歓迎されない“値下げ” 
 
 「ようやくか・・・」という感も強い Magic の値下げですが、どうもその中身は必ずしも手放しで歓迎される物にはならなかったようです。なんか日本での Magic の不振を半ば販売店の責任にしている、そんな印象すら受けてしまいます。掲示板の方にも色々と書いたのですが、今回の値下げを我々はこう解釈していいのだと思います。つまり「販売店の収入が減るのは大変申し訳ない。しかし君達以上にHJやPHは苦しいので許してくれ。収入が減った分はサービスやサポートの縮小などで何とか補って欲しい。その分HJがしっかりしたユーザーサポートをするので。」という事です。というか、販売店側が今回の値下げに合理的な理由付けをしようと思ったら、そう考えるしかないだろうと思います。そして多分現在、大部分の Magic 販売店が考えているはずです。「本当にやってくれるんでしょうね。今までやってこなかったけど。」ってね。

 掛け率=70%というのは確かに、私が知る限りでは他の多くの国産TCGとほぼ同程度なのです。でも今まで多くの国産TCGは強力なユーザーサポートによりその分を十二分に補ってきました。公認大会を開けばそれこそ参加賞のプロモはおろか人数分のスコアシートまでコピーして送ってくれる。それが当たり前なのです。ところが Magic はそうじゃなかった。それを今まで一部のHJ擁護派(!?)は「 Magic はもう安定期に入った商材だから必要ない。」「 Magic の掛け率は他のTCGよりも低い。」といった理由を付けて肯定してきたはずです。しかし今やその前提はすべて崩壊しました。 Magic は今や安定期どころか明確な衰退期に陥り、そしてその掛け率も国産TCG並になる。これで“国産TCGよりも販促をサボっていい理由”は全くないはずです。HJは代理店だからメーカー直で売る国産TCGとは事情が違うって?。そんなのユーザーには関係ないでしょう。それだったらそれこそHJなんて代理店は外しちゃって、一部の国みたいにWoCが直轄で Magic を売ればいいだけです。前から言っていますが、要するに“HJが単なるドケチなのか否かという事実がこの後更に明らかになる”という事です(笑)。だってDCI公認トーナメントの申請事務がHJ内に移って以降も、一般の公認トーナメントに賞品が無条件に提供されるという状況にはなっていないようですから。ただこうなってしまっては、そんなごまかしはもう通用しないでしょうが。

  Magic という遊びは非常に不思議な世界で、ユーザーが他の業界では当たり前に行われているユーザーサポートを求める事がタブー視され、あまつさえそういう要求を出した側が叩かれるという不思議な構図になっています。 (^^; 確かに一部の要求が単なるユーザーのわがままであるのは事実でしょう。でも大部分の要求はそれこそ「こういうサポートをしてくれれば Magic はもっと売れるのになあ。」という期待感、あるいは「この程度の事をやってくれないと Magic という遊びは維持できないぞ。」という危機感から発せられた意見だったはずです。しかし結局色々と理由を付けられてそういう意見は却下され続けてきた。だから Magic はこれだけ衰退してしまった・・・分かりやすいですねえ。私も過去に色々と遊びの世界を見てきましたけど、これだけ衰退した理由やその責任の所在が明確な遊びって珍しいですよ(笑)。そして今回 Magic は、どういう訳かその衰退の最大の戦犯に最高級の温情を下し、あまつさえどういう訳かそのしわ寄せを今まで最前線に立って(特に値引き販売で頑張って) Magic を売ってきた販売店に押し付けた。普通に考えれば「もうバカかと、アホかと。」という感じでしょう。要するに私は「それを販売店やユーザーに納得させて下さいよ。」と言っているだけです。なぜ日本の Magic がブームになれずに衰退した敗戦のA級戦犯であるHJやPHを優遇し、残った販売店を更に Magic から離反させるような施策を取ったのか。それを販売店に納得させる事ができなければ、今回の値下げは日本国内での Magic 拡販には全く効果を発揮しないでしょう。むしろいよいよ経費削減のためにデュエルスペースや定例イベントを縮小する販売店を増やすだけなのです。ただしそれでも Magic を扱い続けてくれるだけまし、そんな気もしますけど。

