10月4日発売予定の「メルカディアン・マスクス(以下MMと略す)」から、米国での M:tG ブースター1パックの価格が$2.99から$3.29に値上げされるという情報が mtgnews.com に公開されました。これだけ M:tG に纏わる環境が厳しい中での値上げだけに、これによる M:tG の衰退を危ぶむ声は決して少なくないのではないか?、という気がしています。
私個人は「今回の値上げには多分深い裏なんか無いだろう。」と感じています。簡単に言うと「生産コストの割にフレッシュパックが売れなくなったので、値上げせざるを得なくなった。」という事です。ウルザサイクルでのカード能力の崩壊振りは凄まじい物があり、そのため Urza's Saga (US)とUrza's Legacy (UC)はその中の目玉カードの大部分が何らかの形で禁止/制限カードの指定を受けるか、あるいは受けるのではないかという戦々恐々とした状況になっています。こんな状況でそれらのフレッシュパックが売り上げを伸ばす方が普通どうかしている訳で (^^; 実際USは発売当初から(少なくとも)日本では全国的な在庫過剰状態となっています。“メーカーが自分で作った物を自ら使用禁止にする”という他の業界では考えられないような行為が M:tG では横行している訳で、流石にそういう中では我々デュエリスト達はとてもフレッシュパックなんか怖くて買えないのです。
そこへ来て今回の Urza's Destiny (UD)はUC以上に売りの薄いエキスパンションとなっています。しかもほとんど唯一と言ってもいい目玉カードがやはり禁止カードとなる危険性をはらんでいる訳で (^^; この状況に閉口されている方も少なくないようです。つまり今の M:tG は代理店が言っているような「儲かる商売」ではなくなっているのです。客が減ったから(在庫が過剰なのに)値上げする、要は日本のタクシー業界のような悪循環が M:tG でも始まろうとしているのかも知れません。でもそれってどう考えてもメーカー自身が自ら招いた結果な訳で、それによる損失を我々購入者に負担させるのは“筋違い”だという気がするのですが、いかがなものでしょう?。
あと今米国では某 POK?MON の人気がかなり高く、そのためメーカーが M:tG を軽視してもあまり経営に影響が無くなっている、という背景もあるようです。TCGとして考えると M:tG よりも POK?MON の方がルール等の面で扱いやすいと思われる訳で、実は既にメーカーは M:tG に変わって・・・と、そこまで考えているのかも知れません。
実はちょうど今、各 M:tG 販売店にMMの発注書が回って来ているのですが、そこには「MMのブースターは税別500円」と明記されています。代理店がメーカーから今回の値上げの事を知らされていない可能性も0ではないのですが、余程の事がない限りこのまま行くのではないかと思われます。本家米国で1割も値上げされた M:tG が日本では価格が維持される、もしそうなればそれを決定した代理店の株(風評)は一気に上がるでしょう。また販売店としてもそれなら輸入カードとの価格差が多少は縮まる訳ですから、サービス等のやり方次第でお客さんを取り戻す1つのきっかけにできるでしょう。(ただ実際にはそれでも1BOX当たり約6000円近い差があるのですが。)ただ万が一この値上げがそのまま日本国内でも実施されると、かなり大変な事になります。現在米国でのフレッシュパック1つ当たりの実質的な販売価格は$2.50に近いようなので、多分今回値上げされても$3.00を越える事はないはずです。ところが日本でフレッシュパックが1割値上げされると、販売店が多少我慢して値引きをしても税込み500円に抑える事が厳しくなります。(仕入先次第では販売店の粗利が15%を割り込むのです。)これにより「フレッシュパック1つがワンコインで買えない」&「1BOXの値段が税込みで2万円を超える」という状況になる訳で、購入者から見た割高感というのは相当な物になります。そうなると日本のデュエリスト達が取る選択は「 M:tG をやめる」か「輸入で買う」かの2択になり、それでなくても厳しい日本の M:tG 販売店は更に苦境に立たされるのです。
