| 収まるべき器 | ||
少し前に「最近の日本の Magic (市場規模)は、1996年の(日本における) Magic 創生期当時のレベルに戻りつつあると想定される。」というお話を書きました。これは私が個人的に入手したある統計資料が根拠になっていたのですが、今回HJの税務申告に基づくと思われる統計資料において、これが残念ながら裏付けられるに至りました。しかも私が持っている資料では、2002年度が“それなりに売れていた物が低迷期に陥った”状態とすれば、さしずめ2003年度は“そのどん底の状態が(少なくともその資料の作成月まで半年以上)継続している”という状況です。その後 Mirrodin の発売で多少持ち直しているという情報もあるのですが、しかしそれに続く Darksteel がどうも・・・という話もあるようですし。 (^^; あと(株)日本玩具情報テクノロジーが集計している毎月のおもちゃの売れ筋情報には、少なくとも Mirrodin や Darksteel の名前は載っていません。ですからやはり厳しい状況は今も続いている。そう考えるのが妥当な気がします。(ただし日本玩具情報テクノロジーさんのランキング情報は、2004年1月から公開内容が変更になっています。またバックナンバーも参照できなくなっているようです。)そしてそんな中、私の方には「どうも Magic を買う側の様子も、それこそ Magic 創生期の頃に戻りつつあるのではないか。」という感触がある旨の話が聞こえて来ています。小規模のグループが独自に並行輸入で買った Magic を内輪で楽しむ。そういう状況にどんどん移りつつあるというのです。値下げされたとはいえ、販売店で買うHJ経由の英語版 Magic には、相変わらず並行輸入の物に比べて割高感があります。しかも販売店のデュエルルームでは今や Magic プレイヤーは少数派で、そのデュエルルームを置いていない(置けない)お店が圧倒的多数派になっている。そうなるとデュエリストが顔つなぎにお店で Magic を買う理由はない訳で、自分達で安い Magic を買って誰かの家で限定戦や構築戦を遊ぶ。そんな感じでしょうか。これはそれこそ日本の Magic 創生期に見られた状況でもあります。ただし当時は“ Magic を知らなくて売ってくれる店が少なかった”のに対し、今は“一度は Magic を扱った店の多くが Magic に見切りを付けて撤退している”訳で、実は状況としては昔とは比べ物にならない位深刻なのですが。
Magic がここ数年目指した“競技による大成”は、それこそ Magic というゲームのある程度のブーム化を前提にした物です。そもそも競技とは観客に観せて(あるいは魅せて)ゲームの話題性を集め、そのゲームへの投資を促すための存在のはずです。従って“競技を観る人間がいなければ成立し得ないし企業が金を出す意味もない”代物なのです。ところがどういう訳か Magic の競技化は、それこそデュエリストを1人残らず競技プレイヤーにするというかなり無謀な施策を行い、そして案の定失敗した訳です。 (^^; それは今年になって日本から世界を征したプレイヤーが現れて、でもそれに対して一般のメディアがほとんど取り上げようとしない。(その位今や Magic の人口や知名度は低いと一般には判断されてしまっている。)この事だけを見ても明らかでしょう。それはつまり“デュエリスト1人当たりが Magic に使う予算を増やさせよう”という実につまらない発想であり、本当の意味での競技 Magic の大成を目指した施策とは到底思えません。しかもHJは自社経由の Magic のパックを業者に圧力をかけてまで高値に吊り上げておいて、それと同時に自社出版物で競技を煽ることで結果として並行輸入の安い Magic 購入を推奨していたのです。こんな意味不明な商売のやり方は、普通誰が見たって成功する訳がないのです。ただこんな当たり前の話を皆さんにご理解頂くのに、実際にこうやってHJが企業として利益が出せないところまで Magic の販売不振が決定的にならないといけなかった訳ですが。・・・いや、恐らくは未だに「いや Magic は今でも全然いけてるぞ!」と思っていらっしゃる方も少なくないんでしょうね。 (^^;
ただ Magic の遊ばれ方がそれこそ創生期当時の姿に戻りつつある。これを私個人は当然の姿だと考えていますし、ある意味歓迎するところでもあったりします。
