最近 Yahoo! オークションでの様子を見ていると、どうも現行 Standard で使えるカードよりも絶版カードの方が高い人気を得ている印象があります。でも日本のDCI公認大会は相変わらず Standard や Limited を重視しています。この遊ぶ側と遊ばせたい側の“温度差”は、今後何を生み出すのでしょうか?。
去年の9月にDCI公認大会のフォーマットが大きく変更になりました。これに伴い私もその後のDCI公認大会がどうなるかを予想した記事を書いたのですが、どうも当初期待した方向(= Standard 以外のフォーマットによる公認大会が盛んに開催される)には進んでいないように私は感じています。特に私は Extended によるDCI公認大会が増える事に期待を持っていたのですが、日本国内では新しい Extended は予想以上に不評なようで、DCI公認大会の開催頻度に関しては減っている傾向こそ見られても増えている様子はありません。福井でも開催を希望する声が多少は上がっているものの、実現に至るような大きな声にはなっていません。
ただ不思議な事に、例えばイベント会場やオークション等でのデュアルランドに対する需要は更に加熱していて、供給が追い付いていないようです。また Extended でも使えないような絶版カードが高い人気を集め、かなり高額で取り引きされています。先日来私も「こんなカードに買い手が付くのかなぁ?」と半信半疑で絶版カードを出品しているのですが、設定価格のせいもあるのか、そのほとんどに買い手が付いています。
どうも日本国内に今までになく“ Type-I を始めたい!”という気運が高まっている印象を私は持っています。実際 Yahoo! オークションに出品される絶版カードの数は最近になって急激に増えていて、またそのほとんどに買い手が付いています。(一部買い手が付かない絶版カードは、そのほとんどが市場価格の調査不足 or 絶版カードへの期待のかけすぎと思われる高値設定に原因があるようです。)しかしその割には日本で Type-I のイベントが増えているという話はあまり聞きません。ですから数少ないイベント(例えば1月10日の京都でのイベント)等に参加者が集まるのだろうと私は想像しています。前々から言っているように、元々 M:tG で Standard のみを遊び続ける事には限界というか無理があります。買ったカードが2年で使えなくなるという遊び方は、元々 M:tG というTCGが前提としている遊び方ではないと思われるのです。ただメーカー等の販売側から見ると(一見すると) Standard は M:tG で売り上げ(儲け)を上げるための最も効率的な遊び方と思われる訳で、それ故他のフォーマットに比べて力の入れようが変わるのだと私は想像しています。
それに対して M:tG のメーカーや代理店の Type-I に対する意気込みというか入れ込み方は、近年にない位お寒い物になっている印象があります。ORACLEのメンテナンスの遅れ振りがそれを如実に表していますし、最近のプロツアー等で Type-I が採用されるといった動きは見られません。簡単に言ってしまうと今の M:tG は“デュエリストが遊びたいフォーマット”と“メーカーや代理店が遊ばせたがっているフォーマット”が食い違っている状況なのです。これでDCI公認大会が盛り上がる方が普通はどうかしています。オークション等の様子を見れば、普通誰だって最近のデュエリスト達が何を求めているかは気が付きそうな物です。それをメーカーや代理店があえて無視し自分の利益しか考えないのでは、多分 M:tG に未来なんてありません。
ただ最近のメーカーがそういう動きを取っている理由に“メルカディアン・マスクス”があるように私は感じています。最近 Type-I のイベントで使用されるデッキの傾向を見ていると、その中にMMを入れている方をあまり見かけないのです。MMは収録カードの多くが絶版カードの焼き直しですから、逆に言えば絶版カードが使える環境下ではあまり用がないのです。大雑把な言い方をすれば「MMを発売したWoCは現在 Standard や Limited 以外のフォーマットを勧めようがない。」と言えるかも知れません。
※ 余談ですがネメシス発売前に行われる“プレリリースパーティ”って、ひょっとするとメルカディアン・マスクスの予想以上の販売不振を受けて企画された物なのかも知れません。
