| ゲームのお話 〜2002年3月号〜 | ||
今回はよりエッセイらしく、オムニバス3本立てでお送りします(笑)。
鳴り物入りで発売されたXBOXの日本での苦戦振りが、地方紙である福井新聞にまで報道されるに至ったようです。 (^^; 発売1ヶ月足らずで週間販売実績がPS2に負け始め、今はGAMECUBEと互角の争いを演じているそうです。私個人としては「なんだかなあ・・・」という印象なのですが、でもコンシューマ機(=家庭用TVゲーム機)の事情に詳しい方々の間では、この状況はかなり早い段階で予想されていました。これは機会があれば是非マイクロソフトの関係者に聞いてみたいのですが、あのXBOXとは一体誰のためのゲーム機なのでしょうか?。日本人ゲーマーに受けそうなタイトルが乏しく、とにかく派手な宣伝に中身が伴っていない。あまつさえ「このハードで再生したDVDに傷が付くのは仕様です。」等という不誠実極まりない対応。私に言わせるとあれはゲイツ会長の税金対策以外の何物でもないです(笑)。欧米ではどうか知りませんが、一日本人ゲーマーから見ると「売る気がねえ。」としか思えないです。多分マイクロソフトは「今後タイトルは充実します。」とか言っているのでしょうが、でも実際問題として日本ではDQ&FFを獲得できなかったゲーム機の成功例って過去に無いのですがねえ。 (^^;;;
ゲームは遊ぶ側のためにある。こんな当たり前の事が最近随分と怪しくなっています。企業が自社の発展とか存続のためにのみゲームを作ったり売ったりしている。そんな事例が最近日本国内のあちこちに見られます。しかもそれがうまく行かなくて会社が窮地に陥ったり消えたりしてくれればまだ改善の可能性もあるのですが、実際にはなぜかそれで細々とでも会社が維持されてしまう。そしてそういう状況に多くのゲーム業界関係者が満足してしまっている。流石にこれではゲーム業界に未来はないのではないでしょうか。
ゲームメーカーや販売サイドが「今ユーザーが求めている物は何なのか?」を真剣に追求してゲームを作ったり売ったりする。そういう姿勢というか取り組みが日本のゲーム業界から消えてしまったのには、間違いなく我々ユーザー側にも責任があります。だから我々日本人はマイクロソフトにここまで舐められてしまった。表現は悪いかも知れませんが、要はそういう事なのです。でも少なくともXBOXに関しては、我々は現在それなりの意志表示ができているのではないでしょうか。それが「もっと日本人向きの面白いゲームを用意しないと買ってやらないぞ!」なのか、それとも「悔しかったらDQかFFを引き抜いてみろ!」なのか、それは分かりませんが(嫌爆)。
任天堂とSQUAREが仲直りしたそうです。昔の経緯を知る人達に取って、この出来事はかなり意外だったようです。私が業界筋からの情報とか噂話で聞いた、両社が喧嘩別れをした経緯はこうだそうです。任天堂はSFCに続いてNINTENDO64にFFの発売を計画していました。しかしSQUARE内ではNINTENDO64に関して「こんなスペックでは満足なFFは作れない。」という不満が噴出したそうです。またFFを自主流通で売りたい(=1本当たり稼げる利ざやを増やしたい)と主張するSQUAREと昔ながらの“なんちゃら会”を介した流通制度を守りたい任天堂が対立したところに、SCEから「自社流通を認めるからうちに来て欲しい。」という誘いがあり、これによりSQUAREは任天堂ハードから離れた。とまあ、こんな感じでしょうか。ですから当然デジキューブの設立もこの話と連動しています。
しかもこの後SQUAREとSCEの関係は更に強くなっていきます。その象徴が某プロデューサーのマスターベイション(=映画製作《爆》)でSQUAREが被った損失をSCEが丸々肩代わりしたという話です。(あ、表向きには「増資に応じた。」という事になっていますが、その増資額は映画で出た損失とほぼ同額です。)SCEとしてはPS(2)の看板ゲームであるFFにこんな形でケチを付けたくなかったのと、これを機会にFFを完全にPSサイドに取り込んでしまおうという思惑があったのではないでしょうか。