こうなってみると、改めて「なぜこうなる前に日本でフレッシュパックを定価400円で売れる体勢を整備しなかったのだろう?」という気になります。400円を440円にするならまだ頼みやすいのです。この値段なら現在の為替レートで単純計算してもそれなりに妥当ですし、何しろ「本国で値上げされた」という大義名分がある訳ですから。でも流石にこれだけ日本での M:tG の販売価格に対する不信感が根強い中での値上げは、間違いなく日本の M:tG に取っては死活問題です。下手をすると将来誰も日本国内の一般の販売店ではカードを買わなくなっちゃいますよ!?。
それと日本にはもう1つ重要な問題があります。それが「国産TCGの奮闘」です。最近国産TCGもかなり元気というかプレイヤー人口を伸ばしつつあって、今や日本でTCGと言うと「モンコレ」「リーフファイト」あるいは「遊戯王」の名前を挙げる人は少なくないはずです。何しろ日本には米国の特許が及ばないので、各メーカーは本当に伸び伸びと自社の独自性を発揮したTCGを発売して人気を得ています。今既にそれらから見ても M:tG には多少の割高感がある訳で、それが例えばMM1パックが550円とか言ったら、流石に皆さん M:tG に見切りを付けて他のTCGに流れるでしょう。本来今この時期 M:tG は大胆な値下げによる巻き返しが必要な時期なのです。それを逆に値上げするなんて事になればどうなるか、もう結果は明白です。確かに米国でメーカーは“特許”という最終兵器でライバル会社を退けました。でも少なくとも日本ではその論理は通用しないのです。そんなどこかの某ソフトハウスみたいな殿様商売をしていては、間違いなく日本の市場ではやっていけないのです。多分その辺の事は代理店はよく分かっているはずなのです。ただそれに対してメーカーから何らかの協力を得られるのか否か、すべてはそこにかかっているでしょう。こう言っちゃうと何ですが、今まで我々はそれなりに割高なカードでも買い続けて(売り続けて) M:tG というTCGや代理店を盛り立てて来たのです。今度はそれに対して代理店が報いる番なのではないですかね?。だからと言って別に値上げ分の全部を自分でひっ被れなんて無茶は言いませんが(笑)。代理店と問屋/販売店が一体になれば、1割程度の値上げなら何とか吸収できるでしょう?。
一番賢い選択は「MMが値段に見合うだけの物だと思われないのなら買わない」事でしょう。流石に不買運動まで始める気は私にはない(というか、立場上できません (^^; )ですが、少なくとも安いからと言って安易に予約はせず、スポイラーリスト等で中身を十分吟味してから買う事だと思います。別に買うのが2週間位遅れたからと言って死ぬ訳じゃないんだし(笑)。ちなみに私の勤めるM福井では、そういう考え方の元に(公開され次第)店頭にスポイラーリストを置いて、その上で発売日の前日まで予約を受け付けている訳です。あとやはり最大の対策は「この機会に Extended や Classic に手を出してみる」事だと思います。確かにそういった遊び方にも最新のエキスパンションは必要なのですが、でも依存度という点では Standard よりも遥かに低いです。(無ければ大抵の場合代用できるカードがありますし。)というか、今日本の M:tG には「ラースサイクルの Standard 落ちを乗り切る体力すらない」と私は考えています。その上カードの値上げなんて事になれば、いよいよ日本の M:tG は間違いなくその息の根を止められるでしょう。そういう事態を少しでも緩和して M:tG を遊び続けるには、やはり全国的に Extended や Classic を楽しむ文化を定着させるしかないのです。
う〜ん、何か今 M:tG は“冬の時代真っ直中”という感じです(涙)。しかも新しいエキスパンションが出る度に雪解けどころか積雪が増えているという感じです。 (^^; 我々福井のメンバーの一部は M:tG の冬の時代を作るきっかけになったラースサイクルの Standard 落ちをそれなりに歓迎していたのですが、それに代わるカードが値上げされたのではたまったものではありません。そうならないようにメーカーや代理店のご配慮をお願いしたいと思います。 m(__)mそれと最後に言いたいのですが、もし万が一MMが日本で値上げされて市場に出るようであれば、多分私自身もその後の M:tG との付き合い方を考え直さざるを得ないと考えています。私は1パック550円もするカードゲームと付き合える程余裕のある人間ではありません。そして今現在そんな余裕を持って M:tG と付き合っている人など、多分この日本中どこを探してもいないと私は思っています。