つい先日 mtgnews.com で「WoCが Classic を断念する」事に対する賛否を問うアンケート調査が始まりました。今日現在この事に対する正式なコメントが発表されていない(アンケートを始めた mtgnews.com にすらその記事が掲載されていない)という状況なのですが、事が事だけに mtgnews.com が不確実な情報源を元にアンケートまで始めるとは思えません。ひょっとすると Classic プレイヤーは、9月に向けてそれなりの“覚悟”をしておいた方がいいのかも知れません。
今回のアンケート調査で用いられている「 Classic を断念する」という言葉がどういう意味なのか、その正確なところはWoCからの公式発表を待つしかありません。ただ現段階で考えられるのは、(1) DCI公認大会において Classic のレーティング(ランキング集計)を打ち切る。
(時期としては「9月1日発表/10月1日施行」が有力か!?)(2) 今後 Classic のカードについてはORACLE等のメンテナンスを行わない。
(現在作成中の版を最終バージョンとして固定!?。)等です。まあ(1)だけであれば、まだ非公認レベルで Classic のイベントは存続可能なのですが、(2)の措置が取られるとなると、個人レベルで Classic のイベントを存続させるには「ORACLEを個人(あるいは特定のグループ)で作成せざるを得ない」という非常に厳しい状況になります。
それでは実際に Classic という物が無くなると M:tG はどうなるのでしょうか?。ここでは上記の(1)と(2)の両方が実施された事を前提として、その影響を分析してみます。・ Classic が無くなる事によるメリット
(a) 今後作成されるカード能力の柔軟性アップ最近 M:tG のカードは「ネタが尽きた」とも言われており、そのため特にウルザサイクルでは絶版カードの焼き直し的カードが大量に登場しています。これが Classic で使われるカードと組み合わされた時の破壊力はすさまじい物があり、実際 Classic でさえゲームバランスを壊すと危惧されるカードがウルザサイクルには幾つか登場しています。(その大部分は既に1枚制限という措置を取られていますが。)
言い換えると「 Classic で使用される事も考慮してカードを設計すると、あまり奇抜な(強力な)カードは作れない。」という事になります。つまり逆に言えば「 Classic で使われない前提なら、ある程度強力なカードを作っても許容範囲に収まる。」という可能性も出てくるのです。 M:tG のカードも今では種類が多くて、新しいカードを設計した際に従来の総てのカードとの組み合わせを検証するのはほぼ不可能になりつつあります。従って「新しいカード設計の負担を軽減するために Classic を無くす。」というのは、実はかなり現実的な選択なのです。
(b) ORACLE等のメンテナンスに対する負担軽減
第6版ルールの大幅な変更により、現在ORACLEは Standard の範囲がほぼ確定しているものの、その上の例えば Extended の範囲ですら矛盾を抱えた流動的な物になっているようです。こんな状態で Classic の範囲までが確定するには、一体どれだけの時間がかかるのか想像すら付きません。
今WoCは Standard に対して異様なまでの執着を見せており、特に新製品の購入にあまり結びつかない Classic プレイヤーをあまり快く思っていない節があります。「それならこの際 Classic をやめちゃおう。」というのは、実は今までのいきさつを見ればかなり自然な流れです。そうする事でWoC(DCI)が Standard に対してマンパワーを集中でき、より精密なルーリングに対する検証を進める事が可能になるからです。
(c) M:tG に対する風評の向上
日本で M:tG がマスメディア等に紹介される時、決まって話題になるのは「1枚n万円のカードが存在し、 M:tG にハマった人達は好んでそれを購入する。」あるいは「 M:tG の上級者になると、月にn万円の出費が当たり前になる。」といった物です。確かにそれはある意味で事実なのですが、でもそれは M:tG という物を見る場合は1つの断片に過ぎません。 M:tG はそんなにお金をかけずに遊べる物であるべきですし、実際そうなのです。しかしマスコミが M:tG を取り上げる場合は明らかに「大金はたいて遊んでるクレイジーな集団がいる。」方が面白いのです。ですが福井でも以前にそういった取り上げられ方をされた新聞記事が掲載され、そのためその記事が掲載された直後に小学校等で「 M:tG 禁止令」が出た事があります。
我々のように Extended や Classic をたしなむプレイヤーの間では「本当に金がかかるのは Standard なんだけどなぁ。」というのは常識になっています。ただ M:tG という物を知らない一般人にはその辺の仕組みは理解できないでしょうし、やはり1枚n万円のカードを喜々として買っている光景は異常なのです。従って、そういう高額カードの大部分が駆逐されるとすれば、結果的に M:tG に対する風評は上がる事はあっても下がる事はないのです。
(d) WoCや販売店の売上アップ(!?)