残念な事に、少なくとも日本国内ではWoCが Magic で販売店に飯を食わせることはできませんでした。現在WoCはそのマイナスをデュエル・マスターズで挽回しつつありますが、しかしそうなると日本国内のTCG販売店での Magic への優先順位がますます下がることは確実です。いわゆる太陽暦では1ヶ月の間に日曜日は4〜5回しかない訳で (^^; そこに遊戯王OCGやデュエル・マスターズ、あるいは最近俄に話題性の出てきた国産TCGのイベントを入れ始めると、どう考えても Magic のイベントが入り込むすき間は失われつつあるのです。あと少し前の値下げによって販売店が得られる Magic の粗利は減っています。これだけ話題性もへったくれもなくて、売っても大した儲けにならず、売れ残ったからといって返品もきかない。しかも競技偏重によってエキスパンションの売れ行きの当たり外れが激しく、おまけにユーザーは次々と並行輸入やMTGOに流れつつある。(あまつさえそれをWoCやHJが黙認し推奨すらしている。)こんな商材は普通売られなくなって当たり前でしょう。
しかし「それでも俺達は Magic を遊び続けたいんだ!」という人は少なからずいらっしゃる。そうですよね。だとすれば、もはや販売店に頼らずに自分達でその環境を維持するしかないのです。それこそ有志が集まって自ら Magic を輸入して遊ぶ。あるいは自分達でイベントを立ち上げて会場で自ら輸入した Magic を売る。その位の事を始めないと Magic を遊ぶ環境は守れなくなっているのです。特に多くの地方では既にそういう状況になっているでしょう。そりゃあ東京辺りはいいんですよ。1000万人も人口がいるんですから、そのうち0.1%も物好きがいれば、それだけで市場規模は1万人ですので(笑)。しかし福井じゃそうはいきませんよ。 (^^; 何しろ人口はやっと80万人を超えたかどうかという感じですので、そのうち1%を確保できたとしても8千人にしかならないです。0.1%ですと800人ですから、それこそ2〜3店のコアショップにユーザーを集めないと経営の維持は難しいでしょう。でも Magic がもはや“東京ほどの人口密度がないと維持できない商売”になっているとしたら、それはかなり淋しいというかお寒い状況になっているのは間違いないですが。少なくともどこをどう見ても“ブーム化に成功したゲーム”とは呼べない訳で、むしろ“ごく少数のヲタクが楽しむマイナーゲーム”と言わざるを得ないです。
ただ・・・現在の Magic は“収まるべき器に収まった”状態である。いっその事そう開き直ってしまえば、別に昔に比べて Magic が売れなくなった事をそれ程悲観する必要はないのかも知れない。最近私はそう考えるようにしています。だってWoCやHJに日本で Magic をブーム化する力なんて無い。それは既に歴史が証明しているでしょう。そして7年以上かかってできなかった事が、この先1〜2年でできる訳がないのです。あまつさえ現在の日本の Magic は、まあ間違いなく右肩下がりの縮小傾向です。できない事を高望みするからそれが実現しなかった時に挫折感が襲ってくる。競技 Magic の大成なんて夢物語を思い描いているから、いざ我に返って現実を見ると愕然とする。だったら我々は今現在のこの状況をしっかりと受け止め、より現実的に“それでも Magic が生き残れる道”を探っていくしかないのではないか。これが最近の私個人の見方です。
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ただそうは言っても、実際問題として今や Magic は世界的な売上がデュエル・マスターズと大差ない状況にあると思われます。しかもそのデュエル・マスターズは今月にも米国上陸を果たし、それこそ世界のTCGは遊戯王OCG vs デュエル・マスターズという2大勢力の争いになる可能性が高い。これではWoCにとっての Magic の位置付けすらどんどん落ち込むのは必至で、それこそかつての Pok?mon ブームの際のような Magic の生産遅延、あるいは競技イベントの大幅縮小といった措置が打ち出される可能性すらあります。 私は別に競技プレイヤーでも認定ジャッジでもないので、その辺のイベントがどれだけ縮小されようが、あるいはそれこそ消滅しようが痛くもかゆくもありません。 (^^; ただ日本にも Magic に人生の多くを費やしている方が少なからずいらっしゃいますよね。そういう方々は今のこの現状をご覧になって、それでも何らの危機感も感じていないのでしょうか。だとしたらちょっと感覚が鈍すぎるというか、はっきり言って「おめでたすぎます。」という感じです。 (^^; 繰り返しになりますが、別に私の意見を読んで何かしてくれとは言いません。ただし「ちゃんと現実を見て意見を出しているのは果たして誰なのか?」という事だけはしっかりと把握して欲しいと思っています。さすがにHJ自身が Magic で満足な利益を出せていない現状では、そのHJの関係者が口にする Magic の将来像や方向性には、もはや1%の将来性も実現性もないと考えるべきだと思います。別に今に始まった話じゃないですが、彼らに何かを期待しても駄目なのです。既に彼らは自身の懐具合とか今の地位を維持する事に全神経が向いていて、下々の苦境に手を差し伸べる余裕なんてどこにもないはずなのですから。 |