じゃあそうすると「なぜ今この時期に任天堂とSQUAREが和解した(できた)のか?」という疑問が出てきます。あまつさえ任天堂からは既に「SQUAREにはGAMECUBEとGAMEBOYアドバンスを連動して遊ぶゲームを期待している。そのタイトルは“FF”になるかも。」という発表が出ています。当然SCEはこの話が面白い訳がありません。せっかく話題のゲームが乏しくて“死に体”になりかけているGAMECUBEが息を吹き返しかねないからです(爆)。でも事は実現した。そこには必ず何か“裏”があるはずです。そこで見方を変えて「この話をSCEが認めざるを得なかった理由は何なのか?」を考えると、実は推測される答えは極めて限られます。1つは「そんな我が儘をSCEが言えない位SQUAREの台所事情が苦しい。」という事です。これはひょっとするとSQUARE+デジキューブという事になるかも知れません。あと「国内メーカーでXBOX包囲網を作るため。」という事も考えられるのですが、でもこの調子ならXBOXって放っておいてもそれこそ“3DO”みたいに・・・あ、書いてて胸が苦しくなってきた。とにかく色々な意味でこの名前は心に深く突き刺さりますなあ(嫌爆)。
多分この話は既に色々な場所で語られているでしょうし、きっと真相は他にあるのでしょう。でもクリエイターの引き抜きといいコンビニ流通といい、日本のゲーム業界ってSQUAREごときに良い意味でも悪い意味でも引っかき回されちゃってるんですよね。ちなみに上の2つのエッセイで話題にした2社には「作ったソフトがバカ売れしているけど、そのソフトや会社自体の評判は決していいとは言えない。」という不思議な共通点があるのですが(誤爆)。(ただ今の発言の中に、一部不適切な内容がありました事を謹んでお詫び申し上げます。 (^^; )
ご存知の方も多いかと思いますが、CAPCOMが“ブレインスポーツ”と称する知的エンターテイメント事業を展開するそうです。簡単に言うと「CAPCOMが売れ筋だと思ったゲームをオンライン/オフライン双方に渡って事業展開する。」という事だそうで、その第1弾としてドイツのボードゲームであるカタンが選ばれました。既にボードゲームは一部で先行発売されているのかな。更に今後はコンシューマ機やパソコン用のオンラインゲームも発売するらしいです。ただ発表を見る限り、どうやらCAPCOMにはそういうゲームで大きなイベントを開いたり、あるいは賞金を出してプロを育成し・・・といった気はないようです。でも少なくともカタンに関して言うと、クオリティの高さの割に日本国内での知名度や普及は今一つという印象もあります。そういうゲームを発掘して多額の広告費を使って知名度を上げてくれる。それだけでもカタン好きの人達に取っては歓迎される事なのかも知れません。
私は今まで格ゲーやTCGの話題では“志ある競技化”を推奨してきました。でもそれはそういった遊びの販促に関して他に手段が無さそうだからそうしていたに過ぎません。実際にCAPCOMは格ゲーの失敗事例を目の当たりにしている訳ですし、ある意味“当事者”でもあるのです。多分中途半端な競技化推進がどういう結末を招くかは良く分かっているでしょう。それだったら最初から競技化とかその手のイベントは一切開かない。これはある意味正しい選択だろうと思うのです。この事業化でカタン人口が増えれば間違いなく「イベントを!」「競技化を!」という要望が上がってくるでしょう。でもそれはイベント開催や競技化の土壌が整ってから考えたって決して遅くはないのです。TCGみたいな“気まぐれに天から振ってくる”競技イベントよりも、多くのユーザーが頑張って“自分達で勝ち取った”競技イベントの方が、多分盛り上がりとかプレイヤーのレベルは桁違いに高くなると思います。
あと仮にもうち(= Duelist Fukui )には“ボードゲーム部”なる物が存在する訳ですから、今後の展開には注意を払っていかないと行けないでしょう。私個人はあまりカタンは性に合わないのですが、もし自分に合うようなゲームがこういう形で紹介され普及が図られるのであれば、それこそTCGなんか放り出して取り組んでみても良いかと思います(ぉ。そうだなあ・・・“ブラフ”の全国大会って開かれないでしょうか?(核爆)。
<<追記(2002.3.25加筆)>> 3月24日のイベントでこの話題が出たのですが、その際「CAPCOMは『カタンで大きなイベントを開く予定がある。』と言っているらしい。」という情報を頂きました。私が見た記者発表等にはそういう記述は無かったのですが、どうやら発表の席上等で責任者がそういう発言をしているらしいです。ただ実を言うと私個人は「これ、嘘かデマであって欲しいなあ。」と思っています(笑)。その理由はまさに上に書いた通りです。
