| 特集: Magic の今と未来 | ||
| 新製品について | ||
今回は、今も発売が続く Magic の新製品(基本セット/エキスパンション)について見てみます。まずは基本セットについて。ちょっと再び某カードショップさんの価格表を参考にさせていただいたのですが (^^; 現在第8版のカードで比較的評価が高いのは Birds of Paradise / Coat of Arms / Ensnaring Bridge / Glorious Anthem / Underworld Dreams / Wrath of God といった辺りでしょうか。これは個人的には事前に想像していた以上に多かったりします。また我々みたいに絶版カードを好んで遊ぶユーザーから見ても、第8版には Blood Moon / City of Brass / Savannah Lions 辺りに代表される秀逸なカードが多く再録されています。しかし、その割には第8版がよく売れているという話は聞かれません。これには色々と原因が考えられるかと思います。 Standard や Extended といった構築戦の戦力としては物足りない。第6版〜第7版辺りの作り方がダメで、ユーザーが基本セットへの関心そのものを失ってしまっている。新デザイン・新カードイラストの受けが悪かった。そして何よりも Magic 人口の減少と、それに伴うニューカマーの供給停止が大きく影響している。そんなところでしょうか。
このお話を書き進めるに当たり、私はミニ四駆での経験をちょっと思い出したりしています。ミニ四駆で使われるモーターには色々な種類があります。基本的にメーカーの公認レギュレーションで使える物は(私が知っている当時は)3種類だったのですが、その他ハイパワーな物がタミヤ以外のメーカーからはもちろん、タミヤ自身からも発売されていました。言うまでもなくそういうモーターを使った方がミニ四駆は速くなるのです。しかしそれではミニ四駆が単純に“高額のモーターを積んだマシンが速い”という軍拡競争の場になってしまい、多くの子供達にとって遊びづらい物になってしまう。またパーツの吟味/肉抜き軽量化といった工夫が行われなくなり、ミニ四駆が奥行きの浅い薄っぺらい遊びになってしまう。そこでタミヤは自社製品である高速モーターが売れなくなる事を覚悟で、一般的なモーター(&基本的にはタミヤ社製のパーツ)しか使えないグランプリ仕様という大会規定を打ち出して世に広めました。まあこの試みは結果としては大成功を収めるのですが。
私に言わせると、現状の基本セットはミニ四駆で言う標準のモーターで、エキスパンションは高速モーターに該当するだろうと思います。どう考えても誰だって速いマシン(=強いデッキ)を作りたい訳で、しかも Magic の世界では速いマシンこそが唯一絶対の正義であるという認識が根強いのです。そんな中でわざわざ自発的に性能の劣る標準のモーターを買うユーザーはほとんどいないだろうと思われます。つまり標準のモーターをちゃんと売りたいのであれば、やはりWoCは“標準のモーターしか使えない大会方式”を打ち出し、それを広めるべきだっただろうと思います。ただしこれは限定戦だけではダメでしょう。限定戦に出て、そこでもらったカードが構築戦では役に立たない。これでは参加者は怖くて限定戦のイベントにも参加しないからです。数百円のモーターだって買う側は一度限りで使い捨てるのには抵抗を感じるのです。ましてや Magic の限定戦なんて、1回遊ぶのに1000円以上かかる訳ですから尚更なのです。
Magic の国内選手権が各国で進む中、どうも Standard で勝てるデッキの傾向が画一化し始めている。そういうお話が私の耳にも入っています。そのデッキの中に基本セットのカードってどの位入っているんでしょうね。これだけ Magic が競技に偏重し、結局のところ強いカードにしかユーザーが興味を持たない。だからオーバーパワーなエキスパンションしか売れない。あるいはいよいよ皆さんシングルカードでしか Magic を買わなくなる。これじゃあ基本セットなんて商品は無くなったところで誰も困らないのではないでしょうか。基本セットが Magic のコレクション性を踏襲しているならともかく、どうも見る限りそれも無さそうですし。これはかなり厳しい言い方になるかと思いますが、結局WoCは「金儲けのために、今や発売する必要もない&ユーザーも求めていない基本セットを、ただ何となくダラダラと維持させている。」という印象が私には強くあります。こんな商品は売れなくて当然でしょう。
