“デッキ診断”について考える

 この際なのではっきり書いてしまいますが、私個人はインターネット上で“デッキ診断”という仕組みが成立する事自体、不思議でしょうがなかったりするのです。

 私も M:tG 販売店に務めていた頃は、店頭に「デッキ診断受け付けます。」という告知をしていて、実際月に2〜3件位の依頼がありました。ただ私はその依頼をされる方に、必ず「持っているカードを全部持ってきてね。」と言っていたのです。そして実際にデッキ診断を始める際には、必ず最初に「あなたはこのデッキで何がしたいの?」という質問をしてから診断をしていました。

 例えばこちらがいくら“(ある程度)デュエルに勝てるデッキ”を目指して診断をしても、その診断を受ける方が必要なカードを持っていないのではお話になりません。また特定のカード(デッキのテーマ)をうまく使いこなすために組んだデッキから、いくら勝率を上げるためとはいえそのキーカードを外してしまうのでは本末転倒なのです。この辺は純粋に勝ち狙いに固執したトーナメント・プレイヤーと半分コレクターなデュエリストの差なのかも知れませんが。

 つまり私に言わせると「インターネット上で行われるデッキ診断は、診断希望者に関する情報があまりに不足していて、本人の希望を100%叶える事は難しいのではないか?」という事です。 Apprentice32 で M:tG を楽しまれている方のように使用カードに制約が無いならともかく、所有カードも分からない状態でのデッキ診断に果たしてどれだけの効果があるのか、私には大いに疑問なのです。

 あと私は自分がデッキ診断をする場合、どうしても入れるべきだと感じた(でもその方は持っていない)カードについては差し上げる事にしています。そして診断の結果調整したデッキは、必ず他の方と模擬戦をやって頂いて確認するのです。差し上げるのは大抵コモンか数枚のアンコモン(どうしても必要だと感じたらレアも出します)ですが、デッキ診断を受けた方は自分のデッキが劇的に回るようになって喜んで帰って行かれます。私はそこまでやるのが“デッキ診断”だと今でも信じて疑わないのです。

 私に言わせると、インターネット上のデッキ診断依頼って結局のところ「誰か僕に100%勝てる史上最強のデッキを恵んで下さい!」なのです。自分では汗をかかずに最強の称号を手にしたい、そんな姑息なデュエリストが少なくない気が私はしています。しかもデッキ診断とトレードは表裏一体になっています。「デッキ診断してもらったら『マスティコア入れろ。』と言われた、という事で誰か4枚出して下さい。」その繰り返しなのです。でも皆さんご存知の通り人気カードを後から入手するのは大変ですし、何よりもそれをやっていてはいつまで経ってもこの人は“負け組”のままなのです。なぜそういう状況を打破しようという方が現れないのか?、そこが私には不思議だったりします。

 私はデッキ診断を“受けるな”と言う気も無ければ、その質問に“答えるな”と言う気もありません。ただ「どうせやるならもうちょっと実りのある有意義な物にしませんか?」という提案はしてみたいと思います。何でもかんでも流行のレアカードで解決するのではなく、診断を受けている方の意図やカード資産等に配慮してアンコモンやコモンで済ませられる物ならそっちを提案してあげて欲しいと思います。あとデッキ診断を受ける側も、何でもかんでも聞かずに自分の手で解決するように心がけてみませんか?。「このカード1枚入れ替えようと思うのですがどうでしょう?」「サイドボードが分からないので作って下さい。」そんなことをずっと続けていたら、いつまで経ってもそこから先に進めなくなりますよ。


   
なお、このページの内容に関する文責はすべて私 あいせん にあります。