Magic マンガ化への道程 
 
 今回は Magic のマンガ化、アニメ化について考えてみます。

 具体的な内容の検討に入る前に、1つ大きな前提を設ける必要があるかと思います。基本的に我々 Magic プレイヤーと一般の方々とは“感覚がずれている”。これを私は今回、ひときわ声を大にして言いたいと思います(笑)。日本国内には数多くの趣味があり、あまつさえTCGというジャンルのゲームにも遊戯王OCG、デュエル・マスターズ、そしてムシキングなど有名なヒットゲームが幾つか出ています。その中で我々は、一般の人達はあまり手を出しそうにない(&実際にあまり手を出していない) Magic をあえて選んで遊んでいる。もうその時点で一般世間の感覚からは相当ずれていると考えておいた方がいいです。 (^^; あまつさえこの世界では、かつてはシャーク行為が、そして最近ではマネドラといった賭事すら、一部で様々な理由のこじつけにより合法視されています。(実際には明らかに違法なのですが。)こういう状況で Magic プレイヤーを他のゲームのプレイヤーよりも高いレベルにいる存在だと認識できる方は、さすがにちょっと感覚がおかしいと断言して良いと思います。前回のエッセイでも少し触れましたが、今や我々は一般の方々から見ると「裸のお姉ちゃんが描かれた抱き枕を買うヲタクと大差はない」と見られている。そう考えておいてすら間違いはないかと思います。 (^^;;; 

 で、なんで Magic マンガの話で唐突にこういう話を切り出したのか。要は「我々 Magic プレイヤーが Magic マンガのことを考えても、実はあまり意味がないのかもしれないと考えられる。」ということです。もっと正確に言うと「《我々 Magic プレイヤーが面白いと考える Magic マンガ》と《一般の人達に受ける、あるいは Magic の拡販に結び付く Magic マンガ》とは、まあ間違いなく救いようのない位に大きな違いがあるであろう。」ということです。例えば現在現役で Magic を楽しんでいる方々に、じゃあどんな Magic マンガを連載して欲しいか聞いてみましょうか。恐らくは多数派の意見として「ガキが見るような子供っぽいものはダメだ」という項目が筆頭にあげられるのではないかと思われます。しかしよく考えてみて下さい。 Magic をマンガやアニメにして販促をしようと思ったとき、真っ先にターゲットになり得るのはその“ガキ”なのです(爆)。つまり Magic プレイヤーは“自分が見て面白い”あるいは“自分にとって格好いい” Magic マンガやアニメを期待しているだけで、それを多くの人達が面白いと言って見るか否か、あるいは結果としてその効果で Magic が売れるか否か、そんな事は関係ないのです。言い換えると“既存の Magic プレイヤーに意見を聞いても無駄だろう”ということになるでしょう。ちなみに言うと、実はこれと全く同じ話が例の基本セットの人気投票にも当てはまります。だからあんなどっちつかずの基本セットが世に出ちゃう訳ですが。あと、こういう話はそれこそ過去には対戦格闘ゲームの世界などでもあったので、別に Magic が特別というわけでもありません。

 では、実際に Magic のマンガとしてどういう内容が適当なのか、今回は一から考えてみようかと思います。まず何よりも問題になるのは“ターゲット”です。小学生〜中学生辺りを狙うのか、高校生〜大学生か、それとも社会人か。それによってマンガの内容ばかりでなく、どういうメディアに連載するかといった販促の戦略そのものが決まってきます。じゃあ実際の Magic マンガが低年齢層を狙うのか、それとも大人を狙うのか。これは実を言うと「今後 Magic のパック価格が値下げできるか否か」によって事情が変わってきます。現状の1パック441円という価格設定は、どこをどう考えても子供に手を出せる代物ではないからです。実際に Magic はかつて少年ジャンプに紹介記事が掲載され、またコロコロコミックへのマンガ連載によって子供達に注目される存在となり、その度に一時的には売上を伸ばしてきました。しかし様々な理由から多くが続かなかった。その失敗を繰り返すだけなのです。そして現状を見る限り、どうも日本の Magic に更なる値下げができるだけのパワーは無さそうです。そうなると否が応でも Magic は大人を狙わざるを得ない。そうなるとマンガによる販促も自ずとそういう方向性を目指さざるを得ないのです。