次にエキスパンションについて。これはあくまで個人的な見解なのですが、やはり Magic のエキスパンションの売り方は“極めて中途半端”と言わざるを得ないだろうと私は考えています。
Magic のパックの値段が今よりずっと安ければ、それこそユーザーは毎月のお小遣いの中からコツコツとパックを買って Magic を楽しめるだろうと思います。これは以前にもエッセイでご紹介しているのですが、平成13年度における子供のお小遣いというのは、中学生で平均すると3000円に届いていません。高校生でも7000円を切っています。この額は平成4年の頃からほとんど増えていません。そんな予算の中で毎年3回、万単位の出費をしてBOXを買え。やはりそんなの無理なんですよ。 (^^; じゃあ遊戯王OCGやデュエル・マスターズはなぜあれだけ売れているのか。それは“親の財布”から随時購入資金を捻出できているからなのです。そういう点においても1パック辺りの単価が高く、しかも知名度が低い Magic はかなり不利なのです。
また、それとは逆に Magic のパック単価が今よりも少しくらい高く、しかし“1パック買っただけで取りあえず Magic のゲームが楽しめる”物であれば、今よりも事情は大幅に改善していただろうとも思われます。500円も出すのであれば、子供はもちろん我々大人だってその商品からそれなりに楽しみを得たいのですが、しかし Magic にはそれもなかった訳です。パック開封時の楽しみというかドキドキ感みたいな物を、同じ予算で遊戯王OCGやデュエル・マスターズは3回も楽しめるのです。それだけでも両者の差はかなり歴然だと思います。(このお話についてはこの後更に詳細に触れます。)
そしてエキスパンション販売の際の“売りの無さ”という問題です。これはHJが各販売店にアナウンスしている新商品の案内を見れば一目瞭然です。「強いカード満載」「新能力多数登場」「これでトーナメント・シーンは変わる」・・・もう毎回判で押したようにこの文句の連呼です。 (^^; でもよく考えてみて下さい。最新エキスパンションに今までにない強いカードが入る。これは現状のデッキ勢力図が大幅に塗り替えられる。すなわち今まで強いと言われていて高額だったカードの価値が暴落する危険性をも持っています。また新能力が多数入るという事はユーザーが覚えることが更に増えて、いよいよ Magic 未経験者が感じる Magic への敷居が高くなることをも意味しているのです。実際にアクエリアンエイジが一気に衰退した要因の1つに、この無計画な新要素の追加をあげる人もいます。つまりこんなの Magic というゲームの拡販や将来にとって、決して好ましい事じゃないんですよ。ちなみに言うと、そういう点においても他の国産TCGは色々と工夫しています。マンガ本編に登場したあのキャラクタ(カード)がついに登場とか、あの人気イラストレーターがついに参入とか。そういう売るための工夫という物が Magic にはほとんど見られない。だから売れなくなる。こんなの当たり前なんですよ。
じゃあなぜ Magic はそうなっているのか。それは実を言うと“ Magic が世界規模で売られるTCGである事のデメリット”なのです。言うまでもなく Magic は米国で生まれたゲームであり、故に米国の経済状況や市場システムで売れるように計算されたゲームだと考えられます。だから欧米では比較的低年齢層にも Magic は遊ばれるのです。しかしその仕組みをそのまま日本に持ち込み、満足なローカライズもせずに商売をしてしまった。これが Magic が日本で負けた大きな要因でしょう。それはパックの値段にしても、カードイラストにしても、また販促の内容にしても同じです。そして世界的にも Magic が売れなくなった現状で、なおかつそれを変えようとしない。これはさすがに企業としては怠慢と言わざるを得ない訳です。ただ実際問題として、そのWoCは今や遊戯王OCGの模倣をして、同様のシステムでデュエル・マスターズを売り出し、そして日本では成功を収めました。それと同じ提案をHJが Magic について成し得ていれば、日本でこれだけ Magic の販売不振が決定的になる状況は避けられたかも知れません。本来代理店ってそれを生業にし、その対価として利益を得る物だと私は思っているのですが。
