TCGのちょっと込み入ったお話 (^^; 
 
 最近流石に業界筋からの情報も減りましたが(笑)、でもインターネット上の情報を眺めているだけでも、この程度の話は書けるようです。

 ○ その後の遊戯王OCG

 KONAMIの第3四半期の決算が発表されました。それによると遊戯王OCGの売り上げが当初(=去年8月の業績見通し修正)の予想通り落ち込んでいるようです。平成13年度のCP(キャラクタープロダクツ)事業の通期売り上げが昨年度同期の40%程度、しかも第3四半期に限って見ると32%ちょっとになっているそうです。(それでも市場規模的には200億円を超えているそうですが。)また同時に発表された通年の業績予想では、CP事業部門全体として250億円を予想していて、これは前回(多分第2四半期決算時)の予想額よりも更に50億円少なくなっています。

 前にも書いたかと思うのですが、日本のTCG市場は平成12年度時点で800億円規模だったそうです。そしてそのうちの半分あるいはそれ以上を遊戯王OCGが占めていたらしいのです。その遊戯王OCGが今年になって去年の4割しか売れていない。(あるいは今後それ未満に落ち込む可能性すら出てきた。)すると例えその他のTCGが去年の実績を維持したとしても、日本のTCG市場は一気に550億円程度にまで落ち込む計算になります。つまり単純に言うと、TCG販売店の売り上げが去年の7割あるいはそれ未満に留まるのです。元々TCG屋なんて全盛期でもそんな左団扇な稼業ではなかったはずなのですが、それが収入が3割減ったとなるとかなりの死活問題になっていると思われます。(ただ現状はまだシングルカードの市場がある程度賑やかなはずで、当面はそれである程度の売り上げや利益は維持できると予想されます。)

 しかもKONAMIの決算報告を読む限り、どうもKONAMIはこの状況を“米国での遊戯王OCG発売”で解決しようとしているみたいです。つまり遊戯王OCGで引き続きKONAMI自身に利益をもたらす方向性を模索しているだけで、日本国内でのTCG文化の冷え込みといった部分に対しては何らの対策も講じる気は無さそうです。これは「日本国内のTCGは飽和状態だから、よりTCGの需要が高そうな北米に活路を求めよう。」という事なのでしょうか?。まあそれで実際に北米で遊戯王OCGが流行って、かつてのポケモンTCGみたいに米国向けにカードを輸出すると高く売れるなんて事になればまだいいのですが。 (^^;

 KONAMIの決算だけを見る限り「やはりそろそろ日本でTCGは“潮時”なのかな?」という印象を持たずにはいられません。何よりもメーカー自身が日本国内での再ブーム化を諦めてしまっているっぽいのが何ともはや(嫌爆)。ただ実際に日本の遊戯王アニメは低視聴率だったという情報も頂いていますし、ジャンプの連載漫画もそろそろ飽きられ気味で、日本国内で何かしようにも既に打つ手が無いのかも知れません。だとすれば「利益が上がる見込みの無い所に金は出さない。」という判断は、社会的な責任もある東証1部上場企業としては当然の事なのかも知れません。

 ○ その後の MAGIC:the Gathering

 さて、そんな中で Magic にも大きな動きが起こりつつあります。具体的に何が起こるかと言うと“プレミアイベントの再編”がなされるそうです。APAC(アジア・パシフィック選手権)を廃止する代わりに日本選手権等の国内選手権で授与する賞金額を(その国の競技人口に比例して)増やし、更にアジア太平洋地域に世界選手権出場への特別招待枠を設ける。あとAPACの代わりとなる Standard のトーナメントを(APACが開催されていた時期に)日本を始めとするAPAC対象国内で開催する。大まかに言うとそんな感じでしょうか。そしてこれにより日本選手権の賞金総額が昨年度の$30000から一気に$50000に上がるそうです。(なお、一昨年度以前の賞金総額については明確には公開されていません。多分人に言えない位少なかったのでしょう《爆》。)

