“お店”のお話 
 
 なんか昔封印した某企画が復刻しそうな気配になっています。 (^^; うちの基本コンセプトは“言うべき事を言うサイト”ですし、何よりも現状を見て黙っているのは私自身が後々後悔しそうなので、この際ある程度ご批判を受けるのを覚悟で書いておきます。

 ○ また1つ灯火が消える・・・

 先日、愛知のカードショップ店長であるミューさんのWebサイトにて、系列店であるミュー知立店さんが年内に閉店するという旨の案内が出ました。

 私個人は1度 Type-I のイベントが開かれた際、この知立店さんにお邪魔する予定だったのですが、直前に体調を悪くして参加できませんでした。ただカードゲームを単なる商売としてではなく、日本全国により楽しめるような方向性で広めようという姿勢が見られ、非常に好感の持てるお店だという印象を常々持っていました。それだけにやる気のあるお店が消えるというのは、同じ経験(=スタッフ側にやる気があるのに店を閉めざるを得なかった)を持つ私としては残念でなりません。

 私が福井でTCGショップに勤めていた頃の話とか閉店の経緯ですが・・・まあ過去に何度か書いているのでここでは割愛します。

 ○ 消費者とお店との基本的な関係

 ミュー知立店さんの閉店の経緯については公開されていないのですが、ミューさんの日記の中に何となくそれを伺わせるような記述が見られます。日記の引用は避けたいので、内容を私なりに解釈して書くと・・・
「自分が日頃利用しているデュエルルームには経費がかかっている。従って当然無店舗販売の通販に比べて価格面で不利なのは避けられない。しかし日頃デュエルルームを利用する人達に、その差額を“自分達がデュエルルームを利用したりサポートを受けるための必要経費”と認識して負担する意識が無ければ、結果的にそのお店が無くなって自分達が困る事になる。」
 ・・・という感じでしょうか。この話はそれこそ私も Magic 関連の記事で散々口酸っぱく書いてきた事です。

 自分はそのお店で1円の買い物もせず、ただデュエルルームだけ利用している。もしそれを自分が経営している店でやられたら、あなた自身どう思いますか?。多分これを読んだ決して少なくない方々が思っているのと同様に「そんなの別にいいじゃん。」で済ませられるでしょうか?。しかも実際には「それをどう思うか?」とかいった精神論とは無関係に、まず確実にそのお店は潰れるのです。あなたがそのお店を潰したい。あるいは自分の街にデュエルルームなんて要らない。そう思っているならそれで構いません。でもそれならせめてその店あるいはデュエルルームそのものへの出入りをやめ、デュエルルームの席を“そのお店の正当なお客”である別の人に明け渡すべきでしょう。私に言わせると、これは参加費有料で開かれるお店主催の大会も同じです。大部分のお店はそういったイベントを持ち出しで(=自腹を切って)開いています。ですから私に言わせると、本来そのお店に貢献していない人間には参加資格は無いのです。ですから私自身は、例えば遠征で他のお店のイベントに参加させて頂いた場合、必ずそのお店でカードを買うようにしています。これって私個人は“最低限のマナー”だと思っているのですが。

 これはどの遊びの世界にも言える事ですが、お店のサービスやサポートには経費がかかっています。またお店がそういうサービスやサポートを行う最大の目的は“自店の売り上げアップ”なのです。しかしどうもTCGの世界にいる一部の人間にはそういう基本的な経済感覚が乏しいようで、特に Magic の世界ではその傾向が顕著に見られます。確かに海外からカードを輸入している通販サイトから買えば、それこそ日本国内での販売価格の半値あるいはそれ以下でカードが買えるのです。また同じ国内業者でもデュエルルームを設置している近所のA店よりも、全く何らのサポートもしていない通販サイトのB店の方がカードは安いのかも知れません。しかしだからと言ってカードは全量B店で買ってA店にはデュエルルームを利用しに行くだけ。それでA店がいつまでもデュエルルームを設置し続ける訳がないのです。普通しばらく時間が経つとA店はこう判断するはずです。「ならば経費を削減(=デュエルルームを閉鎖)して値段を下げた方がいい。」あるいは「こんな商売バカらしくてやってられないからやめた!」ってね。でも本当にそれでいいんですか?。

