“ぼちぼちやる”という事

 どうも日本人って、“ぼちぼちやる”という事が苦手な民族のようです。それは時として大きな収穫や成功をもたらす物なのですが、果たしてそれで M:tG が楽しめるかと言うと、流石に私は「?」と思わざるを得ません。

● “薄利多売”の M:tG 稼業 (^^;

 実は最近、少なくともマナソース福井店では M:tG を始める方が確実に増えています。週末のデュエルルームはそれこそ人が入り切らない位の盛況振りが当たり前になっていますし、また私が行っているデッキ診断等のサポートも(私が店にいる日は)ほぼ毎日ではないかという位希望者が現れます。前から言っているように店としての売り上げはもうちょっと頑張らないといけないのですが (^^; おかげで私個人はとても有意義な店員ライフ(!?)を楽しませて頂いています。

 ですが最近のお客さんは、正直言うと店(特に経営者)に取っては必ずしも理想的なお客さんとは言えないかも知れません(笑)。購入されるカードもそんなに多くはないですし、ましてや高価なシングルカード等には絶対に手を出しません。毎週のようにデュエルルームに遊びに来るけどカードを買うのは月に1度でそれもブースターを数パック程度、そんなお客さんが最近は主流になりつつある気がします。1円玉や5円玉を財布一杯に詰め込んでパック1つをやっと買っていくような小学生を見ると、私は涙が出そうになります(嘘泣)。ただいわゆる「ベビーユーザー」が M:tG から離れ、その代わりにそれと同じ(あるいはそれを少し上回る)だけのライトユーザーが M:tG を始められているとすれば、店側から見れば“売り上げが落ちた( M:tG が衰退し始めている)”と映っても仕方ないのかも知れません。

● 温故知新

 でもどうでしょう、本来の M:tG の楽しみ方って皆さんこうだったのではないでしょうか?。実際私も昔はそうでした。でもそれで店の経営規模に見合った十分な数のお客さんが集まれば、販売店としては十分商売ができるのです。お客さんの母数が増えればシングルカードの売り上げだって期待が持てるでしょうし、過去の販売実績を考慮しない馬鹿な仕入れさえしなければ (^^; そんなに困る事はないはずなのです。最近ちょっと M:tG はテンポが速すぎて、販売店どころか今まで日本で M:tG を中心的に広めてきた世代でさえ追い付けなくなりつつあります。私が聞いている話では、例えばある有名なトーナメントプレイヤーでさえ最近は M:tG からの引退を考える事があるそうです。そんな雰囲気の中でもマイペースで M:tG を楽しんでいる人は大勢いるし、またできるのです。まあそれが無かったら今頃は私も M:tG から撤退していたかも知れませんね。

● 遅れて来た“個人の時代”

 私個人は「 M:tG は以前のような“個人で楽しむ”時代に戻りつつある」と感じています。どこかのHPに書かれていましたが、これだけ日本の M:tG の値段が高いと、流石にそこからトーナメント向けのデッキを作る(&我々の買価の半分位でカードを入手している外国の人達と対等に渡り合う)のは辛いのですよ(笑)。そこへ加えてハイペースなカード販売&壊れたその内容(バランス)でしょう?。これじゃあ日本で競技 M:tG という物が根付く訳もないのです。また最近 M:tG 関連の話題を検索すると「高価なシングルカードが売れない」という傾向は全国的になっているようです。そりゃあ数千円のシングルカードを買ってまでデッキを作るなんて、かなり規模の大きな公認大会で上位(あるいは優勝)を狙う時位しかしないでしょうから、 今の日本の M:tG の雰囲気でそういうカードが売れる方がどうかしています(笑)。今まで日本は「カードを売りたいからDCI公認大会を開く」だった訳です。しかしそれが現時点で M:tG を買っているデュエリスト達のニーズに合っていない事は明らかなのです。

 でも、ある個人あるいはグループが持っている(買える)カードの範囲で自分なりのユニークなデッキを作って遊ぶ限り、引き続き M:tG はその面白さを維持し続けています。実際昔のカードの組み合わせだけでは考えられなかったデッキが今は実現可能になっています。3年前に「パワー&タフネスが100万点の Aysen Crusader(HL) が作れる」等と誰が想像したでしょう?(笑)。そういう意味では M:tG は確実に進化していて、やっぱり面白いTCGなのです。ただ残念な事にその面白さに気が付ける人って極めて少数なのです。これは日本人の気質(個性が薄い&オリジナリティに欠ける)+某代理店の出す情報の偏り(自分でデッキを作るようになるための情報提供がほぼ皆無)という2つの大きな要因による物なのですが。

● 踊るデュエリスト

 はっきり言ってしまいますが、我々は踊らされているのです。販売店も問屋も購入者もね。今の日本で公認大会なんか根付くはずもないのに「日本は世界のレベルに近づきつつある!」といった宣伝文句に踊らされ、インターネット等で出回る“強いプレイヤーの強いデッキ”の情報に踊らされ、そして何よりも次々と発売される新しいカードに踊らされているのです。でも少し落ち着いて考えてみましょう。なぜ我々はそれをすべて追随して死に物狂いでカードを買わなければいけないのでしょうか?。なぜ新しいカードの発売が決まると、中身も分からないまま何BOXも予約をして買うのでしょうか?。別にスポイラーリストで中身を吟味して「このカードが欲しい」「このカードは使わない」という自分なりの判断をし、その後必要な分だけ買えばそれでいいんじゃないですか?。(あ、でもこれを私が書くのはそれなりに問題発言だったりするなぁ《爆》。)

 最近日本の M:tG に元気がない理由、それはひとえに「デュエリスト達が無理をし過ぎて来たから」だと私は思います。確かにここぞという時には多少の無理をしてでも頑張るものなのですが、でもそんな事を何年も続ければ誰だってまいります。中には過労死までいっちゃう人も現れるでしょう。でも所詮 M:tG なんて物は数ある“趣味”の1つな訳で、そこまでしてやる物なのですかねぇ?。私は3年前からカードを買っていてデッキも作りますが、1度として無理をした事はありません。そして私は M:tG を今でも楽しんでいます。発想をちょっと変えれば誰にだってできるはずなのです。

 少なくとも福井の状況を見ていると、ここ最近は何万円も出してBOX買いをしている社会人よりも、1ヶ月数千円の範囲で少しずつカードを買っている小中学生の方が、遥かに M:tG という物を楽しんでいます。何しろ後者の人達は、買ったパックの開封の段階から社会人の何倍も楽しんでいるという雰囲気があります。私はその事に気が付いて、少し前からBOX買いをやめてしまいました。(ただレガシーはちょっとまとまった量が欲しかったので、久しぶりにBOXで買いましたが。)最近はマナソースに仕事で入る度に1パック、2パックと買っているのですが、こういう買い方の方が面白いですよ。まあ私の場合、そうやって買うのが Homelands だったりするのが結構終わっているのですが(爆)。

 まあ、ぼちぼちやっていきましょうよ。何か数年前から騒いでいた「今年の7月に人類が滅ぶ」話も、未だにその兆候すら現れていません(笑)。新しく買ったカードをあれこれ分析するのもいいですが、時には昔買ったカードの箱を覗いてノスタルジーに浸るのも悪くないですよ。



   
なお、このページの内容に関する文責はすべて私 あいせん にあります。