という事で、前回の記事で予告した“カードを売る側の利益になる Type-I 推進の方法”について書きます。ちょっと考えると「そんな物あるの?」と思われるかも知れませんが、実は内容そのものはそんなに難しい話ではありません。
私がここで定義する“ Type-I プレイヤー”とは Type-I しかやらないプレイヤー+他のフォーマットも同時進行でやっているプレイヤー(どちらを主力としているかは関係なし)のすべてを含みます。つまり Type-I に興味があってそれ用のカードやデッキを持っている(あるいは作ろうとしている)方は、私に言わせればすべて Type-I プレイヤーです。別の言い方をすると「 Unlimited の Black Lotus(ニアミント)が2万円!」と聞いて「安いっ!」と思った人は全員それに該当します(爆)。いや皆さん冷静になって考えて下さい。普通一般人から見れば、あんな紙切れ1枚にn万円も出す人はキ○ガイですよ。 (^^;;;Type-I プレイヤーはそうでないプレイヤーに比べて、間違いなく M:tG という物に対するアプローチ法が変わってきます。まず自分に取っての“欲しいカード”の範囲が格段に広がるため、最新の基本セットやエキスパンションの購入量が減ります。またショップでは既に売っていないカードが必要となるため、トレードを積極的に行うようになったり、場合によっては自分でシングルカードの輸入ルートを開拓する人まで現れます。ですから販売店からそういう人を見ると“他店でカードを買って自店のデュエルルームにトレードやデュエルをしに来るだけの客(!?)”にしか見えないのです。これは代理店から見た場合も多分同じで、つまりここから「 Type-I が流行る事は日本の M:tG 市場に取っては好ましくない。」という結論が出る訳です。
去年の8月まで福井で営業していたマナソース福井店(以下M福井と略す)では、私からの助言があったとは言え M:tG に関しては素人である店長が“ Type-I の推進”を口にしていました。その理由ですが・・・
(1) 売ったカードが2年で使えなくなるという Standard だけの M:tG は、どう考えてもカードを買う側に対して不親切かつ不誠実である。やはり販売側は“買ったカードがいつまでも使える(遊べる)”という安心感をお客さんに与えなければいけない。(←それにより売り上げが伸びる事も見越してますが。) (2) 絶版シングルカード(特にパワーナイン)は高価に取り引きされており、安い仕入先から仕入れてお客さんが買いやすい値段で販売すれば安定した収益&高い利益が見込める。またそういった商品を扱う事は、自店の“他店との差別化”にもつながる。 (3) 店としてのサポート範囲を広げる事で様々な層のお客さんが店に通ってくれるようになり、そこからお客さん同士の交流が生まれて店としての魅力(通う事のメリット)が高まる。また特に社会人層を顧客として取り込む事で、BOX購入等による売り上げの増加が期待できる。
・・・とまあ、主な理由だけでこれだけあります。つまり少なくともM福井では店長も私も“ Type-I は儲かる”と考えたのです。そしてそれは正解でした。実際絶版シングルカードを扱い始めてからのM福井の売り上げは、それ以前と比べると間違いなく上がったのです。またそれに伴い新製品のフレッシュパックの売り上げも伸びたのです。詳細な売り上げの推移をここでお見せできないのが非常に残念ではあるのですが。(流石に資料なんかもう残っていませんし。)
最近福井では Type-I しかやらないデュエリストが結構増えて来ているのですが、しかしやはり世の主流は“ Standard をやりながら Type-I もやる”という方だと思います。今代理店はそういう人に対して、事実上“ Type-I の存在を無視する”というやり方で Type-I を最初からさせないような販売戦略を取っています。しかし私に言わせるとこれは(売り上げ増を狙うやり方としては)逆効果です。まず「 Standard と Type-I では、デッキに使う有効なカードが違う。」という事です。言い換えると「 Standard しかやらない人に取ってはゴミカードでも、 Type-I をやる人に取っては価値のあるカードがある。」のです。特に現行 Standard は使える(使う)カードと使えない(使わない)カードの差が激しすぎて、そのためある一定以上の量のカードを買いにくい状況なのです。ですがそういう人が Type-I を始める事により、カードの有効活用が図れて更なるカードの購入意欲が湧くケースが結構あるのです。
それとそういうプレイヤーが「本当に Type-I しかやらない(最近のカードを買っていない)プレイヤーと接点を持っている。」事も無視できません。そういう昔のプレイヤーにも必要とする最新のカードがあるのです。そこで多くのプレイヤーがそういった昔のプレイヤーにカードをトレード等で供給する事で、結果的にフレッシュパックの需要が高まるのです。ただ日本の販売店の多くがそういう“個人間のカード流通”という物を見ていないか、あるいは店に取ってはデメリットだとしか思っていないようです。それ故に販売店が Type-I のイベント等を積極的に開く動きは見られませんし、あまつさえデュエルルームでのトレード禁止なんて(私に言わせれば馬鹿げた)決まりを作る販売店まである訳です。でも実際福井ではこのカード流通は盛んで、それ故に福井で Type-I を遊んでいる中高生は(絶版カードとのトレードを見越して)ちゃんと最近のフレッシュパックを買っているのです。私個人も狩姉X枚とデュアルランドをトレードしたりしてますし(笑)。