 先日公開したエッセイでも書いたように、TCGの市場規模は今後更に縮小傾向に入る事がほぼ確実視されています。(遊戯王OCGに関しては、コナミはその市場を日本から米国に移そうとしているようですが。)そういう状況の中でも日本でTCGという遊びを生き残らせるには、何よりも“やる気があって自分達に取ってもメリットがあるお店を存続させる”事が必要不可欠なのです。それは決して自分が1円でも安い値段でカードを買う事で、結果的に自分達がTCGを遊ぶ場を失う事ではありません。むしろカードの売値は少々高くても、その分地域でのTCGの普及とかユーザーサポートに積極的なお店に売り上げを集中させて、せめてそのお店だけでも生き残らせる事なのです。

 ○ トレード無きTCG販売店

 ちょっとミュー知立店さんの閉店が私に取っては大きなニュースだったので書いてみましたが、実はここから後がこのエッセイの本編だったりします。 (^^; 実は福井でのあるTCG販売店の様子を伺って数週間前にこの話を書こうと思い立ったのですが、その矢先にそのニュースが飛び込んできた物で。

 確か10月の頭だったと思うのですが、福井市のあるTCG販売店がデュエルルームをオープンさせました。それまで福井市にはデュエルルームを持ったTCG販売店は1つしかなく、我々としてはかなりの歓迎ムードだったのです。ところが蓋を開けてみると、利用者の中から少なからぬ不満の声が聞かれるようになりました。その最大の理由は「あのデュエルルームではトレードが禁止されている。これでは利用し辛くてしょうがない。」という物だったのです。

 私が伺っている限り、このように店内でのトレードを禁止しているデュエルルーム設置店は決して少なくはないようです。実は私がかつて勤めていたTCG販売店も最初はそうだったのですが、私がスタッフとして勤めるようになったのを機会に店長を説得し、条件付きで認めてもらったという経緯があります。ただしその条件というのは「金銭トレードは禁止。」「お客さんにちゃんとした指導をしてトラブル発生を防ぐ。」といった、デュエルルームの維持管理方針として極めて基本的な内容でした。

 ただ正直言ってしまうと、その店でのトラブルは残念ながら皆無ではありませんでした。実際シャーク被害も何例か報告されていますし、現金トレードも店員の目を盗んで行われていたようです。(1度は店長と“トレード禁止”あるいは“デュエルルーム閉鎖”を真剣に話し合った事もありました。)私は自分が見つけた物に関しては注意していたのですが、どうしても“こっそりやる”事によるトラブル発生が避けられなかったのです。私や他のスタッフの目を盗んで誰かが現金トレードを持ちかける。持ちかけられた方もやましい事だと分かっているけど興味はあるのでこっそり受けてしまう。ところが実際にはその条件はかなり自分に取って不利な物で、要するにシャーク被害に引っかかってしまった。でも店員の目を盗んでやった話なので誰にも言えず泣き寝入り。まあそんな感じでしょうか。

 その他紛失(盗難!?)騒ぎも1度か2度あって、あれには流石に参りました。あと幸いな事にうちでは無かったのですが、全国的に見ると恐喝紛いの騒ぎもあるそうで、そういった様子を伺うと「TCG販売店が自店でのトレード禁止を口にする気持ちも分からんではないわなあ。」という感じです。万が一何かの問題が警察沙汰にでも発展すると、まずPTA辺りに真っ先に叩かれるのはそのお店ですから。

 ○ そういうお店とどう付き合うのか?

 しかし実際問題として、デュエルルームでのトレード禁止というのは利用者に取ってはあまり有り難い話ではありません。トレードを禁止する理由は明らかにお店側の事情であり、利用者に取っては何1つメリットが無いからです。あまつさえそれでもトレードなんて隠れてやればいくらでも可能でしょう。そうやって実際にトレードをしている人がいる様子を見れば、更に「こんな措置に実効性なんか無いのになあ。」という気になるのです。

 そこで利用者としては幾つかの選択肢が出てきます。それには大きく“現状を受け入れる”“トレードの解禁をお願いして実現する”“出入りをやめる”という物があるでしょう。多分書くまでもないと思いますが、私個人が皆さんに強くお勧めしたいのは“トレードの解禁をお願いして実現する”です。“現状を受け入れる”は結果的に誰の利益にもなりません。そのうち結局は窮屈になって利用者が減るか、または利用規約に違反した利用者が大勢捕まって「もう(デュエルルームの開放なんか)やめたる!」になるのがオチです。また“出入りをやめる”ではいよいよ進歩がありません。このご時世に新たにデュエルルームを設置してくれるお店なんて、そうあるもんじゃありません。ここでそういったお店を“成功例”にしておかないと、今後自分がTCGを遊ぶ環境が改善する事なんて期待できないのです。