ただし・・・という話です。既に日本国内の Magic ユーザーの大部分が競技に偏重し、そして競技に勝てる強いカードを欲してエキスパンションを買い続けている。またそれ以外に Magic を買う目的を持っていない。そういう私個人の印象が事実であるとしたら、もはやその流れに逆らって Magic の売り方を変える事は不可能になっているかも知れません。つまり“この先更に衰退しようが何しようがこのまま行くしかいない”という事です。下手にここでそのやり方を変えてしまうと、今いる競技指向の強いユーザーの大部分を切り捨てて、いよいよ Magic の世界が立ち行かなくなる可能性が高いからです。ただそれでは、万が一この先 Magic が何らかの話題性からブームになりかけたとしても、現状の Magic に定着できる人はそんなに多くないだろうという気がします。それでもこのまま進むのか、それともどこかで軌道修正するのか。その将来予測は私ごときにはできません。
あと最近ほとんど話題にならなくなった“構築済みデッキ”についても、ついでに簡単に触れておきます。そもそも構築済みデッキとは“WoCスタッフが考案したファンデッキ”な訳です。しかし世の Magic プレイヤーのファンデッキへの感心など、今や皆無に等しいと言い切っても構わない状況かと思われます。・・・まあ売れるわけないですよね(笑)。結局のところ強いカードが入っているか否かしか見られていないし、最近はそれが入っていないから売れていない。図式としては極めて単純明快かと思われます。初心者の Magic 入門用としてはそれなりに機能している面もあるようですが、基本的には販売店がわざわざ仕入れて売るような代物ではない気がします。それでなくても、今や Magic 販売店の経営なんて決して楽じゃないはずなんですから。 (^^;
Magic のパックが売れるための施策。それは何をさておき“ Magic 人口を増やす”以外にありません。これも何度か書いている意見ですが、私個人は「 Magic は昔のカードと最近のカードを分けて楽しむ方向性を打ち出すべきだ」と考えています。最近のカードは昔のカードとはかなり馴染まないパワー化が進んでいて、それこそ昔のカードをどんどん時代遅れの物にしています。しかしそうなると昔のカードが好きで Magic を遊んでいるユーザーには、 Magic という世界の中に居場所が無くなってしまうのです。 Serra Angel や Juzam Djinn に活躍の場がない。そうなるとそういうカードと共に Magic を楽しんできたユーザーは Magic への興味を一気に失うのです。ただそういう古参ユーザーを失うことが Magic にどういう結果を招くかは、ここ最近の Magic の深刻な衰退振りを見ても明らかでしょう。だから彼らにもちゃんと居場所を確保するべきだ。我々が行ってきたヴィンテージの推進、あるいは DarkMagic というフォーマットの提案は、そういう視点に立った上での思索の結果なのです。
また競技以外の Magic への取り組み、あるいはDCI認定のフォーマット以外の Magic の楽しみ方、そういう物も押し進めるべきでしょう。例えば先日放送された伊藤家の食卓で“UNOリーチ”というゲームが紹介されたのを皆様ご存知でしょうか。その紹介を見ていて、私個人は「ああ、これ Magic のカードでもできそうだな。」という印象を持ったりしています。あるいは Magic のカードを使ったUNOや麻雀系のゲームも、工夫次第では遊べるかも知れません。神経衰弱くらいはすぐにでも始められそうですが、でも最近の無個性化したイラストを手がかりに、めくったカードを記憶するのは大変そうですが。 (^^; あ、でも逆に開き直って“全部ゴブリンの Magic カードで遊ぶ神経衰弱”という案もあるのか(爆)。とにかく将棋が本将棋以外に回り将棋や挟み将棋といった遊び方を用意しているように、 Magic にもそういう柔軟な発想が必要になっているのではないでしょうか。
