| ブランドイメージは誰が作るのか? | ||
昔から Magic の世界では、時折思い出したかのようにこんな会話が聞かれるようです。「所詮 Magic には“ヲタクが遊ぶゲーム”というイメージしかない。」で、そういう Magic のイメージ、あるいは一般世間での評価の向上に対してどういう対策を取るのかと聞かれると、例えば「女性プレイヤーをもっと増やせばいい。」といった漠然とした意見、あるいは「SMAPとかイケメンの有名人に遊んでもらえばいいんじゃないか。」といった実効性が乏しい突拍子もない意見が出てくる。でも実際にはそんな具体策の無い夢物語が実現するはずもない訳で、結局そういう話題を定期的に繰り返すだけで現状は何ら変わらない。そしてそうこうしているうちに Magic はどんどん販売が落ち込んで・・・。まあ現実はそんな感じなんですわ。
「いや Magic そのものはそうではない。遊んでる奴の素行が問題なだけだ。」
「でも Magic に手を出そうなんて輩はそもそもヲタクなのでは?」
「お子様しか遊んでいないというイメージの遊戯王よりはマシではないか?」
「それはどっちもどっちだ。むしろブームにできていないだけ Magic に問題がある。」昔ある自動車メーカーがニューモデルの自動車を発売しました。当初このメーカーはそのニューモデルをいわゆる“渋い大人達”に乗ってもらい、そういうイメージで売っていこうと考えていました。ところが蓋を開けてみると実際にそのニューモデルを買った主流派層はいわゆる“チャラチャラした子供っぽい大人”であったため、メーカーの思惑とは裏腹のイメージがその車にはできあがってしまった。それによりそのニューモデルの販売台数にまで影響が出たとか出ないとか。世の中にはそういう事例が実際にあるんです。今回は具体的な車種名は書くのを控えますが、まあ書けば多くの人達に「ああ、言われてみれば確かに・・・」とご納得頂けるだろうと思います。ただその車のオーナーにしてみれば、こんな話を聞くのは心穏やかではないでしょうが。
これは当たり前と言ってしまえばそれまでなのですが、結局のところゲームを含む商品のブランドイメージは“ユーザーが作る”物なんですよ。例えば Magic というゲームが本来は女性や渋い大人達を狙った商品であったとしても、結果としてアニメヲタクしか手を出さなければそういうブランドイメージになってしまう訳です。 (^^; しかも現状の Magic がそういう層を主なユーザーとしている以上、彼らを Magic から追い出して Magic のブランドイメージを変革しようというのは、結果として Magic そのものを滅ぼす事にしかなりません。しかしどうも一部のデュエリストや販売サイドはそれをやりたいようで。でもさっきの女性プレイヤーとかSMAPの話にしても、実は結局のところ多くの人が自身の利益しか見ていないですよ。女性プレイヤーが増えれば自分にも彼女(あるいは女性デュエリストの友達)ができるかも知れない。SMAPが遊んでいるゲームを自分も取り組んでいる事で、自分の好感度も上がって周囲から好意的に見られるかも知れない。そんな意図が無かったりはしないんでしょうか。ただそんな事は何も本来他人にどうにかしてもらう事じゃなくて、普通は自分自身で解決すべき問題でしょう。大体そういう絵空事を唱える人に限って、実際に「 Magic からヲタクを追放するぞ!」と言い出した途端に、真っ先にやり玉に挙がって Magic から追い出されるのが落ちでしょうし(爆)。
ただ先程の「ゲームのブランドイメージは“ユーザーが作る”物である。」という言い方ですが、これは厳密に言うと100%正確な表現ではありません。もっと正確に言うと“最初にそのゲームに手を出した創生期のユーザーが作る”物だと言えるかと思います。例えばたまごっちはあれだけ日本中で普及して老若男女が遊んでいましたが、最初に手を出してヒットの要因となった女子高生達の影響で“流行り物に敏感な女の子達が持っているゲーム”というイメージがかなり後の方まで維持されていました。つまり Magic に今現在“ヲタクのゲーム”というイメージがつきまとっているのは、やはり創生期に Magic に手を出したデュエリストのイメージを今でも引きずっている。そう考えるのが多分自然です。いや、私は決してその事を悪いと言っている訳ではありません。 (^^; ただそうなると“少なくともヲタクが好きでない人達はそのゲームには手を出さなくなる”という事です。世の中に女子高生が嫌いな人というのはそうはいないと思うのですが (^^; でもヲタクが嫌いな人は決して少なくないでしょう。 Magic を女性に遊んでもらってブームにしたいと思ったら、本来WoCやHJは日本に Magic が上陸したその瞬間から、真っ先にそういう人達に Magic を遊んでもらうべく工夫や努力をすべきだったのです。でも実際には彼らはまず真っ先にヲタクに Magic を広め、そして一定の成功を収めた訳です。それでこの期に及んで「このままでは Magic はダメだ。いっそヲタクをすべて振り落として女性プレイヤーを増やそう。」と言ったって無理でしょう。何よりもそんなのいくら何でも虫が良すぎるのです。
でもこのままでは Magic は間違いなくじり貧を迎える。これは過去にあった幾数多の遊びの失敗事例から見ても今や明らかです。じゃあ、どうすればいいのか。これは実を言うとメーカー等の販売サイドとユーザー側で全く正反対の施策を取るべきだと私は考えています。
販売サイドが取るべき施策、それはズバリ“開き直り”です(笑)。 Magic がヲタクにしか遊ばれていないのであれば、それこそ徹底的に彼らが好んで遊ぶゲームに Magic を仕立ててしまう事なのです。ただ最近の Magic って、どういう訳かそうはなってないじゃないですか。イベントはそれこそ硬派な競技イベントがメイン、というか随分長い間それしかなかった。でもそれじゃあどうも売れないので、今度はブーム化も狙って子供向けのイベントも取り入れてみた。しかしそれだと従来 Magic に多額の投資をして Magic 発展の原動力となったユーザー層に、全くと言っていい程アピールする要素が無いんですよ。しかもカードイラストは誰の趣味か良く分からないアメコミ調で、そんなコレクターからそっぽを向かれるようなイラストでサプライ品まで作ってしまう。これで Magic が売れるはずもないでしょう。「売りたきゃ多くのユーザーが喜ぶ物を出せ。」これは私がそれこそ ぎゃざる 開設当初から一貫して言ってきた意見なのですが、そんなの言われなくても当たり前ですよね。
じゃあ一方で我々デュエリスト自身はどういう施策を取るべきなのか。それは上記とは全く正反対で“より一般向けに好感を持たれる Magic のブランドイメージを自分達で作る”という事です。でも現実はむしろ逆で、それこそ「あの Magic とかいうゲームを遊んでいる連中には近づきたくない。」と思われている事例の方が圧倒的多数なんじゃないでしょうか。そうなると販売店も Magic のイベントを継続しにくくなりますし、結果として人が Magic に寄りつかないんですよ。(これについては私自身も色々と思うところ、また反省すべきところが多々あるんですが。)ただそういう視点なり問題意識を持って多くのデュエリストが Magic に取り組んでいれば、少なくとも Magic がこうなっちゃう事態だけは避けられた気がするんですけど。あまつさえ最近の Magic って、それこそ最近は本来同志であるべき国産TCGのユーザーからすら嫌われていて、多くのデュエルルームで今や“つまはじき物”的な扱いすら受けている印象がありますし。
この2つの意見は全く相矛盾した物のように思われるかも知れませんが、しかし実際はそんな事はありません。例えばSMAPは自身の番組で散々ガンダムやアニメをネタにしていますが、それを見て「あいつらヲタクだ、きも〜い。」とか言ってるSMAPファンを少なくとも私は見た事がありません。 (^^; ヲタクというのは結局のところ“自身の素行の悪さ”が問題になる訳です。公衆の面前で誰に構わず全裸の女性が描かれたカードやサプライ品を振りかざして悦に入ってる。そんな奴はヲタクでなくても嫌われますって(笑)。でも個人が日頃から社会人あるいは学生として相応しい言動を取り、その延長で「僕が遊んでいるゲームはこれです。」と言って Magic の秀逸なカードイラストが描かれたカードやサプライ品を人に見せる。それで何か問題が起こるとは私には思えません。ただ残念な事に、そういう点でむしろ最近の Magic のカードイラストって、あまり人には見せられないのが問題なのですが。少なくとも私個人は Aysen Crusader 程自信を持って最近のカードを人には見せられません。それこそ周囲の人達に「こいつ実はアメコミヲタクだったのか?」とか思われそうなので。私は単に“綺麗なお姉さんが好き”なだけであり (^^; そういう認識を周囲に持たれる事は問題ないと思っています。男としては極めて当たり前の事なので、別に隠す必要もないでしょうし。(というか、どういう訳か一部の女性社員の同僚にはばれてるのよね。 (^^; そういう話題を特に選んで話した記憶はないのですが。)