 ただしお願いする際のアプローチにはかなりの工夫が必要です。間違っても「もう皆隠れてやってるんだから解禁してよ!」なんて言ってはいけません。そんな事はお店側はとうの昔に知っています(笑)。それを改めて面と向かって言われるのは、お店側が管理能力の無さを指摘された事と変わらないのです。まあ間違いなくますますへそを曲げるでしょう。 (^^; 例えばの話、そのデュエルルームを有効活用して稼働率を上げるために自分が何かする事です。週末にイベントを企画してその運営を手弁当でやるとかね。そうやって店側をある程度潤わせ、お店から見た自分の重要度や信頼度を上げ、その上で「更にここを繁盛させたいと思ったらトレードを解禁した方がいいと思うよ。」という形で提案を持っていく。更に解禁になった暁には(可能な限り)常連グループが交代で詰め、特に初心者のトレードの際に相談に乗ってあげる。そういう取り組みが必要なのです。実際私はそれをやりましたし。(正確には提案資料を持参して「俺を雇え!」と直談判したのですが。 (^^;;; )

 要は「うちのお客さんは信用できるから任せておけばいい。」という感触を店側に持ってもらう。すべてはそこからスタートしなければいけないのです。天岩戸は力尽くでは開きません。“中から開けさせる”工夫が必要なのです。しかし1度閉められた岩戸を開けさせるのは容易ではありません。ましてやそれが全国チェーンとしての統一見解(=全国的な事件・事故の事例に基づいて決められた方針)であったならば尚更難しいのです。

 ○ お店にだって言い分はある

 さて、ここまで書いておいて意外に思われるかも知れませんが、私個人は最近TCG販売店が自店でのトレードを禁止する事に関して、基本的には支持する立場にいたりします。

 TCG販売店が自店(のデュエルルーム)でのトレードを禁止する事に関して、私個人は大きく2つの理由があると考えています。その1つが“安全上の問題”です。トレードという行為そのものがシャーク被害を招く温床になっていますし、またトレードができるという事で持ち込まれたカード資産が盗難の被害にあったりもします。店側としてはそういった被害が自店内で起こる事は死活問題になりかねません。その事件を口実にしてPTA辺りに「あの店には出入りしないようにさせよう。」とかやられたらひとたまりもないのです。場合によってはそれが理由で閉店に追い込まれる事態にすらなりかねません。「そんなバカな事は無いだろう?。いくら何でも営業妨害になるし。」と言われるかも知れませんが、私がこういう話を書く場合、大抵が“実例”に基づいている事をお忘れなく。

 もう1つは“売り上げの問題”です。お店は当然ながら自店のカードを売りたいのです。そうするとある人気カードをトレードで揃えられるよりも、自店でフレッシュパックを買ってもらって引き当ててもらう、あるいはシングルカードとして買ってもらった方がどう考えてもいい訳です。(正確に言うと“そう頭から思い込んでいる”という事なのですが。)あまつさえこういったお店では、シングルカードを購入しようとしているお客さんを横取りしようと狙っている利用者すらいます。ある人がシングルカードを買おうとリストを見ていると、その横から「この店のカードは高いから僕から買えばいい。」とか声をかける客がいる。そんな客がたむろしているデュエルルームでトレードなんか解禁したら、まあ間違いなくお店は干上がってしまうのです。(あ、ちなみにこれも“実例あり”ですのであしからず。 (^^; )

 要するに、私に言わせると「日本のTCGファンは決してマナーやモラルに優れた人ばかりではなく、またお世話になっているお店の売り上げに関しても関心が無い。これでは安心して自店内でトレードなんかさせられない。」という事です。こういう状況では流石に私も「それでもトレードをさせろ!」とは言えないです。私がお店でのトレードを推進するのは“それがお店に取っても利益になるから”そうしている訳です。その前提条件が成立しない以上、私だってトレード禁止をある程度肯定せざるを得ません。

