M:tG 今昔物語

 最近、日本語版4th発売の頃、あるいはもっと昔から M:tG を楽しまれている方々の中に「最近の M:tG はつまらなくなった。」 という声が多く聞かれるようになりました。 実際それで M:tG から離れられる中〜上級者も少なくないようです。 ですがそういった人達も昔は「 M:tG は面白い」と思って始めたはずです。 それが今どうしてこういう状況になってしまったのか?、 ここではその理由を私なりに分析してみたいと思います。

 ● 私から見た「 M:tG の面白さ」

 私は日本語版4thから M:tG を始めた人間です。 当時の私は武生市の某おもちゃ屋さんに集まる常連さん達と M:tG を楽しんでいました。 あの頃はまだ世界大会での流行デッキの情報はおろか、 DCI公認大会の存在すら知らないような状況でしたが、 我々は本当に M:tG を楽しんで(というかのめり込んで)いました。

 当時は使える(持っている)カード等が限られていましたので、 我々は「とにかく買ったカードを使い切る」そして「その中から他人とは違う事をする」 事を目指していました。そういう遊び方は英語版のカード( Homelands とか Ice Ages 辺りかな)を取り入れた事で更に進み、 時々他の方が作った自分が思ってもいなかったユニークなデッキの登場に時には喜び、 時には悔しささえ感じた物です。こういう遊び方は Mirage 位まで続き、 我々はデッキ作成とデュエルを心の底から楽しんでいたと記憶しています。 思えばこの頃が、デッキを作っていて一番楽しかった時期だったかも知れません。

 ● 狂い始めた歯車

 私の記憶が確かならば、そういった M:tG の楽しさが感じられにくくなったのは Visions 発売の少し後位からだったと思います。 ちょうどその頃、福井でもかなりの頻度でDCI公認大会が開催されるようになり、 また雑誌等で「トーナメントで流行っているデッキの情報」等が手に入るようになりました。 ですがカードの発売頻度が急激に狭まった事で、 1つのエキスパンションを端から端まで遊び尽くす余裕が無くなり、 我々は次々と発売されるエキスパンションや発表されるデッキ情報に振り回され始めます。 ただそういう流れが私個人は好きになれず、 別の事情もあってしばらく M:tG から足が遠のきました。 (全くやめてしまった訳ではないのですが、デッキを以前程は作らなくなりました。)

 私が Tempest 発売の頃に M:tG に (イベントのサポーターとして)復帰した頃、私の周囲の人達はまだ、 昔のような個人毎のオリジナリティに溢れる遊び方を続けようと頑張っていました。 しかし Exodus 発売を機にそういったのんきな遊び方では追い付けなくなり、 そして現在に至っています。 最近これを書いている私自身も「そう言えば最近、 買ってから1度も使われずにカードケースに眠らせちゃうカードが増えたなぁ。」 と反省しているところです。

 ● 通用しなくなった「常識」

 私が M:tG を始めてからしばらくの間、 M:tG には「5大デッキ」という物が存在しました。 「ウィニー」「リアニメイト」「フルパーミッション」「バーン」 「大型クリーチャー高速召喚」というデッキタイプが互いに凌ぎを削り、 新しいカードが出る度に「ウィニーが強くなった」「リアニメイトは辛いけどどうしよう」 という話題が飛び交いました。 また「手札破壊」「ライブラリ破壊」等、 その他のデッキ使いがそういった有名どころのデッキをいかに打破するかに知恵を絞り、 そのプレイヤー同士のせめぎ合いが M:tG を面白くしていたと私は記憶しています。

 ところが最近、1つのエキスパンションが発売される度に「NWO」 「トレイリアン・ブルー」そして「メグリム・ジャー」が猛威を振るい、 過去のデッキ知識等どうでもいい(!?)という状況になってしまっています。 これだけデッキの作り方が毎回変わると、今まで M:tG を遊び続けてきた上級者の方の中にも着いていけなくなる方が現れるんじゃないですか?。 私は自分で流行のデッキなど作らないデュエリストなのですが、 その流行のデッキ対策を考えるだけでも毎回大変ですよ。 (^^; しかも最近の強いデッキって「スピードで押し切る(やられる前にやる)」 位しか対策が無くて、 何か昔私が M:tG の楽しみにしていた「駆け引き」「読み合い」 といった要素がかけらも無い気がします。

 私は自分で自分の事を「ウィニーデッキ使い」だと言っています。 そういう“自分のデッキスタイルを持っているデュエリスト” は今でも少なくないと思うのですが、 でも最近の M:tG ってそういう遊び方を否定されている気がするのですが?。 極論すれば「トーナメントで好成績を収めたければ自分のスタイルを持つな!」 という感じです。 でもそんな M:tG が面白いとは私にはとても思えないのです。 少なくとも私個人は M:tG とは「誰かの真似をして勝利のみを目指す」 ゲームではなく「自分がやりたい事をやってあわよくば勝つ(笑)」 ゲームだと思っているのですが。

 ● 最近の M:tG に欠けている物

 この(↑)の表現は実は正確ではないかも知れません。 こういう話をする時我々は「昔の M:tG が持っていた何かを今の M:tG は失った。」と考えがちなのですが、実はそうではなくて 「昔の M:tG と今の M:tG は似て非なる別のゲームである。」 と言えるのではないでしょうか?。 そして昔の M:tG が好きで今の M:tG が好きになれない人達が、 結果的に今の M:tG から遠のいてしまっている、そんな感じかな。

 流石にここまで M:tG という物が昔とは異質なTCGになってしまうと、 もう元に戻す事は多分不可能でしょう。ただ私から見ると最近の M:tG は 「多くの人達が面白いと感じて『始めてみよう!』という気になるゲームにはなっていない」 気がします。ですから昔から M:tG をやっている人達ですら見放してしまうのだと私は考えています。 どんなにカードが出ようが、どんなにルールが変わろうが “面白ければみんな着いて来る”のです。それが結果的に着いて来ない人達がいる (しかもそれが少数派じゃない)という事は・・・つまり、そういう事なのです。

 ● ではどうすればいいのか?

 昔から言われていますが、 M:tG の本当の面白さを体験してもらうのに最も適した遊び方、 それが Classic です(笑)。 私個人は「 M:tG が本当に面白いかどうかを判断するには、 最終的には Classic をやってもらうしかない。」と考えています。 ただ残念な事に最近の M:tG は Standard ですら “初心者お断りモード”に入っていますので (^^; そこまでに至る人がなかなか現れないのではないかとも思えます。

 どうもWoCは今の M:tG が初心者お断りモードである事を 「新製品の発売」&「ルールの変更」でカバーしようとしています。 ですが私に言わせるとこれでは不十分なのです。極論すれば “アンソロジーギフトボックスみたいな企画商品で、 パワーナインクラスのカードを復刻せいや!”という感じです(笑)。 今みたいに明らかにネタ切れ状態の中で、 苦し紛れに新しいカードを作って売ろうとするからこうなっちゃう訳で、 それだったら逆に「昔の面白かった M:tG 」 を誰でも比較的手軽に手にできるようにした方が、何倍も有意義だと私は思うのですが。 だって実際昔の M:tG は間違いなく面白かったんですから。

 今年のエイプリルフールにあったWoCからの発表、 私は実現させて欲しいんだけどな(笑)。


   
なお、このページの内容に関する文責はすべて私 あいせん にあります。