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都道府県選手権を考察するためのデータ
に関するコメント
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○ 総括

  Magic 都道府県選手権の3回目となる2006年は、全国の参加者総数が2404名となり、前年の2005年からは9%以上の増加となったようです。しかしながら1回目の2004年と比べると増加率は1%程で、これは「2004年の水準に戻した」と表現して差し支えない状況かと思います。日本での Magic の歴史は、この「大きく落とした後に持ち直す」という状況を、「大きく落とした」歴史をまったく省みず、その後の「持ち直した」という事実だけに脚光を当てることで、謝った状況判断を繰り返してきた歴史があるかと思います。あまつさえ現状に疑問を唱える意見を、業界の衰退をひた隠しにしたい"声の大きいバカ"が罵倒することで、過去の失敗をすべて有耶無耶にしてきた。そういう歴史は間違いなくあるのです。ただしその結果は、年商70億円規模だった日本の Magic を、年商8億円を切るまでに落ちぶれさせたわけですが。

 ただ、一時期は130万人いた日本の Magic 人口が15万人にまで減ったと言われる中、都道府県選手権にはそのうちの更に2400名(率にして1.6%)ほどしか参加していない。これは一体どういう事なのでしょうか。しかも日本の都道府県選手権は北米で開催されているChampsに比べて、わざわざルール適用レベルを下げてプレイヤーの間口を広げているはずなのですが。これははっきり言って「販促企画として失敗している」とまで言っても差し支えがない気がします。少なくとも"方向性を誤っている""多くの Magic プレイヤーの需要を満たしていない"とは断言して構わないでしょう。それは都道府県選手権が名目上「ビギナーレベル」という位置付けになっている一方、運営に関わる多くの関係者が「県内ナンバーワンを決める厳格な競技イベント」という見方しかしていない。もっと端的に言えば「初心者お断り(ただし参加費収入は欲しいから来場は歓迎するがな。HAHAHA!)」という発想ですべての事に当たっている。その事が動員に如実に表れているのではないかと思われるわけです。そうでないというのであれば、メーカーから支給された賞品を参加賞として手厚く振る舞い、上位の賞品は手土産程度で済ませる。そういう発想を持って動員を増やそうと画策する主催者が大勢現れても良さそうな気がします。ただし現実は動員を増やそうという意欲や工夫がイベント内にあまり見られないですし、そういう傾向が参加者数が少ない地方ほど強いという印象を受けるのがなんともあれですが。

 ここで1つ考えるべきは「2005年→2006年の参加者増がなぜ起こったか」でしょう。2005年までの都道府県選手権は、それこそ開催期日決定の段階から進行がグダグダでしたよね。 (^^; それが2006年はかなり早い段階で開催が告知された。じゃあ「なぜそれが第1回の2004年からできなかったのか?」ということです。更に言うと、一部に「土曜日開催は動員が不利だ」という意見があるようですが、じゃあなぜ米国のChampsのように全都道府県を日曜日開催にしないのでしょうか。それは某かの事情があって「できないからしない」んですよね。主催組織にそれだけの力がないからできていないのに、それで告知公開の遅れや土曜日開催で不便を被った参加者に詫びることもせず、あまつさえ別の機会ではそれを動員が少ない言い訳として堂々と列挙してしまっている。それは申し訳ないですが単なる「開き直り」でしかありません。この辺WoCはもう内部的にナアナアでやっちゃってるから諦めるとしても、タカラトミーが何も言わないのはさすがに問題ではないかと思います。「ちゃんと言うべき事を言ったから、2006年は開催告知を早めに出せた」のかもしれませんが、ならばもっと言ってやって、全地域の日曜開催をぜひとも実現させて欲しいものです。タカラトミーの担当者から言えないのであれば、TPGから派遣されるお偉いさんにでも言ってもらいましょうか?(嫌爆)

 あとは参加者数の東高西低という傾向が鮮明になり、なおかつ都道府県ごとの勝ち組と負け組の差が明確になりつつある、今の状況をどうするかという問題でしょう。今や関東地方だけで全参加者数の3割以上を稼いでいるわけで、これでは関東の方々が「日本の Magic は全然いけてるぜ!」という勘違いをされても仕方ありません(笑・・・えない)。ただ一方で地方では、既にDCI認定トーナメントの開催そのものが全県単位でほぼ休止している地域すらあります。うちの地元もプレリ・パーティーとFNM以外のイベントはほぼ皆無ですし、それらも参加者不足でフィズるケースが少なくありません。ただ旧代理店時代には「ポストホビー直営店の拡販も兼ねて Magic の販促経費で関東ローカルの企画やっちゃうぜ!」なんて愚行が実際に行われていたわけで (^^; そのツケが今になって覿面に現れている感じです。そういう点でタカラトミーは頑張ってくれていると思いますが、いかんせん旧代理店時代の手抜きがあまりにもひどく、後々まで影響が尾を引きすぎです。


