コピーデッキと流行

 コピーデッキ(使い)に関して最近思った事を書きます。

● 流行に弱い日本人

 日本人というのは概ね流行に弱い民族のようです。マスコミ等ではよくその理由を“人と同じじゃなきゃ落ち着かない日本人の性格の問題”と言うのですが、私はそれ以上に“実は日本人には流行が作れる人間が少ないから他人が作った流行を追いかける事しかできない(特に広く世界に通用するような物はてんで駄目)”のではないかと最近考えています。

 ただ同時に日本人って“流行は追っているけど人とはちょっと違うところを見せたい”という意識もあるようです。例えば昔一大ブームを巻き起こした“たまごっち”を思い出して頂けると分かるのですが、当時は「他の人が持っているから自分も持っていたい、でも人と同じ色は嫌だから希少価値の高い白がいい。」という理由から、白たまごっちに一時期5万円なんて破格値が付いていました。周囲から見て完全に浮いているのは嫌だけど少しだけ抜き出たい、日本人の多くにそういうちょっと姑息な自尊心があるようです。

 これがそっくりそのまま日本のデュエリストにも当てはまっている、私はそう感じています。残念ながら日本人には自分でデッキを生み出すだけのオリジナリティやスキルがかなり欠けています( ← これ、断言口調で書いちゃっていいんですか? > 筆者 (^^; )。でも自分はデュエルで勝ちたい&自分のデッキを自慢したい。そうするとどういう雰囲気になるかというと「自分のデッキはコピーなんだけど、より多くの人達がコピーしている強いデッキ(あるいはそれを使うデュエリスト)を批判する。」という事になります。あとは自分と同じデッキをコピーした人間を見ると「僕は自分でこのカードを1枚入れた。でもあいつのデッキはあのレシピそのまま。だから僕は正しくてあいつは間違っている。」とか言い出したり。ただこういう状況を言い表すのに、日本には素晴らしい言葉があります。“五十歩百歩”というやつです(笑)。でもこの場合“五十歩五十一歩”位の違いしかないような気が私はするのですが。 (^^;

● 流行の賞味期限

 最近読んだ本で私が「なるほど。」と思った話があります。流行語の話なのですが、要約すると「流行語は会話を弾ませて女の子にモテるには必要な物だ。しかし流行語には賞味期限があるので『いつまで使えばいいのか?』の判断が難しい。その1つの目安とすべきは『ズームイン朝で紹介されたか否か』である。紹介されたらその流行語は賞味期限が過ぎたので使わない方がいい。」というのです。 (^^; この『ズームイン朝』は『めざましテレビ』と読み替えてもいいかも知れません(笑)。とにかくそういったTVに取り上げられた流行語は、間違いなく一番おいしい旬の時期を既に過ぎているのです。

 これと全く同じ事が M:tG のデッキにも言えます。デッキ・レシピは欧米の大会でお目見えし(ここに日本が入らないのが何とも・・・ですが (^^; )、その後世界規模の選手権で猛威を振るって流行としての全盛期を迎えます。しかしそのレシピが月刊GAMEぎゃざ辺りに掲載される頃には、既にその旬の時期は終わっているのです。多分多くの日本人には「一時代前の流行語を使うなんて恥ずかしい事だ。」という意識があると思うのです。今時“チョベリバ”とか“だっちゅうの”なんて口にする知り合いが横にいたら恥ずかしいと思うでしょう?。でもそれと全く同じ事をあなた方は M:tG でやっているのです。あなたがどこかのデュエルルームや大会で自分のデッキを回すたびに、あなたは対戦相手やギャラリーに向かって「ねぇねぇ、“だっちゅうの”って知ってる?。今すっごく流行ってるんだよ。」とか公言して歩いているのです(笑)。でもそれは単に“だっちゅうの”を知らない人間を騙せているだけに過ぎず、それを続けていてもあなたには何の進歩も成果も無いのです。というか、それをやっている当事者の方にお聞きしたいのですが、やってて空しくないですか?。

● 流行との付き合い方

 はっきり言ってしまうと、こういう世界で“流行を作る”のは物凄く大変です。それこそ世界中の誰よりも M:tG にお金と頭と時間を使い、長期間に渡る知識や経験の蓄積があって始めて可能になります。しかも努力が報われるという明確な保証もありませんから、はっきり言って私は自分がそれをやろうとは絶対に思いません(笑)。

