WoC買収の波紋!?

 という事で、遅蒔きながら“WoC買収”について書いてみます。ただこの話に関して本当に正確な情報を書けるのは、現時点では世界中探しても Hasbro 社の一部の上層部だけです(笑)。ですから私がこれから書く記事は、多分皆さんの期待する物とはかなり毛色の違った内容になると思います。

● そもそも“買収”って何なの?

 どうも日本では“会社の買収”という行為そのものにあまり良い印象を持たない傾向があるようですが、米国等では会社の買収って個人のヘッド・ハンティングと並んで頻繁に行われてる行為のようです。何しろそれを専門に扱う会社まである位ですし(日本にもぼちぼち現れてますけどね)。

 簡単に言うと買収とは「その会社(正確にはその資産)を手に入れたいと欲する人間や組織が、経営権を持っている人間や組織からその権利を買い取る。」という行為です。誰も価値を認めないゴミ同然の物をお金を出して買う訳はなく、その会社がそれだけのお金を払ってでも手に入れる価値があると思うからこそ買うのです。つまり少なくとも“ Hasbro 社はWoCに対してそれだけの(買収価格の3億$を越える)価値を見出している”という事なのです。それが具体的に何なのか・・・それは私には分かりませんが。

 ちなみにインターネット上の某HPで、ある有名な方が「今回の件は“買収”ではない」という発言をされていました。私もそれで少し混乱したのですが、改めて発表を読み直してみると、WoC自身が“ purchase (price) ”という言葉を使っています。その方の発言は、多分あまりWoCや M:tG に対して悪い印象を持たれないようにという配慮ではないかと思うので、これ以降私も買収という言葉は使わない事とします。実際発表内容を簡単に翻訳してみると、英語なので私には細かいニュアンスが分かりにくいものの (^^; 「WoCが Hasbro 社の傘下に入った」というイメージを強く感じさせる内容になっているようですし。

●  Hasbro 社は何が欲しかったのか?

 WoCという会社は“知的所有権”と“TCG等の世界的販売網”を持った会社ですが、逆に言うとそれ以外の物を持っていません。WoCの“資産”と呼べそうな物を大まかに挙げてみると、TCGに関する米国内での特許/ Pok?mon や M:tG あるいはD&D等の版権/米国内や世界中に張り巡らされた販売網(例えばHJ等との代理店契約も含む)/TCG等の生産施設、ざっとこんな感じかな。私はWoCの最近の売り上げが年間4億$だという情報を聞いているのですが、それが正しいとすると Hasbro 社は今回の件でWoCの年間売り上げにほぼ匹敵する金額を使った訳です。現時点でWoCの持つ資産をすべて売却したってその金額を越える訳はないので、やはり Hasbro 社は上に挙げた中の何かに魅力を感じてそうした、という事なのでしょう。

  Hasbro 社の思惑に関しては日本国内でも色々な憶測が話題になっていますが、概ね「どうせ Pok?mon なんじゃないの?」という説が主流になっているようです。 (^^; 実際最近のWoCは M:tG よりも Pok?mon を主力商品と考えている気配が強く出ています。最近になって「ウルザズ・デスティニー日本語版の再販分が出て来ない。」あるいは「メルカディアン・マスクスの出荷量は従来よりも少ないのではないか?」という情報が入っていますので、どうも今のWoCは真剣に“ M:tG どころではない”のかも知れません(苦笑)。ただ何度も書いているように、実際の Hasbro 社の真意は私には分かりません。案外「いや、実はD&Dの版権が欲しかったので・・・」なんて落ちかも知れないし(爆)。