あと Magic 単独の販促も既に限界が見えた。私個人はそういう印象を持っています。ですからもう一度原点に立ち返り、例えば他の趣味で構築されたコミュニティに参加し、そこに Magic を持ち込み広める工夫をしてみる。そういうアプローチを改めて始めるべきでしょう。少なくともデュエル・マスターズを遊んでいる子供達には Magic を勧めてみる値打ちは大いにあると思います。例えば Magic ユーザーがデュエル・マスターズを勉強し、自らデュエル・マスターズのイベントを開き、その中でちょっと Magic についても触れてみる。そんな取り組みも必要かと思います。ちなみに私個人も、それを検討し始めているイベント・コーディネイターの1人だったりするのですが。(今開いているフリースペースは、スポンサーである Brassman 氏が Magic 以外のTCG導入に強く難色を示しており (^^; もしやるとすれば私個人の手で再びイベントを立ち上げる必要が出てくるのですが。)
ただ結局のところ、それで Magic が売れるかどうかは、最終的に“ Magic そのものが持つゲームとしての魅力”とか“ Magic のコスト・パフォーマンス”次第な訳です。多分これを読まれている多くの Magic ユーザーが、今でも Magic が面白さの点ではナンバーワンTCGである事に何の疑いも持たれていないでしょう。しかし現実問題として、あなたが思っているほど Magic は売れちゃいないし、そもそも世に知られてもいないのです。皆さんが思い込んでいる程 Magic が本当に掛け値無く面白いゲームだったとしたら、さすがにもうちょっと売れていてもおかしくないと思いませんか。 (^^; それが実際には売れていない。それにはちゃんと理由があるのです。世の中には激辛な食べ物を好む人が少なからずいます。しかし同時に世の中には辛い物が全くダメな人もいます。私が昔から言ってきたのは、要するに“ Magic は色々な味を持った食べ物になるべきだ”という事です。そうすれば色々な趣味・趣向を持った人達に選んで買ってもらえますので。でも現実の Magic は“競技偏重”という激辛味しか用意していない。だからそういう味を好まない多くの人達に買ってもらえていない。こんなの当たり前ですよね。ただ Magic の世界には「 Magic には激辛味以外は不要。そんな甘味(=マンガやアニメの話題性、あるいは美麗なイラスト)で誘われて来るガキやヲタクなど不要だ!」という持論を振りかざす方すらいらっしゃり、しかもそういう方がある部分で Magic の方針や方向性を決めていたりする。これだけ Magic の衰退が決定的になったこの期に及んでなお、ね。 (^^; でも世の中って、多分そういう激辛味よりも甘い味を好む人の方が多数派なんですよ。そりゃあそこまで見事に世の多数派をぶった切って商売をしているんです。うまく行かなくて当たり前でしょう(爆)。
閑話休題。一般的にゲームを売る手順は“名前を知ってもらう → 興味を持ってもらう → 実際に遊んでもらう → 試しに買ってもらう → 本格的に投資してもらう”という流れになるだろうと思います。これは世のほとんどすべての商品に言える話でしょう。ところが Magic はWoCやHJが最初の最も重要な2ステップに手間を全くかけておらず、しかも何かの拍子で(!?)3ステップ目に来た初心者にいきなり認定トーナメント参戦を勧めてしまうのです。 (^^; これじゃあ売れる物も売れないでしょう。 Magic というゲームのクオリティがどれだけ高かろうが、売り方がまずければ売れないのです。そして今は実際にその売り方がまずいから売れていない(笑)。要はそれだけの事なのかも知れません。だったらそれを変えるしかない。誰が?・・・やはりまずWoC自身が変わる。その上で流通やユーザーの意識を変えるしかないんですよ。