確かにそういうイベントはカタンプレイヤーのやる気を高めるのかも知れません。でも日本でこの手のゲームの(競技)イベントが本当の意味で成熟しないのって、私は「参加する側に本当の意味でのやる気が無いからではないか?」と考えています。無い物を自分で勝ち取る位のやる気というか志が無いから、実現しても大した物にはならない。要はそういう事です。私は前から日本の Magic プレイヤーが環境改善のためのロビー活動をしない事を批判していますが、これも発想としては同じです。「日本のゲーマーをこれ以上甘やかしてどうする?」これが今回の話を聞いた私が感じている率直な感想です。 (^^;
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今回は私個人のXBOX感について書いておきます。 このエッセイをマイクロソフトの関係者が読んでいる事を期待して思い切って書いてみるのですが、はっきり言って日本のパソコンユーザーの決して少なくない割合の方々が、多分マイクロソフトという会社に対して良い印象は持っていないだろうと思うのです。それは言うまでもなくWindowsという商品そのもの、あるいはそのユーザーサポートによってできた心証みたいな物です。でも日本でのXBOXの販促を見ていると、随分とマイクロソフトは自社あるいはゲイツ会長の名前を前面に押し出しています。正直言ってあれでは「XBOXは絶対に買わんぞ!」という天の邪鬼は相当数現れるだろうと思います。かく言う私もその1人なのですが(爆)。 マイクロソフトはXBOXが“マイクロソフトが作ったゲーム機”である事を、何か大きなメリットであるかのように触れ回っています。でも果たしてそうでしょうか?。少なくとも日本国内でマイクロソフトの風評が高いなんて話は聞いた事がないですし、ましてや家庭用ゲーム業界から見たら新参者なのです。あまつさえ鳴り物入りで発売された現状で日本人ユーザーの購買意欲をそそるようなキラーソフトが用意されていない。そこへ来てハードのクレームに対して示された、それこそWindowsのユーザーサポートで見せたのと同様の不誠実極まりない対応。あの会社は自社ソフトが暴走しようが自社ハードがメディアに傷を付けようが、何でも「これは“仕様”です。」と言えば片付くと本気で思っているのでしょうか?。 (^^; これじゃあ一部の販売店が「こんなゲーム機怖くて売れません。」と匙を投げるのは当然の事でしょう。 出典を失念したのですが、新聞か何かに「マイクロソフトさん、家電品業界の世界へようこそ。」という内容の記事が掲載されていました。家電品はとにかく最悪の条件で使われるし、ユーザーはマニュアルなんか読んでいない事を前提に作られています。しかしそれでもお客様センターはユーザーの質問に誠実に答え、場合によってはユーザーの責任で故障した家電品でも無償修理をしています。そうしないとユーザーはあっと言う間にその会社を見向きもしなくなり、業界で生き残れないからです。私に言わせると家庭用ゲーム機は立派な家電品です。私はかなり昔にNEO・GEOの修理をSNKに依頼した事があるのですが、それこそ家電メーカーに引けを取らないような誠実な対応をしてもらいました。(しかも保証期間が数日前に切れていたにも関わらずです。)マイクロソフトには自らがそういう業界に飛び込んだという自覚が欠けているというか、そもそも全く無いんじゃないでしょうか。そんなゲーム機は私は怖くて買えませんし、またおもちゃ屋に売っても欲しくないです。そういうゲーム機を売って風評を落とすのは誰でもないおもちゃ屋自身なのですから。 これはあくまで私個人の印象ですが、あのWindowsに関するマイクロソフトの商売のやり方を「アンフェアだ。」と見る人は少なくありません。(実際にマイクロソフトはそれで米国や多くの州政府から訴訟まで起こされていますし。)でも今度はそれと全く同じやり方というか発想で、マイクロソフトは“子供達の夢”を売ろうとしている。私に言わせれば「ふざけるな!」という感じです。こんな事がまかり通るようではゲーム業界は終わりでしょう。私に言わせるとゲームの面白さはハードのスペックや作っている会社の大きさなんかでは決まりません。そこに携わる人達の“ハートの熱さ”こそが大事だと信じたいし、そういう志あるメーカーこそが成功して欲しいと思っています。 |