あとヲタクが嫌われる大きな理由の1つに「総じて不細工な奴が多い」というのがある気がします(笑)。でもどうでしょう、結局人間が不細工かどうかって、1つには本人の気構えとか心がけの問題が大きいのではないでしょうか。人が異性を見る時って、大体の人が無意識のうちに“自分の好みに合うか否か”で見てると思うんです。しかし不細工なヲタクってそういう選択肢にすら入らない。それどころかパッと見た瞬間に「今こいつと同じ空間にいる事がたまらん!」とすら思われている気がします。そんな人が遊んでいる趣味に人が好印象を持つのか・・・まあ無理でしょう。たとえSMAPや浜崎あゆみが Magic を遊んでいたとしても、そのヲタク1人の悪印象で Magic のブランドイメージは根底から崩壊するのです。ましてや現実の Magic を遊んでる芸能人なんて、せいぜい・・・(以下略)。ちなみに昔の言葉に「衣食足りて礼節を知る」というのがあるのですが、これはかなり人間の本質を言い当てています。そういう面に気を配れなくなった人は、それこそ廃人への道を突き進むしかなくなると思います。
もしあなた自身が人に Magic を教えて広めたい、あるいはそこまでの事はできなくてもせめて何らかの一助にはなりたい。そう思ったら、まず何よりもあなた自身が他の人達から好意的な興味や関心を持たれるような人間にならなければいけないのです。私は随分長い間販売の仕事をしていますが、その経験からその事を痛感しています。 Magic 未経験者が Magic に興味を持つのは、決してそのゲーム性やイベントの内容ではなく、それを自分に勧めてきた目の前のデュエリストの人間性にかかっているのです。ただ最近の Magic の様子を見ていると、まあ多くの人達がこう思うでしょう。「 Magic を始めるとお金がかかるとは聞いていたけど、こんなに自分の服装や身だしなみにお金がかけられない程きついのか。売ってるお店もあんまりパッとしないみたいだし、これは手を出さない方が正解かも。」ってね(笑・・・えない)。だから最近の Magic には人が寄りつかない。考えてみれば極めて当たり前なんですよ。じゃあ、どうすればいいのか。それは改めて私がクドクド書くまでもないでしょう。
あ、ちなみにふと思った疑問なのですが、あのロンドンブーツ1号2号が熱心に Magic を遊んでいると“世間に思わせる”ために、果たしてHJはいくらの広告宣伝費を彼らにつぎ込んだのでしょうか。 (^^; 今になって振り返ってみると、そういう努力が実を結んだ気配はほとんど無く、全く持ってあの雑誌やラジオを使った宣伝活動は一体何だったのか、と思いたくなります。
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かなり以前に掲示板で話題になった事があるのですが、私はいわゆる“自己啓発セミナー”なるイベントに参加していた事があります。そこではセミナーの最終段階として知り合いをそのセミナーに招き入れる(エンロールメントする)という実習を行うのですが、その中で語られる“人をエンロールメントする発想や秘訣”みたいな物は、こういった特殊な場面だけでなく色々な機会に参考にできるだろうと思います。 実はセミナーの参加者は、原則としてセミナーの内容をセミナー未経験者に話してはいけないというルールになっています。「セミナーに余計な先入観や固定観念を持ってしまうから。」というのがその理由です。(まあそれだけ人に言えない位凄い内容なのですが。 (^^; )つまりエンロールメントの実習を行うセミナー参加者は、セミナーの内容が具体的にどういう物かを一切相手に語る事無くセミナーへの勧誘をしなければいけないのです。考えてみるとこれはもの凄い事です。