてみたいと思います。
その記事とはP102〜P103に掲載されている「“マジック”をネクスト・ステップに進めるために」です。この筆者である Jamie Wakefield 氏はかねてから「緑にもっと良いカードを収録してくれ!」というキャンペーンをインターネット上で展開されていたそうなのですが、それが成功を収め最近の緑はご存知の通りのオーバーパワー振りを発揮しております(笑)。実際《怨恨/Rancor(UC)》はWoC自身が「あれはやりすぎました、ごめんなさい。」というコメントを出しているらしいのですが (^^; とにかく最近緑は単色全盛といわれる Standard の中でも、かなり強い方の部類に入る地位を得ました。そしてその Wakefield 氏が今度は M:tG (のプレイヤー)をよりメジャーにするために「プロツアー等の賞金を増額してくれ!」というロビー活動を始めた。と、ここまでが記事の内容というか注釈です。そして最近(5月だったと思いますが)、DCI(でいいのかな?)から「プロツアーの賞金総額を200万$アップします。」という発表がありました。こういう時日本人って「そんなの別にそいつ1人の手柄じゃないだろう。」とか「他にも頑張って運動した人がいただろうし・・・」等と言い出すのですが、でも私個人は今回の賞金増額に関しても“ Wakefield 氏のお手柄”だと言い切って構わないのではないかと考えています。少なくとも彼は言うべき事を言い、そしてその通りの結果を生みだしたのですから。
ここで言う“ロビー活動”とは、いわゆる日本式の“根回し”とはかなり質が異なる物だと思います。“根回し”は基本的に「何かを依頼したい相手に対してできるだけ軋轢(あつれき)を作らない。」事を大前提に進める物です。ですから“根回しのうまい人=世渡り上手(&八方美人)な人”とも言えるかも知れません。ところが“ロビー活動”とは「自分の意見を主流派にして反主流派に自分の意向を飲ませる。」という行為です。ですから1度ロビー活動で自分に相反する意見が主流派になってしまうと、根回しで物事を進めている個人や組織はこれを覆す事が非常に困難になります。
ただしロビー活動を行う個人や組織には、それなりの権限というか発言力が必要になります。つまり“どこかでそれなりの実績を積んで始めてできる”という事です。そういう意味で Wakefield 氏は TOPDECK 誌で記事を書く程の実績を積んでいたからこそ、それだけの事ができた訳です。そしてまた、外国の企業や組織はそういう自分達に対して意見や批判をブチ上げる人達を登用して大事に扱っている訳です。そうでなければ Wakefield 氏が TOPDECK 誌で記事を書ける訳がないですから。
もちろんロビー活動で展開される要望や主張がすべて正論という訳ではありません。個人や特定の組織の利益誘導を目的にしたロビー活動も当然ながら存在します。ですからロビー活動を実りのある物にするには、そういった要望や主張を十分に検討するに値する物に昇華させるか、あるいは持論の反対派がぐうの音も出ない程の数の賛成派を味方に付けてしまうか、そのどちらかになります。これはあくまで推測ですが、私個人は Wakefield 氏がその両方を持っている気がします。
以上の点を踏まえて、ちょっと視点を日本国内に向けてみましょうか。正直言ってしまうと、私は日本人プレイヤーの手で日本の M:tG そのものやDCI公認大会が改善されたという事例をほとんど知りません。一部確かに「以前より良くはなった。」と評価できる部分もあるにはあるのですが、それは私や私の知り合いから言わせると「それまでがあまりに悪すぎたのが多少まともになっただけ。」という感じです。その何よりの証拠に、最近代理店自身が自社雑誌の記事で“デュエリストの世代交代”を言っています。毎年少しずつでも“日本の M:tG は良くなっている(面白くなっている)”という実感を多くのデュエリストが持てているのであれば、こういった人口の流出は既にくい止められているはずなのですが。
私個人は「そういう現実に不満や疑問を感じてロビー活動を始める日本人プレイヤーがなぜ現れないのだろう?」という疑問を兼ねてから持っています。そんなに皆さん今の日本の M:tG に満足されているのでしょうか?。でも日本の M:tG には救済プログラムも無ければ、BOX予約キャンペーンの内容にしたって米国に劣ります。また代理店が公認大会を開けば割高な参加費を取られ、しかもそれで参加賞が出る訳でもないのです。あなた自身が現状に満足されているのは良しとしましょう。でもそういうDCI公認大会を、あなたは自分の知り合いに自信を持って勧められますか?。目の前の初心者に「あの大会は参加費¥3000払ってでも出る価値がある。だからあの大会への出場を目標に M:tG を頑張りなさい。」と自信を持って言えますか?。
私は別に競技 M:tG を否定している訳でもなければ、DCI公認大会の必要性を感じていない訳でもありません。ただ私が言いたいのは・・・
「本当に今のままで良いの?」 ・・・という事なのです。私に言わせれば、参加して手土産の1つもない大会よりは参加賞にプロモカードの1枚ももらえる大会の方が良いに決まっているという事です。参加費¥3000で優勝者のみにトラベルマネー(ただし実際に必要な経費の一部)が支給される選手権予選よりも、参加費無料で上位3名に遠征に必要十分な賞金が出る方がいいでしょう?、という事なのです。これは単にイベントとしてのコスト・パフォーマンスだけを見ている訳ではありません。そうやって競技 M:tG のイベントとしての魅力を高める事で、結果的に参加者が増えて競技としてのレベルも高くなるのです。そういう意味で私は元 M:tG 販売店スタッフとして、福井市の M:tG イベント・コーディネイターとして、そして何よりもデュエリストとして“当たり前のことを言っている”だけだと思っています。今度のプロツアー予選大会の参加費は従来の¥3000から¥2000に値下げされたようですが、あれを見て「なぜ値下げしやがったんだ、お前ら間違ってるぞ!」なんて思った人いますか?(笑)。(←なお、この部分の記述に関して事実誤認があったようです。詳細は下に追記します。)
