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アイヌ語 Magic 入門(!?) | ||
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以前に公開していた日記で少し書いたネタなのですが、取りあえず調べられた範囲で書いてみます。
私自身は北海道出身ではありませんし、もちろんアイヌ民族でもありません。そんな私がアイヌという物の存在を知ったのは、もう多分皆様お察しの通りでしょうが (^^; “ナコルル”というゲームキャラクタとの出会いが発端になっています。ナコルルはサムライスピリッツという(今は無き)SNKが作った対戦格闘ゲームシリーズに登場したキャラクタです。一般に彼女はアイヌの娘だと言われていますが、実際には“カムイコタンという架空の村に育った娘”と考えた方が正確かと思います。そしてその村は実在したアイヌという民族に近い生活習慣を持っていた。そういう事になるでしょう。ただ彼女の容姿1つ取ってみても、その姿はかなり本来のアイヌをデフォルメした物になっています。実際のアイヌ人は17歳になるまでには顔に入れ墨を入れていたそうですし、着物にしても当時(1788年)は赤とか紫といった色の物は無かったようです。(ちなみに顔の入れ墨ですが、ちょうど もののけ姫 のヒロインが入れていた様な感じだったらしいです。)
私が某パソコン通信で格ゲーの話題を話していた頃に、ナコルルというキャラクタからアイヌをもっと知ってもらおうというちょっとした運動が起こっていました。その過程で私自身もアイヌの話を伺い、自分でも本を買ったりニュースを探したりして少し勉強しました。その勉強で分かった事は、とにかくアイヌという民族が受けた数々の迫害とか偏見でした。つい最近もどこかの戯けが“日本=単一民族論”を展開したようですが (^^; アイヌや琉球の歴史を少しでも勉強していれば、そんな持論は口にはできないと思うのですがねえ。というか、私個人は日本という国が多民族国家である事を、むしろ喜ばしい事だとすら思っていますが。だって大和民族にしても、最近になって縄文人と弥生人が融合して生まれた民族だという研究結果が発表されているそうですし。
実はナコルルというキャラクタにも、そういった歴史を背景に紆余曲折があったようです。これは100%確実な裏付けを取った話ではないのですが、私が聞いている話によると彼女が真侍魂で(ストーリー上)殺されてしまったのも、実はこのアイヌ問題が背景にあったらしいのです。侍魂発売とナコルルの人気爆発を受けて、一部のアイヌ関係者の中に「こんなのアイヌじゃない!」という意見はあったようです。しかしやはり一部のアイヌ関係者は「何だかんだ言っても彼女が“日本で一番有名なアイヌ娘”である事は間違いない。それだったらSNKに働きかけて、ナコルルをより本来のアイヌに近い姿にしてもらう事でアイヌへの理解と関心を高めよう。」と考え、実際に行動に移したそうです。ところがそれを見たSNKの関係者が「アイヌの関係者にナコルル使用を非難された!」と思い込み、慌てて真侍魂で消してしまったというのです。しかし実際にはそれはSNKの勘違いであって、彼女の人気はその程度の事で失われる物ではなかった。しかもナコルルに変わるキャラクタを生み出すだけのやる気も既にSNKには無く (^^; 斬紅郎で何事も無かったかのように続投させた。とまあ、そういう事らしいのです。
そういった情報が私に入ってきたのもあって、私はそれ以降アイヌ関連のニュースは他の物には無い関心を持って見聞きするようになりました。そんな中でふと思い付いたのが、今回書く「アイヌ語で Magic ができないか?」という発想だったりするのです。要するに“自己満足”の世界ですな(身も蓋もないなあ > 自分 (^^;;; )。
さて、ではそろそろ本題に入っていきますか。アイヌ文化はいわゆる西洋文化とはかなり異質な物です。ですから西洋文化で当たり前のように存在している物質や思想がアイヌ文化には無い可能性は結構あります。(当然その逆もあるでしょうが。)あと私自身はアイヌ語に精通している訳でもないので、流石にデュエル中のすべての会話をアイヌ語に翻訳するのは無理です。 (^^; ただ英語のデュエルにしても Magic 用語の羅列で十分間に合う事は実証済みなので、アイヌ語 Magic もそういう発想で可能かと思います。