 これで“日本国内で Magic を頑張っている人達へのご褒美”がより身近になった。そういう事になるのだと思います。日本選手権の賞金総額が$50000になった事で、優勝賞金は一気に$20000(現在のレートで換算すると約260万円!?)になるそうです。2位の賞金ですら昨年の優勝賞金と同額の$10000にアップ。つまりようやく日本でも“頑張って Magic を極めれば Magic で飯が食える”時代がやって来るかも知れないのです。また日本選手権の上位入賞者に十分な報償が与えられるとすれば、世界選手権への参加(遠征)が資金面からサポートされ、選手が本来の力を十分に発揮できる環境が整う事も期待できます。APACという名物イベント(!?)が終わってしまうのは淋しい面もありますが、やはり今回の措置は概ね歓迎されるのではないでしょうか。(APACの終了を「 Magic の国際性を表す話題が消えた。」といってデメリットと受け止める方は少なくないようです。でも実際問題としてAPACは日本の Magic 界でもそれ程話題にはなっていなかったし、ましてや外の世界の人達に取っての知名度なんて多分0に近いでしょう《爆》。ですから実際にはほとんどデメリットは無いと私は思っていますが。)

 ただ・・・我々はこの事を手放しで喜んでばかりはいられない気がします。まず“APACというイベントが中止された”という純然たる事実がある訳です。参加国が少ないからという理由でイベントが無くなった。だったら例えば日本選手権とかファイナルズといったイベントが、今後“参加者が期待通りに集まらないから中止になる”可能性だって無い訳じゃないのです。WoCやDCIは今までにも幾つかの自社ブランドTCGを切り捨てています。あの Pok?mon ですら勢いに陰りが見えた途端にサポートを縮小した訳で、今後 Magic がそうならない保証はどこにもないのです。

 しかも今回の措置は“日本国内の Magic プレイヤーの数”を明確に意識した物です。これは見方を変えると“WoCやDCIは従来通りの日本選手権に$50000なんて額の賞金をつぎ込む気は無い”とも想像されます。それはなぜかと言うと、今回の措置が我々日本のデュエリストが日本国内での Magic 普及や競技 Magic 推進を頑張って“勝ち取った物”ではなく、いわばWoC/DCIのお情けで“天から振ってきた物”だからです。(そもそも根本的な話として、今回の措置で Magic プレイヤーに対して支払われる賞金総額自体が増えた訳ではないのです。)日本向けの賞金総額を従来の倍近くにするのであれば、当然WoCやDCIはそれによって将来の日本選手権への参加者数、もっと言っちゃうと日本の Magic 人口がそれに見合う数以上になる事を期待しているはずです。ですから当然ですが、もしもそうならなかったら“逆”もあり得るのです。それでも日本の Magic が盛り上がらない、それどころか人口(正確に言うと実働しているデュエリストの数)の減少にすら歯止めをかけられない。そうなった時にWoCやDCIが取るであろう施策は実に単純明快なはずです。

 $50000というと、現在の為替レートで換算して実に600万円以上という高額賞金です。日本国内のプロ組織を持たないゲームで、これ程の賞金を販売サイドが提供している物って他にあまり例が無いのではないでしょうか。しかしそれは同時に“競技推進サイドや参加者側により大きな責任が発生する”事を意味します。それだけの規模になった日本選手権が、どこかのお仲間デュエリスト達の同窓会的な雰囲気で開催され、プレイヤーとジャッジが馴れ合ってナアナアでやってる。あるいは競技運営サイドが特定のプレイヤーを勝たせるために運営や裁定に手心を加える。もしそんな事があったとしたらこれは大問題でしょう。(別に Magic がそうなっているとは言いませんが。 (^^; )あと個人的にはそういう大きな大会(予選)への参加資格が“参加費¥3000が払えるか否か”だけというのはなんだかなあ・・・という気がしています。 (^^; これだけ大会の規模が大きくなる以上、そろそろレーティング等による参加者の制限をかけた方が、結果的には日本選手権というイベントの格を上げるという意味でも有効な気がしますが。

