| 100万円より100万人 | ||
まず最初にお断りしておきますが、このエッセイの最終的な結論はタイトルの通りです(爆)。Magic では随分前から、かなりの高額賞金をかけた日本選手権が開催されています。今年も確か5万ドルなんて賞金を争って選手権が開催された・・・はずなのですが、どういう訳か Magic 関連のWebサイト以外ではほとんど全くと言っていい程話題になっていません。また例えばある個人が Magic 日本選手権で優勝したとして、果たしてその事実を自らの履歴書に明記できるか、と言われると多分答えは「No」なんじゃないかと思います。そもそも履歴書の趣味の欄に Magic を挙げる事自体、その人の就職に取って何か有利に働くとはちょっと思えません。これに対し、それこそ Magic よりも遙かに賞金総額が低い、あるいは賞金が全くない競技イベントの中にも、その優勝歴どころか上位入賞の経験を堂々と履歴書に書ける物があります。囲碁や将棋のアマチュアトーナメント、あるいは各種スポーツイベント等はその代表格でしょう。
じゃあ、その違いは一体どこから来るのでしょうか。それははっきり言ってしまうと知名度、もっと言うと「履歴書を読む人間がその記載をどう思うのか?」という部分にかかっています。その人がその遊びや競技の存在を知っている。その遊びや競技の規模とか一般的な知名度、それがうまくなる事の難しさといった情報をある程度把握している。だからこそ履歴書に書かれている内容を見て「こいつは凄い!」と思えるのです。しかし残念な事に Magic といったTCG、あるいは対戦格闘ゲームといった一般的にはマイナーなゲームは、そういう情報を持っている人が少ないのです。だから履歴書に書いても一笑に付されてしまう。下手すると「こんなヲタクな趣味を持ってるヤツは、うちの会社に入れない方がいいかも。」とすら思われかねない。そういう事です。
我々 Magic の世界の住人は、おおむね日本選手権や世界選手権のチャンピオンになる事を「凄い事だ」と認識しているだろうと思います。そして何よりも本人は間違いなくそう思っているはずです。そうでなければそもそも選手権に出場しようという発想になるはずがないんですから。しかし勘違いしてはいけないのですが、一般世間の人達のごく一般的な評価に照らすと、別に Magic の日本選手権に優勝した事そのものは凄い事でも何でもないのです。でも世の中には Magic よりもずっと賞金総額が少ない競技イベントは山のようにあって、その優勝者を多くの人達が「凄い!」と思っている事例が多数あります。そう、つまり Magic 日本選手権の優勝者が凄いかどうかを本当に決めるのは“一般世間の評価”なのです。優勝者や上位入賞者がどれだけ凄い賞金や賞品をもらっているかではなく、優勝者や上位入賞者がどれだけ世間から高い評価を受けるかによってその選手権、あるいはその遊びや競技そのものの評価が決まってくるのです。ただ Magic は残念な事にそういう世間からの評価を未だ得られていない。だから選手権としての魅力が不十分である分を賞金で穴埋めしているに過ぎないのです。ただそれにしては5万ドルという賞金額は決して十分とは言えないと思いますが。
かなり昔に Duelist Japan に掲載された海外デュエリストのインタビュー記事では、彼らの強い要望として「俺達をもっと有名にしてくれ!」という内容がありました。つまり少なくとも海外の有名プレイヤーはこの事を分かっているのです。そしてこれは多くの日本のプレイヤーも同じだろう・・・と私は思っていました。ところが日本では代理店のマイナー癖というか「この程度儲かっていればもう充分。」という判断から Magic をメジャー化するための努力がほとんどと言っていい程行われていません。しかも一部の競技プレイヤーはどういう訳か、そうやって販促をサボっているWoCやHJではなく、それを指摘した私のようなデュエリストを批判してきたのです。 (^^; それはつまり、そういう方々は“分かっていない”という事です。それは最終的には日本の競技 Magic をも崩壊させる“危険なさぼり癖”であり、実際にその弊害は今や色々な形となって日本の Magic に現れてきています。まあ確かにHJにべったり張り付いて原稿執筆料で飯を食っているような人達が、そういう批判を口にするのは難しいのでしょう。でもそもそもあなた方がそうやって原稿執筆料でも稼がないと飯が食えない、そういう“競技プレイヤーとしては決して理想とは言えない状況”を生みだした元凶は果たして誰だと思います?
