換羽のページ

主に、日本で見られるスズメ目の鳥類の換羽について簡単に説明します。


大まかな流れとしては、

@孵化ののち、初めて生えてくる羽毛⇒幼羽
             ↓            ↓
             ↓A.羽色が成鳥と明らかに違う場合が多い
             ↓ (羽色の違いの他、羽毛の作りが粗い、軸斑があるなど)
A生まれた年の夏に幼羽から生え換わる羽毛⇒第一回冬羽(1W)
             ↓                   ↓
             ↓ B.完全に全身換羽を行う種もあるが、C.部分的に幼羽が残る場合が多い
             ↓
B生まれてから初めて迎える冬〜春に生え換わる羽毛⇒第一回夏羽(1S)
             ↓                        ↓
             ↓               D.部分的な換羽で、E.行わない種も多い
             ↓
C生まれた年の翌年の夏に生え換わる羽毛⇒第二回冬羽
             ↓                   ↓
             ↓F.多くの場合成鳥とまったく変わらない羽衣となり、成鳥と区別がつかなくなる
             ↓
D生まれてから2度目に迎える冬〜春に生え換わる羽毛⇒第二回夏羽      
             ↓
             ↓
        以後CDのくり返し


A(1W)の場合、一見成鳥と似ていますが、大雨覆や初列雨覆、尾羽に残った幼羽を確認して年齢を判断します。(ツグミ科、アトリ科、シジュウカラ科など)


 完全換羽を行う種では羽衣では判断できないため、他の部位(頭骨の骨化虹彩の色など)を見て判断します。(ヒヨドリ、ウグイス、エナガ、ホオジロなど)

B(1S)は換羽を行う種でも、換羽するのは主に体羽のみで、風切羽や大雨覆はAのときに残った幼羽がそのままの場合が多いため、成幼の判断は比較的容易です。(オオルリ、キビタキなど)

Cで成鳥とほとんど区別がつかなくなり、この状態になると一般に「成鳥」としています。

@成鳥と幼鳥の違い ルリビタキの場合
 左がルリビタキの幼鳥、右が♀タイプ1W。
 このルリビタキを始め、ツグミ類やヒタキ類は幼羽に淡色の軸斑があり、1W以降と幼鳥では識別が容易な場合が多い。
B第一回夏羽 キビタキの場合
 左がキビタキの♂の1S、右が♂の成鳥。
 一見同じように見えるが、翼を見ると1Sでは大雨覆の外側2枚と初列雨覆が幼羽なので色が違うのが分かる。
 一方、右の成鳥では大雨覆も初列雨覆も色が一様である。

                   

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