| 報われなかったボランティア | ||
タイトルですが、「報われない」と現在形にするか「報われなかった」と過去形にするかで悩んだ末に、過去形で落ち着きました。これは多分断定口調で書いてもさし支えない話だと思うのですが、 Magic ほど販売手段が売り手や買い手の善意やボランティアに頼り切った商品というのは珍しいんじゃないかという気がします。そもそも日本での Magic の起源は決してHJが発売した日本語版第4版ではなく、それ以前に英語版の輸入パックで遊んでいた多くのデュエリストに端を発しています。そしてそういう人達の熱心な推進によって日本の Magic は日本語版発売にこぎ着け、それを起爆剤にして1つの時代を築いたと思われます。これは販売店にしても同じでしょう。それこそ“ Magic を売りたいからTCGショップをやる”という人まで少なからず現れ、そういう人達の努力によって日本の Magic は維持されてきたのです。
じゃあ、そういうボランティアに対してWoCやHJはどういうサポート、あるいは恩返しを行ってきたのでしょうか。まずはHJ経由によるフレッシュパックの販売価格を当時の実勢価格よりも相当高めに設定し、並行輸入ショップに圧力をかけてまでこれを定着させました。次にDCI公認トーナメントに偏重して競技至上主義で Magic を売ろうとし、しかも公認トーナメントを開いたお店に満足なサポートをしませんでした。更には3度に渡る値上げ、無料配布の販促物廃止、販売店主催イベントのキット有料化、そしてトドメは値下げと称した掛け率アップ。まあはっきり言いますが、自分で書いてて開いた口が塞がりません(爆)。しかもここに挙げた話のうち、我々が納得できる形で改善された事例はほとんど何1つとしてないのです。日本語版発売からかれこれ7年が経とうとしているのにですよ。
以上に挙げた話には、多分私個人の主観といった話は一切入っていないだろうと思います。我々デュエリストや販売店スタッフが実際に目にしたこういう客観的な事実を列挙してみるだけでも、いかにWoCやHJが日本の販売店やデュエリストをないがしろにしてきたか、あるいはバカにしてきたかが分かるんじゃないでしょうか。これでWoCが日本のデュエリストや販売店を大事にしているとは到底思えないし、むしろ市場の崩壊を望んでいるとすら思えます。しかし実際には、それでも日本の Magic 市場はなお維持されている。それはなぜなのでしょうか。それは未だに Magic に夢を追い求め、いつか自分達の努力が報われる日を夢見て頑張って Magic を売り続けている多くの販売店があるからなのです。最近の Magic 販売店はそれこそ火の車状態のはずです。並行輸入の安いBOXに客を奪われ、やっと値下げされると思ったら自分達の取り分を大幅に減らされる。HJ経由の高いパックに並行輸入の安いパックを混ぜて、できるだけ安く売ろうとする涙ぐましい努力。でも今や Magic では店を維持する利益は出ないし、それどころか今や多くが赤字。それを国産TCGや別の商品の黒字で補ってでも Magic の火を消さないように売り続ける。それが今や多くの Magic 販売店の実状なのです。ところがそういう販売店に対してWoCやHJが取る施策は上に書いたようなお粗末振りで、しかもこの期に及んでなお改善される気配が見られない。それどころかWoCはデュエリストからより多くの利益が取れるオンラインに Magic を移行しようとしている。まったくもって「ふざけるな、ボケが!」とか言いたくなります。
買い手はおろか売り手すらここまでバカにしている、そんなゲームが世の中でヒットする訳がないし、またさせちゃいけないだろうとも思います。最近の Magic はまさに“メーカーや代理店が利己主義に走った悪しき実例”であり、消費者は絶対にこんな商売を成功させてはいけないのです。そしてそういう認識は今や多くの販売店も持っているはずで、それ故多くの販売店は Magic を離反したはずなのです。じゃあなぜ一部の販売店はそれでも Magic を売り続けるのか。それは Magic というゲームが売り手にも買い手にも本当の意味で魅力のある商品になり、そして日本で成功してくれる事をなお多くの人達が願い続けている。そういう事だろうと思います。そしてそれは何もそんなに難しい夢物語ではありません。それこそ Magic がリバイズドや第4版の頃のような、誰にとっても魅力があって人に勧めたくなるゲームに回帰するだけの話なのです。まあ今となっては実現は限りなく不可能に近いんでしょうけど。
