日本人デュエリストの決して少なくない割合の方々が、どうも“100%勝てるデッキ”という物を求めていて、それ故デッキ情報等を利用されている(そこからコピーデッキ使いになられる)ようです。極端な話“グーがチョキにもパーにも勝てるじゃんけん”なんてゲームは成立しないし、遊んだところで面白くないのです。ところが最近は M:tG のカード設計への配慮(テストプレー等によるデバッグ)が欠落している状況が続いていて、それに限りなく近いデッキができあがってしまうのです。そしてそういうデッキを発見したデュエリストが大会で猛威を振るうと、その後を金魚の糞のように付いて回るデュエリストが大勢現れるのです。医薬品業界の用語で、ある新薬の分子配列をちょっと変えただけで簡単に作られる新薬の事を“ゾロ新薬(オリジナルの後からゾロゾロ出てくるかららしい)”と言うのですが、この状況はいわば“ゾロ・デュエリスト”の誕生という事になるでしょうか。 (^^; しかも最近日本では、このゾロ・デュエリストが主流になりつつあるのが何とも困った状況でして・・・。ですが、こういう状況が“メーカーによって意図的に仕組まれている”としたらどうでしょう?。例えば Standard のデッキに“マスティコアさえ入れれば9割方勝てる”という状況が生まれたとします。当然多くのデュエリストがマスティコアを欲しがりますから、間違いなくカード(フレッシュパック)が売れるのです。そしてそういうカードを決してコモンでは出さずにレアで出すのがミソで (^^; 実際最近の M:tG はそういう状況になっています。
そしてその中で我々がマスティコア欲しさにカードを買い続けたらどうなるでしょうか?。間違いなくメーカーは「ああ、こういう商売の仕方もあるんだ。」になるのです。ますますカードの設計に対する配慮が欠落する、それどころかTVゲーム会社が話題を得るために自社のゲームに“隠しコマンド”を入れるのと同様に、 M:tG のカードの中に“必殺カード”を入れ始めるのです。はっきり言ってしまいましょう、そんなカード私はいりません。
実際この傾向はラースサイクルからウルザサイクルにかけて見られます。はっきり言いますがウルザサイクルは“やりすぎ”ました。 (^^; その反省からマスカレイドサイクルはかなり大人しいエキスパンションになっているようですが、今はウルザサイクル時代のツケが回ってきているという感じだと思います。
結局のところ勝ち狙いのコピーデッキユーザーって、メーカーに取ってはおいしい鴨なのです。申し訳ないですがとても賢いとは言えないと思います。あなた方は私がこういう話を書くと「だってこのデッキをコピーしないと大会で勝てないし・・・」とかおっしゃるかも知れませんが、そういう言い訳をしながらコピーデッキを作り続ける事が、結果的に“コピーデッキでしか遊べない M:tG ”を生み出しているのです。そろそろこの悪循環を断つべきではないか?、私はそう思うのですが。
まあ日本選手権といった競技の場まで、そういった使用デッキに関して口を挟む事には異論もあるでしょう。ただ、そういった場でもある程度通用するようなオリジナリティのあるデッキをあなたが自分で作ろうとしない限り、あなたはどんどんゾロ・デュエリストから先に踏み出せない人間になってしまうのです。多分今はゾロ・デュエリストに甘んじている方々の多くが、1度は自分のデッキがこれだけ大勢の人間に真似されている(そのデッキのオリジナルを考えた)デュエリストの事をうらやましいと思った事があるはずです。自分が少しでもそういう憧れの対象に近づきたければ、まずはそういったデュエリストのデッキではなく“彼らの M:tG への取り組み方そのものを真似る”べきだと私は思っています。
結局のところコピーデッキって金がかかるし、デュエリスト個人の個性を殺してしまったりして良い所がないのです。少なくとも今現在の日本の M:tG って、メーカーから見ると“思う壺”状態になっていると私は感じています。あなたがそれで良いのなら私はこれ以上何も言いません。でも現状に少しでも不満があるのなら、それを打破すべく動き出してみて欲しいと私は願っています。