遊戯王OCGと Magic は、1つのパック購入によってユーザーにどれだけのドキドキ感を与える事ができているでしょうか。遊戯王OCGは1パック5枚入りで(税込み)150円。1つのカードセットには55種類+α程度のカードが収録されているようです。遊戯王OCGではパックに必ずしもレアが入っているとは限りませんが、しかし Magic にも昔から“実質的にレアが入っていない”パックは数多くあるので (^^; 条件は同じかと思われます(爆)。ここでは購入者がスーパーレア(出現率は1/15)とウルトラレア(出現率は1/30)を期待してパックを買う場合を考えます。スーパーレアは各カードセットに4種類、ウルトラレアは3種類になるのかな。そうするとレアを全くだぶらずに引いたと仮定した場合に、あるスーパーレアが1枚欲しいと思った場合の購入量は単純計算で60パック。ウルトラレアの場合は90パックになります。大体3BOX程度。資金は¥13500というところでしょうか。で、実際にはその位買い込むと、期待していなかったパラレルレア(出現率は1/90〜120)の1枚くらい引いている可能性があります。うまく行くとアルティメットレア(出現率は1/180〜360)もGETしているかも知れませんが、これには運がかなり大きく影響するでしょう。
じゃあ今度は同じ予算で Magic を買ってみましょう。¥13500を¥441で割ると30.6パック。悲しいかな1BOX買えないんですね。 (^^; そして最新の独立型エキスパンションである Mirrodin にはレアは88種類。 Darksteel でも55種類あります。つまりどんなに購入者の運が良くても、同じ予算でレアカードを全種類揃えるのは不可能なのです。レアを全くだぶらずに引いたとして先程と同じ要領で計算すると、 Darksteel でも購入資金は¥24255必要になります。 Mirrodin だと実に¥38808ですか。当然その額の大小は、同じカードを複数枚必要とした場合の購入資金に影響します。しかも遊戯王OCGではデッキは40枚以上で、デッキに入る同一カードの枚数は3枚まで。しかし Magic はデッキは60枚以上で同一カードは4枚入ります。この時点でどちらの負担が大きいかは火を見るよりも明らかでしょう。
それと遊戯王OCGには、購入者が見た瞬間に“超が付く位の大当たり!”と認識できるようにカードが収録されています。しかし Magic にはそれがないのです。それ故 Magic のカードの価値を自分で認識できない、あるいは自分が買ったパックから少しでも多くのドキドキを得たいお子様は、カードショップの価格表に頼ってまで自分の買ったパックから喜びを得ようとするのです。我々大人の Magic 関係者は、すぐに「子供はすぐ価格表を見て『これ当たり』『これハズレ』とか言うから・・・」とか言っちゃうのですが、ちゃんとそれにはそれなりの理由があるのです。ただ1つ言えるのは、 Magic は遊戯王OCGに比べてパック単価が高く、その割に買った際のドキドキ感や喜びが薄いのです。更に Magic はデッキ構築にかかる費用が割高で、でもその割に遊ぶ機会が乏しい。これを今まで私は“ Magic はコスト・パフォーマンスが悪い”と言ってきただけです。従ってそれに気が付いてしまった子供達は結局 Magic を買わなくなる。これはある意味仕方ないでしょう。
そして更に話は続きます。遊戯王OCGは未だに日本では Magic の数倍の市場を維持しており、それ故多くのユーザーがいるはずです。当然それだけユーザーが多ければ酔狂な方もいらっしゃるはずで (^^; 他の人が思ってもいないカードをコレクションしているケースもあるでしょう。またシングルカードの市場も未だ活発だと思われます。そうすると買ったパックから引き当てたカードの行き先が多く、購入したカードが無駄になりにくい。そういう期待があるのです。じゃあそれに対して Magic はどうなのか。これは今更私の口から申し上げるまでもないでしょう。シングルカード市場の動向はともかく、特にトレード市場の崩壊振りは今や目を覆うばかりの物があると思われます。
WoCがプライドをかなぐり捨てて遊戯王OCGのシステムを真似、デュエル・マスターズをその方式で発売した。それには実を言うとこれだけの理由がちゃんとあるのです。1パックの値段を安くして子供が買いやすくする。デッキ構築の際の負担を軽くして子供達が思い通りのデッキを作れるようにする。そしてブーム化によって市場を活性化してカード市場全体を広げる。要するにTCGを“購入者にパック購入時のドキドキ感をより多く与える”方向に向かわせると、どうしても Magic 方式よりも遊戯王OCG方式の方がシステムとして優秀であるという結論にならざるを得ないのです。しかし逆に言うと、そういうドキドキ感が Magic には無くなっていて、しかもそれに対して何らの対策も取られていない。だから Magic は売れなくなっている。実は今起こっている事の真相は、この一言で言い表されてしまうのかも知れません。ただ思うのですが、 Magic が遊戯王OCGのような購入時にドキドキ感の多いTCGになってくれると、今 Magic を買って遊んでいる人達だって内心嬉しいんじゃないでしょうか。