最近調べた情報によると、どうやらWoCはFNM(フライデーナイトマジックの略)を米国とカナダ以外の国でも開催する意志があるようです。ただ今の日本にFNMを受け入れる土壌があるかというと、私にはかなり疑問に思えてなりません。FNMが開催されると間違いなくDCIJの事務処理量が増えるのですが、今でさえアップアップ言っているDCIJがそれを素直に受け入れるとは到底思えないです。また販売店が賞品のカードを搾取するといった可能性をどうやって防ぐか等、そういった環境の不備が日本の M:tG には山積しているのです。これに関して私個人は「今までのツケが回ってきた。」と解釈しています。流石にあのP3Kリーグのドタバタを見ちゃうとねぇ・・・。Wakefield 氏も書いていますが、 M:tG には“もっと凄い事ができるだけのポテンシャルがある”のです。それを生かすも殺すも遊ぶ人次第である、この事を Wakefield 氏は我々に教えてくれています。あなたが M:tG をもっと楽しみたいのなら、自分から声を出して「こうして欲しい。」「こうなって欲しい。」と言えばいいのです。言わなきゃ何も始まりません。あまつさえ言ったって実現するかどうか分からないのですから。 (^^;;;
「 Echizen Gather-ruにその機能を持たせたら?」という意見もあるかも知れませんが、ここはどちらかと言うと代理店や日本の M:tG に批判的な立場にあるので、そういった意見を発表しても読み手側が内容を歪曲して真意が伝わらない可能性がかなりあります。ですから個人的には「DCI公認大会とか代理店の販売戦略を肯定的に捉えた方に、ぜひ ぎゃざる のようなコンテンツを持ったHPを開設して欲しい。」という希望があります。そういう場の方が代理店の関係者に取っては耳触りが良く、そのためそこで上がった要望や意見が反映されやすいと思われるからです。これは特に ぎゃざる や私個人に対して批判的な皆様に、是非ともご検討頂きたいと思います。 m(__)m 一回自分でやってみそ。いかに大変か分かるから(爆)。
先日私はアクエリアンエイジのブロックトーナメント・中部地区決勝大会に飛び入りで参加させて頂きました。その大会は飛び入りの参加者を含めて参加費が無料で、参加者には参加賞のプロモカードが配られ、上位入賞者にかなり豪華な賞品が出て、なおかつ優勝者には東京までの旅費の“実費”が提供されました(旅費は当日領収書で精算するやり方ですが)。アクエリの大会にしても別にスポンサーがいる訳ではないようなのですが、でもメーカーであるブロッコリーの頑張り次第でここまでの事はできるのです。こういう事例を書くと「 M:tG は既に安定期でアクエリは成長期だから・・・」等と言われる方も少なくないのですが、じゃあ過去に代理店ってここまで頑張って日本で M:tG (DCI公認大会)を推進してくれた事ありましたっけ?。第一今の日本の M:tG をこの程度のレベルで“安定期”にしちゃって良いんですか?。個人的な印象で言うと、 M:tG の“競技人口”は(増減ははっきり分かりませんが)明らかに低年齢化しています。代理店自身もコメントしているようにデュエリストの出入りが激しい訳です。“出入りが激しい=人が定着していない”という現状で、本当に日本の競技 M:tG のレベルって今以上の物になり得るのでしょうか?。
それと mtgnews.com や sideboard online 等を見ると、今年の日本選手権のTOP8デッキは紹介すらされていません(少なくとも私には見つける事ができませんでした)。これがもし全米選手権だったら、間違いなく世界中の多くのデュエリスト達から「なぜ情報が出てこないのか?」という声が上がるでしょう。でもそれが何ら問題ない位、世界から見た日本の M:tG って“この程度”なのです。そういう現状に不満があってもっと日本の M:tG を盛り上げたいと願うのであれば、それなりのアクションの起こし方があるのです。一部の競技 M:tG 推進派の中には、とかく私が書く記事を忌み嫌う傾向がある気がするのですが、だったら私がぐうの音も出なくなる位日本の競技 M:tG を凄い物にして欲しいと思います。私は別に何の落ち度もない物に難癖を付けてまで記事を書く気はありません。ただ“付け入る隙がある”からこうやって記事を書き続ける事ができているだけです(笑)。
ダメ出しの方で「プロツアーの参加費は元々¥2000設定だった。」というご指摘がありました。どうも私の方に「DCIJの開催するイベントの参加費は¥3000だ。」というイメージができてしまっているみたいで。 (^^; 今 DECK EXPRESSのバックナンバーで確認したのですが、間違いなくそうなっていました。 m(__)m結果的に言い訳モードになるかと思うのですが、やはり¥2000と¥3000の“参加者側が受ける印象”には大きな差があるのだと思います。実際今度のプロツアー予選は参加者がかなり盛況だったとも伺っています。個人的には「それなら全部¥2000に設定できないのかなぁ?」と思ってしまうのですが。 (^^; もちろん理想を言えばちゃんとスポンサーを付けて・・・なのですが。