お客様は神様です

 最近“ファンを獲得する”という視点で見た時に極めて好対照な2つの出来事がありました。

 1つはDIABLOIIのパッチによるバランス調整です。6月下旬に拡張セット(LoD)が発売されるのを前に、キャラクタのバランス等をある程度LoD寄りにして予習しておいてもらおう、そういう主旨とも受け取れます。このパッチ修正により我々ディアブラーは「LoDが出るまでは暇できる。」という目論見を見事に裏切られ、再びキャラクタ成長やアイテム収集に奔走する毎日に逆戻りしてしまいました。 (^^;

 今回の変更は「DIABLOIIをより長く遊んでもらうには?」という視点で見た時に非常に完成度の高い変更になっている、これが私の周囲では一致した意見です。LoDが発売されればDIABLOIIにもう1度火が付くのは確実なのですが、しかしどうせならパッチリリースで話題性を高める&次回作への期待を煽っておいて発売しよう。そういうメーカーの意図が強く感じられます。

 そしてこれとは極めて対照的なのが最近の日本のプロ野球(JPB)です。ここ最近アメリカ大リーグ(MLB)、特に佐々木やイチローのいるマリナーズ人気に押されて視聴率や球場への動員が低迷している。これを受けてJPBの人間がイチロー批判を始めたのです。特に著しい影響を受けている読売巨人軍サイドからそういった批判がぶち上がっていて、球団オーナーや現役選手が公然とイチローを批判(あるいは中傷)するコメントをマスコミに出しています。

 JPBの低迷は、それこそ関係者が何年か前から警鐘を鳴らし続けてきました。ゲームの面白さや選手人気ではなく監督人気におんぶにだっこ、こんな状況は明らかに異常なのです。しかしJPBはそういう状況に何らの打開策を打とうともせず、現状に呆れてMLBに人が流れた事をイチローのせいにしているのです。こんなのどう考えても本末転倒でしょう。あまつさえそのイチローがMLBに行ってしまった原因がそういうJPBの体質(巨人戦&巨人の選手しか注目されない)にあったとしたら尚更おかしな話です。少なくとも巨人軍の関係者はそういうコメントを吐く資格は持っていないはずです。だって“お前らこそが悪の源”なのですから(笑)。

 ゲームやスポーツにファンを引きつけるために必要な物、それは何と言っても“ゲーム自体の面白さ”なのです。見て楽しい&遊んで楽しい、だから人はそれに時間やお金を投資するのです。そういう発想が米国から発せられるゲームやスポーツには脈々として存在するのに日本発の物には薄い。そういう現状がこの差をそのまま生み出していると私は感じています。ましてやJPBは日本のプロスポーツ界の中でもトップクラスの存在のはずです。それが他国の野球やその選手を妬み、それを露骨にコメントしてしまう。ひょっとするとJPBってこの先5年持たないかも知れませんよ。それこそ昔のプロレス中継みたいに「来年からは深夜帯に録画でお送りします。」なんて事になりゃしないでしょうか?。ましてや来年は日本でワールドカップがあって野球どころではなくなる可能性もあるのに。

 まあいつものごとくこれをTCGに当てはめて書いてみると、実は Magic にも全く同じ様な事が起きています。WoCはサイドストーリーといった余計な物に拘りすぎて“ Magic の持つゲームとしての本来の魅力”を疎かにしている、そういう印象を私は感じています。確かに Invasion サイクルでそういう傾向は多少改善されました。しかしまだ昔のように“カードを買う事が無条件に楽しい”という状況に最近の Magic はなっていません。

 面白くないゲームに人は金も時間も使わない。こんなの簡単な理屈です。多くの人達に自分が生み出したゲームで時間やお金を使って欲しければ、そうしたくなるようなゲームの作り込みが何よりも大切なのです。どんなに表面を着飾ろうが話題性を取り繕おうが、中身に魅力が無い商品は誰も買わないのです。そしてメーカーや競技団体が中身の作り込みをサボり始めたその瞬間から、確実にユーザー離れは始まっているのです。それでなくても日本人の趣味や嗜好は多様化しています。そんな中で多くのファンを集めて話題性を維持するのは大変な事なのです。JPB程の市場規模になった物でさえ今は安穏としてはいられないのです。だったら例えばTCGなんて発展途上の世界の人間は、もっと^2危機感を持ってその普及に取り組むべきなのではないでしょうか。


   
なお、このページの内容に関する文責はすべて私 あいせん にあります。