 でも私個人として「いや、それでもトレードは解禁するべきだ。」という意見を持っているのも事実です。(ただし当然この話に現金トレードは含まれません。というか、私に言わせると現金トレードはトレードじゃありません。)ただ私はこの話を単なる精神論で済ませようとは思っていません。確かにそういう解禁措置は、お店に取っての招かれざる客をも招き入れる事になります。しかし店側がやる気を見せてサポートをすれば、それに呼応するように良い客も来るのです。良い客が来ないとお店は栄えません。良い客をより確実に迎え入れるには、店側にもある程度の譲歩と覚悟が必要なのです。

 この状態は例えると“腸内の善玉菌と悪玉菌の関係”みたいな物です。 (^^; トレードを禁止したデュエルルームというのは、例えると善玉菌に栄養を与えないという状態になります。しかもどうせ悪玉菌は禁止されようが何だろうが勝手にトレードはするので (^^; 多分そういう劣悪な環境でも増殖します。ですからこのままの状態で放置すると、結果的にそのデュエルルームが悪玉菌の温床になってしまうのです。それを思い切ってトレードを解禁する事でデュエルルーム内を活性化し、利用者を増やす事で悪玉菌が我が物顔で暴れ回るのを押さえ込むのです。確かにデュエルルームの中で起こっている出来事をいちいちお店側が把握するのは実質不可能なのですが、特に問題のある利用者の情報等を通報してくれる利用者がいるだけで随分と風通しは良くなります。

 更に善玉菌に対してはイベント開催とかちょっとした値引きといった“報償”を出す。悪玉菌には“出入り禁止”といった明確なペナルティを与える。どっちつかずの状態になっている利用者には臨機応変に声をかけたりイベントに誘ったりして善玉菌への成長を促す。結構デュエルルームのメンテナンスって大変なのですが、しかしそれだけの手間をかける価値は間違いなくあります。これはあくまで個人的な印象ですが、実は“トレードを禁止されたデュエルルームは無い方がまし”と私は考えています。そういうデュエルルームはお店の売り上げに大して貢献しないだけでなく、かえって悪玉菌の温床になりやすいのです。しかもその噂が広まってお店の風評が下がるとお店に来る客そのものまで減っちゃう。要するに店側には何のメリットも無いどころかデメリットばかり。これならいっそ止めちゃった方がいい。そういう事です。はっきり言ってしまうと、デュエルルームって場所を作って終わりではなく、その後というかメンテが大変なのです。それができないお店ならデュエルルームなんか作らない方が身のためだ。私が言いたいのはそういう事になります。(つまり見方を変えると「TCGに関するノウハウを持たないお店がデュエルルームによるサポートを考えた場合、やはり中でのトレードは禁止せざるを得ない。」という事にもなるのですが。)

 でもそういったデュエルルームのメンテは、なにもお店のスタッフ自身がやる必要は無いのです。例えばトレードの解禁とかイベントの開催といったオリゴ糖を与えて善玉菌を育て、その人達に管理してもらえばいい訳です。実際そういうやり方で多くのTCG販売店が成功しているようです。ただし1つ気を付けなければいけないのは「善玉菌も集団になると悪玉菌になる事がある。」という事です。あるデュエルルームに特定のグループが常連顔で居座っちゃうと、たちまちそのデュエルルームの雰囲気が悪くなる事があります。そのグループに所属していないとデュエルルームへの出入りすら憚られる雰囲気になり、ひどい時には実際にその集団が結託してデュエルルームを占拠したり、あまつさえ初心者をシャークしたりとか。そうなってしまうと流石に問題があります。しかもそういうグループが発生してお店が失敗する事例は結構少なくないのです。言うなれば「食物繊維を摂って(例えばスタッフによる誘導とかちょっとした声かけを実践して)風通しの良い環境を維持する工夫が必要だ。」という感じかな。まあ要するに“何事も程々が良い”という事なのです。