 しかも皆さん、日本の Magic の過去の歴史を思い出してみて下さい。我々は並行輸入業者への圧力で日本の Magic が一気に高騰した際も、その後更に3度に渡る値上げをされた際も、全くと言っていいほど“その見返り”を得られてきていないはずです。つまり我々(特に販売店)には過去に1度としてWoCやHJの価格政策による恩恵を得た歴史はないのです。従って今回もやはり“歴史は繰り返す”可能性は高い。そう考えるのが自然だと思われます。今回の措置も結局は傾きかけたHJやPHを延命し、両社の株主である佐藤一族に安定した収入を与えて終わり。そうなる可能性は極めて高いと思われます。じゃあ、そうならないようにするためにはどうすればいいのか。それは今さら私がとやかく言わなくても皆さん分かってますよね。理由はどうあれ今回、我々デュエリストは仮にも“日本の Magic の値下げ”という成果を勝ち取った訳です。それと同じ事を今後も継続して、更にサポートの充実や知名度アップのための施策を勝ち取るしかない。要はそういう事です。

あいせんの“本音の部分”

 ・・・という本編を書き終えた直後に、更に Magic の将来を予見させるニュースが入ってきました。どうやらMTGOがコンシューマ機にも進出を模索しているらしいのですが、私はそのニュースを読んでようやく今回の値下げの真の目的が見えた気がしています。つまりはこういう事です。 Magic というゲームは将来的にはパソコンやコンシューマ機によるオンラインでの世界的な普及を目指している。しかしそういうゲームはリアルカードとは別の意味で敷居が高く、また中学生あるいは高校生といった低年齢層には遊んでもらえない。そこで Magic はリアルカードの Magic を低年齢層ユーザーに遊んでもらい、その上でクレジットカードを持てるような年齢になったらオンラインに来てもらおう。そういう事なんじゃないでしょうか。

 じゃあそういう狙いを実現させるにはどうすればいいのか。それには何よりもまずリアルカードの Magic を中高生の間に広く普及させなければいけません。つまり前から何度も言われている“中高生にも買いやすい値段”と“彼らが手を出してくれる話題性”を実現するしかないのです。そこでその初期段階として値下げに踏み切った。そう考えるとかなり今回の値下げの理由が分かりやすくなります。既にMTGOは相当な普及を果たしているようで、世界選手権の予選まで開かれるレベルになっているそうです。だから第8版とかその次の独立型エキスパンション(名前は“ミラディン”だそうですが)の発売を待たずに値下げに踏み切った。というか、レギオンの不人気振りを見るとそこまで待てなかった。そういう事なんでしょう。つまり逆に言うとWoCはリアルカードによる Magic を今後も売っていく気はあるけれど、それはあくまでMTGOにステップアップするユーザーを育てるための踏み台的な商品に過ぎない。そんな気もします。

 こういう方針に関しては色々とご意見があるかと思います。少なくとも言えるのは、こういう売り方は Magic をそれこそ創生期から支えたデュエリストや販売店を明らかに切り捨てるやり方です。実際問題として既にMTGOの普及がリアルカードの売り上げに影響を与え始めているという見方もあり、それがPS2とかX−BOXで手軽に遊べるようになった時の影響はそれこそ図り知れません。じゃあMTGOが普及したら販売店はどうしようもないのか。多分そんな事はないだろうと思います。前の節で書いたリアルカード Magic の普及策のうちの後者、要するに“ Magic のブーム化”が実現すれば、それこそ遊戯王OCGのような活況を Magic でも実現する事は可能だからです。ただしその方法論を導き出して実行するのは極めて困難でしょうけど。既に日本でも幾つかのTCGがブームを迎え、そして廃れていきました。日本の消費者は既にTCGそのものに疲弊し、そして飽きつつあります。そんな中で Magic をブームにするというのは並大抵の事では実現できないでしょう。あまつさえ Magic は日本では現在、明らかに“負け組”に属するゲームですし。

 そして今回の値下げの仕組みを見ると、どうやらWoCはその責任をHJに課そうとしているようです。私なんかは「あの会社に何ができるのかね。実際今までだって何もできてないのに。」という気がしています。ただ実を言うと今回の価格改定にはちょっとした裏があるかも知れません。新たな Magic 流通ではディストリビューターにより多くの利益を約束されている。そうなると日本国内でHJ以外の企業がディストリビューターに名乗りを上げる可能性は少なからずあります。ひょっとするとそれに関して、WoCはHJに「お前らが今後も怠慢なら他の企業ともディストリビューター契約を結ぶぞ!」とか脅しをかけている可能性はありそうな気がします。まあそう書くと「そういう事ならさっさと他の代理店を擁立してくれ!」という意見が多数出てきそうですが (^^; 今のところWoCはHJにその任を託す気のようです。まあWoCはMTGOの普及に目処が立った分、日本の流通がどうにかなっても以前よりは影響が少なそうだから気楽なもんでしょうけど(笑・・・えない)。

   

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