セミナーの参加費はそんなに安い訳ではありません。少なくとも数万円、団体やコースによっては数十万円の参加費を支払うケースもあります。それを「このセミナーを受けるとこんな体験ができる。」という具体的な説明無しに人を勧誘するのです。 ところが実際には、その実習によって多くの人達が勧誘に応じてセミナーに入ってくるのです。じゃあ、彼らは一体どうやって多くの人達をセミナーに呼び込むのか。それは“自分を看板にする”のです。このセミナーを受けて見違えるように変わったこの俺を見てくれ。それで人を引きつけて呼び込むのです。確かにこの商法(!?)にはかなり胡散臭い部分があります。セミナーには一時的に1人の人間を極限にハイな状態に持っていく、あるいは今まで持っていた殻を突き破って前に進もうとさせる破壊力があるので、それを目の当たりにした人達は(その個人の以前の姿とのギャップもあって)間違いなく驚きます。だからその人が語る「このセミナーはいい。君も受けてみたら?」という言葉にはそれ相当の説得力が生まれるのです。 こういう機会なので思い切って直球を投げてみようかと思うのですが、我々は他の人達に自分の姿を見せて「僕がやってる趣味だから面白い事は保証します。あなたもやってみませんか?」と堂々と胸を張って言えるような Magic への取り組みをしているでしょうか。言い方を変えるとデュエリストとして、あるいは1人の個人としてそう言い切れるような生き方をしているでしょうか。これは特に今現在 Magic の競技イベントの賞金、あるいはGAMEぎゃざの原稿執筆料などで飯を食っている方々に聞いてみたいです。あなた方は自分の姿を他の人に見せて、堂々と自分が遊んでいる Magic をその人に勧められますか。もしそれが多くのデュエリストにできているのなら、日本の Magic がこんな淋しい状況になったりはしなかったと私は思うのです。つまり「できていないんじゃないか?」と私は感じている訳ですが。 前から何度か書いていますが、私は自分の職場では自分がカードゲームイベントの主催をしている事を公開しています。職場の人達は大部分が Magic なんて知らない事は確認済みです。つまり職場の人達は“私の姿を見て Magic とはどういうゲームなのかを想像している”のです。これは大袈裟でも何でもありません。実際にそうなのです。そして少なくとも今現在、私は自分がゲームのイベントを主催するために申請した休日を、スケジュールを決める副店長に拒否された事は一度としてありません。あと店長や副店長には「最近どうも Magic はダメっぽいです。」という話もしてあって (^^; 私がやっているイベントの成否を心配されたりもしています。さすがに去年「モノポリーの北陸予選を開催するので休みを下さい。世界チャンピオンも来て一緒にイベントやりますので。」と言った時はビックリされましたが。 実は Magic のイメージアップって、そういうちょっとしたデュエリスト個人の頑張りの積み重ねで始めて実現する物なんじゃないでしょうか。職場の中で一番勤勉に働き、遅刻や欠勤もなく、上司や同僚の評判もいい。そういう人が「すいません、この日だけはどうしても休みを下さい。東京で Magic の大会に出たいもので。」と言えば、周囲の人達はその休日取得に協力してくれるだけでなく、自然と Magic という遊びにも興味を持つのではないでしょうか。(いや、これは間違っても私自身の事を言っている訳ではありません。 (^^; )そうなると何かの機会に、少しずつでも Magic という遊びの情報がその人の周辺にも広がって行くでしょう。そしてある日自分の子供が「友達に Magic を勧められちゃった。遊んでもいい?」と聞かれたら・・・。多くの親は「ああ、あの人がやってて職場でも話題になってた遊びか。それならいいんじゃないかな。」と判断するんじゃないでしょうか。 確かにSMAPやモーニング娘。が遊べば Magic のブランドイメージは確実に上がるでしょう。でもそれであなた自身の周辺での Magic の風評が同時に上がるとは限らないのです。ひょっとしたらそんな宣伝効果など帳消しにして余りある位、あなた自身が周囲の Magic のブランドイメージを地の底にまで落とし込んでいる可能性があるのですから。「いや、俺は絶対にそんなヘマはしていない。」あなたはそう言い切れますか。 |