 もちろんそうなれば“参加費の無料化”も検討されるべきだとも思います。日本選手権の賞金をWoCが提供している以上、HJが¥3000なんていう高額な参加費を予選で取る理由は無くなったと私は思っているのですが。(実際に構築戦のPTQの参加費って昔から¥2000でしたよね?。)というか、WoCが賞金を出す事で主催者であるHJには間違いなく余裕が生まれているはずなのだから、その分を例えばボランティアで来てくれるジャッジへの待遇改善とかに使って欲しいです。そういう面(=競技を支える人達の育成)への配慮が無ければ競技 Magic の真の成熟はあり得ないのです。

 日本のDCI公認トーナメントは、ようやく代理店が今まで作り上げてきた“虚像”に近いような体裁というか規模を整えつつあります。初期の頃から随分長い間続いた「勝ち組になれ。でも大した報酬は無いけどな。」という状態を脱し (^^; 「勝ってこんな凄いご褒美を手に入れろ!」と胸を張って人に自慢できるような競技環境を手に入れつつあるのです。またそれは公認ジャッジやイベント・コーディネイター達にも言えると思います。自分達が押し進めている Magic イベントの頂点に優勝賞金$20000がかかったビッグイベントが待っている。そうなれば日頃開催するDCI公認トーナメントにも勢いが出てくると思うのです。今回の措置で恐らくTCGに競技として取り組む人に取っては、例えば他のどの国産TCGと比べても遜色無いであろう環境が整うはずです。ただし当然ですが、動くお金が増えるとトラブルも増えるんだけどね。 (^^;;;

 ○ しかし更に現実を見ると・・・

 さて、ここまでの内容ですと「遊戯王OCGはどうもやばそうだけど (^^; しかし Magic の方は安泰そうで何より。」となりそうですが、実はそうとも言っていられないような事態がTCGの世界で少しずつ起きているようです。

 先日来話題にしてきましたが、WoCが発売したハリーポッターTCGの日本語版が、なぜか Magic の日本総代理店であるホビージャパンではなくポケモンTCGのメーカーであるメディアファクトリーから発売されたという話があります。それだけなら「あの代理店がWoCに信用されないのは仕方ないだろう。」で笑って済ませられる面もあるのですが (^^; 何やら今度はWoCが日本国内で独自のTCGを発売する動きを見せているというのです。具体的に言うと、小学館のコロコロコミックに連載されていた Magic 漫画がなぜか昨年の終わり頃にオリジナルTCGを扱う漫画に変わり、しかもそのオリジナルTCGをWoCが開発してタカラが発売するという話が出ているそうなのです。 (^^;;; いやあ、流石に私もこの話は寝耳に水でビックリしました。

 これは以前の Magic 記事で書いたのですが、あのコロコロコミックの連載漫画はWoCが自ら小学館に働きかけて連載を決めた物のようです。それがここに来て突然 Magic 以外のTCGに路線変更した。これは一体何を表しているのでしょうか?。これはあくまで私個人の推測なのですが、実はWoCは内部的に「今みたいな売り方では日本の Magic に未来はない。」という何らかの意志決定をしてしまっているのではないでしょうか。日本で(遊びの)ブームを生み出すのは子供か女性です。そしてTCGという遊びは間違いなく子供をターゲットにしています。しかし現在のような Magic の価格設定や売り方では、そのブームの火付け役となる小学生辺りに Magic を買ってもらう事は厳しい。しかも代理店はこの期に及んでも明確な形での値下げに消極的だし、中高生辺りのデュエリストは(代理店のおかしな販促もあって)今やすっかり勝利至上主義に染まっている。つまり現在小学生が感じるであろう Magic に対する敷居はどんどん高くなっている(= Magic には将来性が無くなったと考えられる)のです。「だったら日本の小学生向けにオリジナルTCGを作ろう!」という決断をWoCがしたって何ら不思議ではなく、そしてそれが実行に移された。そういう事なのではないですかね。

