さらばデジキューブ 
 
 “コンビニでのゲームソフト流通”を謳い文句に登場したデジキューブが破産したそうです。私個人はこういう事態をそれこそデジキューブ設立時点から予想していました。ただ同時に「ちょっと思っていたよりは早かった。もうちょっと頑張ってくれると思ったのに。」という印象も持っています。

 大体コンビニでのゲームソフト流通なんて物がうまく行くはずがないのです。ゲームソフトはおもちゃであり、ユーザーはそれに様々な楽しみを求めます。おもちゃ屋という稼業は商品のおもちゃにアフターフォローとか情報の提供、あるいは常連さんとの交流といった様々な付加価値を与えて商売をしてきました。しかしコンビニで売られるゲームソフトにはそういう付加価値がかけらもない訳で、それで消費者がゲームソフトへの購買意欲をかき立てられるはずがないのです。ですから私は以前から「日本でゲームソフトが売れなくなったのは、ゲームソフトをコンビニで売ろうなんて馬鹿げた発想をする企業が現れるからだ。」という説すら唱えていたのです。また当然おもちゃ屋独自の割引とかポイントサービスもコンビニにはない訳で、これも大きく影響したと思われます。

 しかもそもそもデジキューブが設立された経緯そのものにも大きな問題がありました。デジキューブは「任天堂の息がかかったおもちゃ屋からゲームソフトの流通を奪い取ろう。」という目的で設立されたはずです。もっと言ってしまうと「俺達はゲームソフトの流通でも儲けたいんだ。」というスクウェアの思惑から生まれた会社なのです。そしてそう考えた1つの理由には間違いなくスクウェア商品の売上減、要するに「昔ほど自社のゲームソフトが売れなくなっているので、1本のゲームソフトから上がる利益をより増やして対処しよう。」という意図があったのです。自ら将来的なゲームソフトの売上減を前提にデジキューブを立ち上げておいて、そのデジキューブがゲームソフトの売り上げ増に貢献してくれるはずがないでしょう(笑)。ましてやデジキューブが将来的なゲームソフトの売り上げ増を前提にシステムを構築していたとすれば、それはさすがにデジキューブ設立に関わった方々に「バカじゃねえの?」とすら言いたくなります。 (^^; 

 スクウェアが鳴り物入りで設立したデジキューブがこういう形で破産する。それは要するに“今やスクウェア自身にも余力が無くなっている”という事を意味するだろうと思います。ただ実際問題としてデジキューブによって売上を減らされ消えていったおもちゃ屋も少なからず存在する訳です。かつてスクウェアは金に物を言わせて様々なゲームメーカーから人を引き抜き、それこそ結果的に他社のゲーム開発を妨害したりゲームメーカーを解散に追い込んだりしています。そういう“他社に迷惑をかけてでも自社に人や利益を集める”という体質があの企業体には間違いなくあるのです。それでちゃんと経営を維持してユーザーに利益を還元してくれるならともかく、こういう形で掻き回すだけ掻き回してばったり倒産。さすがに「勘弁してくれよ。」と言いたくなります。

あいせんの“本音の部分”

 まあ、私個人の偽らざる本音は「ざまあみろ!」なんですが(核爆)。

   

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