| はまさきあゆみ | ||
別に音楽の話をしようという訳ではありません。 (^^; 私は最近知ったのですが、最近の経済というか企業の生き残りのために何をするべきかという論議の中で、ある経済キャスターが“はまさきあゆみ”というキーワードを提唱しています。(私は某所で「これが2003年を乗り切るキーワードだ!」と聞いたのですが、発表されたのはどうも去年のようです。危うく騙されるところでした《笑》。)このリポートは特に著作内で紹介された物という訳でもなさそうなので、今回は珍しく全文転載という形でご紹介したいと思います。▽
今後の経済を考える時「市場は広がらない」「デフレは続く」という、二つの前提を忘れてはなりません。
つまり「黙っていれば不況」ということです。つねに自らが仕掛けていかない限り、何もしないということは現状維持ではなくジリ貧を意味します。たとえ全体市場は縮小しようともトレンドの風が吹く一部の市場は活気づくはずですし、そこでは旺盛な需要で付加価値商品が高値で売れるかもしれません。何といっても当代随一のヒットは「はまさきあゆみ」です。
売れない時代にどう売るか。「はまさきあゆみ」がヒントではないでしょうか。「は」とは「ハレの消費を演出せよ」
現実世界が暗い「憂き世」だからこそそれを忘れさせてくれるTDLやUSJに人が集まります。また「夢や」や「ドンキホーテ」「100円Shop」なども売り場自体の楽しさの演出が一時の憂き世を忘れさせてくれることが人気の背景にあります。
「ま」とは「満足」
280円牛丼には280円なりの、あるいは2万円のフランス料理フルコースには2万円なりの期待値というものがあります。同じ消費者がある時には「この牛丼、280円ならお値打ちだね」と言い、また別の時には「なんだ!2万円も出してこの味じゃあ納得できないよ」と言うのです。つまり、その価格なりの期待値を上回る満足感が提供できるかが成功のポイントです。
「さ」とは「三世代」
団塊の世代は早50代半ば。すでに住宅ローンと教育費の負担もピークを越えました。日本全体は貧しくなったといってもそれは昇給もままならずリストラの恐怖もある20代から40代の話で実は50代から上の層はそれほど貧しくありません。今後若い世代は親と同居、もしくは近くに住み、支援を受ける可能性が強いのです。パラサイトシングル(独身寄り木族)と言われましたが、結婚してもなにかと親の世話になるわけです。兄弟も少ないので住宅の相続権をもっている人も多く、なにもこんな先行き不透明な時代に家を買わなくても親の家を引き継げばいいと考えます。親子三世代でディズニーランドへといった風景が一般化するので「孫ビジネス」がキーワードとなります。
「き」とは「帰農」
今後製造業などの就業人口が減り、実家にもどって農業する人が増えると思われます。また建設業のおちこみで地方ほど失業率が増える心配もあります。ここでいう農業とは補助金にたよるコメ作りではありません。高級野菜や果物、そしてそれらを加工するブランド一次加工産品です。「ちょっとぜいたく」で「ちょっとこだわり」な消費者に訴える付加価値商品づくりを新しい製造業と位置づけるべきです。
「あ」とは「安全」
治安の悪化により安全に対する支出は増えるはず。車両盗難を探知する「ココセコム」は発売9ヶ月で11万世帯が契約するヒット商品になりました。今後もさまざまな「安全商品」が出てくるでしょう。
「ゆ」とは「ゆかい」
これは娯楽産業に限りません。これからは可処分時間の増加、すなわちひまな時間が増えてきます。これを経済的資源と考えればビジネス拡大のチャンスです。
「み」は「身」
つまりわが身に対する消費。資格などをとってリストラ時代に備える人。あるいはマッサージなどのいやし。「体にいい」というキャッチフレーズもヒットの条件です。いずれにしても「自分」あるいは「からだ」への関心だけはいつの世も変わりません。
(出典は西村晃氏著「トレンドリポート No.75 」と思われます。)△