 私は別にここで、ハリーポッターTCGやそのオリジナルTCGの成否を予想する気はありません&できません(笑)。ただ今回の件と Magic の賞金額が増えた件は、実はかなりの関連性を持っている気が私はしています。つまりWoCは日本国内でのTCGブームをあくまで新商品で起こそうとしていて、それに対して Magic は“TCGに競技で取り組む人達向けの商品”という位置付けにしようとしているのではないでしょうか。これを私流に言い換えると「TCGを競技の対象としか考えられないプレイヤーは初心者育成に取っては邪魔だから、この際新商品には手を出させずに Magic に留まってもらおう。どうせ君達は Magic をそういうTCGだとしか思っていないみたいだから、プレミアイベントの賞金を上げれば喜んで勝手に盛り上がるんでしょう?(それ以外のサポートはもう一切しないけどね。)」という事です。あとこれは「もう Magic にはコレクターもファンデッキ使いも要らない。」という事になるのかも知れません。でもこんな事は今更言われなくても、日本の Magic はそういう雰囲気の中で5年以上の歳月を重ね、そして今のような鳴かず飛ばずな状態に至っているのですがねえ(爆)。

 こう書いちゃうと語弊があるかも知れませんが、私に言わせるとWoCは今や日本で Magic をブームにする事を“諦めた”訳です。多分 Magic の競技プレイヤー達は日本向けの賞金総額が増える事で追い風ムードになっているかと思うのですが、しかしそういう雰囲気にいずれWoC自身の手で冷や水が浴びせられる可能性が0ではないのです。そう考えると日本のデュエリストには“やるべき事”がある、そういう発想を持ったデュエリスト(競技 Magic に携わる人達)が日本にどの位いるかです。やり方は人それぞれでしょうが、とにかくWoCが本当の意味で日本の Magic に見切りを付ける前に、WoCの関係者に「おっ、日本の Magic は凄い事になってるぞ。こりゃ他のTCGなんか売ってる場合じゃないな。」と思わせる事なのです。

あいせんの“本音の部分”

 “プレミアイベントの賞金総額アップ”と“ Magic 漫画の打ち切り(!?)”というこの相反する動きを、我々日本人デュエリストはどう受け止めればいいのでしょうか?。エッセイの本文にも書きましたが、これを字面通りに解釈すると「WoCは日本の子供達に Magic を遊んでもらう事を諦めました。今後は競技プレイヤーとして Magic に取り組んでくれる人達をメインにサポートをしていきます。」と受け取れます。更にこれを拡大解釈すると「今後 Magic は競技性以外の要素をどんどん排除していきます。ですからコレクターなんか知りませんし、ファンデッキで遊ぶ人達に取っても今後 Magic はますます面白味に欠ける物になるかも知れません。それが嫌なら競技プレイヤーになるか他の自社ブランドTCGをどうぞ。」という風にも受け取れます。この傾向は特にここ1年程の Magic には顕著に見られる気がします。私はここでそれが良いか悪いかを論じる気はありません。それでも Magic が好きなら続ければいいし、嫌なら止めればいい。たったそれだけの事なのですから。

 ただ私が見るに、どうも最近のWoCやDCIには決定的に欠けている視点があります。それは「その競技プレイヤー自体をどうやって供給し続けるのか?」もっと分かりやすく言うと「競技 Magic というもの凄く敷居の高い遊びに、いかにして初心者を育てモティベイションを高めて参加させるのか?」という問題です。多分今ですと地元のちょっとした Magic の大会で優勝しようと思っても、デッキ製作に必要なカード購入資金は1万円や2万円じゃ済まないでしょう?。そういう金がかかる趣味をいきなり始める人なんて極めて少数派なのです。ましてや Magic なんて日本で流行っている訳でもないし、他の遊びに比べてずば抜けて面白い訳でもないんですから。そういう状況で“それでも Magic を始めさせる施策なり工夫”が、今回の発表あるいは最近の販売戦略には全く見られないのです。