さて、では以上のお話を踏まえて Magic の新製品に関する私なりの提案を。この際なのではっきり言いますが、他のTCGタイトルよりもコスト・パフォーマンスが悪い Magic の、そのコスト・パフォーマンスを高めるのに最善の策、それは“値下げ”以外にはないです。しかし現実にはWoCは欧米において(この期に及んで) Magic を値上げしやがっています。 (^^; それはつまりWoC自身に、もはや Magic を他のTCGタイトルと競争させるだけのパワーがなくなっている事を意味していると思います。まあ言ってしまうと半ば“死に体”状態に陥っているのです。そうなると値下げとは別の手段でこの事態を打開するしか術はありません。
この辺はWoCの経営方針といった根幹に関わる問題にもなるのですが、やはりWoCは Magic への依存体質を改めるべきだと思います。例えばWoCが Magic 並に売れているTCGタイトルを3つも持っていれば、 Magic でのエキスパンション発売を1年に2回といった頻度にできるだろうと思うのです。(つまり2ヶ月に一度何らかのTCGで新製品が出る計算になります。これならWoC自身もTCG販売店も経営を維持できるでしょう。)そうなると1つのエキスパンションの開発(カードデザインやデバッグ)に費やせる期間が増え、結果として Magic のクオリティが今よりも格段に高まるかと思います。しかし今はそうなっていない。この状態はかつての(KOF人気に会社全体が依存し切った)SNKの事例を見ても分かるように、ろくな結末が待っていません。 (^^; はっきり言いますがSNKはそういう体質から脱却できずに潰れてますから(笑・・・えない)。
でもそういう新製品の開発には時間がかかりすぎる。じゃあ Magic 単独で何とかできないのか・・・一応手段は幾つかあります。その1つが“エキスパンションに収録するレアの種類を大幅に減らす”という策です。はっきり言ってしまうと、最近のデュエリストはいわゆる“カスレア”なる物に1%の存在価値も見出していません。自分で工夫してデッキで使ってみる気はない。他の人もトレードで引き取ってくれない。コレクターも現れない。カードショップも買い取ってくれない。そんなストレージボックスの重石になるだけのカード、はっきり言いますが「タダでやる」と言われても要らないです(笑)。だったらカスレアを収録してエキスパンションのボリュームを稼ぐというやり方は、この先 Magic にとっては更なるユーザー離れを招く要因にしかなり得ないのではないでしょうか。やはりこの際さっさとやめるべきでしょう。能力的には超が付くほどハズレのレアに、思い切り萌え大爆発のイラストを載せてみる。そういう工夫でもしてくれるなら話は別ですが。 (^^; そういうカードならどうせ競技イベントでは全くと言っていいほど使われないでしょうから、競技を絶対視して萌えを否定するユーザーにとってもそんなに邪魔にはならないでしょう。・・・いや、下手すると欧米の萌え大好きな競技プレイヤーが、とんでもないデッキを考案して大暴れしてくれるかも知れませんけど。具体的には Kai Budde 氏辺りが(爆)。
これはWoCとHJ内のすべての Magic 関係者に提案したいのですが、今一度自分自身がカード資産のほとんど無いデュエリストの状態に立ち返り、自分でお店に出向いて Magic を買ってみるといいかと思います。そうすると、最近の Magic には購入時のドキドキ感がないことに気が付くんじゃないでしょうか。自分が買ったパックから引いたレアカードを人に自慢するのに、店にあるシングルカードの価格表を見せながら「ほら、このカードはこれだけの値段で売ってるんだぞ!」と言わないと納得されない。そんなの淋しすぎるんですよ。でも昔の Magic ってそうじゃなかったんです。パックから引き当てたレアを見て「これは○○さん行き決定。」「これはデッキで使おうと思ってたカードだ。」「あ、このイラストいいなあ。ちょっと集めてみようかな。」といった話題が、全部とは言いませんがかなりの割合のカードで出てくる。少なくとも第4版の頃の Magic はそういうゲームだったはずなのです。そういう Magic を復刻させてパック購入に対するコスト・パフォーマンスを高めてやらないと、いよいよ Magic はユーザーがパックを買わないゲームになると私は思うのですが。