 ○ 今更こんな話を書かないといけない、という状況が既に終わってるのだが。

 今回のお店の話は、前回公開した“TCGの動向”という話と根っこは同じだったりします。こんな話が気にならない位に店がTCGで儲かっている。TCGは日本でもの凄いブームになっていて、デュエルルームでも設置して他店との差別化をしないと競争に負ける。もし日本のTCGがそういう賑やかな状況になっていれば、何もこんな事を問題視する必要はどこにも無いのです。しかし実際には日本でのTCGという遊びの知名度はまだまだ低く、それこそ遊戯王OCG辺りにおんぶにだっこなのです。そんな中でTCGの市場は冷え込みを見せ、しかもお店に来る客は揃いも揃ってシャークばかり(汗)。こんな状況下ではデュエルルームを設置してくれるお店が現れるだけ有り難い、そういう発想が我々には必要なのです。

 ただ我々は間違っても現状に甘える訳にはいきません。だってTCGという遊びがこの程度のレベルに留まっている事には、何よりもあなた自身不満があるのでしょう?。あなたはそれこそ自分が遊んでいるTCGを全国的に認知させて、その中で自分が一定の強さを発揮している(対戦相手に勝てる)事を周囲に自慢したいんじゃないですか?。私は別に現状に満足している人達に、それでも何かして欲しいとは間違っても思っちゃいません。でも現状に不満があって変えたいと思っているならば、自分が変えようとしない限り何も変わらないのです。

 ・・・いかん、ノリが以前の Magic 記事みたいになってきちゃった。 (^^; まあ要するに「TCG販売店が安心してデュエルルームでのトレードを解禁できない。それには何よりも我々TCGファン自身の責任が大きい。」という事です。福井のデュエリスト(= Magic プレイヤー)は私がこういう活動をしているのを知っているので、イベント会場や他のお店で会うと「あいせんさん、あのお店にデュエルルームでのトレードを解禁してもらう方法はないですかね?」という話を持ちかけてきます。でも私に言わせると、それは結果的には私自身の事も含めて自業自得なのです。先程もちょっと書きましたが、実際にはこれって全国チェーンとしての統一方針もあるようです。要するに「全国規模でTCGファンは信用されていない。」という事になるのかも知れません。客がお店に信用されていない。そんな業界がこの先栄えるとは、とてもじゃないですが私には思えないです。

 別に私は精神論でこの問題を扱う気はありません。ただ我々TCGファンに“お店から受けたサービスやサポートに対するコストは支払う”という基本的な事ができるのかできないのか。問われているのはその1点のみなのです。日本のTCGファンが今までそれをちゃんとやって来ていたら、多分こんな事態に陥る事は無かったはずなのです。もしそれがどうしても嫌で、とにかく1円でも安いお店でしかカードは買う気がない。そういう方は今後自分がカードを買わないお店には間違っても出入りしない事ですし、ましてやデュエルルームに着席すらするべきではありません。だってデュエルルームにあるその席は、間違ってもあなたのために用意された物ではないのですから。

あいせんの“本音の部分”

 デュエルルームには、具体的にどの位の経費がかかっているのでしょうか?。かなり大雑把な計算になると思うのですが、ちょっと試算してみます。

 TCG販売店は、そのかなりの割合が貸店舗で営業していると思われます。その賃貸料には地域や物件毎にかなりの格差があるはずなのですが、都市部の優良物件ですと1坪1万円/月あるいはそれ以上なんて物もあるようです。流石にそんな優良物件を借りたのでは採算が合わないと思われるので (^^; 取りあえずここは坪5千円位の物件で我慢しましょう。(ただ、実際にはそんなに安い物件はあまり無さそうな気配もあるのですが。というか、あまり安い物件では今後は立地条件が悪くて問題が出そうですけど。 (^^; )

 私がイベントでよく利用する福井市にあるレンタル会議室は、15坪の広さで定員が24名となっています。(どうもこの数字は消防法で決まっているようですが。)実際デュエルルームという用途で考える場合、この位の広さというか人口密度が妥協点ではないかと思います。そうすると定員=16名のデュエルルーム開設には大体10坪以上のスペースが必要になります。そしてその賃貸料は10坪の場合で5万円/月、15坪の場合で7万5千円/月になります。更に1人当たりのスペースに換算すると3135円/月。そこに更にテーブルや椅子の減価償却費や管理運営費が入るのですが、この辺は大雑把に計算して大体デュエルルーム1席当たり4千円〜5千円/月程度でしょうか。

