真・三國無双2 
 
 プレイステーション2用のゲームソフト“真・三國無双2(光栄)”のレビューを書いてみます。

 ○ 総合

 このゲームは前作の真・三國無双の良い部分を踏襲しつつ、前作がなぜヒットしたか&不満点がどこにあったか等を十分に分析した上で制作されている。そういう印象を私は強く持っています。

 ○ ゲームのコンセプトや世界観

 元々このゲームのコンセプトになっている「三國志の登場キャラクタでアクションゲームを作ろう!」という発想自体、私から見るとかなり独創的な物だという気がしています。(ただしそのゲーム化は必ずしも1作目からうまく行った訳ではないようで、プレイステーション版の三國無双は・・・だったみたいですが《爆》。)三國志という登場人物達が“立った”作品を原作に持つアクションゲームは、ある意味オリジナルのシナリオを持つゲームに比べて有利な面がある。理屈としては分かるのですが、それを実現したメーカーの力量は物凄い物があると私は感じています。

 それとゲーム内で余すところ無く流れるロック調のBGM。これも文章だけで読むと「え!?、三國志にロックなんて合わないのでは?」と思われるのですが、ところが実際のゲームを見るとこれがピッタリとゲームの雰囲気にマッチしている。こればかりは実際に遊んでみないと分からない感覚だろうと思います。というか、これを組み合わせてゲーム化しようという発想をしたクリエイターの力量には流石に感服するしかないのですが。

 そういう真・三國無双のいわば“格好良さ”を、真・三國無双2 は基本的にほとんど手を着けずに踏襲しています。こういうゲームは一歩間違えると“使い回し”というレッテルを貼られたりするのですが、しかし真・三國無双におけるゲームの作り込みがそれを防いでいる気がします。確かにグラフィックやBGMを一新した新作も見てみたい気はします。しかし「いや、やっぱり真・三國無双はこうでなくちゃ!」というファンは間違いなく多いと私は感じているのですが。

 そしてその上で真・三國無双2 は“より長くゲームを楽しんでもらうための工夫”をしている。そういう印象を私は持っています。一度ヒットタイトルが出るととにかくゲームメーカーは続編を出したがるのですが、しかし実際には“なぜそのゲームがヒットしたのか?”あるいは“そのゲームの長所や短所はどこなのか?”を十分に吟味しないまま安易に続編を出す傾向が強い気がします。その点真・三國無双2 は前作の問題点(ゲームとしての寿命が短い/プレイヤーのやり込みに耐えるシステムになっていない etc. )をリサーチしてある程度の対策を講じた上で制作された。そういう印象を強く受けます。

 ○ “新キャラ追加”の難しさ

 真・三國無双2 を遊んでいて、私はSNKの“龍虎の拳”の事例を思い出していたりします(笑)。

 龍虎の拳の1作目は非常にハードなイメージがありました。登場キャラクタもマニア心をくすぐるハードボイルドな感じが全面に漂っていましたし、ゲームシステムも“気力システム”というかなりマニアックな物で一部ファンには熱狂的な支持を得ていました。(ただし全体としてみるとゲームとしての敷居は高かったようですが。)しかしこれが2作目の龍虎の拳2になると様子が一変します。具体的に言うとユリ・サカザキの登場がゲーム全体のバランスを崩壊させてしまったのです。ゲームシステムは相変わらずハードなのに登場キャラクタがその雰囲気に合っていない。ユリ目当てに手を出した軟派ゲーマー (^^; には気力システムの扱いは荷が重く、昔からの龍虎ファンにはユリの存在が邪魔。これにより龍虎の拳2は誰をターゲットに出したのか分からない中途半端なゲームになってしまった訳です。

 今回真・三國無双2 にも多くのキャラクタが追加されました。特に大喬と小喬を見た時ははっきり言ってぶっ飛びました(笑)。真・三國無双の時に「おいおい、貂蝉ってこんなキャラクタじゃねえだろう?」と画面に向かって突っ込みを入れていた昔はどこへやら。というか、あの2人が絡んだデモってはっきり言って“青春学園物”なんですが。 (^^;;;

 ただ、このゲームの良い所は「三國志本来の世界観に近い楽しみ方が守られている。」という部分にある。私はそう感じています。関羽とか典韋といった本編の三國志で暴れ回ったキャラクタを操れば、そういった真・三國無双オリジナルの要素はほとんど気にする必要が無くなります。あとこういったお姉ちゃんキャラは(華があるという理由で)やたらオープニングやエンディングに使い回される事が多いのですが、真・三國無双2 にはそれもありません。(オープニングを編集する機能があるのですが、あれも真・三國無双シリーズの1つの顔になっている気がします。)“三國志”という世界観を大事にした上で、私みたいなお姉ちゃんマニアまでも取り込もうとしている(笑)。そういう姿勢というかゲームとしての骨っぽさが実に良い雰囲気をゲーム全般に与えている。私個人はそう感じています。