 それでは Magic を知らない大人にも受ける Magic マンガとはどういう物なのか。間違っても「 Balance と Zuran Orb のスーパーコンボだ!」にはなりません(笑)。それとそもそもの話として Magic にはマンガ化を阻害する幾つもの要因が潜んでいます。まず年ごとに売られる主力商品やその世界背景が激変し、その度ごとにマンガの内容が大きく様変わりせざるを得ない。これについてはかつてのデュエル・ファイター云々で皆さん痛感されているだろうと思います。 (^^; 何しろ大会の途中で使用カードの範囲が変わったりしてましたので(爆)。また麻雀マンガのような捉え方では、結果として現存する Magic による賭博行為を推奨してしまいます。いやもういっそ、そういう方向に開き直るなら別に止めませんが (^^; それはさすがにWoCもタカラも良しとしないでしょう。あと Magic って対戦中の様子が意外と地味なんですよ(汗)。しかもマンガの主目的はカードを売ることなので、カードが目立たないとマンガを作る意味がありません。ですからヒカルの碁のような描き方もちょっと難しいのではないかと思われます。そう考えると、実は Magic のマンガ化というのは極めて困難な作業だったりします。ましてやアニメ化というのは、こういう発想で Magic マンガを作った場合はほぼ不可能というか、やっても意味がない気がします。何しろ今回ターゲットにしている層がアニメを見るような人達ではありませんので。

 さて、では私個人はこの件についてどう考えているのか。これについては「 Magic の世界観をモチーフにした短編マンガを連発する」という発想を持っています。ただしこのやり方には必須条件があって、要は“シナリオが面白くないと駄目”なのです。子供向けのマンガですと、別にストーリーが多少破綻していようが (^^; 格好いいヒーローがいて悪をやっつけるという勧善懲悪物でお茶を濁せるんですよ(笑)。でも大人をターゲットにするとなるとそうはいきません。内容が面白くなければ誰も見向きもしないのです。これはあくまで1つのやり方ですが、例えば Magic の世界観に存在する年代、あるいは登場人物に的を絞り、ある程度のボリュームを持ったマンガを短編という形でどこかに掲載します。シナリオ・ライターや絵師は毎回変えてもいいでしょう。そしてこのマンガをシリーズ化して、ある程度発表したところで単行本化し、これを Magic の世界観を読み解く冊子として多くの人達に見てもらいます。当然そのマンガの中には実際の Magic のカードも数多く登場させます。こういう形で Magic の世界観に興味を持ってもらい、まずはマンガの中に登場したお気に入りのカードの購入から Magic を買い始めてもらう。流れとしてはそんな感じです。場合によってはマンガに登場したカードを綺麗なイラストでプロモ化して付録にする。そういうアクエリチックな展開も考えましょうか(笑)。

 じゃあ「そのシナリオはどうするんだ?」という問題です。これについては前にも述べているように、我々 Magic プレイヤーと一般人の間には埋めようのない感覚のずれがあります。従って Magic プレイヤーに受ける物では一般向けには受けない、つまり既存の Magic 関係者には作れない可能性が高いのです。そうなると逆に“一般の人達”に考えてもらうのが最善かな、という気がします。具体的にはどうするのか。日本での Magic 10周年の記念企画として、一般向けにそのシナリオの募集をかけるのです。 Magic の世界には、過去様々なバックストーリーが作られてきました。その内容をすべてWebサイト上で公開し、それを自由に読んでもらいます。あと過去に発行された Magic のカード画像も、今より更に簡単な方法で閲覧できるようにします。その中から気に入った世界観やキャラクタをテーマにしたシナリオを書いてもらって投稿してもらう。そしてその中から優秀な作品を表彰してマンガ化する。流れとしてはこんな感じです。あと、そのマンガが実際に掲載できたら、その単行本を Magic が売られている各国の言語に翻訳して発売してもいいでしょう。ただしそうなると、例えばWoCが考えた設定、あるいは宗教上の思想や風習などと、採用されたシナリオの内容が合わない場面が出てくるかも知れません。でもその辺の調整はWoCならお手の物なんでしょう?

