予習のお時間 
 
 今月、神戸でプロツアーが開催されます。そうなるとWoCのお偉いさんが観光がてら来日し (^^; じゃあついでにという事で、例のイベント(販売店向け説明会)が開かれる可能性があります。前回の説明会に向けて私が書いたコンテンツは、各方面からそれこそ良い意味でも悪い意味でもかつてない反響を頂きました。 (^^; そこで今回はもうちょっと真面目に、かつ更にWoCの古傷や生傷を押し広げるような“えぐい設問”を考えてみたいと思います(笑)。
Q1: Magic の過去の市場推移、そして現状を具体的にデータで示して下さい。少なくとも遊戯王OCGはマーケットに関するデータを毎年開示しています。もし Magic にそれと同じ事ができないと言うのであれば、できない理由を教えて下さい。
 以下は実際に説明会にご参加される方がこれを読んでいるという前提で書きますが、まず何と言ってもWoCには“ Magic の現状”をきっちりデータで開示させ、できればそれをWoC自身の手で一般にも公開されるようにすべきでしょう。前回の説明会では、どうやらWoCの副社長からは「全世界でのトレカを含むTCGの市場規模」という全体規模の話しか出なかったようです。確かにここ数年、世界的にはTCGの市場規模は落ち込んでいた(←過去形《ここ注意》)のですが、しかし今年度は欧米で遊戯王OCGが一大ブームを巻き起こし、不振だったTCG市場全体を単独タイトルの力で押し上げています。また日本でもデュエル・マスターズや有名マンガ(アニメ)とタイアップしたTCGが少なからずヒットを飛ばしました。そういう事実には触れずにその手の話を続けるとすれば、それはやはり“ Magic そのものの苦戦振りを公開したくない(TCGの世界的な不振に巻き込まれたという理論に収めたい)”という意識があったものと思われます。

 しかも遊戯王OCGはアジア地域では一時期の絶好調振りから急降下していますが、その事をコナミはちゃんと株主向けの資料で開示しています。これによりユーザーや販売店は自分の地域での遊戯王OCGの現状を正しく認識し、それに見合った付き合い方ができているのです。そしてこれはタカラにしても同じで、タカラも自社の決算資料にデュエル・マスターズのメーカー出荷額を明示し始めています。これは世界規模でおもちゃを売って多くの販売店の命運を握っている玩具メーカーとしては、かなり基本的な責任なのではないでしょうか。ましてやそういう情報が出てこない商材を、販売店が主力商品として扱うなんて怖くてできないでしょう。売れているのか売れていないのか。昔に比べて売上はどう変わったのか。そして今後はどうなるのか。販売店を集めて説明会を開くというのであれば、本来そういったデータを示すのはメーカーとしては最低限の義務でしょう。

 それと Magic では、かなり以前に「国別選手権の賞金は、その国での Magic の売れ行きや実績を見て決めるぜ。」と明言しています。それなのに具体的なデータの開示がないまま国別選手権の賞金が今も決められている。これはWoC自身が取り決めた競技 Magic のシステムにも合致しません。いや確かにWoCが決めた約束事、例えばリプリントポリシーなんてものは、それこそWoCの都合1つであっと言う間にリバーサルが出る代物です。 (^^; でも例えば今年とか来年辺りに日本選手権の賞金総額が減額されたとして、その理由がきっちり説明されなければ誰も納得はしないでしょう。そして逆に「5万ドルという賞金を決めた時、日本で Magic はこれだけ売れていた。しかし今はこれだけしか売れていないから賞金をこれだけ減額する。もしこの売上額が元に戻れば賞金も戻すし、それ以上の売上になれば当然賞金も更に増える。」という説明があれば皆渋々でも納得するだろうし、そうなれば賞金を増やすべく皆動き始めるのです。

Q2: Magic オンラインが好調だという報道が先にありました。しかし Magic オンラインの好調がリアルカード Magic の販売には結び付いていないようです。 Magic オンラインへのプレイヤー流出に対して販売店が取れる施策、及びWoCが実行しようとしているサポートについて教えて下さい。
 次に“リアルカードとMTGOの整合性”という問題です。今やどう考えてもリアルカード Magic とMTGOは両立し得ません。それを両立させられるほど、現在の Magic 市場は金額的にも人口的にも規模が十分ではないと思われるからです。しかもWoCは最終的に Magic をオンラインに集約しようとしている。従来の動きを見ればそういう印象を持つのは至極当然だろうと思います。(そもそも第6版ルールと言われる代物自体が、私に言わせると Magic のコンピュータ・ゲーム化を前提にしたルールの簡素化でしたので。)じゃあWoCは今後どうやってリアルカードの売上を増やす気なのか。そしてそれに向けての“具体的な(ここ重要)”施策を立案し、また実行しているのか。これは問屋や販売店にとっては死活問題になりかねない重大問題です。今までリアルカードのユーザーを増やしてくれてありがとう。今後はそのユーザーはごっそりMTGOに引き継ぐので、販売店はせいぜい絶版カードでも売って飢えを凌いでくれ。今後 Magic がそういう路線に踏み出す可能性は大いにあります。何しろ今までこれだけ販売店をコケにし続けてきた会社です。この後何があったって何ら不思議じゃないですって(笑・・・えない)。