●  M:tG の将来

 それじゃあ実際のところ M:tG はどうなるのでしょう?。普通一般的に会社の経営者が変われば「不採算部門を切り捨てて、儲かる部署にパワーを集中して更なる収益アップを目指す。」のが当たり前です。それでは最近の M:tG はWoCに取って“不採算部門”だったのか“儲けを出している部署”だったのか?、それが1つの分かれ目になりそうな気がします。そういう視点から最近のWoCの動向を見てみると、やはり“メルカディアン・マスクスの値上げ”が気になるところです。つまり「最近のWoCは我々が思っている程 M:tG で潤っていた訳ではない。」という事だけは言えそうな気がします。まあ「別部門の赤字を M:tG の黒字で埋めていたけど、それが追い付かなくなった。」という可能性もあるのですが(苦笑)。

 それともう1つの可能性として「 Hasbro 社がネットゲーム業界に進出する足がかりに M:tG を選んだ。」という推測もできます。実際 Hasbro 社の系列にはコンピュータ・ソフト会社もあるようです。最近ボードゲーム人口はディアブロやウルティマ・オンライン等のネットゲームにかなり食われているはずなので、その減った売り上げを取り戻すために Hasbro 社が自分達もネットゲーム業界に進出したいという願望はあるはずなのです。その点 M:tG には既にネットゲームとしての実績がありますし、新たなゲームシステムを開発して参入するのに比べれば遙かに投資額が少なくて済みます。ただそうなると従来通りにカードが発売されるか否かがかなり怪しくなって来ます。 Hasbro 社がネットゲームに比重を置いた場合、例えば“ネット上でしか使えないエキスパンション”が作られても不思議ではないでしょう。

● 今、我々にできる事は?

 少なくとも「今回の事で M:tG の火が消える可能性が全く無い訳ではない。」という事だけは言えると思います。ただ M:tG がWoCに取っての主力商品になれば、 Hasbro 社だってそんなに簡単には M:tG を切り捨てたりはしないでしょう。我々デュエリストに今できる事、それはどう考えても“日本の M:tG を今まで以上に盛り上げる事”しかないのです。それじゃあ具体的にどうすればいいのか?・・・同じ事を何度も読まされるのはつまらないでしょう?(笑)。

 先日発表されたMMのBOXにフォイルのセラ天の話ですが、あれって見方を変えると“WoCの焦り”とも考えられるのです。ここしばらくの間に現れている事象を考え合わせると、やはり「最近のWoCは M:tG が売れなくて困っている。」としか考えられないのです。そんな商品を Hasbro 社が今後もずっとWoCから発売させてくれるという保証はどこにもありません。私には別に余計な危機感を煽って・・・という意図は無いのですが、そういう見方もできるという事です。そろそろ我々デュエリストや M:tG を販売しているすべての人達が、日本の M:tG をもっと盛り上げて人口(販売数量)を増やす工夫をしていくべき時期が間違いなく来ています。少なくとも“黙っていても次のエキスパンションが出る時代は終わった”と考えるべきなのです。

● ちょっと補足( 1999.09.18 加筆)

 流石にこの話は書く行為そのものに慎重にならざるを得ませんでした。ただ私がここで書いた内容って、良く吟味して読んでみると「会社の経営者が変わった時に起こり得る一般的な話」&「ある会社に同じ製品を今後も作り続けてもらうための方法論」が書いてあるに過ぎません。別に Hasbro 社やWoCの痛くもない腹を探る事なんかしなくても、これだけの事は言えるのです。ただここに個人的な憶測や妄想を混入して話をややこしくされる方が案外少なくないのが困りものなのですが(笑)。

 WoCは間違いなく M:tG で大きくなった会社です。ですから当然 M:tG に対しては思い入れもあるでしょうし、多分今後も守り続けたいブランドであるはずです。しかし残念ながらそれは昔からWoCにいる社員や旧経営者の考えであって、これからWoCの経営を担う人達にはそういう観念は無いと思って多分間違いありません。ただ最近のWoCって M:tG に関してはうまくいっていない気配もあったので、その辺が Hasbro 社の持つノウハウによって改善されるなら大歓迎なのですが。


   
なお、このページの内容に関する文責はすべて私 あいせん にあります。