 次にマンガ家の選任ですが、これについても Magic プレイヤー内での人気投票にはあまり意味がない気がします。なにしろ一般とは感覚がずれているので。 (^^; あと一般から広く募る形の人気投票も、色々な所での事例を見るとろくな結果になりませんしねえ(爆)。この企画ではあくまで一般の人達が注目するであろう人選が必要なのですから、この辺はそれこそタカラの担当者を中心に独自でやっても構わない気がします。シナリオごとにその雰囲気に合った絵師を探してきて書いてもらう。その辺タカラのセンスが問われるかもしれませんが、これがピタリと当てはまったときの爽快さというのは他に類を見ない気がします。実は裏技として“シナリオを作った人に推薦してもらう”なんて方法もあったりするのですが。例えばマンガ家さんでも「このマンガが実写化されたら、この役は絶対この人にやって欲しいなあ。」という想定を持って作品を作っているケースがありますし。

 じゃあこの企画で、実際にできあがる Magic マンガはどの位のクオリティになるのか。これはひとえに“この企画にWoCやタカラがいくら出す気があるのか?”にかかっています(笑)。優秀なシナリオを得るのに最も効果的なのは、多額の賞金と企画そのものの露出度の高さです。そしてこれはマンガ製作にも同じ事が言えます。あと、そこで間違って超優秀なシナリオ・ライターが発掘できちゃったら、そのまま Magic 本編のストーリー製作に関わってもらうという手もあるでしょう。とにかく Magic というのは、特に最近はなんか閉鎖的な雰囲気で作られているという印象が私にはあります。そういう雰囲気に風穴を開けるという意味でも、今回の企画実現は大きな成果をあげてくれると私は考えています。ただ内容を読んでお気づきかと思いますが、この提案はものの1ヶ月や2ヶ月で実現できる代物ではありません。でも Magic というゲームを更にこの先何年も遊ばせ続けたいと思うのであれば、この位の汗をかいて話題性や人気を取り戻す工夫は必要だと思います。 Magic の世界が一般の人達に歩み寄る。これはゲームシステムにもカードイラストにも言える話ですが、これしか今の Magic に生き残る術はないのですから。

○ 追記( 2005.1.21 加筆)

 掲示板の方で、この件に関する追加の提案がありましたので、内容を保存する&後々調べやすくするという観点から、ここに追記という形で加筆させていただきます。

 ちなみに私個人の感想として、この2つ目の項目に関して「でもそうなると、逆にその3割に誰を入れるかが難しいよね。」という気がしています。下手に売名欲だけ高い関係者を入れても時間と経費の無駄だし (^^; それこそ競技しか見ていない「 Magic にガキや競技に興味がない一般人は不要だ!」論者でも困りますし(笑)。外部からお招きした作家やマンガ家と対等にやり取りができそうな Magic 関係者・・・果たしているんですかねえ?
あいせんの“本音の部分”

 本編の中で何度も書いた“一般人と感覚がずれている”という見方ですが、これはある意味“個性”と等価な訳ですし、実はちゃんと活用すればそんなに悪い物でもありません。私自身も他の人から見て特別ずれている面が多々あって、それを特技として職場では大きな顔をしていたりしますので(笑)。ただ一般人とは違う自分の趣向を、自分が良いと思うという理由だけで他人に押し付けるのは、それこそ宴会の席での飲酒強要と同じで後々良い事がありません。お互いにとって不幸な結果を招くだけです。私は要するに「人に堂々と Magic を勧められる理由が欲しい」と思い、こういった一連の意見を書き続けています。そういう心情は皆さんにしても同じなのではないでしょうか。「私に新しいゲームを勧めてくれるのは嬉しいけれど、なんで他の人気ゲームではなくて Magic なの?」そう聞かれた時に皆さんならどう答えますか。その明確な答えが得られるようになるまで、私のこの手の意見表明が終わることはない気がします。 (^^; 

   

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