日本の M:tG について

 日本語版 M:tG が発売されて、 もう3年が経ったそうです。 確かに一見すると日本の M:tG は販売店もプレイヤー人口も増えて賑やかそうに見えるのですが、 果たして本当にそうなのでしょうか?。 ここでは私なりに見た「日本の M:tG 」について、 現状と将来像を語ってみたいと思います。

 ● 1人のデュエリストから見た日本の M:tG

 私が3年前に日本語版4thで M:tG を始めた頃に比べると、 今は使えるカードのバラエティの豊かさ、あるいは自分自身のカード資産や M:tG 仲間も確実に増えています。ですがそれで「じゃあ以前より M:tG が面白くなったのか?」と聞かれると、 少なくとも私個人は素直に首を縦には振れないのです。

 私は基本的に「クリーチャーで戦闘ダメージを与えて勝つデッキ」 しか作らない人なので、 そういう立場から見ると最近のカードにはあまり魅力を感じません。 WoCは M:tG ではクリーチャー戦をさせたがっているらしいのですが、 実際には言ってる事とやってる事にギャップがある過ぎるかなぁ・・・。

 ちなみに一言つけ加えると「女性イラストカードのコレクター」 という立場から見れば、今の日本の M:tG は昔に比べて何倍も面白いです(笑)。ただ例えばエンジェルに関しては、 未だに Serra Angel(4E) を越える物が登場していないと思われるのがちょっと淋しいかな。

 ●  M:tG 販売店スタッフとして見た日本の M:tG

 最近特に「 M:tG は販売店泣かせの商品だ。」 と思います。 例えば構築済みデッキ1つ取っても売れる物と売れない物の差が激しすぎて、 多分今まで(普通に定価売りをしている店では) 1つとしてまともに黒字になった物って無いんじゃないかな?。 店としての売り方がまずくてそうなったのなら諦めるしかないのですが、 実際には明らかに「商品の欠陥」と思われる理由でそうなっている訳だから。 これには多分“ Portal Second Age の構築済みデッキ” の例を挙げるのが最も適当でしょう。 少なくとも私には「白デッキのみ3000円オーバー」 なんて頭の悪い価格設定にしてお客さんに迷惑をかける事はできませんから。

 あと根本的な話として「日本での M:tG の価格設定」 という問題があります。 私の知り合いが関税や手数料を払って輸入したフレッシュパックが 1BOX=¥10k足らずだというのに、 私が知っている国内の多くの M:tG 取扱い店は仕入れ原価が1BOX=¥12kオーバーですから。 (^^; 大体あの某“輸入総代理店”って同じ系列の2つの会社間で商品を渡して、 1つの商品から2度利益を上げているんでしょう?。 おまけにその2社の社長が同じだって言うんだからユーザーを嘗めてるよ(笑)。

※ あ、この話は長くなりそうなので折々ゆっくりやりましょう(嫌爆)。

 ● 誰が日本で M:tG を流行らせたのか?

 少なくとも先ほど書いた某輸入代理店でないことだけは間違いなくて(笑)、 例えば福井の場合ですと、うち(= DUELIST FUKUI ) の代表である Brassman 氏の貢献が非常に大きいと思います。 (別に手前味噌でも何でも無くてね。) 恐らく今日本で M:tG が流行っている地域には、 そういう M:tG 普及に情熱を持った個人やグループがあって、 そういった草の根レベルでの活動が今日に至っていると私は想像しています。

 ただこういう「日本の M:tG が熱意のある個人に支えられている」 という状況が、 これだけデュエリスト人口が増えた現在でも何等変わっていないのが、 実は私に言わせると大問題なのですよ。 (^^;;; 例えばもうそろそろ(マスコミに大きく取り上げられるような) 大規模な国内大会なんかが開かれても何等不思議じゃないのにねぇ。 こんな事ではそのうち例えば遊○王にプレイヤーを食われちゃうよ(笑・・・えない)。

 ● 誰が日本の M:tG を駄目にしているのか?

 最近の M:tG が昔程面白くなくなっているのは、 私に言わせると「カードそのものの質の低下」に加えて 「日本のデュエリストの質の低さ」という要因があると思っています。 私に言わせると日本のデュエリストって中途半端なんですよ。 競技を極めるならとことん極める、 とにかく楽しむなら大いに楽しむというような「住み分け」 ができていないのです。 (なんで非公認で開くお気楽なイベントにまでTU持参して引き殺すかねぇ《笑》。) ただ最近 M:tG を始めた人達って、簡単に言っちゃうと 「DCI公認大会で対戦相手に勝つ事が M:tG を楽しむ(唯一の)道だ!」 という情報しか持っていないんじゃないの?。 だとしたら日本の M:tG が今みたいな姿になるのって、 少なくとも“メーカーの意図した通り”なんだよね(苦笑)。 こういう形で M:tG が流行れば、例えその人口は増えなくても、 その少ないプレイヤーが馬鹿みたいにカードを買ってくれる訳だから。:-P

 でも今の日本の M:tG を取り巻く状況って、 まんま以前の“対戦格闘ゲーム”の二の舞ですよ。 あれだけ「プレイヤーのモラルの重要性」 とか「勝つ事だけに拘った遊び方の不毛さ」 が話題になったのに、その歴史をそのまんま繰り返そうとしてるもん。 別に勝敗を最重要視した遊び方を完全に否定する気は無いけど、 少なくともそういう勝ち狙いのみという人は、普通に M:tG を楽しもうとデュエルルーム等に集まる人達とは少しだけ距離を置いて欲しいです。 君達が強いのはもう十分に分かったからさぁ(笑)。

 ● それじゃあ具体的に何をすればいいのか?

 私は今「 M:tG に関するイベントの企画/運営」 と「 M:tG 販売」という2つの形で M:tG に関わっていて、 言うなれば“福井の M:tG が面白くなるもならぬも君次第” という立場にいます(笑)。 これは私に言わせると非常に大変な反面とっても好運な事でして、 少なくとも「 M:tG を盛り上げるか寂れさせるか自分で決められる」 位置にいるのです。 そういう立場から言わせてもらえれば、自分の周囲で M:tG を盛り上げる第一歩は「まず自分が M:tG を楽しむ」 事だと思います。 でも・・・実はこれって日本では案外できてる人が少ないんですよ。 (以前福井の大会でお会いした松尾悟郎さんは、 そういう意味では「会場の中の誰よりも M:tG を楽しんでいた」 ように見えました。しかもそれであれだけ強いんだから羨ましい限りですな。) 少なくとも「勝敗偏重のデュエリスト」で M:tG を楽しんでいるという人を私は見た記憶がありません。 なぜならそういう人が2人揃ってデュエルをした場合、 間違いなく片方は(負けるので)そのデュエルを楽しめないからです。

 そうやって日本の M:tG が楽しくなって M:tG を遊ぶ人口が増えたら、 そこで改めて「競技としての M:tG 」 を極めようとする人達が大勢現れてくれればいいと私は思います。 言い替えると今の日本の M:tG って、 競技として育てるにはまだまだ規模が小さ過ぎるんですよ。 将棋や囲碁は日本にこれだけ競技人口がいるからこそ、 あれだけレベルの高い人達がプロとしてやっていける訳ですし。


   
なお、このページの内容に関する文責はすべて私 あいせん にあります。