ただ実際に M:tG 販売店が絶版カードの販売や Type-I イベントの開催を考えた場合、間違いなく“商品知識の不足”という問題に直面すると思います。絶版カードの販売には“市場価格(相場)の推移”や“カードコンディションの見極め”といった専門知識が必要になりますし、イベントの開催には“ Type-I のカードルールに精通した人間の参画”が必要不可欠なのです。その点福井という地域はこの難題を見事にクリアした販売店が実在し (^^; またそれを外からサポートするイベント企画集団まであるという豪華さです(笑)。まあそれ故に我々も今のような活動が可能になっている訳ですが。それと“その地域に今 Type-I プレイヤーがどの位いるか?”という話もあります。いなければ育てればいいという話もありますが、それこそ息の長い営業活動とリーダーシップを要求されますから、実行に移せる販売店は少ないでしょう。ただやらなきゃ話は始まらないですし、前から言っているように今は“デュエリスト達が絶版カードを有効活用する機会(場)のニーズは高まっている”はずです。やるなら今がチャンス、私はそう思っているのですが。
今までこの記事では“より多くのデュエリストに Type-I を遊んでもらう”というアプローチ法について書いてきましたが、実は M:tG (特にフレッシュパック)の売り上げアップに関しては別のアプローチ法もあります。それが“昔からのデュエリスト達に Standard を遊んでもらう”という方法で、そのために Type-I を利用するのです。昔から M:tG を遊んでいて今でもその面白さが忘れられない人間は、多分どこかの販売店(デュエルルーム)で Type-I のイベントがあるとなると興味を持つものです。「久しぶりにデッキを作って参加してみようかな。」そんな人も現れるでしょう。もちろん現役の Type-I プレイヤーなら尚更の事、それでなくても数が少ない Type-I のイベントの機会を逃す理由なんてありません。
そしてイベントを開催(できれば定例化)してそういったプレイヤーを店に定着させる事ができれば、取りあえず第一段階としては成功です。こういった商売は“客が客を呼ぶ”のです。「あの店のデュエルルームに行くと Type-I のデュエルやトレードができる。」という評判を聞きつけた方々が遠くからも集まってくれるはずです。するとその中から自然に起こるのですよ、「じゃあ Standard もやってみようかな。」って動きがね。やはり日頃デュエルルームに集まる人達がメインに遊ぶフォーマット(いわば共通語)は Standard ですから、デュエルルームに通うとなるとデッキの1つも持ってなきゃ・・・となるのです。そうなればしめた物で、今まで全くと言っていい程フレッシュパックを買っていなかった方々が買ってくれるようになります。しかもこの方々の M:tG に対する投資の額は半端じゃないですからね。 (^^;
実はこの話はM福井で実際にあった成功事例です。当時は私自身狙ってやった物ではなかったのですが。
私は今まで機会がある度に Type-I を推奨してきましたが、別に私は単にデュエリストだけの利益を考えてそう言っている訳ではないのです。何度も言っていますが、私はメーカーや代理店、問屋や販売店、そしてデュエリストという M:tG に関わる者すべてが利益を被る環境を作りたいのです。そしてそのためにはどこかの代理店がやっている“ Type-I 切り捨て”という政策よりも、私が事ある毎に提唱する“ Type-I 推進”の方が理にかなっている、そう考えているのです。ただし“実現は難しい”それは認めましょう(笑)。私がM福井にいた頃にしても、良いお客さんが付いてくれたといった幾つかの偶然が重なって結果的にうまくいっていますし。ただはっきり言ってしまうと今の日本の M:tG の商売って“手詰まり”じゃないですか?。代理店経由でフレッシュパックを仕入れる以上、価格は並行輸入の物には絶対勝てない訳です。その上人気筋のエキスパンションは米国での Pok?mon ブームや不人気カードの処分を見越した生産調整から生産されない(故に入荷しない)。とすれば、販売店が売り上げアップの活路を“絶版カード”に求める事は、実は自然な流れだとすら思われるのです。
また代理店にしても、そういう販売店の苦境は把握しているはずでしょう。だったら販売店が絶版カードで商売をしていくためのサポートを自社の雑誌等で進めていくべきなのではないですか?。人気筋のカードは生産(出荷)調整しておいて不人気な不良在庫を押しつけ、頑張って絶版カードを売って M:tG を広めようという販売店に何のサポートもしない。そんなの普通“代理店”とは呼びませんよ!。ただ代理店もその辺が多少は分かっているようで、多分それを見越して JAPAN CLASSIC を始められたのだろうと私は想像しているのですが。
私の周囲にも今の Standard (というか最近の M:tG そのもの)に嫌気が差して足が遠のいた方々が大勢います。 Type-I をこれだけ推進している福井ですら、今はデュエリストの M:tG 離れを完全には止められていない状況なのです。ですがやはり「福井は Type-I が遊べるから M:tG を続けられる。」という方は多いのです。多分日本の中にはデュエリストの M:tG 離れ(人口の減少)に頭を抱えている地域がある(&それは決して少なくない)はずです。だったらその流れを食い止める1つのアイディアとして、是非 Type-I という遊び方を始めて頂ければと思っています。 m(__)m