| “差別化”への道程 | ||
それでは“受け売りネタ”第3段を。 (^^;これもイナバでの勉強会で専務さんから出たお話なのですが、商品を“差別化”する要素には、大きく以下の物があるそうです。(ただしこの内容そのものはある本からの引用です。)
| 品質(機能/性能/デザイン) | 品揃え | 価格 | 納期 |
| 便宜性 | コネ/義理 | 支払い条件 | サービス |
| 営業好感度 | 企業イメージ | 流行性 | 継続性 |
各項目の説明は・・・まあ聡明な皆様には不用でしょうね。最近はとにかく価格だけが重視されがちなのですが、実際に商品を差別化するにはこれだけの手段があるのですよ。ですからこれだけあらゆる商品を安売りするお店が増えても、定価売りのお店がそれなりにやっていける訳ですが。じゃあこれについて、またまた Magic について見てみましょうか。そもそも Magic は当初、日本での売り出し価格が北米での価格(の米ドル→日本円換算)よりかなり割高でしたよね。しかも後発のパック単価が安い国産TCGが発売されても随分長い間価格を下げなかった。(っていうか、むしろ更に値上げしてるんですが。 (^^; )つまり価格面での勝負はしなかった訳です。そこで皆さん思い出してみて下さい。少し前から日本では“ Magic がショップで売れない”事が問題になっていますよね。そういうユーザーは“とにかく1円でも安い店に行く”という発想でしか Magic を買うショップを選んでいないと思われます。そういう方々が国産TCGに比べてパック単価が高い Magic を遊んでいる。これって見ようによってはちょっと変なのですよ。 (^^; つまりそれ故“だからより安く買える(遊べる)国産TCGに人が流れた”という見方もできる気がしませんか。となると、TCGプレイヤーは“安く遊べるTCG”を待望していた訳で、やはりある程度思い切った値下げは早々に実施すべきだったのではないでしょうか。
次に Magic の“品質(ゲームのクオリティ)”の問題です。この部分、要するに“遊戯王OCGは Magic のパクリだ”と解釈できる部分が、 Magic ユーザーが遊戯王OCGを攻撃する理由というか口実になっている。そういう部分はあるだろうと思います。しかし世の中で、例えば自動車にせよ嗜好品にせよそうですが、いわゆる“元祖”と言われる商品やメーカーがそのまま市場を独占して大成功を収めた事例なんて・・・果たしてあるんですかね。現実には過去に多くの企業が元祖のやってる事を模倣し、そして多くが元祖を越えて大成功を収めています。言い換えると「元祖だからといって、その企業の製品のクオリティが高い訳ではない。」という事です。あのマイクロソフトにしても、OSのメーカーとして元祖じゃない訳ですし。この事はTCGにもそのまま当てはまるでしょうし、今はまさにそれを実証する状況になっているのです。この世の中で元祖が大成功を収めているとすれば、それは元祖が後発組の何倍も努力して追随を許さない状態か、あるいは後発組が余程ヘッポコなところばかりだったのではないでしょうか(笑)。
あと根本的な話として、TCGといったゲームというのは、比較的簡単に他社商品の模倣品を作る事ができます。WoCはそれを嫌ってTCGに特許の網を被せた訳ですが、まさか日本から黒船の逆襲を受けるとは・・・という感じだったでしょう。でも実際問題として Magic には手を出さなかった人が他の国産TCGを買っている。言い換えると Magic では獲得できなかったプレイヤーを他のTCGタイトルは獲得できた。そういう事実は間違いなくあります。また今は遊戯王OCGが世界のTCGシェアを席巻していますし、日本国内では多くの国産TCGが単発的ではありますが大ヒットを記録しています。そしてそれらはゲームシステムよりも、むしろゲームそのものの話題性やキャラクタ人気で売れているとも思われます。だとすると、TCGというゲームをゲームシステムの質の高さで売り込む事には、実はそもそも意味が無かったんじゃないか。そういう結論は導き出せるのです。でもそうすると、なぜ現在 Magic がこれだけ苦戦しているか、ある程度説明が付いちゃうでしょう?