 私としては、WoCに具体的な売上アップの目標、そしてそれを実現するための施策実行の確約をさせる。それもできれば文書で取り決める位の事をやってもいいような気がします。あとそういった確約は必ず“WoCのお偉いさんから直接もらう”これが重要です。今までのHJのやり方を見れば、HJが出す約束など空手形である事は容易に理解できます。あとそれとは別に、その辺の約束事を“WoCから直接もらっておかないとまずい事情”というのもあるのですが。 (^^; とにかく「日本の販売店は Magic に本気で取り組んでいるんだ!」という姿勢を見せておくのは、後々の事を考えても決して損な話ではないと思います。

Q3:デュエル・マスターズが日本で大ヒットし、世界展開も予定されているようですが、今後WoCがデュエル・マスターズにかまけて Magic の生産やサポートをないがしろにする可能性はないのでしょうか。過去に問屋や販売店は北米での Pok?mon 大ヒットの際にそのしわ寄せを食らっています。今後は二度とあのような事がないよう願います。
 3つ目に“ Magic とデュエル・マスターズの関係”という問題です。デュエル・マスターズを遊んだプレイヤーは、やがて多くが Magic に流れてくる。これがWoCの過去の説明だったはずです。しかし現実にはタカラは今や自社の主力商品としてデュエル・マスターズを位置付けており、当然ユーザーを他のゲームに奪われないために様々な施策を取ってくると思われます。しかもデュエル・マスターズの世界展開までが既に決まっている。そうなると Magic はデュエル・マスターズからプレイヤーを獲得できるどころか、逆に若年齢層のプレイヤーを更に大量に奪われる危惧すらあります。それにWoCはどう対処し、どうやって Magic を維持しようとしているのか。実は私個人は、これについてWoCには明確なビジョンがないだろうと思っています(笑)。だってあのMTGOにしても、今にして思えばかなり見切り発車的に始まっていて、それ故現在様々なトラブルを抱えた状態になっていますので。だからこそ Magic 販売店がWoCの尻を蹴飛ばしてでも対策を考えさせ出させる。そういう姿勢が必要だろうと思います。

 実はこれに関して、かつてWoCは Pok?mon が北米で大ヒットした際に Magic の増刷をサボり、結果としてウルザサイクルのパック高騰を招いた前科があります。 (^^; この際なので言っておきますが、間違ってもWoCなんて会社は販売店の事を考えた商売をやってる会社じゃないですし、むしろその場の流れや雰囲気で商品の生産からユーザーサポートまで決めてしまう、かなりいい加減な会社なのです。 (^^;;; ですから今のうちにきっちり約束を取り付けておいて、いざとなったら矢のようなクレームを叩き込むような姿勢を見せておくのが大事かと思います。これはTVゲーム辺りもそうなのですが、販売店がメーカーに舐められている業界ってろくな事がないのよ(笑・・・えない)。

Q4:その他
 まあその他、とにかくこういう機会なので、今まで Magic を売ってきて感じた疑問や矛盾などを思い付いた時にメモしておいて、当日一気に叩き付けて返事をもらう。そんな形でこういう機会を有効に活用して頂きたいです。より厳しい&意義のある設問を考えてくれと言われれば、個別にご相談頂ければ対応しますので。 (^^; まああと個人的に思い浮かぶ話としては「 Magic が未経験者へのアピールとかニューカマー獲得に向けた施策を相変わらず取っていない」事とか「日本で人気があると思われる Magic イラストレーターに仕事を与えず干上がらせている事をどう思っているのか」辺りですかね。例えばせめて Magic の販促物に Rebecca Guay 氏のイラストを大々的に採用する。それだけでも日本での Magic への注目度はそれなりに上がる気がするのですが。(実際過去には第6版の“箱絵の天使事件”なんてのもありますし。 (^^; )

 それと、もしこの機会にWoCから具体的な Magic の市場規模などのデータが出ましたら、私の方にお知らせ頂ければ手持ちのデータと付き合わせて信憑性のチェックなどした上で、可能であれば公開させて頂きたいと思っています。現在見えている様々な事象は、基本的には“ Magic は世界的に売れていない”事を示す物ばかりになっています。ですから逆にそういうデータを世に示す事で、販売店やデュエリストが安心して Magic に取り組めるようになるかも知れませんので。

あいせんの“本音の部分”

 ここに来て私が感じること、それは「そもそもそういう説明会を開く必要があるほど Magic って日本国内で今や重要な商材なんだろうか?」という事です。おもちゃ屋が常連さんからの予約分だけ仕入れて売る。あるいはひとまず1BOX仕入れて売って、無くなったらまた1BOX仕入れる。その程度の売り方で、もはや Magic は十分なのではないか。そうなると説明会なんて今となっては不要だよなあ。これが私個人の偽らざる印象です。大体昨今のWoCやHJが、そういう説明会に販売店や問屋の関係者を呼んで話を聞いてもらえるような、きっちりとした Magic の売り方とか将来像の提示ができているとは到底思えませんし。しかし、だからこそ問屋や販売店がWoCをひっぱたいてでもその辺のビジョンを引き出す。あるいは考えるきっかけを作る。そういうアプローチも必要だろうと思います。まあ最大の問題は、そこまで Magic にやる気とかモティベイションを維持している販売店や問屋が、果たして日本にどの位残っているかなんですが・・・。

   

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