日本選手権の賞金を100万円上げるよりも、日本選手権の内容や結果に注目するデュエリストを100万人増やす事にWoCやHJはパワーを費やすべきだった。これが私個人の結論です。今からでも遅くない・・・というか、もうかなり遅いんですが (^^; もうそろそろ日本の Magic はそういう発想で販促やイベントの内容を吟味すべきだろうと思います。前から予告していますが、このまま行けば来年の Magic 日本選手権は間違いなく賞金総額が減額されるだろうと思います。少なくとも日本の競技プレイヤーが何人か賞金で飯が食えるような環境は、多分このまま永久に実現しないでしょう。そういう環境を得たければ自分達が何をすればいいのか。もうそろそろそれを競技 Magic 界のトッププレイヤーが真剣に考え、何らかの実行に移すべき局面が訪れている・・・いや、もうかなり手遅れなんですが(笑・・・えない)。
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私は一応ですが情報処理技術者試験の1種を持っています。以前ある会社への入社を希望して履歴書にその事を書いたのですが、そこで人事担当の方から聞いた言葉を私は今でも覚えています。それは「確かに1種を持っているのは凄いが、それと会社の仕事ができる事とは話が違う。1種を持っているというのは、我々が必要としている能力やスキルを身に付けられる可能性があるか否かを判定する1つの基準に過ぎない。」という内容でした。確かに言われてみるとなるほどその通りでしょう。つまり Magic が強いという事実を履歴書に書くだけの値打ちを持たせるには、一般の人達に Magic というゲームの内容をそれなりに深くまで理解させる必要があるのです。それにはまず何よりも、一般の人達に Magic への関心を持ってもらう事が大前提になるはずです。 私は以前から「同じ Magic のトップでも、日本一と世界一では世間の評価や話題性が格段に違う。だから日本人デュエリストは世界一の称号を得るべくもっと頑張るべきだ。」と言ってきています。「世界規模の競技イベントで優勝するという事は、少なくともその遊びの世界で世界トップレベルの技術と、その技術を発揮できるだけのそれ相応の語学力を持っている。そして Magic というゲームは世界的に遊ばれて、世界規模の競技イベントまで持っているかなり有名なゲームなんじゃないか。ああ、そう言えば日本にも遊戯王なんてカードゲームがあったなあ。」いくら Magic の事を知らない一般の人達でも“世界一”と聞けばその程度の発想はするでしょう。そうなれば取りあえず「そうなんだ。で、その Magic ってどういうゲームなの?」という話題の発展は可能になるのです。つまり前から言っている「閉ざされた天の岩戸に向かって『 Magic は面白いですよ〜!』とお題目を唱えるのではなく、向こうに岩戸を開けさせてこちらが話している Magic の話に耳を傾けさせる」という事が可能になるのです。これは以前に公開していた日記にも書いていますが、ちょうど私がケガで入院していた頃、偶然ラジオのニュースで聞いた「日本の岡田豊氏がモノポリーの世界選手権で優勝した。」というニュースを、私はその後何ヶ月も記憶していました。まさか自分がそのご本人とモノポリーのイベントをやる事になるとは、当時は夢にも思いませんでしたが。 (^^; HJという組織が日本での Magic の知名度アップに躍起になって、しかし実際には妙案が無くて鳴かず飛ばずになってしまった。これが残念な事に日本の Magic の現実です。もし私がHJの然るべき担当で販促の予算をある程度自由に使える立場だったとしたら、それこそ世界戦に出場する代表選手の渡航費を全額負担したでしょうね。できるだけ早期に“日本人が Magic で世界一になった!”という既成事実が欲しいですから。ましてやジャンプやコロコロコミックで Magic の話題が盛り上がっていた頃なら、そんなチャンピオンが現れたらまさにヒーローですよ。それこそ全く別の話題を得るためにその雑誌を読んだ読者ですら「なんだ世界チャンピオンだって。」「 Magic ってどんなゲームなんだろう。」「僕も世界チャンピオンを目指せるかなあ。」という話題が盛り上がったはずなんです。まあ今となってはほぼ完全な夢物語と化してしまいましたが。 先日公開したエッセイで、私は「あのロンドンブーツにHJはいくらつぎ込んだんだ。全く持ってもったいない話だよなあ。」と書きました。実はこの事はそういう発想から生まれた意見でもあるのです。確かに Magic には知名度アップが必要不可欠です。しかしロンドンブーツが Magic を遊んでいるからといって Magic が話題になったり有名になったりするのか。それはさすがに無理なのです。それだったらそれこそHJが自社の売り上げを減らしてでも推進したがっている大好きな競技 Magic (爆)にその資金を全力で投資すべきだった。私はそう思うのですが。競技の大成と知名度アップを同時に得ようとして失敗した。そりゃそうです、HJごときにそんな偉業は土台無理だったのです。だったらせめて競技の大成を全力で達成し、その話題性を突破口にして Magic を日本に広める。その程度の発想が日本の Magic に無かった事が、未だに色々な形で日本の Magic に暗い影を落とし続けているようです。 |