で、調べ始めたところ、序盤でかなり致命的な問題が発生しました。実はアイヌ語では“青”と“緑”は同じ「shiwnin」という言葉で表されています。(アイヌには文字が無いので、アイヌ語を表記する場合は片仮名やアルファベットで表音するのが一般的です。)ただアイヌ語は複数の言葉を並べて新しい言葉を作るという言語形態を持っています。例えば屋根を表す「chisekitay」という言葉は「chise(家)」+「kitay(てっぺん)」という構成でできています。(その chise も「chi(我ら)」+「se(寝床)」という2つの言葉から作られた物です。)ですからこの青と緑の違いについては・・・
青:atuy shiwnin(海の青) 緑:ham shiwnin(葉の青) ・・・と言い分ければ、恐らく生粋のアイヌ人にも理解してもらえるかと思われます。 (^^;
あと問題だったのは“時間の表記”です。私が参考にしたアイヌ語辞典には1日単位の時間帯(朝/昼/夜)を表す言葉はあったのですが、月と季節といった時間間隔を表す言葉がありませんでした。ましてやターン/フェイズ/ステップなんて概念があろうはずがありません(笑)。かといってフェイズやステップを「1つ目、2つ目。」等と通し番号で表すのも何か趣がないです。それで私なりに出した結論は「そのフェイズやステップで行う内容に一番近い言葉をそのまま使う。」という物です。ターン/フェイズ/ステップという概念が元々アイヌに無いとすれば、場合によってはその用語はそのまま取り入れてもらうしかないでしょう。(でもアイヌ語に“外来語”を取り入れる仕組みが無かったとしたら話は変わってくるのですが。)
では次に、具体的に Magic 用語(!?)をアイヌ語に翻訳してみます。
☆★☆ 色に関する Magic 用語 ★☆★ あと“マナ”に相当するエネルギーを表す言葉としては、例えば「aep(食べ物)」辺りか使えるかも知れません。ちなみに“マナ”と言うと、アイヌ語では「焼くぞ」という意味に取られるかも知れません。ある意味合っているのが何ですが(笑)。
白(い):retar 青:atuy shiwnin 黒(い):kunne 赤(い):hure 緑:ham shiwnin
☆★☆ 土地に関する Magic 用語 ★☆★ あと「nitar upas hewshi」で snow covered forest になるはずです(爆)。ちなみに今ふと思ったのですが、アイヌ語で desert (砂漠)とかって表現できるのでしょうか?。 (^^; 例え言語的には「砂だらけの土地」とか「水が無い土地」等と表記できても、流石にアイヌの自然しか見た事がない昔のアイヌ人には理解してもらえなさそうですが。(ちょうど熱帯地方に住む人に雪を説明するのと同じ感じでしょうか。)
土地:toy 平地(平らな土地):upakshinne toy 島:moshir 沼:to 山:nupuri 森:nitar
☆★☆ フェイズ/ステップに関する Magic 用語 ★☆★ アップキープは“維持する”に該当する言葉が発見できなかったので、代わりに“(維持コストを)与える”と訳してみました。あと私が調べた限りでは、アイヌ語の“割り込む”という言葉は発見できませんでした。元々そういう発想が無い可能性が零ではないかと思います。(でもこれはある意味幸せな事なのですが。)ですからデュエルの進行、特にターン終了時のやり取りに関しては一工夫必要になる気がします。まあ Portal を遊べば問題はないですが(汗)。
始める:oashi 起こす:mososo 与える:kore 取る:uk 戦い:tumi 最後に:iyosno 捨てる:osura 正常に戻る:shinne
☆★☆ デュエル中によく使われる Magic 用語 ★☆★ ・・・どうでしょう、この位翻訳できれば結構何とかなるんじゃないでしょうか。あと言うまでもありませんが、アイヌに自生していた動物の名前はアイヌ語に翻訳できます。(ただしアイヌ語では、存在するすべての動植物に名前が付いている訳ではありません。アイヌ人は自分達の生活に関係が無い物には名前を付けないのです。)できればこの内容に関しては、今後新しい情報があれば随時更新していきたいと思っています。(もっとアイヌ語に詳しい方からの突っ込みも大歓迎です。 (^^;;; )でも流石に本格的なアイヌ語辞典は高くて手が出ないのよね(涙)。
あなた:aoka,aokay 墓:tushir 生き物:shiknup 祈り(の言葉):inonno ikak 埋める:seske 置く:anu 終わり:kes 切る:tuypa 死ぬ:ray 攻める:kochorawki 敵:ikoyki utar 渡る:tomotuye ☆★☆ その他 ★☆★