さて・・・じゃあ Magic が生き残る道、言い換えると Magic が他のゲームとの差別化ができる方法はあるのかないのか。それについてちょっと考えてみましょうか。
上に挙げた差別化の要素のうち Magic で実現が可能な物を見ると、大体“価格”“サービス”“営業好感度”“企業イメージ”“流行性”“継続性”辺りになるかと思われます。ただし Magic というかWoCは、そのうち“価格”での勝負は意図的に避けている印象があります。また“流行性”についてもほとんど眼中にない感じです。(それをちゃんと考えているのであれば、ジャンプへのマンガ連載の話を流しちゃうような失態はしないでしょう。)“サービス”は・・・確かにごく一部の競技プレイヤーには至れり尽くせりっぽいですが (^^; 多くの一般プレイヤーにはかなり縁遠い話だと思われます。“営業好感度”“企業イメージ”・・・ここでは触れないでおきましょう(爆)。じゃあ現状はどうなっているかというと、ほとんど“継続性”だけで突っ走っちゃってるのかな・・・という気が個人的にはします。もっと悪く言っちゃうと“惰性”というやつですね。 (^^; 新規プレイヤーにはほとんど手が出せない奇々怪々なゲームを、どういう訳か少数のプレイヤーがわき目もふらずに買い漁っている。言ってしまうとそんな感じです。
ところが実際に“継続性”で Magic を買い続けている皆様は、なぜか多くの方がその事を認めるのが嫌なようです。で、聞かれると多くが「いや、俺達は“品質”で Magic を選んでるんだ。」とおっしゃるのです。しかし現実には Magic よりも遙かに売れているTCGが世の中にはある。そうすると普通「実はこっちのTCGの方が面白いんじゃないの?」という疑問は出てくるのです。すると「いや、あれは Magic を真似ただけのゲームだ。 Magic の品質が高いからこそその模倣ゲームは売れているんだ。」という理論になるようです。ただ前のエッセイでも触れましたが、商品の差別化というのは、それこそ他社の追随を許さない“断然違うぞ!”という物でないと実際には戦力にはなり得ないのです。でも Magic はそのゲームシステムを意図も簡単に他社に模倣され、しかも売上や人気においてその模倣品に負けてしまっている。もしそれが現実だとしたら、この場合反省すべき、やり方を改めるべきはその模倣品を作ったメーカーなのでしょうか。違いますよね。むしろそんなに簡単にゲームの売りを模倣されてしまう元祖にこそ問題があるのです。
じゃあ、どうすればいいのか。どうすれば Magic は他ブランドの追随を許さないだけの品質で差別化が図れるのか。この際なのではっきり言いますが、私はこれに対する1つの回答を、それこそここを開設した当初からずっと言い続けてきました。それはズバリ“カードイラスト”なのです。だって実際問題の話、 Magic の世界に現れたコレクターというのは、その大部分がある特定のカードイラストを気に入ってこの世界にのめり込み、そして意味不明な額のお金を Magic につぎ込んだ“痛い人達”ばかりなんですよ(笑)。それだけの巨大市場が既に Magic では形成されている。だからその世界のユーザーを大事にすれば Magic は栄えるし、逆に疎かにすれば滅亡は免れないよ。こんなのうちが開設当初からずっと言ってきた話じゃないですか。ところがどういう訳かWoCは、それこそナンバーワンと言っても差し支えない程の人気イラストレーターの首を切ってまで、会社の利益を優先したりアートディレクターのマスターベイションを全社挙げて支援している。 Amy Weber しかり Rebecca Guay しかりです。こんな会社普通なら潰れて当然ですって。 (^^; 自社製品が持っていた大きな差別化の売りを、自らドブに捨てながら商売やってるんですから。
自社製品がなぜ売れている(売れていない)のか。今商品を買っている(あるいは買わなくなった)人達は自社製品に何を期待しているのか。そういう基本的なリサーチもせずにゲームを作り、そして売り続けた。その結果がまさに今の Magic そのものです。はっきり言いますが“10年持った事が奇跡に近い”としか言い様がないですよ。かつて Magic は“中毒性の高いゲーム”だと言われていました。しかし今は、その昔 Magic が面白かった時代に Magic 中毒にかかった人間相手にしか売れていない。そんなの淋しくないですか。ただメーカー/代理店そして何よりも Magic ユーザーに、今は「 Magic を復興しよう!」なんて覇気はほとんど感じられませんよね。これじゃあ今まで Magic 中毒にかかっていた人達まで、一気に中毒から抜け出して更に Magic から離れるのではないでしょうか。今や Magic というゲームには、他のゲームと差別化できる要素なんて何1つ残っちゃいないのですよ。
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最近私個人が考えている、今後の Magic の方向性について。 やはりどう考えても、今後 Magic がブーム化して活性化するという期待はほぼ無くなっていると思われます。ですから Magic は今後、それこそ今の対戦格闘ゲームとかTRPGのように、一部マニアの中で細々と遊び続けられるような道を進むべきですし、実際にはそれしか選択は残されていない気がします。あと麻雀のように“賭事として遊ばれるゲーム”として生き残るかも知れません。最近多くのデュエリストは、事ある毎にマネードラフトを楽しまれているようですが、それってそれこそ麻雀みたいに「金がかかっていない Magic なんて遊ぶ気がしないよ!」という裏返しじゃないかという気もしますので。 ただ先日 Darksteel のプレリパーティに参加させて頂いて思ったのですが、特にミラディン以降の Magic を過去のカードとは混ぜずに遊んだ場合、これはこれでそれなりに楽しめるのではないかという気はします。(ただし私個人は自発的に最近の Magic を買う気には微塵もならないですが。)ですから結果として“自分が本当に好きだった時代の Magic ”を何らかの形で遊び続ける。そういう形での Magic の生き残りは図れるだろうと思います。ただし、そういう遊ばれ方が Magic の主流になった場合、まあ間違いなく現状のような競技イベントは維持できなくなるでしょうけど。 もし皆さんが、それでも Magic の競技イベントの維持を熱望されるのであれば、例えば“歩合制”によるイベントの維持は可能だろうと思います。去年日本ではこれだけ Magic が売れた。だからその利益のX%を計算して今年はこれだけの賞金を日本選手権に出します。例えるとそんな感じです。でもこういう形にしてしまえば、特にその競技イベントの維持を熱望される皆様は、嫌でもHJ経由の Magic を買わざるを得なくなるんですよね(笑)。やはり今みたいに、5万ドルという賞金総額が日本での Magic の不振にも関わらずどういう訳か維持されてしまっている。だからデュエリストが本当の意味での危機感を持てないのですよ。 こうなった以上、WoCはさっさと Magic の現状をデータで開示し、その上でデュエリストに Magic 復興への協力を仰ぐ姿勢に転じるべきだと思います。もしそれができないのであれば、それこそかつての Pok?mon のように、潔くサポート体制の縮小を発表しちゃうかですかね。WoCがデュエリストに Magic で“夢”を見せる事ができないならば、せめてちゃんと“現実”位は見せて欲しい。これが私個人の切なる願いです。絵に描いた餅で満腹になれる人間などどこにもいないのですから。 |