はっきり言ってしまいますが、多分2月中旬にネメシスが発売されると、メルカディアン・マスクスそのものが“デッド・ストック化”するだろうと私は見ています。流石にラースサイクルやウルザサイクルのオーバーパワー振りに麻痺し切ったデュエリスト達には、あのエキスパンションの価値は見出せないだろうと思うからです。しかし販売店はそれでもMMを売っていかなければいけません。そうなるとどうしても“ Standard や Limited 主体のイベント運営”でお客さんを誘導して行かざるを得ないのです。しかし今デュエリストのかなりの割合が“絶版カードを活用する場”を欲しています。しかも最近 M:tG は今まで以上にニューカマーが入りにくい雰囲気になりつつあって、既存のお客さんを獲得できない販売店に未来はありません。となると、販売店(あるいは M:tG サークル)は絶版カードが使えるイベント(この場合は多分 Type-I イベントになる)に力を入れざるを得ないのです。
つまり販売店には「どちらのニーズがより多いかを判断し、その要望をできるだけ満たすペース配分で両方のイベントを開く。」という高度な舵取りが求められるのです。場合によっては Japan Classic 等も検討対象になるでしょう。少なくとも今までのように“無難に Standard やっとけばOK”という時代は終わったと考えられるのです。しかも現実には国産TCGのイベントの頻度も今までになく高くなっていて、デュエルルーム設置店は週末のスケジュール調整に追われていると想像されます。 (^^;
ちなみに言うと、私がここに書いた話は代理店も分かっているようです。代理店は最近になって自社のHPに Japan Classic や Portal 三國志リーグのサポートコーナーを開設しています。これは数年前の“熱しやすく冷めやすい”販促しかしていなかった代理店からは想像もできない事です(笑)。イベントを多角化してより多くのデュエリストを獲得する、その重要性により多くの販売店や M:tG サークルが早く気が付くべきでしょう。別に私は「 Standard を捨てろ!」と言っている訳ではないのです。主要幹線により多くの車を走らせるには周辺道路の整備も必要である、その事に気が付くべきだという事です。
どうも私は“何の工夫も無くただ開催されただけのDCI公認大会”という物は、この先生き残っていけないのではないかという気がしています。“競技”として極めたいなら、それこそヘッド・ジャッジにエンペラー飯岡氏を招いてK値の高い大会にする。“お祭り”を目的とした物にしたいなら、会場での販売とか賞品等に力を入れる。そういった“イベントとしての特化”が必要だろうという事です。そしてそういったイベントの性質は、何よりも「その地域のデュエリストがどんなイベントを望んでいるか?」を十分考えた上で決められるべきでしょう。主催者のマスターベイションを見せられるだけの大会なんて、参加者は苦痛を感じるだけで何も得る物が無いのです。福井のイベントって一見するとお気楽極楽にやってますが、ここに至るまでには何度となくメンバー同士や他のサークル等との意見交換(激論)を経ています。そして今は“これがベスト”だという結論の元にそうしているのです。ただ正直言うと福井にも“競技 M:tG の登竜門”と呼べるような、柱となるイベントが1つ欲しいというのも事実なのです。実際問題として今は福井で競技 M:tG を志す人があまりに少ないために実現はしていませんが。
どうも一部のDCI公認大会推進派の方の中に、自分達の公認大会への取り組み方とか思想を他の地域にも押し付けようという動きがやや見られる気がします。ただ例えば福井には福井の M:tG に纏わる事情があります。そういった事情に全く配慮されないまま自分達の思想を押し付けられても、我々としては「はいそうですか、じゃあそうします。」とは言えないのです。私は M:tG が好きで福井が好きな人間ですから、日本中のどこよりも福井が M:tG の盛んな地域になって欲しいのです。確かに何を持って“盛ん”かという基準が他の方とはちょっと違っているかも知れません。でも福井にはそういう私の思想に共感して頂ける方が多いのです。だから私はここまでやって来れていますし、これからもやっていくつもりです。