 あと、そういう雰囲気を実現したのには“声優陣”の貢献が大きい気がします。きっちりプロとしての仕事でゲームを盛り上げつつ、でも必要以上にしゃしゃり出ない。ゲームの魅力の1つにはなっているが売りにはなっていない。流石この辺はそこいらの有名声優に頼ってゲーム内容を吟味しないゲームメーカーとか、製作サイドの都合でキャラクタに合わない声優を無理矢理起用してしまう某アニメ (^^; なんかとは一線を画していますな。ただしそれなりにやり込むとボイスの使い回しが多少目立つのがちょっとあれですが。 (^^;

 ○ このゲームの凄いところ

 これは一部真・三國無双2 関連の攻略サイトや雑誌記事には触れられていない話も含まれるのですが、真・三國無双2 というゲームには“より長く&深くやり込んでもらう”ための工夫が随所にちりばめられているようです。

 具体的には色々あるのですが、まず“武器等のアイテム収集”です。各キャラクタにはユニークな最強装備が存在するのですが、基本的にこの最強装備は難易度=ハードでしか手に入りません。つまり「難易度=ノーマル辺りで延々遊んでいても、このゲームを遊び尽くしたとは到底言えない。」という事です。またその他プレイヤーを支援する各種アイテムが存在し、それらはより難易度の高いゲームでより高性能な物が入手できるようになっています。

 例えば私は基本的に孫尚香がメインなのですが、彼女で何度か無双モードやフリーモードを遊んでいると、そういったアイテムが自然と集まります。そうすると次に別のキャラクタに手を出した時に最初からある程度パワーアップした状態で始められるから楽なのです。(別に使いたくなければ装備しなければ終わりですし。)こうなると自分があまり関心のないキャラクタも使ってみようかという気になりますし、例えば全キャラクタによる無双モードクリアといった作業プレー(!?)が比較的容易になります。

 しかもどうやらこのゲームは“プレイヤーが育てたキャラクタ能力がNPCにも反映される”ようです。(ただしこの辺は裏付けを取った訳ではなく印象で書いていますが。)私自身取りあえず孫尚香を限界まで育てたという事で甄姫で無双モードを始めたのですが、途中の呉との合戦で登場した孫尚香の体力ゲージが画面から溢れんばかりの勢い(明らかにその面のラスボスよりも長い)で目が点になった事があります(笑)。要するに「より楽にゲームをクリアしたければ自分が使う勢力の武将を育てればいいし、よりハードなゲームを楽しみたければ相手勢力の武将を育ててもいい。」という事になるのでしょうか。多分すべての武将を限界まで育ててゲームを始めれば、それこそ豪傑達が並み居る雑魚どもを蹴散らして暴れ回る三國志の世界そのままの光景が展開するかと思われます。でもさあ、あの呂布って初期値でも化け物なのに、あれを限界まで育てたら一体どうなるわけ?(汗)。 (^^;;;(ちなみにこれに関しては、現在知り合いの某大学サークルのメンバーが実験をしてくれていますが。)

 あとこのゲームの凄いところは「どのキャラクタにも必ず欠点がある。」という部分だと思います。日本のゲームメーカーがこの手のゲームを作ると、やたら(特に主役級の)キャラクタを完全無欠にしたがるのです。(例えばS○KとかCAPC○Mとか。 (^^;;; あ、後者は伏せ字になってませんね《ぉ。)しかし真・三國無双2 にはそういう傾向は見られません。まあ間違いなくキャラクタ毎の能力差はあるのですが、それってこのゲームの世界観では“個性”で片づいてしまう問題です。また基本的にキャラクタの操作系が統一されているので、むしろそういった部分を楽しめたりもするのです。

 ○ ついでに苦言も書いてみよう

 私の周囲で真・三國無双2 を遊んでいる仲間にも、このゲームは概ね好評です。ただそんな中にも若干の不満点は出ているので今度はそれを書いてみます。

(1)セーブデータ管理の問題

 このゲームではプレイヤー1とプレイヤー2のセーブデータは同じ物を使います。つまり2人同時プレーで遊んでも、育てる事のできるセーブデータは1つしかないという事になります。例えば2人以上の人間が異なるセーブデータを持ち寄っても、結局ゲームで使えるのはどちらか一方のセーブデータでしかないのです。