○ 今後に向けた提案など

 現在日本国内で「全国規模で開催されて」「全国のプレイヤーがほぼ平等に参加できる」 Magic イベントとなると、今はそれこそ都道府県選手権位しかないわけです。しかも今は日本の Magic の売上が落ち込んでいて、これ以上新しい販促企画を立ち上げる余裕などないはずです。そうなるとこの都道府県選手権を、より販促企画として費用対効果の高い企画に昇華させる必要があるように感じています。ただしそれには前提となる条件があります。それは一言で言うと「地域の販売店が企画に参加でき、販売店がお客さんの選手権への参加を推奨できる内容になっている」ということです。更にぶっちゃけて言うと「選手権を利用して、自身が輸入したパックやカードを会場内でせっせと換金するバカは、会場から叩き出せ!」という事なんですが。 (^^;;;

 具体的には幾つかアイディアがあります。一定期間内に販売店でパックを買ったお客さんに、選手権の参加費を割引あるいは参加賞を進呈する引換券を配布する。選手権内で開催される限定戦のサイドイベントに、日本語版パックの持ち込みを認める。イベントが開催可能な販売店で予備予選的なイベントを開催してもらい、優勝者は参加費無料(上位入賞者は割引)といった特典を与える。「優勝者にBOX」という画一的な表彰を再考し、例えば参加者数が一定未満の地域では賞品を参加賞として全量配布してしまう。(上位入賞者が転売するよりは遙かにマシ。)その他いろいろです。少なくとも参加者数が少なくて、認定トーナメントどころか Magic そのものの維持すら危ういような地域は、まず何よりも"参加者に楽しんでもらう""地元販売店の売上に貢献できる"選手権を目指すべきです。

 表彰内容ですが、個人的には「参加者数の少ない地域は、賞品を今より更に減らして構わない」と考えています。参加者数が30名に満たないようなイベントで「県内最強プレイヤーを決める」なんてチャンチャラおかしすぎます。 (^^; ましてや参加者が30名に満たない地域と、参加者が100名を超える地域で、優勝者に与えられる賞品が同じというのも変な話です。それこそ参加者不足で選手権としての体裁を整えていない"選手権ごっこ"にまで企業の経費をつぎ込む必要はない。というか、そんな余裕は日本の Magic にはないので、なんとか参加賞が配れるギリギリのレベルまで賞品を減らしてしまえばいいです。それが嫌なら汗水垂らして地元の Magic を盛り上げ、関連イベントを毎月開催する位の意気込みで動員を増やせばいい。それだけの話です。ただし同時に「東京など参加者数の特に多い地域の賞品は、もっと増やしても良いのではないか」とも思います。そうしないと参加費収入に対して表彰内容がしょぼくなり、参加者から見た賞品の期待値というか費用対効果が低くなってしまうからです。

 個人的に思うのは、都道府県選手権という場を「自分が住んでいる地域での Magic の実状を体感し、今後を皆で考える機会」にして欲しいということです。当然参加者数を見れば、ある程度の検討は付くわけですが、更に賞品の差別化などを通じて、より現実的な危機感を与え「もっと地元の Magic を盛り上げなきゃ」「日本総代理店の Magic を買わないといかん」という動機付けをする場として利用すべきかと思います。やっぱり地元の Magic は地元の人間でないと盛り上げられないのですよ。ただ私が伺っている限りでは、少なくとも都道府県選手権の発足当初の開催目的には「地元の Magic を・・・」はあっても「日本総代理店の Magic を・・・」は含まれていなさそうなんですよね。 (^^; この辺は"主催がWoC"である事がすべてを物語っているわけですが。もしそういう発想が今も残っていて、先程書いた"自身が輸入したパックやカードを会場内でせっせと換金するバカ"が未だにのさばっている。またそういう参加者からパックやカードを買うことに、選手権参加への大きな動機付けを持たれてしまっている。そういう状況であれば、その発想こそを真っ先に改めるべきではないかと思います。さもないとこのイベントが、誰でもないタカラトミーから愛想を尽かされますよ。


このコメントに関する文責は、すべて私 あいせん にあります。
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