 以前の記事にも書きましたが、このままでは日本の Magic は間違いなくニューカマーの供給がストップして窒息死します。それこそ勝利至上主義を煽って失敗した対戦格闘ゲームの二の舞を踏むのです。こういう話を目先の利益しか見ていない代理店の関係者に言っても仕方ないのですが (^^;;; 少なくともWoCやDCIの関係者が考慮していないはずはないと私は思っています。でも具体的に今どう考えていて、そしてどうしようとしているのか。それが全く見えないんですよね。例えば同時にMPR( Magic 報償プログラム)の内容を充実させるとか、アリーナリーグのキットを無料化するとか。もっと言っちゃうとHJの日本語版独占販売を止めさせて値段を下げるとか(笑)。やる気があればやり方はいくらでもあると思うのですが。ただし1つの可能性として考えられるのが、WoCがハリーポッターTCGや新製品のTCGを“プレイヤーを Magic にステップアップさせるためのTCG入門用ゲーム”と位置付けている、という事です。実際にハリーポッターTCGのゲームシステムはかなり Magic 入門編という色合いが強いですし。でもそうなると間違いなく「じゃあ Portal って何やねん?」という意見が出てくると思いますが。 (^^;;; 

 しかもWoCの方針は必ずしもHJの Magic 販売方針と一致している訳ではなさそうです。HJは今でも中高生の間で Magic をブームにする事を諦めていないようです。それは最近の某ラジオ番組へのCM投入等が如実に表しています。しかし同時にHJが Magic の値段を下げない&必要以上に競技 Magic を煽り続ける事で、WoCはそういう方針には無理がある事を独自に判断した(故に漫画の連載を止めた)のではないでしょうか。あの値段の Magic は小中学生には勧められないし、競技にはプレイヤーとしての資質以上に人間としての資質が求められる(=十分な社会経験が無い小中学生には無理があるし、何よりもそういう若年層を育てようという機運や環境が日本の Magic には無い。)からです。このメーカーと代理店との方針の違いみたいな物が、実は我々日本人デュエリストに取っての最大の不幸だったのかも知れません。というか、はっきり言いますがHJは日本の Magic に口を出し過ぎなのです。問屋は問屋らしく問屋の仕事だけをして、問屋としての稼業に見合う利ざやを取るだけにしてもらいたいものですな。そうなりゃHJに対して文句を言うデュエリストも出ないだろうに(笑)。

 これを読んでいる皆さんはどう思うか分かりませんが、私個人は最近他の人に Magic を勧める気にはとてもなりません。何よりも「具体的に何がどう面白いのか?」というセールスポイントが思い付きませんし、また Magic の将来性という点でも私個人はかなり懐疑的な見方しかできないからです。そんな状況でWoCやDCIの思惑通りにこの先5年あるいは10年と競技 Magic が維持/発展するとは私には到底思えないです。私は最近の Magic の様子を見ていて「蝋燭は消える直前に最も明るく輝いて燃える。」という言葉を思い浮かべずにはいられません。今回の日本向けの賞金総額アップという措置が、結果的に日本の Magic に対する“最後の徒花”にならないように、是非とも特に競技 Magic 関係者のより一層の奮起と努力を期待したいと思います。

あいせんの“本音の部分” PartII

 今回は更に、最近 Magic の世界で起きている“サプライ品販売”の動きについても書いてみます。(私がこの話題に触れないのは逆に変だとも思いますし。 (^^;;; )

 最近になって Magic 関連の複数の業者が新しいサプライ品の発売に動いているようです。物は従来からあったデッキケースとかライフカウンターなのですが、そこに使われるイラストを Magic のイラストレーターに新たに書き起こしてもらったり、 Magic のカードイラストには使われなかった(パッケージや販促品に使われた)日本での人気が高いイラストを再利用するという形を取っています。これは従来のような単なるカードイラストの流用や、国内イラストレーターによる書き起こしとは明らかに趣が異なっています。

