5月29日

ここしばらくの低温には、ガッカリさせられてしまう。
来る日も来る日も、朝から氷雨である。
おかげで、先週購入した食虫植物たちの元気がない。
特に、ハエトリソウは瀕死の状態だ。早々に屋内に避難させ、暖めている。
さて、
迷いつつも、早朝から採集の準備を静かに進め、夜明けとともに出立する。
目的地は、WH01でのコルリ採集である。久しぶりに沢山摘めると思うとニヤケテしまう。
順調に北陸道を北上するものの、金沢を過ぎたたりから、降雨となり、気温もどんどん下がり始める。
散々迷った挙句、途中下車となり、HOLへツヤハダ材割へと変更する事にした。
意志薄弱だ、こんな状況では、よき成果は望めないものだ。
予定時間通り、懐かしの駐車場に到着する。

天候は、薄曇り、肌寒いものの、天候は回復の傾向にある。
3000m級の峰々がガスに見え隠れしている。
装備を整え、準備運動した後、スタートだ。

かつて、クロスカントリーで進んだ林道を、ゆっくりとウォーキングしていく。
息が荒く、ペースを落とす。石楠花の花の朱色が何処となく寒そうだ。
50分後に目的地に到着する。
装備を身に着ける。採集兵器はもちろん、催涙スプレーを腰につけ、フォルダーから出して点検する。

満を持して、林に突入する。
ブッシュを掻き分けながら、赤材を探し始める。
足元が極めて怪しい、体力の喪失にはほとほと情けない観がある。
フラフラになりながら、耳を澄まして目を凝らして、赤材を探す。
林の斜面を中ほどまで登り詰めたころ、漸く、赤材を見つけた。
ミズナラの切り株である。赤い材は遠目にも見えて直ぐにわかった。
上部は乾燥しているので、下部に絞り込んで慎重に削り始める。

ほら、出た。
久しぶりのベンツマーク(ハートマーク?)だ。独特の長めの体型でもあり、見誤るまでもない。
成虫をを求めて、更に、掘り進む。

また出た。

食痕は少なく、材内部より表層近くに幼虫がいる。
成虫が出ない。
5幼虫を出したところで、打ち止めにする。まだ、この材には幼虫が居るだろうが、
数ヵ月後に成虫になってから、出てきて頂こう。それまで、お預けである。

久しぶりに幼虫とはいえ、クワガタを見て緊張した。
さて、
この林を脱出して、上流部のブナ林でコルリを探そう。
天候は回復して、日差しが強く、蟲が飛ぶには条件が整ってきた。
林道を進むと、残雪にそれは閉ざされた。

こーなっておるのか。
この時期にコレだけの積雪量はハンパじゃない。
更に、上流部の巨大なブナがなぎ倒されて、無残にも転がっている。

もしやと思い、探してみると、Dorcusの食痕があった。
標高や材質からいって、アカアシではなくヒメオオだろうね。
以前、とある材からヒメオオ幼虫を割り出したときも、このような感じだった。
秋に、パラソル持参で来てみよう。

こんな荒れた状態では、コルリの採集は無理である。撤収だ。

痛くなってきた左膝を気にしながら、帰路につくことにする。
なかなかツヤダハ採集は難しい。
幾つかの宿題ができたのが収穫だ。
久しぶりに幼虫飼育である。夏季の高温対策が大変なのだ。いざとなったら、
冷蔵庫で再冬眠させようかしら。あ〜、赤材の調達もせねば。
来週こそ、コルリを摘みたいものだ。

採集結果

  ミヤマツヤハダクワガタ(幼虫)  5exs
    

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