これは別に自慢するのが目的で書く訳じゃないんですが、このリポートには私が今まで Magic や様々なゲームに対して書いてきた内容が結構含まれていたりします。ただしそのまとめ方というか読ませ方に関しては、流石にそれこそ私なんか足元にも及ばない位うまいですが(笑)。
まず“黙っていれば不況”というのは、例えば Magic が全盛期に満足な販促をしてこなかった事が、現段階での衰退局面につながっている事1つ取っても明らかです。TVゲーム位派手な宣伝やPRをやってもダメな時はダメなのに、ましてやまともな販促(市場拡大&ユーザー獲得のための工夫)をして来なかったのですから、逆に言うと今くらい維持されている事の方がむしろ奇跡なのかも知れません。一部の Magic 関係者はこれを“不況のせい”と考えているのかも知れません。でも同時期に売られた遊戯王OCGやベイブレードはちゃんとブームを起こせたじゃないですか。つまり“トレンドの風”を吹かせる事ができた勝ち組と、それができなかった負け組との差がはっきり出た訳です。
じゃあなぜ Magic は負け組になったのか。その原因もこのリポートにはちゃんと書かれています。楽しさを演出する、言い換えると外の世界の人達に「 Magic って楽しそうだぞ。」と思わせる事ができなかった。500円のパックを買う事に満足感を与える事ができなかった。資金を十分に持っている世代を掴み損ねた。(これについては遊戯王を Magic 漫画にできなかったのが最大の失敗ですかね。)暇な時間に気軽に遊んでもらうという遊び方の提案ができなかった。そして Magic でユーザーに癒しや安らぎの時間を与える事ができなかった。(これだけ競技偏重じゃあねえ。)ほら、私が言ってきた事そのまんまじゃないですか。言い換えると「いかに Magic というTCGが世の流れやヒット商品の成功例に逆らった商売をしてきたのか?」という事です。それでうまく行ったなら賞賛されるべきなんでしょうが、何しろ現状は“この有様”なのですから。
先日教育テレビで放送された吉野家の社内革新に関する番組はご覧になられたでしょうか?。現在の社長はアルバイトの牛丼盛りから今の地位に登り詰めた人らしいのですが、その社長が取り組んだのは“吉野家を徹底的に壊して再構築する”という施策でした。流通システムから社内機構、それどころか各店舗の厨房機器の配置に至るまで、徹底的に見直して作り直したそうです。今の時代はそこまでやらないと企業は生き残れない。これが現実なのです。そしてリポートにもある通り、そうやって攻めの姿勢で販売に取り組まない企業や組織には、今は現状維持すらできないのです。実際にそういう施策や工夫をほとんど何もせず、ただ賞金目当てに集まった競技プレイヤーの賛美だけを聞いて商売を続けてきた。その結果が Magic の現状そのものなのです。はっきり言いますが、この状況はそれこそかつての対戦格闘ゲームの末期まさにそのままです。
Magic を復興して真の成功を目指す。それにはもはや“現状の徹底的な破壊と再構築”しか手は残されていないんじゃないか。私個人はそういう意見を持っています。 Magic というTCGを“はまさきあゆみ”に近づけるためには、どう考えても旧来の流通・販売・競技のシステムが邪魔だと思われるからです。だってその様子をいくら眺めたって、我々には「 Magic って面白そうなゲームだな。」という印象は到底抱けません。それはつまり“ Magic というゲームに誰も購買意欲を感じない”という事です。ただその旧来の流通・販売・競技のシステムは Magic から排除されたくはない。そうですよね。ならば自分達の中からそれに匹敵する改革を起こすべきでしょう。(あ、もちろんこの部分の意見は、最初から無理を承知で書いてますが。 (^^; )少なくとも現状のまま何もしなければ Magic には“不況(衰退)”という結末しか用意されていない。そういう自覚は持つべきでしょう。もし日本の Magic がそういう革新を怠るならば、我々一部のデュエリストはこのまま Magic が衰退して結果的に現状が破壊されるのを待つ事になると思います。その方が自分が思う通りの工夫や努力が可能になりますから。