 この問題は、特に多人数で真・三國無双2 を遊ぶ場合に影響します。真・三國無双2 ではキャラクタ1人が持てる武器のストックが4つ(3種類の武器を1つずつ+ユニー久武器)に制限されています。例えばあるキャラクタを使っていて攻撃力が高い武器とその他の特性が優れている武器が出た場合に、その選択で揉める場合が結構あるのです。これは個人毎にセーブデータが持てれば解決する問題なので、是非とも次回作では対策して頂きたいと思っています。

(2)世界観の維持

 最初の方でも触れたのですが、今回多くのキャラクタを追加したために、結構真・三國無双というゲームの世界観が崩壊の一歩手前まで行った気がします(笑)。実際真・三國無双の時も「これを遊んで『貂蝉ってああいうキャラクタなんだ。』と思い込んでる人がいる。」という話が出ているのですが (^^; あのゲームを見て大喬と小喬が両方とも人妻だって気が付く人ってどの位いますかね?。(特に小喬《爆》。)

 元々このゲームには「俺は孫尚香が劉備の嫁さんだなんて断じて認めん!」という世界観があるようで (^^;;; これ個人的には非常に好きだったりします(滝汗)。しかしこのゲームが“三國志”という歴史小説の世界観に依存している以上、やはりそれを崩壊させる事はやっちゃいけないのだと思います。その辺のさじ加減をどうするのか?、光栄さんの力量に期待したい部分ではあります。

(3)無双モード

 正直思うのですが、無双モードがあるキャラクタとそうでないキャラクタって成長のスピードが格段に違います。前の項目と矛盾するかも知れませんが、やはりすべてのキャラクタに無双モード(シナリオをクリアする遊び方)をサポートして欲しいな、と思っています。

(4)その他

 私はそれ程でもないのですが、一部に「弩兵がうざったい。」という意見がありました。これも世界観との兼ね合いがあるのですが、初心者救済として弓や弩を完全無効化する(あるいはヒット時のノックバックを無くす)アイテムがあっても良いのかも知れません。(ただし装備条件をかなり厳しくする必要はあるでしょう。《アイテム欄を2つ食う/動きが鈍くなる etc. 》)
あいせんの“本音の部分”

 これはあくまで私個人の印象ですが、多分真・三國無双2 は半年間あるいはそれ以上長い間やり込むゲームではないのだろうと思います。しかし購入から1〜2ヶ月位みっちりやり込んで、また半年あるいは1年経った頃に思い出したように取り出して遊ぶ。そういう遊び方で末永く付き合えるゲームに仕上がっていると感じています。少なくとも全キャラクタを一通り遊んでみてさっさと中古屋に売る系のゲームではないかな。

 掲示板にもちょっと触れたのですが、私個人は「なんで対戦格闘ゲームのメーカーに、こういう続編の作り方ができないのだろう?」と感じています。例えば真・三國無双2 における使用キャラクタ1つ取ってもそうです。前作でのやり込み次第で新作にて最初から使えるキャラクタが増える。自分が育てたキャラクタが場面によっては恩を徒で返すように自分に敵対してくる(笑)。そういうちょっとした工夫でゲームなんて物はいくらでも面白くなるのです。どうもそういう発想が格ゲーメーカーには無くて、相変わらずゲームの話題性をキャラクタに依存し、その数の多さとか隠しコマンドや時間制(プレー回数)で使用キャラクタを増やす事でしか客の目を引けない。これは何とも残念な事です。この辺が“成功するメーカーとそうでないメーカーとの差”なのですかねえ?。

 実を言うと、私個人は以前の光栄にはあまり良いイメージを持っていませんでした。「確かに出すゲームは良いみたいだけど、難易度も値段も高くてシミュレーションゲーム初心者な自分には手が出せない。自分で初心者お断りなゲームを出しておいて、それで『うちはユーザーが少ないのでゲームは高いです。』的な売り方は流石にひどいのでは?」というのがその理由でした。まあ私自身のそういうイメージが完全に払拭できている訳でもないのですが (^^; しかし少なくとも真・三國無双というシリーズには今後も期待しています。正確に言うと「 ω-Force さんの仕事には大いに期待しております。」という事になるかな。

 それと思うのですが、やはり「真・三國無双シリーズで光栄のゲームに手を出した層に、いかにして他の光栄ゲームにも手を出してもらうか?」が大事ではないかと私は考えています。まあそんな事は光栄のスタッフが心配すればいい話だ、そう言っちゃうと話は終わっちゃうのですが(笑)。まあ実際問題として、最近光栄さんは結構景気がいいみたいですしねえ。 (^^; この辺のノウハウというかやる気みたいな物の半分でも某社にあれば潰れずに済んだかも知れないのになあ(血涙)。

   

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