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最近ちょっと感じているのですが・・・。 例えばあるゲームが一時期100万人のプレイヤーを集めてそれなりに繁盛し、しかしその後色々あって今は10万人程度のユーザーしか残っていない。でもその10万人のユーザーのおかげで取りあえず最低限の市場は維持されている。そういう状況になったとしましょう。具体的な人口というか数字はともかく、今は対戦格闘ゲームも Magic もそれに近い感じでしょうか。ところがこういう状況を見て、格ゲーのプレイヤーが「格ゲーはそれなりに維持されている。成功事例と言っても過言じゃないかも知れない。それに比べて Magic の廃れっぷりは嘲笑に値する。全くメーカーやユーザーは何をやってるんだ。」という意見をおっしゃる方が少なからずいるのです。これは Magic の側にも全く逆の見方をされる方がいます。 そういう見方そのものは個人の主観なので、あまり私がとやかく言える話じゃないと思います。でも少なくとも物の見方が公平じゃないですよね。そもそも全盛期の100万人という数字にしても、実は他のヒットゲームに比べると全然少なかったりします。実際に格ゲーはバーチャファイター2で1つの時代を築いたと思われますが、それにしても結局のところ本当にブームになった遊びに比べれば全然大した事はありませんでした。それは Magic にしても同じです。その全然大した事がない市場がその後冷え込んで今やその何分の一かに縮小しているのに、それを堂々と“成功事例”だと言ってしまう。私はそういう感覚がちょっと変なんじゃないかと思うのです。 これは例えば Magic のユーザーサポートにしても言える話です。決して少なくない方々が、あのHJが進める Magic 拡販に一定の評価をされます。競技に偏重して一般のデュエリストを根こそぎ振り落としてしまっている、そういうやり方ですら「よくぞここまで競技イベントを盛り上げてくれた!」と評価しているのです。しかしこれが別のゲームの話となると主張が全く変わってしまいます。その同じ口で「格ゲーのプレイヤーは勝ち狙いでお寒い輩が多い。楽しく対戦をするという気運を盛り上げなかったから格ゲーは廃れたんだ。」とかおっしゃるのです。 (^^; ただ私に言わせると、今現在格ゲーと Magic は全く同じような販促手段で日本での拡販を図り、そして現に両者とも失敗しているのです。そういう事実を客観的に見て善後策を考える発想を持たないと、格ゲーにしても Magic にしても今後更なる市場の縮小を止められないのではないでしょうか。 まずは一歩下がって客観的に事実を見つめる。そこからスタートした方がいいだろうと思います。例えば格ゲーの話で言うと、最近格ゲーの市場を支えているのは多分サミーのギルティギアだろうと思います。ところがサミーの2003年3月期第3四半期の決算資料を読むと、最新作の家庭用ゲームの売上は22万本ほど、アーケード用筐体の販売実績は3300台ほどです。あと2003年通期の決算資料とか平成15年度の中期事業計画では、ギルティギアに関しては一言も触れられていません。メーカーにとってもギルティギアはその程度の商品(市場規模)でしかないのです。つまり“今後も安定的に続編が供給される保証はどこにもない”という事です。ましてや1度でもシリーズがセールス的に転ければ多分そこで終わりでしょう。そういう現実を直視すれば「自分が少しでもこのゲームを盛り上げなきゃ・・・」となるだろうと思うのです。ある事実を見てどういう結論を出すかは個人の主観次第です。しかし個人が自分の主観を決める際は、少なくともちゃんと可能な範囲で現実は見て欲しいです。大本営発表に踊らされた日本人がどういう末路を辿ったか、あなただって知らない訳じゃないでしょう? |