そして何をさておき“ Magic 人口を増やす”事です。 Magic ユーザーが散々けなしている遊戯王OCGが、実際には未だに Magic の何倍もの量売れている。それは単純にプレー人口の違いでしかないのかも知れません。しかし現在その人口で言うと、恐らく Magic と遊戯王OCGには絶望的なまでの格差が広がっていると思われます。そして今後デュエル・マスターズが欧米で躍進を始めた際に、真っ先にプレイヤーを食われるのは遊戯王OCGではなく Magic である可能性は高いのです。ライバル企業が行っている良い施策や工夫を真似るのは決して恥ずかしいことではありません。ましてや他社のゲームが飛躍的にシェアを伸ばしている中で、自社のゲームでは市場の減少傾向に歯止めがかからない。だったらこの際形振り構わず成功例を真似てでも生き残りを図るべきだろう。私はそう考えますが。まあ今回のエッセイはこの辺が結論になりますかね。
ぶっちゃけて言いますが、もし今後WoCがリアルカードによる Magic の存続を断念するような場面がやってきたとしたら、私としては是非とも「最後にベータ版等の絶版カードセットの復刻版を出してから Magic 販売を終えて下さい。」という提案をしたいと思っています。 (^^;リアルカードの Magic 生産が終了する。あるいは Magic が“II”に移行して、例えばミラージュサイクルとかラースサイクル以前のカードルールのメンテナンスを完全に放棄する。そういう状況になった場合、はっきり言ってWoCにとって絶版カードの市場価値などどうなっても関係ないはずです(笑)。ただ我々のような“絶版カードスキー”に言わせると (^^; 現状の絶版カード、特に“ Discontinued ”扱いになっているカードの現存量では、将来的に Magic を遊び続ける事にかなりの不安があるのです。我々が Magic を遊び続ける限り、確実にそういったカードは消費され姿を消し続けているわけですし。あと初心者を招き入れるのにも結構な負担を求めることになります。ですから、それこそベータ版〜ザ・ダーク辺りのカードセットを、第8版以降のカードデザインでいいので、是非とも復刻して残していって欲しいのです。
確かにそういう商品の発売は、全世界の Magic カード市場を一時的な混乱に陥れるでしょう。しかし結局のところその先何年か放置すれば、その辺のカードが遊ばれなくなって結局紙屑になる可能性は高いのです。 (^^; でもそういう復刻セットで Magic が遊ばれ続ければ、やはり「本物がいいなあ」と言ってシングルカード購入に走るユーザーだって少なからず現れるでしょう。それは結果として Magic 市場の維持には貢献するのです。そしてそういう形で Magic が遊ばれ続けると、やがてWoC自身が何らかの形でリアルカード Magic の販売を再開する際にも有利に働くはずです。
というか、別に私個人は、そういうカードセットをそれこそ明日発売していただいて一向に構わないのですが(爆)。古参プレイヤーと最近のプレイヤーが仲良く交われない理由の1つに、実は“古参どもは俺達が持っていない強いカードを持っている”というのがあるようなのですよ。 (^^; 私みたいなその古参の1人に言わせると、実は全く逆の言葉を最近のプレイヤーに投げかけたい気分なんですが(笑)。ですから比較的最近 Magic に入ってきた人達が、その辺の絶版カードを手に入れて Magic を楽しんでくれるのは、基本的には大歓迎なのです。昔の Magic の方が間違いなく人気も活気もあった。これは残念ながら今や事実として認識すべき状況になっていると私は考えます。だったらその頃の Magic を完全復刻して遊んでみると、意外と Magic というゲームはこの先更に10年・20年と遊ばれ続けるようになるかも知れない。私個人はそういう印象を持っています。あとはそのユーザーからいかにWoCや販売店が継続的に売上(利益)をあげるかを考えればいいんですよ。