M:tG のコスト・パフォーマンスに関する試算をしてみました。
- 独立型エキスパンションは毎年1種類、拡張エキスパンションは毎年2種類が発売される。
- 独立型エキスパンションはレア:100種類/アンコモン:100種類/コモン100種類で構成される。
- 拡張エキスパンションはレア:50種類/アンコモン:50種類/コモン50種類で構成される。
- 基本セットは2年に1度発売され、その度に2BOXを購入する。
それではまずはデッキを作ってみましょう。ここでは“作るデッキには一番人気筋のレアカード4枚が必ず入る”場合を考えます。実際こういうデッキの作り方を代理店や一部のトーナメント・プレイヤーの皆様は事実上推奨している訳ですし(笑)。1つのエキスパンションのあるレアカード1種類を4枚、自分が買ったカードだけで揃える事はまず不可能です。上の前提から確率で計算してみると、独立型エキスパンションを11.1BOX買わないと自力では揃わないからです(苦笑)。拡張エキスパンションでも5.6BOX必要となり、流石にこれは現実的ではありません。
それではレアはトレードも合わせて何とかするとして、取りあえずアンコモンだけでも自分で4枚ずつ揃うように買い揃えてみましょう。すると独立型が3.7BOX、拡張が1.9BOX必要だという計算になります。おおよそ「独立型は4BOX、拡張は2BOX買う。」という事になり、これは私が把握している知り合いのトーナメント指向のデュエリストの平均的な購入量とほぼ一致します。(実際のトーナメント・プレイヤーはもっと買っていると思いますが。)という事で、今後はこの購入量を M:tG を続けるために必要かつ十分なカード購入量と見なします。
さて、その場合このデュエリストが M:tG に使う予算はどの位になるのでしょう?。日本語版を定価で買った場合(1パック=500円)で計算してみると、年間14万4千円かかる計算になります。 (^^; しかもここには2年に1度基本セットを2BOX買う分が含まれていません。これを含めると年間の予算は16万2千円という事になります。この数字を見ただけでも「流石に1ヶ月に1万円を超えるのはやりすぎなんじゃないの?」という気になります。
さて、それでは次に「その投資に対して我々は元を取っているのか否か?」を見てみます。ゲームセンターでの対戦は1ゲーム100円です。 M:tG の対戦がそれよりも面白いか否かは分かりません。実際最近の秒殺デッキを相手にすると、ゲーセンでの対戦以上に自分は何もできずに終わったなんて事は珍しくなさそうですし(苦笑)。ただ M:tG のデュエルをあまり安く評価すると皆さんの怒濤の抗議を食らいそうなので (^^; ここではマッチ(3ラウンド制のデュエル)1セットを200円として評価します。(ゲーセンの対戦ゲームも大抵3ラウンド制なので、対戦ゲームの2倍の評価という事になります。)
年間16万2千円を投資したデュエリストが1回200円のマッチで元を取るには、最低でも810回/年のマッチをこなさなければなりません(笑)。1日当たり2.2回ですか。これを週末(日曜)だけで回収しようと思うと、毎週日曜日毎に16回のマッチをこなす必要があります。 (^^; 祝祭日を全部含めても12回/日以上になります。はっきり言いましょう、無理です(爆)。というか、これではデッキを構築したりする時間が全くと言っていい程取れません。通常デッキ構築ってデュエルと同じ位時間を使う物のはずですので。(最近はそうでもないようですが。 :-P )
現実的な計算をすると、例えば土日と祝祭日毎にデュエルルームで6回程度のマッチをこなし、スイスドロー8回戦の公認大会(日曜日開催)に年間6回出場したとすると、年間のマッチ消化数は714回程度になります。この数字は一般的なデュエリストから見るとかなり多いはずですが、それでも年間に約14万3千円程度しか回収できません。つまり「少なくとも日本語版を定価で買って遊ぶ M:tG は赤字である。」と言い切ってもおおよそ差し支えない試算結果が出るのです。何しろこの試算には M:tG で用いるカード以外のサプライ品やデュエルスペースの利用料等は全く加味されていないのですから。というか、消費税までサービスしてるぞ。 (^^;
※ そう言う意味で、夏休みのある学生って強いよねぇ(笑)。
では我々日本のデュエリストは M:tG で黒字を出せないのでしょうか?。そんな事はありません。それではそのための具体的な提案を以下に述べます。まず“カードを少しでも安く購入する事”です。500円で買っているパックを400円で買うようにするだけで M:tG に費やす年間予算は12万9千円になるため、上に書いた714回/年のデュエルで元が取れて黒字になるのです。1パック300円ならもっと簡単に元が取れますから、毎週末や祝祭日をすべて M:tG に費やす必要はなくなります。 (^^; ただ現実として日本語版を1パック400円で買う事は日本国内ではほとんど不可能です。ちなみになぜわざわざ“日本国内では”と書いたのか・・・それについての詳細はいずれ書く機会があるでしょう(笑)。
次に“カードの購入量を減らす事”です。特定の人気レアに頼らないようにしてカードの購入量を減らすだけで、実は元は随分取りやすくなります。あと Standard 以外のフォーマットを始めて絶版カードを長く使う遊び方を始めれば、初期投資は多少高くても長く遊べば遊ぶほど元手が回収できるのです。我々が初心者にも遠慮なく Type-I を薦めるのには、その辺の損得勘定が大きな理由の1つにあったりします。あとその辺のフォーマットが盛んであれば、 Standard 落ちしたカードにある程度の資産価値が期待できます。ですからデュエルだけで元手を回収する必要が無くなるのです。ただ代理店の一連の販促は、絶版カードのカード資産を目減りさせるような事しかしていないですから。 (^^;
そしてこれが多分デュエリストが自衛策として取り得る最善策になると思うのですが、とにかく“1回のデュエルの価値を上げる事”なのです。1回のデュエルが面白くて面白くて仕方ない、これだったら一万円払ってもいい。そう言える位 M:tG があなたに取って面白い物であれば、極端な話1ヶ月に1回のデュエルでも元は十分に取れるのです。ただ私は特に最近の M:tG って“1回のデュエルの価値が昔よりも目減りしている”と感じています。今回の試算で今の Standard のデュエルに200円という価値を付けたのは、私自身かなりの過大評価だと思っています。
M:tG は“取りあえず遊ぶのにかなりの投資を求める遊び”です。娯楽スポーツのように貸し○○が一式揃っていて・・・なんてサービスもなければ、ゲーセンでの対戦みたいに100円玉1枚で始められる物でもありません。でも消費者に投資をさせるからにはその“見返り”が必要です。その見返りが見込めない物に人はお金や時間を投資したりはしません。私は過去に書いた記事で一貫して「初心者がお金や時間を安心して投資できるような M:tG の環境を日本に作りましょうよ。」と書いている訳です。そして私の書く意見は決して個人的な感情論から発する物ではなく、それなりの裏付けに基づいて書いています。それを「読んでムカついた。」的な評価しかして下さらない方に、私は自分の記事や発言を読んでもらいたいとは微塵も思いません。