 でも流行を作るのに比べて“流行と賢くつきあう”のはそんなに難しい事ではありません。私は M:tG でそれを実現する1つのアプローチ法として「流行のデッキ情報はメインデッキを作る時には一切見ず、サイドボードを作る時だけ見る。」事をお勧めしています。メインデッキは自分の知識や感性だけで組めばいいのです。でもサイドボードという物は元々、想定される対戦相手のデッキに合わせて作る物です。ですから逆にそういった情報を見ずに作る方が変なのです。よくデッキ診断で「このデッキにはどんなサイドボードがいいでしょうか?」等と質問される方がいらっしゃるのですが、はっきり言うと同じデッキでも福井と東京と大阪では最適なサイドボードは全く変わってくるのです。また先週の大会では有効だったサイドボードが今週の大会でも有効だとは限りません。ちなみに言うと、だからその手のデッキ・レシピにはサイドボードが掲載されていない事が多いのです。載せてもあまり意味が無い事を、記事を書く側は知っているからです。(逆に言うと、それを記事に書く人間は M:tG の知識が・・・まあそういう事です。 (^^; )

 元々デッキ・レシピという情報は「自分でデッキを考えられない初心者君はこんなデッキで来るから、みんなでボコボコに負かして鴨にしてやろうぜ!」という発想で公開されている物です。それを日本人の多くが有り難がって教科書のように扱い、そっくりそのままコピーして悦に入っている、それって「頭悪いんじゃないの?」と私は思うのですが。 (^^; ましてや代理店の雑誌に掲載されるデッキ情報なんかモロそうでしょう。そんな何ヶ月も遅れて出てきたデッキ・レシピを真似するのって、トレードで負けてるわ M:tG への取り組みでも負けてるわ、言っちゃうと「私は M:tG の負け犬です。」って看板を背負ってるようなものだもん。 (^^; 私だったら恥ずかしくて絶対にやらないですがね。

● 情報を見極めろ!

 今代理店や日本のトーナメント・プレイヤーの多くが、事ある毎にDCI公認大会への参加を勧めます。でも私に言わせると、そんな競技の場に参加できるプレイヤーなんて、本来はデッキ構築やプレイングのセンスに恵まれたほんの一握りの人間だけでいいはずなのです。それをそういった物に恵まれていない人間が無理にやろう(続けよう)とするから無理がある訳で、それ故一時代も二時代も前の情報に頼ってまで・・・となるのです。

 あと代理店の雑誌が“勝ってこその M:tG ”とか言うのって、はっきり言っちゃうと雑誌を売るための宣伝文句と言うかキャッチコピー位に思った方がいいです。そしてトーナメント・プレイヤーの多くが原稿料等をもらってそれに手を貸している、要はそういう事です。彼らはデュエルに勝つ事が正義だと言いますが、それは半分は営利目的で作られた意見です。100%真に受けてはいけないのです。あなたは“この商品はいい”というキャッチコピーをいちいち真に受けて、手当たり次第に商品を買ったりはしないでしょう?。それと同じ事を M:tG でもすべきなのです。いくら有名なプレイヤーが言った事でも、それが利益誘導を目的に発せられた意見である以上、我々はそれを見極めて行動するべきなのです。

● ブルータスお前もか!

 「 M:tG の勝敗は目の前のデュエルの結果にあらず。」これが私の持論です。少なくとも私個人は、そんな何ヶ月も前のデッキをコピーしただけのデュエリストにデュエルで負けても何とも思わないです。というか、元々そんな人とはデュエル自体やろうとは思いません。だって元々の取り組み方が変だもん、私はそんな人間はデュエリストとして認めませんよ。例えそれで世界選手権で優勝したとしてもね。私は雑誌のデッキをコピーして6戦全勝するデュエリストより、一生懸命自分の知恵と限られたカード資産を駆使して作ったデッキで1勝5敗に終わったデュエリストの方を高く評価しますよ。

  M:tG なんて物は“面白い”からやれるし続けられるのです。でも最近は自分で何が面白くて M:tG をやっているかが見えていないデュエリストが少ない気がします。最近最も多いと思われるデュエリストの傾向は「とにかくデュエルには勝ちたいけど M:tG に余計な手間はかけたくない。」なのです。確かにそういうデュエリストには代理店の雑誌はそれこそ有益な情報の宝庫なんでしょうね。 :-P

 う〜ん、やっぱり今の日本の M:tG って、あらゆる意味で対戦格闘ゲームが歩んだ衰退への道を正確にトレースしていると思います。 (^^; やはり私1人がホームページで散々騒いだところで、この大きな流れを変える事はできないのでしょうか?。


   
なお、このページの内容に関する文責はすべて私 あいせん にあります。