 皆さん信じるかどうか分かりませんが、私は日本国内で Magic のサプライ品として使われている、数字の上におはじき等を置いて使うカード型のライフカウンターを最初に考案した人間だったりします。(多分このタイプのライフカウンターを最初に全国展開したのはわんぱくこぞうグループさんだと思うのですが、その本部に試作品を送って「これ販促に使えるよ!」と提案したのが私だった訳です。)当時から Magic にはカードイラストを流用した円盤を内蔵したカード型のライフカウンターがあったのですが、どうも売っていて今一つ受けが悪いという印象が私には強くあり、そこで「日本人向けのイラストを使って自分でサプライ品を作ってみよう。」と思い立ちました。ただ流石に個人であの円盤を使った物を量産するのは無理で、試行錯誤の結果生まれたのがあの形だったのです。あれならそれなりのクオリティを持ったカラープリンタとラミネートの機械ができれば誰にでも作れますので。(実際に個人や同人レベルでも色々な物が制作されたみたいですし。)

 その経験から私はずっと「サプライ品にそのまま流用して日本で売れるようなカードイラストを Magic は使うべきだ!」という主張を書いてきました。どうも私のそういう意見は“萌え”が云々とか言われてかなり内容をねじ曲げられて伝わった感が強いのですが (^^; でも日本向けに Magic を本気で売りたいと思うのであれば、例えば日本で“萌え”が売れるのであればWoCはそれを取り入れるべきなのです。(実際に少し前から Magic のカードイラストにもジャパニメーションのパロディと思われる物が幾つか出てきています。)当然 Magic 全体としての世界観といった問題はありますが、でも元々昔の Magic って世界観の統一よりもイラスト個々の個性が重視されていて、そこが良くてファンが増えたと私は思っているのですが。(というか、それこそ中国語版みたいにその国の実状に合った物を売るという発想だってあるのです。)

 今回のサプライ品発売を私個人は歓迎しています。でもはっきり言ってしまいますが、それが Magic そのものの売り上げの伸びに貢献するかというと、私はかなり懐疑的な見方をしています。例えばそのサプライ品を見て「へえ Magic ってこんな綺麗なイラストを使ってるんだ!」と思った人がいて、思い切ってカードを買ってくれたとします。でもパックの中から出てくるのは個性を失った“紙芝居の一場面”ばかり。とうとう我慢できずに「このイラストが使われてるカードが欲しいんだけど・・・」と聞いてみたら、返ってきた答えは「そんなの無いです。」の一言。なんか少し前のアクエリの事例を見ているようですが(爆)、これでは「一体あのサプライ品は何なのか?」と私なんかは思ってしまうのです。

 今回代理店までがそういったサプライ品の発売に乗り出した。これはつまり「従来のカードイラストを流用したサプライ品の売れ行きが芳しくない。」という事を自ら認めたのだと私は考えています。たかだか数百円のライフカウンターを買わせるだけのパワーが最近の Magic のカードイラストには無い。これが歴とした現実なのです。私は別に Magic をアクエリ化させる気もなければ (^^; カードイラストを萌えで埋め尽くさせるつもりもありません。 (^^;;; 繰り返しになりますが「 Magic をイラストで売れる物にしてくれ。そうでなきゃこんなの到底TCGとは呼べんぞ!」という事です。ユーザーに数百円のお金を使わせる事すらできないイラストで、ましてや数千円あるいは数万円を使わせようとしても流石に無理でしょう。

 ・・・とまあ、多分以上の内容は色んな意味で“あいせんが書くであろう期待通りの内容”なんじゃないでしょうか(笑)。ただ私個人はそろそろ“ Magic コレクター”としての看板をたたむべき時期が来た気がしています。流石にこれだけ長期間に渡って開店休業状態じゃあねえ(笑・・・えない (^^; )。いっその事最新カードセットとか Standard なんかの話題は全く見ないようにして、昔のカードとか Type-I の話題でまったりと盛り上がるようなWebサイトに運営を変えてもいいのでは?、という感じです。(「え!?、既にそうなのでは?」という突っ込みを受けそうですが《笑》。)

 ちなみに全くの余談ですが・・・こういったサプライ品の“箱買い”ってできるの?(核爆)。

   

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