単純に今の Classic プレイヤーがすべて Standard を本格的に始めるとすれば、間違いなくフレッシュパックの売上は上がります。 Classic で必要となる最近のカードは限られているので、私の周囲でもフレッシュパックを買わずにトレードで揃えている人がかなりいます。でも自分で Standard を始めるとなるとそうはいかなくて、コモンカード等も含めてある程度のフレッシュパックを買って揃える必要が出てきます。
・ Classic が無くなる事によるデメリット
(a) カード購入に対する不安感の増大極端な話、もし M:tG に Standard という物しか存在しなかった場合、間違いなく「買ったカードが2年後には(大部分が)紙屑になる。」という事になります。そんなTCGは私だって怖くて遊ぶ気にはなりません。そしてもしそのStandard 落ちの救済策が Extended だけになると、それもいつルール変更されて所有カードが使えなくなるか分からないのです。
やはりこの手のTCGには「買ったカードがいつまでも使えて遊べる。」というフォーマットがないと、カード購入に対するモティベイションはかなり低くなるのです。昔のカードみたいにコレクションとして楽しめるのならそれでもいいのでしょうが、最近のカードはそういう視点から見ても魅力が無くなっているようですし。
(b) M:tG 販売店の収益悪化
シングルカードを扱う M:tG 販売店は、絶版カードの取り扱いをするか否かで収益が大きく変わってきます。特にパワーナインは販売店の売上を1桁変える位のパワーを持った魅力的な商品です。そういった絶版カードのかなりの部分が商品としての価値を失う事は、販売店に取ってはかなりの痛手となるでしょう。
また今現在絶版カードの在庫を大量に抱えた販売店に取っては、それに加えて「在庫の市場価値の大幅な目減り」という深刻な問題を抱える事になります。実際今回の措置が施行されれば、全世界でかなりの数の M:tG 販売店が閉店に追い込まれるでしょう。そしてそれは結果的には「フレッシュパックの販売不振」あるいは「 M:tG プレイヤーの減少」をも招くのです。
(c) ウルザサイクルの更なる販売不振
確かウルザサイクルには何枚か「 Classic で(1枚制限で)かろうじて使えるカード」が存在するはずです。それが万が一現段階で Classic が無くなるという事になれば、それでなくとも乏しくなっているウルザサイクルに対する購入意欲が更に奪われる事になるでしょう。ウルザサイクルはあと1年以上 Standard で使えるのですよ。それがこんな時期にデッドストックになってしまうというのは、何ともお寒い状況ですなぁ。 (^^;
(d) 大量の Classic プレイヤーの M:tG からの離脱
多分これが Classic を断念した際の最大の問題点となるでしょう。現在 Classic をメインに遊んでいる世代は、例えば日本等でも M:tG の普及と拡大に心血を注いで来た中心的存在です。そういう人達にWoCは「今まで M:tG を世界中で広めてくれて有り難う。それはそれとして“さようなら”。」と言おうとしている訳ですから、そこまでバカにされてそれでも M:tG に留まる人は少ないだろうと私は想像しています。
またこの「 M:tG から離脱する人達」の中には、間違いなく欧米の(バイヤーを兼ねた)トッププレイヤーも含まれるはずです。彼らは訪問先で絶版カード(特にパワーナイン)を売買して収益を上げています。もしその収益が期待できなくなるとすれば、彼らがトーナメントプレイヤー&バイヤーとして活躍する事に対するメリットが失われます。 Classic の断念は欧米の M:tG を支えている原動力すら奪う訳で、それでは世界的に M:tG を衰退させる道筋をメーカー自身が押し進める結果になるのです。