 そうするとデュエルルーム1席当たり、1日に130円〜150円の経費がかかる計算になります。お店の営業時間を10時間とすると、1時間当たり13円〜15円になるのです。どうです、案外安くはないでしょう?。要するに私としては「この位のお金をお店に払う気がないなら、そのお店のデュエルルームに座って我が物顔でデュエルやトレードをするのは止めた方がいい。」と言っている訳です。

 例えばの話、あなたがあるお店のデュエルルームを月に20時間使うとします。その場合そのお店は最低でも、あなたが来店してデュエルルームに着席する(=席を占有して他の人が使えなくする)事で毎月260円〜300円(あるいはそれ以上)の経費を支払っているのです。それであなたがそのお店で全く買い物をしないのであれば、そのお店から見たあなたというお客に対する収支は明らかにマイナスです。ましてやあなたがある程度の実力を持ったTCGプレイヤーで、何か大会を開く度にやって来ては優勝して賞品をかっさらって行くのでは尚更の事です。そんな大会でお店は間違っても儲けなんか出しちゃいません。(あ、ごく一部ですがかなりボッタクリなTCGイベントを開催している悪徳店もありますが。 :-P )それで「俺は毎回この店の大会に参加費を払って出ている常連だ。だからデュエルルームを使うのは構わないだろう。」なんて偉そうに言われるのではたまった物ではないのです。まあ店員は内心間違いなく「お前みたいな奴は店に来るな!」と思っているに違いないのです(笑)。

 例えば今、あなたは通販サイトで1パック=350円でカードが買える環境を持っていて、そして毎月平均して5千円程度のカードを買うとします。そういう状況でお店にある1パック=400円(あるいはそれ以上)のカードは買いづらい。その気持ちは十分に理解できます。(実際購入するすべてのカードをそこで買うと、あなた個人の負担は毎月700円以上増えるのですから。)ですがそこをあえて「そのカードの購入費用を少し増やして、いつも利用しているお店にサービスの利用料を払う。」という発想を是非して欲しいのです。これはあくまで1つの考え方ですが「1ヶ月のデュエルルーム使用料を300円程度と考え、それを通販サイトとお店のパック販売価格の差額分(先程の例で言うと50円)で割った数のパックを毎月お店から買う。(この場合で言うと6パック/月になる。)」位の事はして良いのではないでしょうか。(当然ですがそんなにTCGに予算を使わないという人は“それなりの貢献”をすればいいのです。)また自分が日頃買っているカードとそのお店で売っているカードの値段差にどうしても妥協できない。それだったらそのお店そのものに見切りを付けて、一切出入りしない位の事をすべきでしょう。デュエルルームは利用するけどカードは買わない。そんな客ばかりが存在する業界が栄えるはずもないのです。

 しかし・・・この話には1つ例外というか問題があります。それが Magic の事例です。前から書いているように Magic の日本国内と海外との価格差は目を覆う物があります。海外サイトでは大体今ですと1BOX=$75程度が相場になっているようです。日本円に換算すると$1=130円と考えても1BOX=9750円です。これに対して日本国内での Magic の定価は1BOX=18000円です。(ただしどうもこの価格は、最近一部がオープン化されたらしいのですが。)その差は実に8000円(率にして45%)以上。下手すると安い海外サイトならもう1BOX買える値段です(笑)。これで「いや、それでも国内の業者からカードを買え!」とは流石に言えないです。

 私は別に Magic の日本総代理店であるホビージャパンの肩を持つ気はありません。というか、私がいかにホビージャパンという会社が嫌いかは、もう皆様十分ご存知かと思います(爆)。でも私はあえて「いや、やっぱりそれでも日本国内の販売店から Magic を買うべきだ。」と考えていて、実際に私はそれを実践して来ました。もちろん海外サイトから1度もカードを買った事がない訳ではないですが、でも大部分のカードは顔馴染みの国内のお店から買っています。(ただし買うのは基本的に英語版なので、それをお店がどこから仕入れているかまでは知りませんが《嫌爆》。)それは私が今回書いたような話が頭の片隅にでもあれば、TCGファンとしては当然取られるべき行動だと私は考えています。「受けたサービスには経費がかかっているのだからそれを支払う。」こんなの当たり前の話なのです。それを誰かがクドクド書かないと気が付かない。というか、書いても実行されない。そんな業界に未来があるとは私には到底思えませんね。

※ ・・・次回は“癒し系”のエッセイが書きたいなあ(爆)。

   

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