あの世 (^^; :pokna moshir 毒(笑):surku ありがとう:iyayraykere 痛い:araka 稲妻:imeru 石臼:suma nisu 焼く:ma
今回のネタは、別に私自身明確な狙いがあって書いた訳ではありません。「色々な発想で Magic を楽しもうというアプローチがあっても良いのでは?」という発想を実体化させてみよう。まあそんな感じでしょうか。実際にこのネタが今後 Magic 普及に何らかの貢献をするとも思えませんし(爆)。
今回の本音はナコルルの話題にしようか Magic の話題にしようか迷ったのですが、考えた末ナコルルの話を書く事にしました。 侍魂というゲームはもう随分と新作が作られていませんし、ましてやメーカーであるSNKは既にこの世にありません(溜息)。しかしナコルルというキャラクタの話題性は未だに失われていないようですし、また私自身もまだナコルルとの付き合いが切れている訳ではありません。何しろうちにはなぜか3人もナコルル(人形)がいたりします。 (^^;;; 1人は当時大人気だったプライズの人形で、もう2人は通販で買った身長=30cm程の大きな物です。あと最近(=一昨年の事故で入院する)まで部屋に等身大ポスターが貼ってあったなんて、今年で3X歳になろうかといういい親父としては死んでも人には言えませんね(核爆)。 はっきり言いますが、SNKが特に1997年以降に作った格ゲーなんて、私に言わせると到底ゲーセンでの有料プレーに耐えられる代物ではありません。少なくともSNK全盛期に作られたゲームに比べるとその駄作振りは目を覆う物があります。そういうゲームがなぜそれなりに遊ばれてヒットしたのかというと、それはゲームシステムやキャラクタを人気の高かった大ヒット作から使い回したからなのです。その証拠にSNKの格ゲーは侍魂や餓狼SP以降、その大ヒットゲームのシステムやキャラクタを取り入れなかったオリジナルの物はほとんどヒットしていません。(月華の剣士も同人方面に受けただけで (^^; ゲームセールス的にはそれほどではなかったはずです。)これは決して良い事だとは思わないですが、少なくとも“日本では人気のあるゲームシステムやキャラクタを使い回しただけで商売ができてしまう”のは間違いないのです。 ただSNKという会社は、これ程根強い人気を誇るキャラクタを世に送り出しておきながら、でもそのキャラクタのファンを自社の味方に付ける事ができなかったのです。実際に真侍魂を見た時の一部の侍魂ファンやナコルルファンの落胆振りにはもの凄い物がありました。私も流石に斬紅郎を見た時には「あ、こりゃ今後のSNK(作品)に期待は持てないな。」という諦めの気持ちが支配的になりました。私自身はそれでもKOFシリーズのせいでSNKとの縁をつなぎ続けた訳ですが、それもKOF '99辺りで限界を迎えました。そういうファンが実際にはSNKファンの多数派を占めていたようで、その結果が見事にSNKという会社に止めを刺した。まあそういう事なのでしょう。以前おじじ部活動報告で格ゲーの話題を書いた際に、私とかK-M氏がズバズバとゲームの善し悪しを口にする事に少なからぬ批判があったという話を耳にしています。でもはっきり言ってしまいますが、SNKが出したゲームが一部の擁護派の方々が言うように出来の良い秀作ばかりだったとしたら、間違ってもSNKが潰れるなんて事態は起こり得なかったのではないでしょうか。確かにゲームの出来なんて物は主観の問題でしょう。でもSNKが潰れた事は紛れもない事実であり、それこそゲーム市場が下したSNKゲームに対する客観的な評価なのです。 私が1つ残念に思うのは、SNKが持っていたキャラクタ等の資産が今後良い意味で活用される可能性が限りなく零になった事です。あ、確かにKOFは続編が出ましたが、でもあんなコリアン産“生首格ゲー”を私個人は決してKOFシリーズとしては認めません(爆)。ただ人に言わせると「その方がキャラクタ達に取っては(良い思い出のまま終われるから)幸せかも知れない。」という意見はあるみたいです。確かにそうかも知れません。一度はクリエイター達の勘違いで殺され、でもそのクリエイター達の都合で復帰させられて「こいつ亡霊か!?」等を悪口を言われ、挙げ句の果てにようやく天寿を全うしても妖精に変えられてまで使い回される。おまけに同人に取り上げられれば幻庵にやられ覇王丸にやられ・・・(核爆)。本当ゲームキャラ(特に女性)って色んな意味で浮かばれないよね。 (^^;;;;; |
参考文献: アイヌ語絵入り辞典(蝸牛社)
知里高央・横山孝雄 共著