以上の分析結果を読んで頂けると分かると思うのですが、私個人はWoCが Classic を断念する事に無条件に反対する気はありません。「無くせば間違いなく M:tG という物は終焉を迎えるだろう。」という確信に近い物はあるのですが、何せ最近私個人は M:tG の普及という物にメーカーや代理店の力を借りようという気がないので、要は「やるなら勝手にやれば?。でもどうなっても知らないよ。」という発想なのです。 (^^; 実際それで M:tG が更なる発展を遂げる可能性が0では無さそうですから、メーカーが「やるんだ!」と言い張るのであればやらせてみるしかないと私は思っています。ただ、我々(特に日本人)は今まで M:tG という物を“欧米から与えられて”遊び続けています。ゲームそのものもそうですが、それ以上に最近は欧米人の考えたデッキをコピーして遊んでいるだけで「私は強い」「俺は M:tG を知り尽くしている」と勘違いされている方が少なくない気がします。でもその欧米人が Classic という物を放棄するのであれば、それは「日本人が自分達独自の M:tG を生み出し広めていくチャンス」と捉える事はできないでしょうか?。今度は我々が欧米人に「 Classic を遊び続けるには日本語を勉強しないと辛いよ。 (^^; 」と言わせてみせる事も夢ではないのです(笑)。
まあ万が一本当にWoCが Classic を断念したとしても、少なくとも福井や石川の Classic プレイヤー達が Classic という遊び方を止めちゃうとは私には思えません。 (^^; 私だってそうです。しかももしそうなるとすれば、間違いなく世界中のパワーナインは大幅に値下がりします。こんなチャンスを黙って見ている手はないでしょう?(嫌爆)。何しろ私の世代に取ってパワーナインは憧れの存在です。それが信じられない位の格安な値段で自分の手にできて、贅沢にデッキに入れて遊べるのですから。これはまだ(この話が実際に施行されるか否かも含めて)全くの仮定の話なのですが、もしWoCが Classic に関するレーティングやルーリングに関するサポートを止めてしまうのであれば、私は(石川や富山の方も巻き込んで)何人かの有志を募り、「北陸版ORACLE」&「独自のランキング」を作って Classic を存続していこうと思っています。メーカーがやらないなら我々がやるのです!。そして格安になった絶版カードを入手して我々の周辺のプレイヤー達に行き渡らせ、北陸を Classic の一大拠点にします(笑)。最近 ぎゃざる で様々な記事を書いていく中で「倒れるなら前へ!」という言葉が今の私を支えています。こういった逆境をじっと我慢して耐え凌ぐのではなく、むしろより良い方向に導くための起爆剤として考えたいのです。
今まで3年ちょっと M:tG に接して来て、私は自分自身で“撃たれ強くなったなぁ”と思います(爆)。これだけ長い間「自社製品の魅力を理解しないまま続編を作り続けるメーカー」&「販促に関してやる事なす事チグハグな代理店」に付き合わされていると、何かあると「あ、これは自分で何とかしなきゃ。」と思うようになりました。私は例えばブロックの Standard 落ちを機会に M:tG を離れられる方々の心情が多少は分かります。ただ日本の中にブロック落ちを機に、より意欲的に M:tG に取り組まれる方が現れない事にかねてから疑問を持ち続けています。DCIが与えてくれる M:tG が自分に取って面白くないと感じるのであれば、自分で面白くする選択だってあるのです。実際今回の件は9月1日辺りの発表を待つしかないのですが、少なくともそこでWoCからどんな発表があっても、私はそれで泣き寝入りする気など毛頭ないのです。