Prophecy 日本語版に纏わる騒動について

 今回の Prophecy 日本語版に関する騒動について、思うところを書いてみます。

● 私が知っている情報

 まず最初に、この件に関して私が知っている限りの情報を列挙してみます。もし万が一この中に事実と違う内容が含まれていた場合はご容赦願います。 m(__)m

 この事件の発端は5月下旬に開催された Prophecy のプレリリーストーナメントにさかのぼります。この場で参加者の開封した日本語版のパックから中国語版のカード(私はアンコモンだと伺っています)が混入した物が多数発見され、そのためイベントの進行が大幅に遅れたそうです。そのため翌週に開催予定のプレリリースパーティに向けて代理店はすべての(プレリパーティ用に)出荷予定のパックを開封し、中身が日本語版である事を確認した後に再度封をして出荷するという措置を取りました。

 しかしこの過程で中国語版が混入したパックが相当数発見された物と思われ(この部分は想像です)、やむを得ず代理店は Prophecy 日本語版の出荷延期を決めた。以上です。

● メーカーの姿勢に関する私見

 私は今回の件に関しては、やはりWoCの M:tG に対する取り組み自体が大いに批判されるべきだろうと考えています。

 我々日本のデュエリストは現在、米国での Pok?mon ブームに伴う M:tG の生産調整によって多大な損害を被っています。ウルザサイクルは現在特に Standard 環境下の主力エキスパンションである事は間違いないのですが、ここ半年以上新たに商品が供給された気配が無く、そのためウルザズ・レガシーやウルザズ・ディスティニーは現行エキスパンションとしては信じられないような高値で売買されています。

 ここでマスカレイド・サイクルのカードが安定供給されてそちらに移行できればまだ被害は少ないのですが、しかし発売されたメルカディアン・マスクスやネメシスは、ウルザサイクルと比べた際のアンダーパワー振りから今一つ人気がありません。私は Standard 環境をほとんど見ていないのであれですが (^^; 実際最近の日本選手権等で上位に入るデッキの主力は相変わらずウルザサイクルのカードのようですから、それ故に「現状を打破したい!」という Standard プレイヤー達の Prophecy に対する期待感は相当な物があったと思うのです。

 また仮にもWoC/DCIは M:tG を“世界的な競技のできるTCG”として売り出しています。だとすればWoCは自らそれに見合う商品のクオリティを維持すべきなのです。私個人は新商品の周知期間(発売されてからDCI公認大会で使用可能になるまでの期間)が1ヶ月無いという現状に疑問を持ち続けています。だったらせめてできるだけ早期に十分な量を発売し、デュエリスト達の競技としての M:tG への取り組みを支援すべきなのです。

 ・・・ふう、あとは書かなくてもいいでしょう。なんかこの先に書く予定の内容は前にも書いた記憶があって、今自分で書いてて嫌になりました。 (^^;

● 代理店の姿勢に関する私見

 今回の中国語版混入に伴う発売延期の主たる責任者は間違いなくWoCです。でもそれを踏まえての代理店の対応にも多少問題点があったと私は感じています。

 まず何と言っても“プレリパーティへの対応”です。正直言うと今回の措置って代理店の取り得る対応としては最低の措置だったのではないでしょうか?。「取りあえずプレリパーティは体裁だけ整えてやっとけ。」というやっつけ仕事的な雰囲気をかなり感じてしまうのです。定価分の参加費を払って既に開封済みのパックを開けさせられる参加者の感じる淋しさみたいな物を、代理店の方々は理解されていない(&理解しようともされていない)ようです。またそれでパック的に外れな物を掴まされた参加者はいよいよ納得がいかないでしょう。理屈はどうあれ「HJに外れを掴まされた!」という感想を抱く参加者は少なからず現れるのです。(こういう感情論には理屈もへったくれもないからなぁ。 (^^; )

 それと「なぜ今の今までこの事態が把握できなかったのだろう?」という印象も私にはあります。中国語版の混入が日本語版全体の出荷を停止させる位深刻な比率であったなら、簡単な抜き取り検査で見つけられたのではないでしょうか?。以前のUSフォイル混入みたいにごく希にエラーが・・・というレベルの話では無さそうですし。

 個人的には、今回のプレリパーティに関しては“日本語版が揃うまで延期する”“英語版に切り替えて対訳表を配布する(+参加費が安くなればベスト)”“エラーパックのままで開催して参加費を安くする(当然対訳表も用意する)”位の措置が取れなかったのかなぁ?、と考えています。今回のやり方って参加者から見ると一番不親切だと思うのです。何しろプレリリースのイベントの持つ最大の楽しみを最初から失っている訳ですから。

● この事態を踏まえて・・・

 という事で、この時点で日本語版ユーザーは、英語版ユーザーに比べて Prophecy を手にする機会が半月以上遅れる事が確定した訳です。正直言って7月辺りのDCI公認大会に向けてデッキを作ろうとされる方にはかなり厳しい状況になると想像されます。ただ私はここであえて皆さんに・・・

「無い物を求めるのではなく、ある物を大いに楽しんで Prophecy を待とう。」

 ・・・と提案したいと思っています。

 多分今 Standard しか遊ばれていないデュエリストの中にも、過去に買ったウルザサイクルやマスカレイドサイクルのカードの中で1度も使っていない物が少なからずあると思うのです。そういったカードをこの機会に取り出して、 Prophecy 日本語版が出るまでの間じっくり研究されてはいかがでしょうか?。どうせ Prophecy がある程度出回るまではこちとら手も足も出せないのです(笑)。だったらその時間を逆に楽しんだって構わないのです。

 またその過程の中で“自分としての一押し Prophecy カード”を自らの手で探してみませんか?。最新号のGAMEぎゃざでは中村氏の“ Prophecy トップ10”なんて記事が掲載されているようですが、それにあえて逆らってみるのです。流行のカードで流行のデッキを作って勝ったって、それは本当の意味であなたの手柄にはならないのです。日本語版ユーザーは奇しくもその機会というか時間的余裕を手に入れました。それを生かすも殺すもあなた次第なのですよ。

● 言い始めたらきりがないけど・・・

 多分この記事を読んだ方の中に「あいせんは今回の件で、もっとWoCやHJに対して吠えると思ったのに・・・」と思われた方は少なくないと思います。 (^^; 確かに今回の記事で私はWoCやHJに言いたい文句の1/10も言っていません(笑)。でも、それ以上に私は“最新のエキスパンションを『またしても』入手できなかった日本語版ユーザーの行く末”が心配なのです。正直言って最近WoCやHJからは M:tG のカードが十分供給されているとは言えません。そんな中で競技 M:tG を続けよう、あるいはお気に入りのカードを揃えてデッキを組みたいというデュエリスト達の苦心振りを少しは理解して善処して欲しい。私が言いたいのはそこなのです。

 WoCが M:tG という物を一押しの主力商品として売り出しているならば、今回の事故に関しては笑って済ませられる部分があると思うのです。でも今WoCは明らかに Pok?mon 偏重で、その合間に出てきた Prophecy でこれをやってくれた、この事実を我々は忘れてはいけないのだと思います。WoCが M:tG を“その程度の商品”としか考えていないのなら、我々もこの機会に M:tG との付き合い方を見直すべきなのではないでしょうか?。奇しくも M:tG には“オンライン化”の話題が聞かれ始めていますしね。

● 追記( 2000.06.03 加筆)

  Prophecy 日本語版のFoilセラ天のキャンペーンに関して、HJから新たな発表がありました。それによると“キャンペーンの応募期日を8月31日まで延長する”という事になったそうです。これについてある業界筋の方(笑)と話をしたのですが、その際「ひょっとするとHJは『6月中には Prophecy 日本語版が出ないかも?』という事も想定してこの期日を決めたのではないか?」という話が出ました。確かに発売が半月ちょっと遅れた Prophecy 日本語版のキャンペーンが2ヶ月も延期されたというのは、普通に考えるとちょっと変なのです。HJ自身も発表していますが、これを見る限り6月下旬の Prophecy 日本語版の出荷量がかなり少ない事は間違いなさそうです。

 本来英語版(並行輸入業者)との差別化と Prophecy 日本語版の売り上げアップ(発売直後のスタートダッシュ)を目的に企画されたキャンペーンが、逆にデュエリスト達の Prophecy 購入を半月以上遅らせる(ユーザーの英語版へのシフトを防ぐ)目的に使われるというのは、ある意味皮肉な気がします。こうなってみるといよいよ「この手のキャンペーンの対象商品を日本語に限定する意味って一体何なんだろう?」という気がします。普通キャンペーンって“ユーザーへのサービス”を第一に考えられるべき物です。しかしHJのそれが一貫して“自社の売り上げ確保”しか見ていない、それが私にはどうにも閉口物だったりします。他にライバルとなる遊びがないならともかく、流石にアクエリ辺りの事例を見てしまうと尚更それを感じます。


   
なお、このページの内容に関する文責はすべて私 あいせん にあります。